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2017/04/27

都庁前通信 2017年4月27日号

F20170427

卒業式「君が代」不起立処分に抗議する!

 都教委は4月20日、卒業式で「君が代」の職務命令を拒否し、不起立をした2名の高校教員に対し、処分を発令した。不起立3回目の教員に対して戒告処分を、不起立4回目の教員に対しては、最高裁が「処分が重すぎて違法」とした減給1月を科した。私たちは処分に強く抗議し、処分の撤回を求める。
 一方、処分を覚悟して「君が代」起立の職務命令を拒否した2人の教員に対しては、心から敬意を表したい。

▼なぜ、「君が代」起立・伴奏の職務命令に従わないのか

 「君が代」起立・伴奏の職務命令を校長に出させ、その職務命令に従わない教員を処分する「10・23通達」を都教委が出して今年は14年目、これまでに起立・伴奏を拒否して処分された教職員は延べ480人にのぼる。
 都教委は、処分をすることの教育上の意味について、「起立する教職員と起立しない教職員がいると、児童・生徒は起立してもいいし、起立しなくてもいいと受け取ってしまう。」と言ってきた。 今年1月に開かれた校長連絡会と副校長連絡会では、「生徒への指導が適正か、教職員の指導状況を確認するように」と指示し、各校が作成し都教委に提出する卒業式の進行表に、「起立しない生徒がいたら司会が起立を促す」「全員の起立が確認できたら式を始める」といった記載がないと受け取らないという措置に出た。
 これらから見えるのは、「日の丸・君が代」について意味や歴史を知り、自分の頭で考え判断するという、教育が最も大事にすべきことをさせずに、子どもたちが『君が代』を起立斉唱し、上からの指示には考えずに従うよう教え込む。それが都教委の目指す教育ということだ。
 戦前の日本では、天皇のために忠誠を尽くすのが臣民の努めと説く「教育勅語」による刷り込みが、進んで戦場に行く子どもたちを作り出した。「教育勅語」と同一線上の刷り込みを、都教委は東京の子どもたちにしてきた。
 こうした刷り込みに手を貸してはならないとの考えから480人の教職員は、処分による不利益を覚悟して、職務命令を拒否してきたのだ。
北朝鮮との戦争も辞せずというトランプ政権、そして戦争ともなれば集団的自衛権行使で米軍とともに戦うことになる日本。このような安倍政治の中、「君が代」起立を拒否した教職員の処分に反対することは、子どもたちのため、社会のために極めて大事なことと思う。

▼「君が代」不起立処分に関する都教委発表は治安維持法下のよう

 都教委ホームページ「教職員の服務」を見ていただきたい。都教委は、例えば、女生徒の身体をさわり停職6月処分にした主幹教諭については「中学校(多摩地域)」と表示する。セクハラ・体罰等については学校名を表示しない。一方、「君が代」起立拒否での被処分者については学校名を表示する。そこには都教委と異なる考えを表明することは許さない、思想犯は容赦しない、大勢の批判に晒すという都教委の意思が見え隠れする。


4月13日都教委定例会傍聴報告 

 公開議題は報告2件のみ。そのうち、「都立特別支援学校における社会貢献活動モデル事業について」報告します。非公開議題はいつもながら、教員の懲戒処分について。

「都立特別支援学校における社会貢献活動モデル事業について」

 昨年度、特別支援学校20校の児童・生徒たちが高齢者施設を訪問し、あるいは学校に高齢者を招待して演奏・合唱・ダンスを披露したり、ハンドマッサージや高齢者の話し相手をしたりするなどの社会貢献活動を行ったところ、「こんなに喜んでいただき嬉しかった」(児童・生徒)などの感想があり、成果が見られたとの報告だった。
 そして、今年度は20校を、来年度は未実施の17校をモデル校に指定し、以降全都立特別支援学校で社会貢献活動を継続実施の予定という。今後はこの事業に、一般の小・中学生や地域住民の参加も促進するという。
この事業の目的は、「特別支援学校の児童・生徒が、地域の一員として、生涯にわたり自己有用感を得ながら生き生きと生活していくことを目指し、地域の人々に貢献するとともに、地域の人々と喜びを分かち合えることを実感できる活動の機会を創造する。」という。

 「地域の一員」「喜びを分かち合えること」を目指すというが、都教委は障がいを持つ子どもたちを、地域の一般の小・中・高校から排除し続けている。上記の目的を達成するためには、障がいのあるなしにかかわらず子どもたちが地域の学校で一緒に生活することを目指すべきではないか。排除をしておいて、「地域の一員として・・・自己有用感を得(させる)」云々はないだろう。

 4人の教育委員はこの事業を「素晴らしい」と絶賛。宮崎委員は「素晴らしい」の後に、「他校種ともダイバシティ・インクルーシブ(教育)に持っていけるといい」と言ったが、新しい概念をことばにしただけの虚しさを感じた。委員が本気で、ダイバシティ(多様性)・インクルーシブ(包括する、排除しない)を考えるのならば、都教委が障がいを持つ子どもを一般の学校から排除する現実を変えるよう、提案すべきではないのか。
 そもそも、都教委のいう「社会貢献」とは何なのか。ここには、「成果」「数字」で「社会貢献」度を測定する思考が働いていないか。共生の思想、一人ひとりの存在そのものを肯定する人権思想という強固な思想に裏打ちされない場合、「社会貢献」や「「自己有用感」は、社会の役に立たない人間は存在価値がないという障害者排除の思想につながっていく危うさを否定できない。

 特別支援学校は《障がいに応じた、一人ひとりの子どもに適した教育》が受けられる学校、と一般には認識されている。しかし、きょうだいや地域の子どもたちから隔離された中で育つことでの、相互のマイナス面、それによって生じる差別意識の醸成について、再考すべきと思う。
 日本の特別支援教育が世界の流れではない。インクルーシブ教育の概念が異なる。例えばスウェーデンでは、障がいのあるなしにかかわらず、地域の学校で一緒に学習・生活をするのがインクルーシブ教育であり、それは「自明のこと」と考えられていて、日本の特別支援学校・特別支援学級のような分離は必要最低限に抑えられている。その際には、子ども本人や保護者の意見を重要視している。

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2017/04/13

都庁前通信 2017年4月13日号

F20170413

子どもたちは国家のものではない
子ども自身のもの
――国も都も子どもたちを政治利用するな!

■改定学習指導要領は

 学習指導要領は10年毎に改定され、今年がその改定時期。幼稚園ではこれまでの「国旗に親しむ」に、「国歌、唱歌、わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親しむ」を加えた。中学校の保健体育の武道(必修)では、柔道や剣道など従来の8種目に加え、木銃を使って相手を突く「銃剣道」を加えた(銃剣は敵との接近戦で相手を倒す武器であり、銃剣道は戦前の学校教育で「竹槍訓練」として教えられ、現在は自衛隊が訓練に用いている)。社会科では、「竹島」「尖閣諸島」は「我が国固有の領土」との「政府見解」を書くことを明記した。「国家」のために役立つ「人材育成」を目指し、幼児期から子どもたちを鋳型にはめ込もうとしている。
 さらには、「外国語(英語)」を小学3年生から教え、5年生からは評定するとした。小学校の段階で英語が出来るかどうかで子どもたちは選別されかねない。

■小学校「道徳」及び高校の教科書検定で

 文科省は10年毎の学習指導要領改定を待たずに2015年に学習指導要領を一部改定し、道徳を「特別の教科」と位置づけ、評価を行う正式な教科とした。18年度から始める小学校教科書について先日、検定結果を公表した。
 1年生の教科書の、「友だちの家に“パン屋”」が登場する物語に対し文科省は、「国や郷土を愛する態度を学ぶ」という観点から「不適切」との意見をつけた。これを受け出版社は“パン屋”を“和菓子屋”に修正した。“アスレチック”を「不適切」とされた出版社は“和楽器店”に直した。戦争中、カタカナ外来語を全て「敵性語」として日本語に置き換えさせたことを思い出させる。
 同時期に行った来年度使用の高校教科書検定では、「政府見解を明記する」との観点から、集団的自衛権の行使を可能とした安全保障関連法について、政府が「限定的」と説明する根拠の、新3要件を詳しく書くよう求めた。
 安倍政権は子どもたちを一人の人格として見るのではなく、手段(=「安倍政権が目ざす国」をつくるための素材・材料)として見、「国家」の都合に合わせる従順な「人材育成」を、学校機関を使って行う。道徳は戦前・戦中の「修身」と同じく、国の求める道徳観を刷り込む危険性から、教科としなかったものである。安倍政権はそうしたことを無視して、暴走する。

■遂には、「教育勅語を教材…否定されない」と閣議決定

 3月31日、政府は「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることは否定されない」と閣議決定した。憲法や教育基本法に反するから失効決議をした(1948年)ものを、使用していいとわざわざ閣議決定したのはなぜか。教育勅語の核心部分は、「ことが起これば国に身を捧げて皇室を守れ」である。子どもたちに対し、「お国のため」にすすんで自衛隊に入隊し戦場に行く気概を持てと、政府が考えるからに他ならない。
そもそも、教育勅語は天皇が国民に下した命令であり、民主主義とは相容れない。

■「日の丸・君が代」の強制に私たちが反対するのは、学校は「お国のための人間」育成をしてはならない、教育行政から干渉を受けずに、子どもたちの人格形成の助けをすべきと考えるからです。


3月23日都教委定例会傍聴報告 

■華々しく次々に打ち上げる都教委施策に自画自賛

 非公開議題には「『いじめ防止対策推進法』28条に基づく調査について」があった。2月終わりに新聞報道された、原発避難で千代田区小学校に転校してきた3人の児童がいじめを受けていたこと=「重大事態」についての調査報告か。都教委は2015年にいじめにより自殺に追い込まれた高校生の件についても未だ、定例会で公開議題にしていない。したがって、東京の公立学校に周知徹底していないだろうし、身近で起きた教材として子どもたちに提示していないだろう。今回の調査報告とともに、子どもたちが考え受け止められるよう、資料を開示してもらいたい。 以下、公開議題6件のうち、2件について報告します。

1 「英語村(仮称)」事業における事業者、施設名称及び事業概要について

 グローバル社会に生きる自分を発見する体験型英語学習施設「英語村(仮称)」について、以下決定したとのこと。

施設名称:TOKYO GLOBAL GATEWAY
事業者:株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAY
構成員:株式会社学研ホールディングス 株式会社市進ホールディングス 
株式会社エデューレエルシーエー  一般財団法人英語教育協議会 株式会社博報堂
開設場所:タイム24ビル(江東区 ゆりかもめ「テレコムセンター」駅から徒歩2分)
都による財政支援:施設賃料の全額及び、開業前の施設改修経費の2分の1を支給
開業予定:2018年9月
料金:半日コースで2400円、1日コースで4800円。小学校から高校の団体利用優先。

 <かなり大きな予算>を<特定の民間業者>に丸投げし、教育産業に市場を提供してやる。このような営利目的の民間業者の教育事業を体験することで「グローバル社会に生きる自分を発見する」ことになるという発想は安易すぎないか。税金の使い方として適正なのか疑問だ。しかし、この点について教育委員から発言はなく、出された発言は「料金が高いのではないか」「いや、それ(料金が高い)だけの価値がある体験内容だ」(教育長)、「都の事業だから、都から人を出せたらよい」というものであった。
 ここに投じる税金・教育予算は、本来は各学校に配り、すべての子どもたちに使われるべきものである。すべての子どもたちに行くべき教育予算を、都教委が目玉とするこうした事業、エリート育成事業に使うのは許されることではない。しかし、その意識が都教委にも教育委員にも全くない。

2 新国際高校(仮称)の設置について

 国際高校の入学者選抜の応募倍率が高いことからこの高校の設置を、「都立高校改革推進計画・新実施計画」(2016年2月)に決定していた。学科は理数教養系と語学教養系(=第二外国語必修)で、どちらも海外進学コースを設置する。インターナショナル・スクール等との交流や、大学・外資系企業との連携等国際色豊かな教育環境を整備できる立地条件を満たす港区白金に、できるだけ早期の開講を目指す。

 このような、都教委が次々に打ち出す〈エリート育成にお金を投じる施策〉は、全ての子どもの人格の完成という教育の目的、所得格差と教育格差といった教育をめぐる現状からみて教育予算の配分として適正かどうかなど、十分な検討がなされたとは思えない。あまりに性急だ。

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2017/04/04

解雇させない会ニュースNO.60の記事訂正とお詫び

今回送付した「解雇させない会ニュースNO.60」に以下の誤植がありました。

ここにお詫びして訂正させていただきます。

誤植箇所: これからの予定 08年事件判決日(P.14 最終行)

【誤】 5月2日
 ↓
【正】 5月22日

なお事務局ブログなどインターネット上では既に訂正済みです。



解雇させない会ニュースNo.60

Newsno60

「newsno60.pdf」をダウンロード

 

解雇させない会ニュース一覧表
解雇させない会ニュース一覧表を作成してあります。
左側の赤いピンアイコンのリンク先を「お気に入り」に登録することをお薦めします。



2017/03/26

都庁前通信2017年3月23日号の訂正とお詫び

都庁前通信2017年3月23日号に以下の誤記がありました。

教育総合会議に参考人として呼ばれた校長たちの人数を数え間違えていました。

【誤】 6人
 ↓
【正】 5人

お詫びして訂正させていただきます。
なお訂正箇所はすでに差し替え済みです。



2017/03/23

都庁前通信 2017年3月23日号

F20170323


都教委は、「君が代」不起立処分をするな!
「日の丸・君が代」強制、行き着く先は森友学園

 「君が代」起立を求める職務命令を校長に出させ、その職務命令に従わない教職員を都教委が処分することを始めて14年、今年も職務命令に従わなかった=「君が代」起立を拒否した教員がいます。自らの不利益を覚悟して職務命令を拒否する教職員は共通して、教員だからこそ、子どもたちを前に間違った命令には従えない・従ってはいけないと考えています。本日の教育委員会定例会で議題になると思いますが、教育委員は「君が代」不起立処分に同意しないでください。

■「愛国心」刷り込み教育は森友学園だけではない、文科省・都教委も同じ

 日本会議のメンバーであった籠池氏が経営する森友学園・塚本幼稚園の教育が、教育勅語の暗証等、あまりにも右翼的と批判されていますが、「日の丸」を常時掲揚し、園児たちに「日の丸」の小旗を振らせ、「君が代」を歌わせていることに問題はないのでしょうか。
 「君が代」は「教育勅語」とともに戦前・戦中、「お国のため・天皇のため命を捧げる」ことを子どもたちに教え込むことに使われました。そして、「日の丸」は兵士を戦場に送り出し、侵略戦争を進めるハタ(「きょうも立てるぞ日の丸を」(朝日新聞1937年11~12月))でした。
 森友学園問題をめぐって、極端な愛国心の刷り込みは問題視されるようになりましたが、2006年教育基本法の改定に始まり、安倍首相の私的諮問機関である教育再生実行会議、それを受けた文科省が次々と打ち出す「教育再生」は、森友学園と同質の「愛国心」刷り込み教育です。ここにきて、政府は、幼稚園・保育園児にまで「日の丸・君が代」を強制しようとしています。安倍首相は、自らが考える「真の日本を取り戻す」ためには、「愛国心」刷り込み教育によって全国の学校を森友学園化したいと考えていたのでしょう。安倍首相の妻・昭恵氏は「(塚本幼稚園の)教育方針は大変主人も素晴らしいと思っている」と言い、安倍首相自身は籠池氏について「私の考え方に非常に共鳴している方」(2 月 17 日国会答弁)と親密ぶりを示していました。
 また、都教委の教育施策――「君が代」不起立処分、オリンピック・パラリンピック教育、都教委作成の副読本による道徳教育、育鵬社版中学歴史・公民教科書の採択、実教出版社高校日本史の使用禁止等々――も政府の一方的な価値観・愛国心の注入という点で、森友学園と同質と言えます。

■「日の丸・君が代」に私たちが反対してきたのは               

 子どもたちへの「日の丸・君が代」の刷り込み、その目的のために「君が代」起立・伴奏をしない教職員を処分することに私たちが反対してきたのは、戦前戦中の「愛国心」刷り込みの轍を踏んではならないと考えるからです。自分の頭で考えずに、指示命令で動く子どもをつくってはいけない、子どもたちを再び戦場に送ってはいけないと考えるからです。
 東京の公立学校の子どもたちは塚本幼稚園よろしく、「日の丸・君が代」の意味や歴史を理解しないまま、「国旗に正対し、国歌を斉唱」させられています。「日の丸・君が代」の強制と教職員処分の行き着く先は、森友学園です。
森友学園問題をきっかけに、私たちは、事実や道理をもとに子どもたちが自分の頭で考えることのできる教育を受けられるよう、都教委の教育施策を総点検し発言していかなければ、と思います。


3月9日総合教育会議傍聴報告
副校長のなり手がいない!
職階制、都教委の学校支配の弊害を考えるとき


■議題は1件、「教育管理職の確保について」

 管理職、とりわけ副校長の受験希望者が極端に少なく、受験者を増やすための対策を講じなければならないところに都教委が追い込まれての議題であった。「教育管理職を取り巻く現状と課題」について中井教育長が資料をもとに説明し、その後、参考人として呼ばれた都内公立小・中学校の校長・副校長・教員、男女各1名ずつ計5名の意見を聞くというものだった。
  傍聴して、これでは受験希望者は増えないと感じた。5人の参考人は都教委の教育施策に批判的な人ではないから、抜本的解決には至らない話ばかり。管理職受験希望者だけでなく、新採の受験希望者も非常に少ないのは、都教委の教育施策に批判が多いことの現れではないか。批判されているのは何か。それを学ぶことが、都教委に必要ではないのか。
  「教諭→主任教諭→主幹教諭・指導教諭→副校長→校長」の職階制を敷き、このコースに乗るための研修体制も整えたが、管理職受験希望者数は減少したという現実。都教委が上から学校を統制・支配するような職階制が破綻したのだ。職階制、賃金査定、都教委の学校支配の弊害を都教委は振り返るべきだ。「君が代」不起立処分をしたくない管理職は少なくはない。
 筆者は、管理職は不要と考えるから、管理職の確保に関心はない。しかし、都教委が確保をしたいのならば、ピラミッド組織を止め、都教委が嫌う「鍋蓋」組織に戻すことだ。管理職が都教委の指示通りにその実行を職員に指示するという上意下達の働かされ方を止め、かつてのように、職員会議で論議し学び合いながら協働する学校組織に変えること、それが、教員がいきいきと働き、子どもが楽しいと思える学校になるのだ。管理職希望者も増えるはずだ。

■「教育管理職を取り巻く現状と課題」についての中井教育長の説明

1.教育管理職(校長・副校長)選考の状況
  2016年度は、  ①必要数572人    ②受験者数450人(うち女性は125人)  ③合格者数418人(116人)④不足数=①-③=572-418=154人
  不足については、定年退職した再任用校長・副校長で対応しており、現段階で欠員は生じていないとのこと。   

2.2017年度の新たな取組
  ①副校長の多忙解消に向けて、副校長の業務を担う非常勤職員を配置する。2017年度は、1900校のうち小学校6校、中学校6校で試行実施。
  ②受験できるのはこれまでは主幹教諭だけだったが、これに加え、46歳~53歳の主任教諭まで拡大するよう制度を改正する。これにより、受験有資格者が、これまでの3倍、女性ではこれまでの5倍になる。
  ③副校長の管理職手当の引き上げ:現行の月72300円を80700円に。校長は現行の月104500円(中井教育長は「80700円、これで(受験希望者増を)期待するのは無理かと思うが」と付け足した)。

■参考人の発言を受けて教育委員は

校長:管理職受験を職員に勧めるが、職員は「自信がない」「子どもと関わりたい」「時間が厳しい」と言う。
副校長:管理職になると子どもから離れるイメージがあるから、私は休み時間は子どもと遊んでいる。
10年目の教員:研修会に参加して自信が持てるようになったので、管理職になりたいと思う。/(一部抜粋)

5人の話を聞いて教育委員たちは、副校長の業務の見直し、女性が働きやすい働き方改革が必要とまとめたが…。

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2017/03/09

都庁前通信 2017年3月9日号

F20170309_2

森友学園は安倍政治の象徴だ

  マスコミが報じるように、大阪市の学校法人「森友学園」をめぐる国有地売却と小学校認可の過程は国の行政側の
異例ずくめの対応と優遇措置がとられている。評価額 9 億 5600 万円の土地が 1 億 3400 万で払い下げられ、さらに
ゴミ処理費用 1 億 3200 万を国が負担し、販売価格は実質 200 万円。政府が森友学園・篭池理事長に特別の計らいを
したことは明白です。なぜこのような優遇措置がとられたのか。それは森友学園が安倍首相の理想とする教育(「愛
国教育」)を具体的な形で実現しているから。森友学園問題は、安倍政治の象徴です。

■日本会議と安倍政権

 安倍内閣は、20人の閣僚のうち13人が「日本最大の右派組織」である「日本会議」の政策実現に努力する「日本会議国会議員懇談会」に所属する。鴻池理事長もまた、日本会議関西支部の幹部だという。
 日本会議はこれまで、右翼周辺団体と協力し合いながら、最大の目標である改憲運動のみならず、夫婦別姓反対、閣僚・政治家の靖国神社参拝推進、慰安婦問題での朝日新聞への攻撃、教育基本法への「愛国心条項」の追加等々、ここ20年ほどの間に立ち現れた「戦前の価値への回帰」「右傾化」路線を支える圧力団体として活動してきた。入学式・卒業式での「日の丸・君が代」の強制もこの流れの中にある。自民党は、日本会議路線に沿うように軌道修正してきて、安倍第2次内閣でほぼ完成に近づいたと言える。
  さて、森友学園の土地取得に関し、安倍首相は「関与していない」と言い、まるで被害者のように装うが、財務省近畿財務局などの行動を見れば、政権上層部からの指示なしで動いたとは思えない。2015年9月2~4日の安倍夫妻の不可解な行動(財務省幹部との懇談。直後の大阪行き。塚本幼稚園で、妻が名誉校長就任の挨拶)を見るだけでも、関与疑惑は濃厚だ。自らの関与を否定するならば、安倍首相は関係機関にすべての資料を出させ、妻をはじめとする関係者を証人喚問するよう取り計らうべきだ。しかし、安倍首相は大手報道の記者を食事に招き、報道へ圧力をかけている。

■日本会議・安倍政権の「愛国心教育」

 教育勅語を暗唱させ、運動会では「日本を悪者として扱っている中国、韓国が心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願いします。安倍首相がんばれ、安保法制国会通過良かったです」と言わせる塚本幼稚園の異様な洗脳教育。首相の妻は、「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任した15年9月の講演で、「(塚本幼稚園の)教育方針は大変主人も素晴らしいと思っている」と言い、「せっかくここ(幼稚園)で芯ができたものが、(公立の)学校にはいってしまった途端に揺らいでしまう」と言った。
 妻の発言は日本会議の考えそのものである。戦後教育は、国の考えを子どもたちに刷り込み、「お国のため」命を捧げることを求めた戦前の教育の反省に立ち、教育勅語の失効から始まった。「お国のため」ではなく、「子どもが主体」の教育に替わったのだが、安倍内閣・日本会議は、戦前の教育に変えようと、一次内閣で教育基本法を改定し、二次内閣ではその具体化に着手した。社会科の教科書検定基準に「政府見解を記載する」を追加(「領土」「南京大虐殺」「沖縄戦」等)、道徳の教科化、幼稚園・保育園での「日の丸・君が代」強制等々。
 また、国際社会が認識する「日本の侵略」を「アジア解放独立への希望(をもたらせた)」と書く育鵬社の中学校歴史教科書(安倍首相の写真を15枚も掲載し、安倍広報誌のような同社中学公民教科書)の執筆者である八木秀次氏は、安倍首相が設立した「日本教育再生機構」の理事長だ。育鵬社教科書を採択させようと、教育再生首長会議が立ち上げられ、いくつかの自治体が同教科書を採択した。こうして今、「愛国心」洗脳教育が急ピッチで進んでいる。
 学校教育を通して子どもたちを洗脳し、大人は「共謀罪」で監視する。それが、戦争法を「成立」させた安倍政権の政治なのだ。今こそアベ政治を断ち切るべきときだ。

■都教委は育鵬社歴史・公民教科書を都立中学校に使わせてきた。都教委作成の「オリンピック・パラリンピック学習読本」や道徳教材集で「都教委見解」を刷り込んでいる。  小池都知事も日本会議所属。


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2月23日都教委定例会傍聴報告

■またもや、失敗に学ばない新たな施策
「東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書について」

 中央教育審議会(文科省)の「チームとしての学校のあり方について」(略して「チーム学校」)の答申を受け、都教委は検討委員会をつくり、昨年6月から12月まで7回の検討委員会(学識経験者3名+学校関係者3名で構成)を経て報告書を出した。
 報告書は「これまでの学校体制」について、「管理職も教員も、対等な立場で学校運営に携わるべきだという考えの下に運営がなされ、・・・校長の学校経営方針が教員に十分に浸透」しなかった。都教委はこれに対し、「校長・副校長を中心に、主幹教諭が副校長などを補佐しながら、学校運営を進めていく体制づくり」を進め、「校長や副校長・教頭に業務が集中する『鍋蓋型組織』の弊害を打破し、職層に応じた業務分担ができる『ピラミッド型組織』に変換を図った」と評価した上で、校長のリーダーシップのもと、チーム学校の実現のためのマネジメント力を強化するのだと言う。まず押さえるのは、校長のリーダーシップ・指示命令の強化である。
 そして、これまでは「子供をめぐる様々な教育課題については、教員が『多能化』する(=教員がすべてを受け持つ)ことで解決を図ってきた」が、「教員の「多能化」には限界が生じ、本来の業務である授業や学習活動に費やす時間が十分に確保できない状況となった。」
 そこで学校を、従来の教員を中心とした学校組織から、「教職員が多様な専門人材(カウンセラー、ソーシャルワーカー他)と連携・協働しながら対応していく新しい学校観(チーム学校)」への転換を図るのだという。  チーム学校を実現するために早急に取り組むべき4点を挙げる。

  1.学校マネジメントの強化=副校長を支援する人材を、非常勤職員で新たに配置する。
  2.小・中学校事務職の1校1人配置を止め、共同実施を進める。
  3.教員と専門人材の役割分担と連携、部活動指導における外部指導員の活用。
  4.地域との連携。地域の組織をまとめるコーディネーターの育成支援や地域との窓口となる教員などの育成。

 報告を受けて遠藤教育委員が「地域」について、「地域の父兄(ママ)がサポートするのに、片や、学区自由・学校選択制では、地域はいつまでもお題目だけと私は考える」と、いつもの持論を発言したが今回もこの一言発言で終わってしまった。この点だけでも徹底的に論議したら、都教委の施策の誤りや矛盾が明らかになるだろう。
 部活動の外部指導員についてはかなり以前に導入したが、指導手当も少なく、頓挫した。スクールカウンセラーを配置した効果について、11月10日の定例会で担当者は、「教員とスクールカウンセラーが連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、どういうわけか過去2年間よりも減少した」と報告した。大勢の目で子どもを見守る、相談に乗る、と言えば聞こえはいいが、子どもにとっては“たらい回し”と映るのではないか。その子が最も信頼できる教員・大人がじっくりとかかわってはじめて、子どもは心を開くのだ。
こうした失敗に学んでいない「報告と今後の取り組み」である。欧米のように、少人数クラスや複数担任制の採用が解決への第 1 歩だ。
 そもそも、「ピラミッド型」学校運営は成績査定、昇給、進級を絡めた人事管理で教員のチームワークを弱め、子どもの学びの場である学校を、都教委の考えを刷り込む場に化し、管理職も含め、教員たちの働きたい気持ちを萎えさせてしまったのだ。副校長のなり手が極端に落ちた時期を見れば、そのことは都教委にも自明なはずだ。

都庁前通信へのリンク



2017/02/23

都庁前通信 2017年2月23日号

F20170223

 道徳の教科化、小学校からの英語、プログラミング教育、政府見解の記述を求めた社会科教科書検定基準等々、政府・財界の求める「人材」づくりが学校教育を使って急ピッチで進んでいる。教員と子どもたちとの人格的触れ合いの中で子どもたちの人格が育っていくことより企業に役立つ人材を、そして、経済格差と教育格差が問題となっている中で、ごく一部のエリートと大多数の指示命令に従う人材を作っている。ここに来て文科省は「愛国心」=「日の丸・君が代」の刷り込みを、幼稚園・保育園児にまで広げることを宣言した。判断力の十分でない幼いうちに「愛国心」を注入しようというのだ。国が教育を軍国主義・国家主義注入の手段として使い、子どもたちを戦場に送ってしまったという反省から戦後日本の教育が始まったことを忘れてはいけない。国民の精神を改造することは、戦争のできる国づくりのために欠かせない施策の一環だ。文科省や都教委による子どもたちの洗脳を許してはならない。


幼稚園で国歌  刷り込みにならないか

  幼稚園や保育所で幼い子どもに歌わせることがふさわしいのか。国は現場に押しつけるべきではない。
  文部科学省が幼稚園の教育要領案で、文化や伝統に親しむ例として、唱歌やわらべ歌とともに「国歌」を示した。小中高校の学習指導要領にあたるものだ。厚生労働省もそれを踏まえて、保育所の運営指針の改定案に、国旗と国歌に親しむことを明記した。
  伝統的な習わしや文化に親しむことは大事だろう。ただ、なぜ君が代でなければならないのか。
  かつて国家主義や軍国主義に結びついた歴史的な経緯から、教育の場へ持ち込むことに反対する声は少なくない。幼い子どもたちに歌わせることは“刷り込み”にもなりかねない。
  日の丸、君が代は、小中高校の学習指導要領に入学式や卒業式で「指導するものとする」とされた1980年代以降、現場への締めつけが強まった。お墨つきを与えたのが国旗・国歌法だ。
  国として強制したり義務化したりすることはない―。99年の法制定当時、政府は述べていた。ところが文科省は各学校に掲揚と斉唱の徹底を求め、実施状況を調査して圧力を強めた。
  従わない教員への懲戒処分も相次ぐ。それに対し、憲法が定める思想・良心の自由を侵害しているとして、処分取り消しを求める訴訟が各地で続いている。
  安倍晋三政権下では、国立大学の入学式、卒業式でも掲揚と斉唱を求める声が上がり、文科省は一昨年、「適切な対応」を要請した。学問の自由を尊重する姿勢を欠く不当な介入と言うほかない。
  そして今回、幼稚園や保育所にも持ち込もうとしている。幼児教育から高等教育まで、あらゆる段階で国家統制の色合いが強まっていかないか、心配になる。
  教育は政治権力から独立して行われるべきものだ。国の責務は基盤や条件の整備にあり、教育内容への関与はできる限り抑制的でなければならない。学習指導要領が法的拘束力を持つことを最高裁の判決は示しているが、あくまで大綱的な基準としてである。
  政府の考えを現場に押しつけることは教育をゆがめる。子どもが生き生きと学び育つことにつながらない。要領や指針の本来の趣旨を超えた干渉はすべきでない。
  君が代、日の丸の強制は弊害を生んできた。幼稚園や保育所にまで持ち込むのを避けるとともに、教育の場での扱いをあらためて議論し、見直す必要がある。(2月16日信毎 web)


2月9日都教委定例会傍聴報告

■「いじめ総合対策〈第2次〉」の策定――いじめに向き合うことのないいじめ対策か?
 11月に提案され、パブコメを募集、そして今回上下2巻の冊子を作り、全教員に配布し、学校・教員がいじめ防止・解決に向けた取り組みをするよう指示する。実施期間は来年度から向こう4年間。
 上巻は4つの段階「未然防止、早期発見、早期対応、重大事態への対応」に応じて、学校の具体的取組を説明する。例えば、重大事態への対応(サブタイトル「問題を明らかにし、いじめを繰り返さない学校づくり」)では、「年間3回以上実施する校内研修のうち、1回以上」は「(重大事態の)内容を確認し、理解を深める」「対処に係る責任は、学校のみならず、所管教育委員会や地方の公共団体の長にまで及ぶことを十分に理解すること」「子供や保護者から申し立てがあった場合は、必ず重大事態が発生したものとして、調査・報告に当たること」とある。
 下巻の前半は、小学校低学年・高学年・中学校・高校・特別支援学校別に授業教材・資料を示し、その授業の展開例、板書例を4例ずつ示す。「教員が自信を持って授業をできるよう、都教委は学校・教職員を支援する」というが、子どもたちの生活の中で起きているいじめの現実に蓋をしているのでは、いじめは解決しない。現実に起きている学級・学年でのいじめに子どもと教員が向き合うことが大事であり、必要なのだ。文科省・都教委がいじめ調査を年に数度してもいじめがなくならないのはなぜか、福島から避難した子どもたちが教員からもいじめを受けるのはなぜかについて考えたなら、子どもや教員が目の前で起きているいじめに向き合うに至らなかったことがわかるのではないか、と思う。
 下巻の後半は年間3回以上実施する校内研修のプログラム及び、いじめに対処した成功事例をあげる。2冊で260ページに及ぶ。忙しい中で、しっかり読む教員がどれほどいるだろうか。
 冊子について、どの教育委員も「充実した内容」「素晴らしい資料」と絶賛したが、自身の責務を忘れてはいないかと思った。上巻「重大事態への対応」を読めば、子どもや保護者からの訴えにはその意思を尊重して丁寧に当たり、学校及び教育委員会は責任を持って対処しなければならない。しかし、一昨年9月、いじめが原因で自殺した小山台高校生の遺族が昨年 2 月に高校に調査結果を求めたが提供されなかったため、4月に都教委に情報開示請求をしたところ、都教委は「調査部会が干渉や圧力を受ける恐れがある」として、24ページの一部あるいは全てを黒塗りにして回答した。都教委は「真相を究明したい」という遺族の気持ちを踏みつけたのだ。
 都教委のすべきことは、この事件について一刻も早く、遺族に対して情報を提供した上で、東京のすべての学校に、身近なところで起きてしまったいじめの実態を知らせるとともに、教員研修、授業の取り組みを促すことである。そうすることによって、冊子が「絵に描いた餅」ではなく、活かされるのだ。このことを、都教委関係者に喚起したい。

■管理職手当支給に関する規則の一部を改正する規則の制定について
 校長に次ぐ地位なのに忙しすぎてなり手が少ない。定年退職をした再任用者を充てても副校長に欠員が生じる事態に都教委は、副校長の管理職手当を現行月額72300円から改正後80700円(再任用副校長では53000円から59200円)に上げるという「改正」案を提案、可決した。この程度のお金で、釣られる教員がどれほどいるだろうか。
 東京都では本人の希望で副校長職から降りたのは25人と前年度より4人増えた。都の副校長選考試験の受験倍率は毎年1.0倍台だ。
 主任教諭、主幹も含め、管理職のなり手が少ない現状の中、今後は副校長の受験資格を現行の主幹教諭だけではなく、主任教諭からの登用も考えたいとも発言。都教委が学校支配をやめ、教員みんなが自由に話し合って、協力して学校運営に当れるように、各学校に決定権を返さない限り、働く意欲は高まらず、管理職の受験倍率は上がらないと思う。

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2017/02/09

都庁前通信 2016年2月9日号

F20170209

■これは高校生に向けて配布しているチラシの文面です。皆さまにもお読み頂きたく、転載します。

オリンピックってなんだ!(第3弾)
オリンピックは誰のためにやるの?
ー「学習読本」は、長野五輪の問題点をなで書かない?

 「スポーツ庁の鈴木大地長官は13日、多額の維持費と老朽化が問題となっている1998年長野冬季五輪のそり競技会場「スパイラル」について、長野市の加藤久雄市長から存続に向けた国の支援を求められ、現状以上の財政支援は困難との考えを示唆した。」(2017年1月13日19時56分共同通信による)という。
 長野オリンピックから19年が経過した今も、維持費や施設の老朽化が問題になっていることは皆さんが学ぶ「オリンピック・パラリンピック学習読本」には書いてありません。

 「学習読本」に長野大会はどのように紹介されているでしょう。53ページ、85ページで「オリンピックの環境対策」「自然環境保護にも力を入れた」と題して次のように書いています。
 「1998年の第18回長野冬季大会では、『美しく豊かな自然との共存』が理念として掲げられました。競技施設は可能な限り既存の施設を活用するようにし、新たに建設する場合でも森林の伐採をできるだけ少なくしました。さらに大会後には森林の復元にも配慮しました。スキー競技のコース設定では、スキー場内にある国立公園に影響を与えないように努めました。また、開催式では、地面に落ちて水分に触れると分解される素材を使った鳩風船を飛ばし、・・・」と書き、長野オリンピックが残した問題点には一言も触れていません。

 当時、長野市民の中にはオリンピック開催に反対する人たちがいました。この人たちが配った「オリンピックいらない!宣言」の一部を紹介します。このような声から、みなさんは何を考えるでしょうか?

『オリンピックいらない!宣言』   1998年2月7日
 私たちは、「カネで買ったオリンピックで自然を破壊し、子どもたちや市民を動員し、市民生活を制限し、ばく大な借金を次世代に残してまで強行される」長野冬季オリンピックの開催に強く抗議します。
(1)  自然環境を破壊するオリンピックはもういらない!
「自然と共存するオリンピック」なんて全くの大ウソである。冬季オリンピックはたった 2 週間のオリンピックのために長野県の生態系をズタズタにし、取り返しのつかない自然破壊を起こした。IOC はテレビ・メディアに、オリンピックをより高い商品として売るために、開催地に自然破壊を強要する。
(2)  住民に財政負担を押し付けるオリンピックはもういらない!
金で買った長野オリンピックを開催するために、1兆5000億円以上の税金が使われた。しかし、その支出は大会開催の今になっても、ハッキリと住民に公開されていない。長野県の借金は現在1兆4439億円、長野市の借金は1933億円、白馬村の借金は116億3000万円である。県の借金を合わせると、長野市民は一世帯あたり355万円、白馬村民は一世帯あたり563万円と、子どもの世代までオリンピックの借金を返済しなければならない。(以下略)

 1964年の東京五輪は翌年オリンピック不況にみまわれましたが、その後も10年近く10%程度の高度経済成長が続きました。その時代とゼロから2%台の成長率が20年も続く今の違いを冷静に見つめるべきです。2020年東京大会開催費用についても、長野と同じような問題が後の世代にかかってきます。私たちは、オリンピックの華やかな部分にだけ目を奪われるのでなく、過去のオリンピック開催の問題点を広く把握し、考えることが必要なのではないでしょうか。


1月26日都教委定例会傍聴報告

■「東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画(案)の骨子に対する意見等について」
――パブリックコメントでしか発言できない教職員たち

 2004年度からの都特別支援教育推進計画(第一期)が終わり、来年度から向こう10年間の第二期に向けての計画案が出され(11月)、それに対するパブリックコメント公募(12月)の結果が報告された。
 その結果に入る前に、  第一期の<主な成果>が報告された。<主な成果>は次の3点という。

①  知的障害特別支援学校の企業就労率の上昇 35.2%(H19) → 46.4%(H27)
②  知的障害特別支援学校の普通教室数の増加 736 教室(H16) → 1,239教室(H28)
③  スクールバスの平均乗車時間の短縮 72分(H16) → 60分(H28)

 2017年度からの第二期は、「障害者権利条約の批准と関連する国内法の整備や、インクルーシブ教育システムに関する国の動向、障害者差別解消法の施行など、障害者を取り巻く環境は大きく変化。また、主権者教育の推進等の新たな課題への適切な対応が求められるほか、オリンピック・パラリンピックの開催、『2020年に向けた実行プラン(仮称)」の策定』」という状況変化に対応した特別支援教育を推進すると謳う。そして、「知的障害のある児童・生徒を中心に、今後も在籍者数の増加が見込まれる。」と言い、発達障害の児童・生徒への特別支援、副籍制度による交流(「障害のある子供たちと障害のない子供たちの相互理解や、思いやりの気持ちを育て、将来の共生社会を実現するための取組」)や「視覚・聴覚障害特別支援学校における進学指導の充実」などの「キャリア教育の充実」、そのための「専門性の高い教員の確保・育成」等を挙げる。

 インクルーシブ教育、共生社会と言いながら、どの子も一緒に育つという発想が都教委には(文科省も)ない。報告者は、「副籍制度による交流をする際に、偏見を取り除くよう指導が必要となる」と言ったが、偏見の原因がどこにあるかを都教委は考える必要がある。また、日常的に分離しておいて、年に1度か2度の交流をすることで共生社会の実現に向かうかを考える必要がある。
 障害のある子どもたちと障害のない子どもたちの分離を基本にしていれば、障害のある子に対する理解が生まれにくいこと、偏見が生じることは明らかだ。障害のある子どもを分離しないで、ともに遊び学び、生活していけば、お互いの理解が深まり、思いやりの気持ちが育つはずなのに、学校(=生活空間)を分けられていては、その心の育つ環境が奪われる。相模原事件の背景に、障がい者を分離・隔離してきたこの社会の関係することが指摘されてきたのに、都教委はそこを考えようとしない。それは、差別解消を本気で考えてはいないということだ。文科省や都教委が学校を分けるのは、その方が安上がりだからか。

 さて、寄せられた意見は303件。そしてそのうち何と、学校関係者が158件と半数以上あった。
 「学校関係者が158件」について、「現場の声を吸い上げるのができていないということ。都教委は日頃から現場の声を聞く努力をしてほしい」(山口委員)と発言があった。それは正しい指摘であるが、現場の声を吸い上げなくなった原因が何にあるのかを問題にしてほしかった。
 2006年に都教委が「職員会議での採決禁止」を出して以来、東京の公立学校では教職員が議論を重ね、総意としての意見・要求を校長が都教委に持っていくという、それ以前は普通に行われていたことが全く行われなくなった。また、主任制度などで強化された管理体制の下での教員たちは、都教委の考えに反対する意見を言えば、業績評価に影響するかもしれない、とも考えるだろう。そうしたことから、現場の教職員はパブリックコメントとして意見を寄せるしかなかったのだろう。教育委員にそこを考えてもらえたら、都教委の学校支配の酷さが垣間見えたのではないかと思った。

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2017/01/26

都庁前通信 2017年1月26日号

F20170126

 都教委は、昨年開催された19回の教育委員会定例会のうち4回でいじめ防止対策条例及び基本方針を報告議題にし、また、3回で非公開議題にした。非公開議題は、「いじめ防止対策推進法28条に基づく調査」、「(同法)30条に基づく報告」と議案にあったことから、「重大事態」を招いたいじめ案件だということはわかった。新聞が報じたこの件を巡ってだったのだろう。
 「真相を究明したい」という遺族に対して、都教委は「調査部会が干渉や圧力を受ける恐れがある」として、黒塗り回答(=遺族に情報を開示しない)をした。遺族の思いよりも、調査部会の自己防衛とは言語道断、本末転倒。教育委員の面々は、この都教委の対応が適切、と判断したということか。
  都教委は「いじめ防止」を施策に掲げているが、この遺族に対する対応を見れば、いじめ防止に本気になって取り組むという姿勢が見えない。都教委がなすべきことは、遺族に対して誠意をもって情報を提供すること。そして、学校関係者や都民に対し、このようなことが再び起きることのないよう、周知徹底することである。
*いじめ防止対策推進法は5章「重大事態への対処」28条2で、「学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。」と明記する。


1月12日都教委定例会報告

 

■子どもたちは、都教委の競走馬ではない

  公開議題は①今年度東京都教育委員会児童・生徒等表彰について  ②今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果についての報告でした。

1  今年度東京都教育委員会児童・生徒等表彰について
 「東京都における学校教育の一層の充実に資するため」、「ア.地道な活動を継続的に行い、範となる者」「イ.他の児童・生徒の行動や取組に良い影響を与えた者」「ウ.地域における活動を継続的に実践した者」「エ.スポーツ・文化活動において著しい成果を上げた者」「オ.人命救助、これに類する行為を行った者」の個人・組・団体を教育長が表彰する。1894年度から開始し、今年度は211名(うち、エが146名)を決定し、表彰式を2月11日に行うとの報告であった。
 エは、東京2020オリンピック開催も影響して昨年度に比べ1.5倍に増加、全国大会での成績とその回数を判断基準にして決めたとのこと。二重表彰である。ウでは、清掃等のボランティアや和太鼓等の継承が目立つ。こちらも、都教委の施策に合致した活動が表彰対象になっているようだ。
 高校入試にはこうした功績が加点されてきたし、「大学入試でも得点化する」(遠藤教育委員  日本学生支援機構理事長)という。表彰という行為はつねにそれを通して人びとを表彰する者の意図に誘導するという面を持っている。表彰などされなくても、自身の中に達成感や充実感を持ち、自己形成を図っていくことはできる。そのことが大事なのだ。また、周りの子どもたちはその行為をきちんと評価するはずだ。
表彰は、当該者・周りの者の、その気持をねじれさせてしまうのではないか。

1  今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について
  2011年度から毎年行っている「東京都統一体力テスト」の今年度の報告。握力、持久走、50m走等文科省指定の8種目のテスト結果、及び生活・運動習慣等の実態に関する質問調査結果を、小中学校は区市町村ごとに、高校は学校ごとに集計し、東京の平均結果を出す。そのうえで、経年変化や全国標準との比較によって、全国での順位を出している。
 「東京都統一体力テストを始めた平成23年(2011年)度と比較すると、全学年ともに向上傾向にあり、体力合計点平均値も上昇している」などの「成果と課題」を示し、来年度の重点的取り組みとして「体力向上のモデル校において、体力を向上させるための指導法の工夫や運動部活動加入の促進等の、体力向上の取組をさらに充実させ、その成果を全中学校へ発信する」等を挙げる。
 小学校1年生から結果を求められ評定をされ続けたら、良い結果が出せなかった子どもが運動することの楽しさを持ち続けることができるであろうか。劣等感を持ち、運動嫌いにさせてしまうだけではないか。そのことは都教委指導部や教育委員もわかるはずだ。とすると、都教委の狙いは何か。どの子にも運動を楽しむ生活習慣をつけさせることではなく、都教委の施策によって全国順位を上げたこと、トップ選手を育成した成果を世に誇示することなのではないか。そこに都教委の一番の関心があるのではないかと思ってしまう。
 都教委は、「低学力」校の学校予算を削り、「高学力」校・生徒にその予算を充てる「都立高校改革」をしてきたが、そのことと同じ思考・施策で体力・運動面についても当たっているのだ。子どもたちは、都教委の競走馬ではない。

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2017/01/18

解雇させない会ニュースNo.59

Newsno59


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2017/01/12

都庁前通信 2017年1月12日号

F20170112

子どもたちの手に未来を!

 明けましておめでとうございます。
 オバマ大統領が広島を、安倍首相が真珠湾を訪れ、「かつての敵国同士が」「最も緊密な同盟国になった和解の力を示」し、「同盟の強化の意義を世界に発信」しました。それにより、米軍と共に戦うことができる自衛隊への予行演習として、南スーダンへ派遣された自衛隊員が戦闘に巻き込まれる危険が増しています。安倍政権はアメリカから高額兵器を買いこみ、5兆1千億円を超える史上最大の防衛予算を計上しようとしています。戦争のできる国へと突き進む政府に対し反対の声を上げていきましょう。子どもたちの未来を奪わないために! 
 安倍内閣は、「愛国心」「国威発揚」の教育=戦争に加担させるための教育を加速させています。東京の教育は、その最先端を走っています。
 昨年7月から18歳以上の国民に選挙権が与えられました。しかし政府は、子どもたちに投票はさせても政治活動についてはさまざまな口実をもうけて制限しようとしています。政治活動の自由は、すべての国民に憲法が保障する基本的人権「表現の自由」の具体的な内容のひとつです。政府は、君が代・日の丸の強制など一方的な価値観を子どもたちに注入するのではなく、子どもたちが自分たちで考え自分の未来を選ぶ権利を保障するべきです。戦争法、原発再稼働、武器輸出、カジノ法案、出口の見えない日銀異次元金融緩和、子どもたちの未来を奪いかねない政治に子どもたちが自分で考え、声をあげる権利を保障すべきです。
 裏面で報告しますが、副校長の受験者が極端に少なくなっています。これは、都教委の教育行政の失敗を端的に示しています。ほとんどの教員が都教委の教育行政に背を向けてしまったということです。私たちは、東京の子どもたちがオリンピック・パラリンピックに踊らされたり、都教委の価値観を押し付けられたりすることに反対し、子どもたちが、何が真実で事実かを自分たちで考え、自己の意見を表明するなど、人格的成長を保障される教育を求めて声を上げていきたいと思います。

販売しています
パンフ2017年版「~卒業式・入学式の前に~日の丸・君が代について考える」
(発行:卒業式・入学式の『日の丸』『君が代』について考える保護者の会)

 わずか12頁のものですが、一般の人々が「日の丸・君が代」に関して持っている疑問に、昨年出された、根津さん・河原井さんの最高裁確定判決や、アメフトのキャパニック選手の「国歌斉唱」不起立なども紹介しながら、分かりやすく答えるものとなっています。以下、質問項目を一部紹介します。

Q1  卒業式・入学式の君が代斉唱のとき、教師が起立を拒否して座っているのは、子どもたちに失礼ではないでしょうか? マナー違反ではないですか?
Q2  公務員なのだから、国旗・国歌を尊重するのは当たり前ではないですか?  いやなら私立の学校に勤務すればよいのではないでしょうか?
Q3  一度、皆で決めたことは、従うのが当たり前です。それが民主主義ではないのでしょうか?
Q4  君が代は、たかが40秒程度のこと。それぐらい我慢すべきではないですか?また、不起立によって、周りの人を不快にさせるのはよくないのでは?
Q5  オリンピックでも国旗を掲揚し、国歌を歌うのは当たり前に行われています。入学式・卒業式も同じではないでしょうか?

以下、Q11まで質問が続く。  1部100円  ご注文は、当会まで。


12月22日都教委定例会及び
第2回教育総合会議傍聴報告

 

■副校長に欠員の危機!?

  定例会の公開議題は①「都立学校における『組体操』等への都教委対応指針について」  ②「都教委職員表彰について」の報告など。
  ②は、都立学校については都立学校長及び教育庁が、区市町村立学校については各区市町村教委が、「他の模範となる」として推薦した個人・団体について、職員表彰審査会が審査し、今年度は81名(うち校長が50名)、11団体の表彰を決めたとのこと。
  団体の表彰理由の「主なる功績」としては、「学校経営」などの他に「オリンピック・パラリンピック教育の推進」や「中学校区における小中一貫教育の推進」があげられている。都教委の方針に沿った「他の模範」であることが容易に想像できる。

  総合教育会議の議題は「東京都教育施策大綱(案)」について。冒頭、「パブリックコメントを頂戴し、新たな大綱(案)を出した」と小池都知事が挨拶。次に中井教育長が大綱案の加筆修正した箇所を説明。その説明を聞くと、都教委方針と合うパブリックコメントは採用し、都教委方針と合わないパブリックコメントについては無視したことがよくわかった。
  その後、教育委員5人が大綱案を巡って持論や重点課題について各5分ほど発言。言葉はきれいだけれど、心を打つような教育観・人間観は感じられなかった。ところが最後の中井教育長の発言は、悲鳴とも聞こえる切羽詰まった内容だった。
  「仕事が忙しすぎて、教員のなり手がない。特に小学校では受験倍率が 2.8 倍。この倍率では、『この人でいい』という教育力のある人を必要数確保することはできない。働き方改革、職場環境を良くする必要がある。また、校長、副校長のなり手がない。現職だけでは足りず、今は再任用で確保しているが、それでは持たない。副校長の仕事の軽減、見直しなどの抜本的対策が必要だ。」(要旨)来年か再来年にも、副校長の欠員が出るのではないかと思わせるような発言だった。
  副校長の受験倍率は10・23通達(=「君が代」起立の強制)以来急激に下がって、この10年1.1倍~1.2倍が続いている。倍率が下がった要因の一つは多忙さだろうが、それだけではないのではないか。都教委は副校長のなり手がないのはなぜかを真面目に考えてきたのだろうか。10・23通達直後、それに怒って副校長を自ら降格した人が何人かいた。その背後にはかなりの数の、都教委の教育行政に批判的な考えを持つ管理職や管理職受験希望者が存在していたはずだ。都教委はそのことを考えないままに権力的に学校を支配してきたから、今の事態を招いたのではないか。
  意味があるとは思えない文書作成を次々に課せられ終わることのない忙しさや精神的苦痛、教員の支配管理を都教委の指示で日常的にさせられる苦痛、校長に昇格しても、○○推進校や○○研究校に名乗りを上げ「特色ある学校」を作らなければという脅迫観念や「君が代」不起立処分に我が手を貸すなどの苦痛に悩まされる。それがわかっているから、副校長のなり手がいないのだ。
  「君が代」不起立を続けてきた筆者は、校長・副校長が処分に手を貸すことの苦痛を見続けてきた。10・23通達を撤回し、都教委の介入なしに各学校が教職員の総意で教育活動を行えるようになったなら、子どもの人格的成長に資す教育を論議できるようになったら、副校長の受験倍率は復元するだろう。このことを筆者は切に願うものであり、都教委に提言したい。                        

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2016/12/22

都庁前通信 2016年12月22日号

F20161222

原発事故の現実を押し隠す「オリンピックの欺瞞」
~谷口源太郎さん講演

 リオが終わりいよいよ本番とばかり2020東京オリンピックへ官民一体の本格的な取り組みが始まっている。このままその渦にまきこまれていいのだろうか。オリンピックを原点にもどって考えようと、スポーツ評論家・谷口源太郎さんの講演会「オリンピックの闇と病み」(主催:河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会)が12月4日東京・スペースたんぽぽで開かれた。
〈たにぐちげんたろう:スポーツを社会的視点からとらえた批評を手がける。著書に「日の丸とオリンピック」(文藝春秋)「スポーツの真実」(三一書房)等。「週刊金曜日」でお馴染〉 

 谷口さんは、冒頭、福島の原発問題こそ、2020年東京オリンピックが抱える根本的欺瞞だと訴えた。10月にIOCのバッハ会長が、野球・ソフトボールの開催を福島で行うと提案した。「復興の意味でパワフルなメッセージになる」というのがその理由。しかし、帰還を迫られる現地の人々は、オリンピックどころではないというのが本音だ。汚染水の垂れ流しは続き、緊急事態宣言は、まだ生きている。「その中でオリンピックを呼ぶ非人間性はもっと告発されなければいけない」と、谷口さんは力をこめる。しかし、マスメディアは沈黙したまま。
 8月にNHKの解説委員がニュース番組で、オリンピックのメリットを5項目あげ、その第一番目に「国威発揚」を挙げた。民放では、かなり前から、スポーツに関する批判はタブーになっているという。2018韓国・平昌(冬季五輪)と2020東京の放送権料は660億円。その中で「いかにスポーツタレントを生み出すか。金メダリストを視聴率稼ぎの目玉商品にするかが、目的になっている」。大手新聞も、各社150億円でスポンサー契約を行い、自ら応援団を自称している。こうした事態の中で、「一般の人たちは、オリンピックの抱える問題を聞く手立てがない」と谷口さんはなげく。
 そもそもオリンピックは、どこから変節してきたのか。1980年のモスクワ大会は、ソ連のアフガニスタン侵攻を理由に西側諸国がボイコット。「オリンピックが理念として掲げた相互理解、平和運動としての在り方を根本から覆した」。84年のロス五輪では、市が税金を出さないと決定したことから、大企業がスポンサーになり、徹底した商業主義を展開。これが大成功したことから、IOCは以後、自らを企業化し拝金主義の流れが決定した。
 それでは、今回の東京オリンピックについて言えば、「安倍・森(オリンピック組織委員会会長)の狙いは、国威発揚と国家威信を世界に顕示すること」。国家プロジェクトなのだから文句を言わずについてこいというのが、彼らのやり方だ。森は“one for all, all for one”という言葉が好きだが、“チームワークとともにひとり一人の助け合いも大切だ”と言っているこの言葉を、これこそ“滅私奉公”だと真逆のコメントをしている。「金メダル30個の目標を掲げ、原発事故の現実を押し隠す“復興オリンピック”こそ、最大の欺瞞だ」と谷口さんは語った。
 いまオリンピックは、自然破壊や巨額の経費が批判され、立候補をとりやめる都市が続出している。「理念も理想もなくなったオリンピックは確実に終焉に向かっている」と谷口さんはしめくくった。
オリンピック予算は2兆円近くに膨らむ一方で、原発事故の自主避難者への住宅支援(70億円・年)は来年3月で打ち切られようとしている。〈東日本大震災復興支援五輪〉の原点に戻って考えよう。
(レイバーネット日本 http://www.labornetjp.org/news/2016/1204sasaki


11月24日都教委定例会傍聴報告

 

■いじめ対策を言うならば、東京で起きたいじめ自殺等について明らかにせよ

 報告議題「いじめ総合対策【第2次】(案)」について、以下報告します。
 いじめ問題対策委員会からの「最終答申」(2016年7月28日)を受けて、都教委が出した「いじめ総合対策【第2次】(案)」の報告。12月24日までパブリックコメントを募集し、2月の教育委員会定例会で「いじめ総合対策【第2次】」を策定、来年度から学校において取り組みを開始するという。
 案は、「軽微ないじめも見逃さない《教職員の鋭敏な感覚によるいじめの認知》」「教員一人で抱え込まず、学校一丸となって取り組む《「学校いじめ対策委員会」を核とした組織的対応》」を始めとする6つのポイントを掲げ、未然防止、早期発見、早期対応、重大事態への対処の4つの段階に応じた具体的取組をあげる。いじめ防止の取り組みを推進するにあたっては、「いじめの件数が多いことをもって、その学校や学級に問題があるという捉え方をしない」などの注意事項が書かれている。
 「きめ細かく、素晴らしい」などの意見が教育委員からあった。しかし11月10日の定例会で今年4月から6月までのいじめ調査の集計報告がなされた際に、「学校いじめ対策委員会が組織的に対応した学校が増えた」が、「教員とスクールカウンセラーが連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、どういうわけか、過去2年間よりも減少した」と報告された。こうした事実について、それがなぜなのか、教育委員から意見はなかった。
 横浜に自主避難した中学生へのいじめの件に触れ、「賠償金云々は、大人の話。大人に理解を得る働きかけも大事」(宮崎教育委員)との発言には同意する。しかし、東京で起きてきたいじめによる自殺等については、これまで、誰も一度も触れてこなかった。昨年9月、大月駅で自殺した都立高校生の件、今年4月に同級生から殴られて死亡した青井小学校の件について、都教委はどのような調査をし、どう判断したのか、再発防止に向けて各学校にどのような指導をしたのか等を明らかにすべきだ。対策の実効性を検証するためにも、こうした実際に起きたことにきちんと向き合うことが必要だ。
 案の最後のページには「東京都の公立学校から巣立つ子供たちに伝えたいメッセージ」だとして、「人間と社会」(都立高校で昨年度から週1時間の必修を課した教科の、都教委作成の「教科書」)の最後のページを転載している。そこには、「多様な人と出会、関わり、時にはぶつかり、高め合えるからこそ、私たちは幸福な人生を切り拓き、よりよい社会を、豊かな未来を築くことができるのです。何よりも、違った意見をもつ者同士の調整を図ることができること、それこそが人間らしさなのです。」とある。ここで言う、「違った意見をもつ者同士の調整を図る」とは何なのか。「日の丸・君が代」については、教員だけでなく子どもたちにも「君が代」起立を強制し、「お前が起立するまで式は始めない」と学校・教員が子どもを恫喝する現実。「違った意見をもつ者」も、上の考えに合わせて「調整を図れ」ということなのか。言葉はきれいだが、人間的でも教育的でもなく、恐ろしい。

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都庁前通信 2016年11月24日号

F20161124

原発避難した横浜・中1生に対するいじめ手記から学ぼう

 「ばいきんあつかいされていつもつらかった」「いままでなんかいも死のうとおもった」「でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」。2011年8月に小学2年生で横浜に自主避難したこの生徒は、「(いじめを受けている)他の多くの子の励みになれば」と手記を公開したという。
 5年生の時には「(原発事故の)ばいしょうきんあるだろう」と言われ、同級生から遊興費をせがまれ、「すごいいらいらとくやしさがあった」が、「ていこうするとまたいじめがはじまる」とお金を渡した。その額150万円、転居・生活のため、親が知人から借りたお金だった。
 2014年に保護者は学校と市教委に金銭トラブルを伝えたが、学校側は放置していた。
 さらに、「なんかいもせんせいに言(お)うとするとむしされてた」「いままでいろんなはなしをしてきたけれど、(学校は)しんようしてくれなかった」。担任や同学年の教員が、いじめに気づかないはずはない。この生徒が言うように、教員は無視したのだと思う。
 この生徒の6年近くの苦しみを考えると、胸が締め付けられる。よくぞ、「いきるときめた」ものだ。
 いじめが原因と思われる子どもの自殺が後を絶たない。昨年9月には、都立高校1年男子が山梨県大月駅で列車にはねられた。今年8月には青森県で中学2年の女子が自殺した。9月に兵庫県で自殺した中2の女子につても、少女のメモを見た遺族からいじめが原因との訴えがなされている。
 「放射能が感染する」「避難者は賠償金がもらえる」と子どもたちが言ったのは、大人たちの話を聞きかじってのことであろう。自主避難者には補償金は支給されていないが、大人たちの中にも「金をもらって」と非難めいたことを言う人が少なくない。原発事故の自主避難者に対するこうした心ない言葉は各地で聞かれる。大人たちの、他者の苦しみに対する共感や想像力の欠如は子どもたちのいじめにゴーサインを出している。大人社会を真似て、いじめは起きている。いじめを受けた当事者についてはもちろんのこと、いじめをする背景について考えていくことが大切だ。

■こうした問題を道徳の授業で

 文科省は2011年に大津市で起きたいじめをきっかけに道徳を正式教科にして評価することを打ち出し、教科書づくりを進めている。しかし、文科省、都道府県教委はいじめ調査はしても、いじめの背景について考え合う授業の提起や勧めはしない。この生徒の件が公表・報道されてから1週間になるが、この件について授業で取り上げることを勧めた教育委員会や校長、授業をした教員が全国にどのくらいいるであろうか。
 沖縄の米軍北部訓練場の工事に反対する人たちに機動隊員が投げつけた「土人」という言葉に対して鶴保沖縄・北方担当相は「差別とは思えない」と断言した。沖縄の人々が過剰反応だといわんばかりだ。沖縄に全国の基地の 74%を押し付けているという差別が現実にあるから、沖縄の人たちが「土人」発言を差別と感じるのだという、差別されている他者の苦しみに対する共感が、この人物には著しく欠けている。   
 政府は子どもたちに道徳教育の教科化を進めるのならば、道徳の教科書や副読本よりも、自主避難者に対するこうしたいじめや沖縄に対する差別といった今身近で起きている問題について子どもたちと考え合うことのほうが、子どもたちの心に響くのは間違いない。
 7月に起きた相模原やまゆり館での「重度障害者」殺傷事件についても、「特異な犯行」で済ませるのではなく、「障害者に生きる価値はなく、社会のために抹殺されるべき」という優生思想による犯行であったことを認識し、その意識はこの犯人だけにあるのか、私(たち)にはないのかを考え合う授業をしてほしい。そうしたことの積み重ねが、偏見や差別をなくしていくことにつながるはずだ。


11月10日都教委定例会傍聴報告


■「子どもには制服を着せておいて教員はジャージ、問題だ」

 公開議題4件のうち2件について報告します。

①  公立学校における「いじめの認知件数及び対応状況把握のための調査」結果について

 今年4月から6月末までに行った調査報告と、この3年間の経年比較の報告であった。いじめの認知件数は、今年が3062件、昨年が2823件、一昨年が4086件。いじめに教員一人が関わるのではなく、「学校いじめ対策委員会」(校長、副校長、生活指導主幹、スクールカウンセラー等で構成)という組織としての対応を都教委は昨年度、学校に指示した。その結果、「学校いじめ対策委員会が組織的に対応した学校が増えた」という。しかし、その成果について、「教員とスクールカウンセラーが連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、どういうわけか過去2年間よりも減少した。」と、不可解そうに言った。
 信頼できる人の話は人(児童・生徒)の心に沁みても、学校組織としての指導には反発する児童・生徒もいるはずだ。児童・生徒が心を開くよう、これまで学校・教員は、その生徒が信頼する人を中心に対応してきた。対応は一人の教員であったり、複数であったり、学年の教員全てであったり、考えながら対応してきた。
 教員たちを報告書類つくりで多忙にし、子どもと触れあう時間を少なくさせ、さらに、教員の等級区分を不必要に増やして教員同士が協力することを弱め、上からの命令に従順な教員をつくる現在の教員管理は教員たちから協力していじめに取り組む力をそいでいる。
 いじめをなくしたいと都教委が本気で考えるならば、まずは、子どもたちを競争漬けにしないこと、ハンディを持った子どもたちの排除をやめること。そして、教員の管理・弾圧をやめること。子どもたちが生活する学校で、教員が校長や都教委からいじめられるのを子どもたちは見ている。弱ければいじめていいと、日常から「学んで」いるのだ。また、いじめはいじめをする子のSOSでもある。誰もが平等・対等の生活環境にあれば、いじめは確実に減るはずだ。
 足立区青井小学校で4月に同級生から殴られて5月に死亡するという事件が起きたが、その報告がなかったのはなぜか。いじめではなかったと都教委が判断したからなのか。明らかにしてほしい。

②  都民の声(教育・文化)について〔今年度上半期〕

 今年上半期に寄せられた「苦情」に対し、対応を図った事例の1つを紹介する。
 「都立高校の入学式で司会をしていた教員がサンダルを履いているのは、厳粛な場に相応しくなく、おかしいと思いました。」との「苦情」に、「校長が当該教員に確認したところ、入学式当日にサンダルを履いていたのは事実であったため、入学式の場に相応しい履物を身につけるよう指導をしました。」と対応したとのことだった。
 この報告に対して遠藤教育委員から「入学式ですらサンダルということは、日常の教員の服装に基準はないのか。子どもには制服を着せておいて、教員はジャージというのは問題だ」という発言があった。
 中学生の標準服(義務教育学校では制服は禁止され、この名称で実質は制服の実態)、高校生の制服指定について標準服・制服支持者は、標準服・制服を着用したらその学校の生徒の自覚が持てて非行に走らないと昔から主張してきたが、服装を正しても非行は防げない。背広を着て巨大な悪事をはたらく者たちはごまんといる。すでに東京の教員は卒業式・入学式での服装は「厳粛かつ清新な雰囲気の中で行われる式典にふさわしいもの」と指定されている。さらに日常の服装まで管理する必要があるだろうか。教員の服装も子どもたちになんらかの影響は与えるが、それが教育上、本当に問題になるのならば、それはそれぞれの学校で教職員たちが話し合って、自主的に解決していけばよい。自由を排し、規則で管理する・される中では、人と人との触れ合い=教育は成立しない。都教委には、制服を着用し、規律の厳しい軍隊、自衛隊でいじめが多発してきた、している実態について調査検討することを勧めたい。

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2016/11/28

ホームページ URL 変更のお知らせ

 河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会がインターネットサービスとして契約していたニフティ株式会社の都合で、ホームページの URL が以下のとおり変更となりました
 たいへん恐縮ですが、「お気に入り」などの登録を変更してください。またご利用のお知り合いなどをご存知の場合、その旨お知らせいただければ幸甚です。

 (旧)http://homepage2.nifty.com/kaikosasenaikai/
  ↓
 (新)http://kaikosasenaikai.world.coocan.jp


 以上、よろしくお願い申し上げます。



2016/11/10

都庁前通信 2016年11月10日号

F20161110

「都民ファースト」?
築地市場の豊洲移転問題に
見る小池都政

 築地市場の豊洲移転について当初、小池都知事は徹底的に調査すると言ったが、石原元都知事を喚問することはせず、「関与せず」「忘れた」だけの石原・文書回答について追及しない。
 売り主の(株)東京ガス自身が「高濃度汚染で売ることのできない土地」と言った跡地を買い、汚染除去費用の大半を売主である東京ガスではなく都が負担(東京ガス負担 78 億円、東京都負担849億円)してまで買い上げたのは、石原元都知事である。石原慎太郎氏は、今話題の日本最大の右翼団体「日本会議」の代表委員の一人でもある。そして、小池百合子氏は日本会議を支援する「日本会議国会議員懇談会」の副会長だった。小池都知事は政治信条のうえでの「お友達」石原元都知事の責任問題には触れたくないのではないか。
 そして、「全職員を粛正する」と言い、市場長ら 8 人を処分した。もちろんこれら幹部に責任はある。しかし、これでは、都職員が委縮するばかりではないか。今回明らかになった地下空間問題は、高濃度に汚染された豊洲へ移転することが根っこにある。移転を強行した石原元都知事の判断ミスや責任は問われないのか。
 そもそも、豊洲移転については、築地市場で働く人たち・労働組合が当初から移転反対を主張し行動してきたが、マスコミはほとんど報道しないできた。小池知事が問題にするや、小池知事が初めて問題点を指摘したかのような報道をした。小池知事が石原元知事を追及しないことについても、マスコミは批判をしない。こうした報道姿勢は非常に問題だ。
 小池知事は「都民ファースト」「食の安全が命」と言ったが、汚染物質が検出しているのに、「移転を白紙に戻す」とは言わない。小池知事の対応を見ると、それらがパフォーマンスでしかないのではと疑われる。オリンピックについても、しかり。「都税をオリンピックにではなく、『都民ファースト』、都民の生活に回す」とは言わない。
 小池知事が選んだ「都政改革本部」14人の外部メンバーは、「地下鉄を民営化すべき」「大阪府職員の給料は高すぎる」と言い、橋下「大阪都構想」を推進した上山信一氏を【統括】にしていることから、都民や都職員の生活を破壊する恐れが強い。

小池知事が初登場した東京都総合教育会議

 議題は「東京教育施策大綱骨子(案)~東京の輝く未来を創造する教育の実現に向けて~」について。
 「都民ファースト」であるならば、骨子を作るに当たって、都民から要請や請願が出され続けてきた「君が代不起立処分をやめろ」「実教出版高校日本史教科書の学校選定を禁止するな」「定時制高校を潰すな」や、最高裁が都教委の違法を認めた「君が代不起立・減給以上の処分」について、懲戒免職を取り消された教員に対する再処分について等々、小池知事は言及すべきであった。しかし、知事の挨拶や回答は、言葉はきれいだが形式的なもので、こうした都民の声には答えず、到底、「都民ファースト」と言えるものではなかった。


10月27日都教委定例会傍聴報告

 木村教育委員の退任に伴い、秋山千枝子氏(医学博士)が教育委員に就任。以下、報告を1件。

■東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会(中間まとめ)について
――今でさえ副校長のなり手がいないのに、さらにいなくなるのでは?

 国の動きに合わせての検討委員会の中間まとめの報告。年が明けて1月に最終報告を都教委に提言するという。「チーム学校」が求められる背景には、多様化する教育課題(いじめ、不登校、貧困)や教員の多忙化があるとのことで、「チーム学校」とは、学校組織をこれまでの教員を中心としたものから、教職員が多様な専門家と連携・協働しながら対応していく学校に変えるという。
 そのため、校長・副校長には多様な人材をマネジメントする力を、教職員には多様な人材と協働して課題に対応する力を、多様な人材にはチームの一員として能動的に活動する意識を持ってもらうという。多様な人材とは、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、地域(地域住民や保護者)の学校支援ボランティアを指す。
 報告を受けて、新任の秋山教育委員は「医療分野では多職種連携がすでに始まっていて問題もある。役割分担が役割分断になってしまう」と発言。まさにその危険大と思う。「チーム学校」を機能させるために「多様な人材」のマネジメントを副校長が負わされることになり、副校長の仕事負担がさらに増すことは明白だ。
 中井教育長は教員の多忙化に関連して、「副校長のなり手がいない。質の低下も起きる」と発言した。東京では10・23通達・『君が代』不起立処分を始めた 2003 年以降、副校長受験倍率はぐっと落ち、この 10 年間の倍率が 1.1 倍という現実は、副校長の職が労多くして報われない、魅力ない職となってしまったことを示している。都教委が10・23通達を撤回し、学校・職員会議に決定権を戻せば、副校長の確保も以前のように戻るのではないか(職階制に筆者は反対だが)。
 副校長も含め、教員の多忙化を言うならば、都教委は必要のない書類の作成・提出を教職員に課すのもやめることだ。教員に、子どもたちと過ごす時間を返すことだ。
 また、部活動などが日本では教員にかかっていることも多忙化の要因だ。「チーム学校」などやめて、教育にお金を回し正規教員を増やせば、教員の多忙化は解決する。
 多忙化解消にこじつけて、「地域有力者」による教員監視のシステムをつくろうとしているのではないかとも思う。

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2016/10/31

「君が代」解雇をさせない会 秋の学習会

161013

「君が代」解雇をさせない会 秋の学習会
谷口源太郎さん講演会
オリンピックの闇と病み
ー子ども達を「国威発揚」の渦に巻き込むな!

日時   2016年12月4日(日)13:30〜
場所   スペースたんぽぽ(JR水道橋より徒歩7分 たんぽぽ舎4F)
参加費  500円

*たんぽぽ舎(千代田区三崎町 2-6-2 ダイナミックビル  03-3238-9035

 2020東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏(元首相)は、リオデジャネイロ五輪日本選手団の壮行会で、直前の国歌斉唱の様子に触れ「どうしてみんなそろって国歌を歌わないんでしょうか。国歌も歌えないような選手は日本の選手ではない」と言い、NHKの解説委員はオリンピックの目的の第一は「国威発揚」と言いました。また、オリンピック・パラリンピックについての報道は軒並、「ニッポン、金」「日本、最多のメダル41」と選手個人の記録を称えるよりも、日本の選手であることを強調しました。オリンピックは平和の祭典、なのでしょうか。
 2020年東京オリンピック・パラリンピックをめざして東京都教育委員会(以下、都教委)はオリンピック・パラリンピック教育を今年度から始めました。「オリンピック・パラリンピック学習読本」および「オリンピック・パラリンピック学習ノート」を小学校4年生から高校3年生のすべてに配り、学校にはDVD教材と現金を支給し、年間35時間の授業を義務づけました。高校生には、戦中の「学徒動員」を彷彿させるボランティア活動が全員に義務づけられています。学習読本には国旗国歌の記述が随所にあり、小学生用読本では「表彰式では、優勝した選手の国旗をかかげ、国歌を演奏します。」
と、オリンピック憲章に反した嘘を、意図して書いています。
 この先4年間、国旗国歌、愛国心、ボランティア活動の義務が子どもたちに刷りこまれ、それを通して、ますますもの言えぬ社会になっていくことを看過することはできません。

  谷口さんは、「『オリンピックに税金を使うな!』という市民の運動が世界的に広がり、オリンピックの終焉をはっきり示唆している。そうした中で東京大会は、国家プロジェクトとして国の主導で進められてきた。なぜそうなってしまったのか、厳しく批判的に検証する必要がある。」と言います。講演会では、そのあたりのことを詳しく伺えると思います。
 是非ご都合をつけて、ご参加ください

◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆

たにぐちげんたろう:スポーツを社会的視点からとらえた批評を手がける。著書に「日の丸とオリンピック」(文藝春秋)「スポーツの真実」(三一書房)等。「週刊金曜日」でお馴染。

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2016/10/27

都庁前通信 2016年10月27日号

F20161027

「君が代不起立では、考慮せずに
累積過重処分をした」と都は証言

 去る10月17日、2008年卒業式での、「君が代」不起立にかかわる根津/河原井・停職6月処分取り消し訴訟(地裁)が行われ、都側証人として鈴木明・服務担当副参事(当時)が証言に立ちました。その証言は一言でいえば、「君が代」不起立は(体罰等とは違い)重大な非違行為だから、なにも考慮せずに機械的に過重処分をしたというものでした。そこには、君が代を強制することが子どもたちにとってどのような教育上の意味があるのか、どのような影響を与えるのかというような考慮は全くなされず、ただ、人は上からの命令、職務命令に従うべきだ、従わないから処罰したという機械的な、ロボットのような東京都の教育行政に携わる歪んだ人間の姿が浮かび上がっています。

◆証人尋問に対する鈴木証言

①懲戒処分について都教委はHPで「処分量定処分理由校種」を公表しているが、「君が代」不起立処分に関しては校種ではなく学校名を明記している。学校名を公表するのは「公表基準」によれば、「懲戒免職の場合」とされている。「君が代」不起立は免職と同じと考えているのか。
→どう公表しているか知らない。そこまで考えなかった。
②停職6月処分では、仕事への復帰が 2 学期の途中になる。児童・生徒への教育上の影響を考慮しなかったのか。2012年最高裁判決で桜井龍子裁判官は「教師の場合は停職期間中教壇に立てないことについての本人の職務上の不利益も大きく(生徒への教育上の影響なども無視できない)、極めて厳しい重大な処分」と言ったがどう思うか。
→生徒のことよりも不起立の重大性の方を考えた。
③処分量定を決める際に、「行為の原因・動機」を考慮することになっている。「君が代」不起立は当該教職員の世界観・歴史観・思想・良心に基づく行為であるとの認識はなかったのか。
→考えなかった。
④2008年当時、10・23通達下での職務命令と処分を違法とし、処分を差し止める東京地裁判決(2006.9.21)が出されていたが、その判決を知っているか。
→知らない。
⑤学習指導要領も地方公務員法も全国の教職員に同じに関係するのに、他の自治体と比べ、東京の処分は突出しているとは考えなかったのか。
→他の自治体のことは調べていなかった。問題は、校長の職務命令に違反したかどうかだ。

 知事や教育長が交代しても、「君が代」処分は続く。最高裁が減給以上の処分は違法と判示したのに、都教委は今なお、減給処分を強行している。中から声をあげてほしい。


10月13日都教委定例会傍聴報告
■定時制高校を廃止して
「学力向上」を言う都教委

≪来年度都立高校等の第1学年の生徒募集人員等について、及び、夜間定時制高校の閉課程を凍結し、この存続を求める請願について≫

 来年度都立高校等の第1学年の生徒募集では、全日制普通科で16校16学級を減らす一方、別途15
校15学級を増やす、定時制課程では12学級360人を減らす、との提案。全日制の増減は、教室の過
不足等で行う措置とのこと。
 再来年度以降は都立高校改革推進計画に基づき、夜間定時制普通科4校(小山台高校、雪谷高校、江北
高校、立川高校)及び、商業科3校を閉課程・廃校にし、代わりにチャレンジスクールの新設や学級増、
昼夜間定時制高校の学級増で対応する。まず再来年度は、全日制の赤羽商業高校と夜間定時制の雪谷高校
の募集を停止し、代わりに六本木高校、大江戸高校、桐ヶ丘高校(いずれもチャレンジスクール)の夜間
部を学級増にするという。
 28,728筆の署名とともに提出された請願は、今年2月21日の教育委員会定例会において閉課程が決定
されたことに対する再請願。それに対する都教委の回答は、「夜間定時制高校を当初から希望する生徒の
入学者選抜応募倍率は0,38倍と少なく、チャレンジスクールの新設やチャレンジスクールと昼夜間定
時制高校の規模拡大によって対応する」から請願は受け入れないというものだった。チャレンジスクール
や昼夜間定時制の倍率は高く、定時制高校廃止の代替にならないことは関係者の誰もにわかっているはず
なのに。
 請願については、「行き場のない生徒が出ることはないのか」「遠隔地から通う生徒、仕事を持つ生徒へ
の配慮を」(宮崎委員、山口委員)との発言はあったが、請願を再考するつもりは教育委員の誰一人にもなく、
まともな議論もせず結論を出した。教育を受ける機会にさまざまなハンディを負った人たちの「最後の受
け皿」を奪い、社会的弱者を切り捨てていることへの認識がこの人たちにはない。彼らは「学力向上」と
言うけれど、社会的弱者を切り捨てての「学力向上」とは、誰にとっての「学力向上」なのか?!

≪「全国学力・学習状況調査」の結果について≫

 東京の学力調査の結果は

ア.小学校(6年生)は調査開始の2007年以来、中学校(3年生)は 2013 年度以降、国語(A、B)算数・数学(A、B)とも、全国平均正答率を上回っている。
イ.上位層から下位層までを25%刻みで見ると、東京は上位層が多く、下位層は少ない。
 学習状況調査の結果は、
ウ.主体的・対話的な学習活動を取り入れている学校は増加傾向にある。主体的・対話的な学習を通して考えを深め、広げることができている児童・生徒ほど正答率が高い。
エ.家庭での会話は年々増加傾向にある。家庭での会話の多い児童・生徒ほど正答率が高い。

との報告がされた。
 その報告を受けて、この日が最後の定例会出席となった木村委員が発言。「中学校の学力は壊滅的状況だった。それが数年前から奇跡が起きた。都教委が過員配置をして先生方に時間をつくったこと、(東京ベーシックドリルの活用などの)繰り返し学習や『東京方式1単位時間の授業スタイル』に基づいた授業などに先生方が取り組んでくれた結果で感謝している。」東京都教育委員会の施策の正しさを自画自賛したようにも聞こえた。
ところで、都教委の言う「主体的、対話的な学習」とは何なのか?  都教委は「日の丸・君が代」では、「主体的、対話的な学習」を事実上、一切禁止してきた。また国の一方的な価値観を注入し、子どもたちが自主的に考える機会を奪うような育鵬社の教科書採用を強制してきたのだ。

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2016/10/13

アメフト選手の国歌起立斉唱拒否をオバマ大統領が擁護!

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アメフト選手の国歌起立斉唱
拒否をオバマ大統領が擁護!

 アメリカでちょっとした話題になっているのが、NFLのスター選手が、8月26日、9月1日と試合前の国歌斉唱場面で、人種差別と警官の暴力行為に抗議して、起立斉唱しなかった行為です。
 この行為に賛否両論渦巻く中で、9月5日オバマ大統領自らが、中国杭州G20首脳会議後の記者会見で、この選手の行動を「表現の自由」の問題であるとして擁護する発言をしました。
 民主主義を前に進めるために必要なのは「行動する国民」だ、というリーダーの発言は貴重です。
 CNN、NBC、ロイター、BBCなど全世界のメディアが伝える中、日本の大マスコミは沈黙です。

★ 米国歌に起立拒否のNFL選手、オバマ大統領が擁護 ★
 Colin Kaepernick's actions have "generated conversation" , said Mr Obama

 米NFLのコリン・キャパニック選手が米国内の人種差別に抗議するため国歌演奏時の起立を拒否して賛否両論となっている問題で、オバマ米大統領は5日、キャパニック選手は憲法で保障されている意見表明の自由を行使しているだけだと擁護した。訪問先の中国で発言したオバマ氏は、選手の行動は議論に値するものだと述べた。
 NFLではキャパニック選手の行動にならい、複数の選手が国歌演奏中に座ったりひざまずいたりしている。
 中国・杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議に出席後の記者会見で、キャパニック選手の抗議行動について質問されたオバマ氏は、なぜ国歌に敬意を示そうとしないのか、軍関係者が理解するのは大変だろうが、問題提起しようとする選手の誠意は疑いようがないと述べた。
 「ほかになんの効果がなかったとしても、みんなで話し合う必要がある話題について、(選手の行動は)会話のきっかけとなってくれた」と大統領は評価し、議論に参加せず「脇でただ座って何も気にかけない」でいるよりも、若い人がもっと民主手続きに則り議論に参加した方が良いと、意義に言及した。(以下略)
『BBC』(2016年09月06日) http://www.bbc.com/news/world-us-canada-37278246

☆ 米国では、高校生の間にも国歌斉唱時に抗議の不起立が拡がる ☆

 昨日(10/4)のニューヨークタイムズ紙の記事によると国歌斉唱中の膝まずきがこちらの高校のフットボールチームの間でますますひろがっているようです。
 高校生の間では警察によるマイノリティー、特に黒人への射殺に対して何かしたいと心の中で思っていても、今迄はその気持ちを表す方法を知らなかったのが、キャパニックの行動によって自分達も何か出来ると知らされたようです。
 先週末には、コロラド州のオーロラで選手44人中、その4分の3が。又、何千マイルも離れたウイスコンシン州のマディソンの高校で対戦高校の両方の選手。前にお知らせしたオークランドのキャッスルモント(選手達ばかりでなくそのコーチも国歌斉唱中、片膝をついて拳をあげた)。ニュージャージー州のウッドローウイルソン高校、サンフランシスコのミッション高校、それにオマハ・セントラル高校ではチアーリーダーとブラスバンドもそれに参加したそうです。
(サンフランシスコ在住の和美さんのレポート2016.10.5から『レイバーネット日本』)

☆ コリン・キャパニックは日本人でなくてよかった ☆
 Colin Kaepernick Is Lucky He ’ s Not Japanese

Alex Marshall 『 foreign policy 』 September 16, 2016

 これは、米国の外交問題隔月刊誌『フォーリン・ポリシー』に載った、英国ジャーナリストの記事のタイトルです。著者のアレックス氏は、『 Republic or Death!: Travels in Search of National Anthems(共和か死か!~世界国歌の旅)』(2015年)著者でもあり、日本の「君が代強制問題」に詳しい。
 なぜ「日本人でなくて良かった」のか。それは「この国(日本)でスポーツ選手が彼のようなことをすれば、一瞬にして選手生命を断たれてしまうだろう」から。
 アレックス氏は、記事の中で「国歌を軍国主義の象徴と見なし、国歌演奏時の起立を拒否しつづけ、そのためにこれまで罰金を科せられたり、半年にも及ぶ無給の停職処分を受けたりしてきた。そればかりか、演奏時間五十五秒の『君が代』に対する態度矯正のため、無数の再教育講習を受けることを強要されたこともある。」という元教員の根津公子さんに対する弾圧のケースを紹介している。

安倍首相は、不起立は「憲法」で保障された権利、となぜ言えない?

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2016/10/08

コリン・キャパニック選手の国歌起立斉唱不起立を巡って

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アメフト選手の国歌起立斉唱拒否をオバマ大統領が擁護!

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アメフト選手の国歌起立斉唱
拒否をオバマ大統領が擁護!

 アメリカでちょっとした話題になっているのが、NFLのスター選手が、8月26日、9月1日と試合前の国歌斉唱場面で、人種差別と警官の暴力行為に抗議して、起立斉唱しなかった行為です。
 この行為に賛否両論渦巻く中で、9月5日オバマ大統領自らが、中国杭州G20首脳会議後の記者会見で、この選手の行動を「表現の自由」の問題であるとして擁護する発言をしました。
 民主主義を前に進めるために必要なのは「行動する国民」だ、というリーダーの発言は貴重です。
 『BBC』(2016年09月06日)は、以下のように報じています。
 http://www.bbc.com/news/world-us-canada-37278246

★ 米国歌に起立拒否のNFL選手、オバマ大統領が擁護 ★

 Colin Kaepernick's actions have "generated conversation", said Mr Obama
 米NFLのコリン・キャパニック選手が米国内の人種差別に抗議するため国歌演奏時の起立を拒否して賛否両論となっている問題で、オバマ米大統領は5日、キャパニック選手は憲法で保障されている意見表明の自由を行使しているだけだと擁護した。訪問先の中国で発言したオバマ氏は、選手の行動は議論に値するものだと述べた。
 NFLではキャパニック選手の行動にならい、複数の選手が国歌演奏中に座ったりひざまずいたりしている。
 中国・杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議に出席後の記者会見で、キャパニック選手の抗議行動について質問されたオバマ氏は、なぜ国歌に敬意を示そうとしないのか、軍関係者が理解するのは大変だろうが、問題提起しようとする選手の誠意は疑いようがないと述べた。
 「ほかになんの効果がなかったとしても、みんなで話し合う必要がある話題について、(選手の行動は)会話のきっかけとなってくれた」と大統領は評価し、議論に参加せず「脇でただ座って何も気にかけない」でいるよりも、若い人がもっと民主手続きに則り議論に参加した方が良いと、意義に言及した。
 サンフランシスコ・フォーティナイナーズのクオーターバック、キャパニック選手は8月26日、グリーンベイ・パッカーズとの試合前、国歌演奏で起立せず、「黒人や有色人種を抑圧する国の旗に誇りを示すために起立するつもりはない」、「自分にとってこれはフットボールより大事なことで、この問題から目を背けるのは自己中心的だ。道端には遺体が転がり、人殺しをした連中は無罪放免で有給休暇をとってるんだ」と試合後に発言した。
 米国各地で黒人に対して相次ぐ警察暴力への抗議だと説明した。

(略)

 フォーティナイナーズは、「この国の国歌を称える行為に参加するかどうか、個人が選択する権利を我々は認める」と、選手の行動を支持した。

◎国歌斉唱を拒否したアスリートを、軍人・元軍人らが支持するツイート。(BuzzFeedから)

○ 私は空軍で25年働いた。すべての人の修正第1条を守るためだ。あなたを支持する。
I served 25yrs in the AF to protect everyone's 1st Amend rights. I support you
(25年空軍に勤めた黒人女性)

○ 私自身を守ってくれないこの国を私が守らなければいけないなんて、この子たちにどう説明すればいいんだ
 How do I explained to them that I defend a country that won't defend me?
(三人の子どもと一緒に写真に写る黒人の軍人)

○ わたしが戦うのは、国民の自由を守るため。国歌のためじゃない
 I serve to protect your freedoms, not a song
(コクピットの白人パイロット)

■所属する49ersが声明を発表した。
(『 Time 』 8月27日 配信)

 試合前の国歌斉唱が、これからも大切なセレモニーであり続けるのは間違いない。国に敬意を示し、我々をその市民たらしめる偉大なる自由について思いを馳せる場なのだ。
 ただし、宗教と表現の自由を尊重するアメリカの原理原則からして、国歌斉唱に対する個人的な権利が存在することも認識している

■同様にNFLも、次のような声明を出した。
(『 Time 』 8月27日 配信)

 国歌斉唱時の起立は“奨励”こそすれ、“必ずしもそうしなければならない”とまでは要請できない、としている。
 “ Players are encouraged but not required to stand during the playing of the national anthem,” the NFL said.

安倍首相は、不起立は「憲法」で保障された権利、となぜ言えない?

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解雇させない会ニュースNo.58

Newsno58

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2016/09/08

都庁前通信 2016年9月8日号

F20160908

都教委は
オリンピック・パラリンピック教育を
政治利用するな!

 森喜朗・2020年東京五輪組織委員会会長・元首相は、壮行会で選手団に向かって「国歌も歌えないような選手は日本の代表ではない」「声を大きく上げて、表彰台に立ったら国歌を歌ってほしい」と言い、閉会式では安倍首相はパフォーマンスを演じました。どちらも、オリンピック精神・オリンピック憲章に違反する行為です。
 さて、都教委が小学校4年生から高校3年生までのすべての児童・生徒に配った『オリンピック・パラリンピック学習読本』は、「国旗・国歌」の尊重を強調しています。<小学校編>「第V章2、世界のマナー(国旗・国歌)」では次のように述べています。

◇国旗と国歌
 オリンピック・パラリンピックでは、開会式で選手たちが自国の国旗を先頭に行進します。表彰式では、優勝した選手の国旗をかかげ、国歌を演奏します。
 世界の国々はいずれも、国旗や国歌をもっています。国旗と国歌には、その国を築いてきた人々の理想や文化、ほこりなどがこめられており、その国を象ちょうするものとして大切にされています。
 おたがいの国旗や国歌を尊重し、大切にあつかうことは、世界共通のルールです。
◇国歌
 日本の国歌は君が代であり、平安時代につくられた和歌をもとにして、明治時代に今日のような曲がつくられました。君が代には、日本の国がいつまでもはん栄し続け、平和であることを願う気持ちがこめられています。表彰式の国旗けいようでは、国歌が流されます。

 この文章では、開会式や表彰式で「国旗」を掲げ「国歌」を流すことが、オリンピック憲章で決められているように読めます。しかし、表彰式で掲げられ演奏されるのは、「国旗」「国歌」ではありません。国内オリンピック委員会が採用して国際オリンピック委員会が認めた「選手団の旗、歌」とオリンピック憲章は規定しています。「選手団の旗、歌」は「国旗」「国歌」である必要はないのです。それは、オリンピックは平和の祭典であり、「個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」(オリンピック憲章)からであり、入賞者について「国ごとの世界ランキングを作成してはならない」(同憲章)のです。
 オリンピック憲章やオリンピック精神から「国旗、国歌を尊重する」ことを導きだすことは、誤った思考回路で子どもたちを愛国心・ナショナリズムへと誘導します。
 都教委はオリンピック憲章やオリンピック精神について子どもたちがきちんと知り、話し合うことをさせず、オリンピックに乗じて子どもたちに「国旗・国歌」「愛国心」の刷り込みをしようとしています。
 「子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような一方的な観念を子どもに植え付けるような国家的介入、例えば、誤った知識や一方的な観念を子どもに植え付けるような内容の教育を施すことを強制することは、憲法26条(教育を受ける権利)、13条(個人の尊重)の規定からも許されない」(1976年旭川学力テスト事件最高裁判決)のです。


8月25日都教委定例会傍聴報告

オリンピック・パラリンピック教育に
またまた金を注ぎこむ

 公開議題は、議案が①来年度使用の高校教科書採択について ②第2期都教委いじめ問題対策委員会への諮問事項について、報告が③「オリンピック・パラリンピック学習ノート」の作成・配布について。
 要した時間はわずか30分。

① 来年度使用の高校教科書採択について
 毎年この時期に行われる高校の教科書採択で2013年以来問題になっていたのが、実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」が「日の丸・君が代」について「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述したことに対し、都教委が「都教委の考え方と異なる」と各学校に「通知」し、選定を事実上禁止してきたことである。この記述は事実であるのに、都教委は権力を濫用して実教出版及び学校に圧力をかけてきた。
 実教出版社は、来年度使用の「高校日本A」からこの記述を削除した。都教委や大阪府教委の妨害による、会社存続の危機からの苦渋の決断だったのではないかと思う。したがって、都教委は「高校日本史B」についてのみ引き続き「考えが異なる」として「通知」した(6月23日の定例会で決定)。
 定例会では各学校が選定した教科書一覧が示され、教育委員によって採択がなされた。教育委員からは一言の意見もなかった。
 「高校日本史B」を選定した学校はゼロ、「高校日本史A新訂版」を選定した学校は7校だった。

② 第2期都教委いじめ問題対策委員会への諮問事項について
 第1期都教委いじめ問題対策委員会の最終答申が出たのが今年7月、その答申を踏まえて「いじめ総合対策 第2次」を策定し、来年度から各学校に取り組ませるとのことだが、「その取り組みの成果と課題を不断に検証、評価して、その改善を図っていくことが求められる」として、第2期都教委いじめ問題対策委員会に諮問するのだという。
 取り組みの成果が少ないのは、答申や策定の視点に不足しているものがあるからなのだ。経済格差が教育格差につながり個々の生徒に優劣が付けられる学校や社会の現状を変える努力をし、それを子どもたちに見せることがいじめ問題解決の重要なファクターのひとつである。そこを見ようとしないで、「都教委はやっています」のポーズはやめてもらいたい。

③ 「オリンピック・パラリンピック学習ノート」の作成・配布について
 都教委は、多額の金を注ぎこんで「オリンピック・パラリンピック学習読本」を小学校4年生から高校3年生までの全児童・生徒に、またDVD教材をすべての学校に3月末までに配った。そして、今年度4月から年間35時間のオリンピック・パラリンピック教育を各学校に課している。そこに今度は「学習ノート」を「学習読本」と同じく、4年生以上の全児童・生徒に配布するのだという。この9月から2020年までの4年間、継続して使用し、子どもたち一人ひとりが学習・体験したことや調べたことなどを記入し、オリジナルなノートをつくり上げる。これも、「都教委はやっています」の自己アピール以外の何物でもない。子どもや教員はまた、過重負担を強いられる。
 子どもも教員もオリンピック・パラリンピック教育で消化不良を起こしてしまいそうだ!
 この報告に対し、遠藤教育委員だけが疑問を呈した。「4年生から高校3年生まで同じもの、高校生にとって子供だましのようなものを配るのか。配布を否定するのではないが、年齢によって関心も違う。高校3年生は2020年には大人だ」 この定例会で初めての意見らしい発言だった。しかし、すでに印刷に回っているとのことだった。

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2016/09/04

2016年8月29日再防研やめろ要請書

R20160829

2016年8月29日

東京都教育委員会 教育長 中井 敬三様
教職員研修センター所長   伊東哲様

田中聡史さんに対する「服務事故再発防止研修」を
ただちに中止せよ

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

 都教委は卒業式での「君が代」斉唱の際に起立斉唱をしなかった田中聡史さん(石神井特別支援学校教員)に対し、今春も最高裁判決が違法とした減給1月処分を行ったうえに、5月11日を第1回目として本日4回目の「服務事故再発防止研修」を強行しようとしています。
 私たちは、「君が代」不起立者に対して都教委が行う懲戒処分及び「服務事故再発防止研修」に強く反対し、本日田中さんに対して予定している「服務事故再発防止研修」をただちに中止することを求めます。

 都教委の関係諸氏は、都教委から処分や不利益、弾圧や嫌がらせを受け続けてもなお、誤った教育に加担はできないと「君が代」起立の職務命令を拒否する田中さんの気持ちを考えたことがあるでしょうか。想像できるでしょうか。
 「起立する教員と起立しない教員がいると、児童・生徒は起立をしなくてもいいと受け取る」から、その邪魔となる不起立教員を処分するのだ、と都教委は言います。子どもたちに対しては、上からの指示には自分の頭で考え判断せずに従うものと刷り込む、調教するというのです。教育の条理のひとかけらもない教育行政、なんと恥ずかしいことでしょう。
 教育をまともに考えたならば、考えずに指示命令に従う子どもをつくってはならないと考えるものです。だから田中さんは、子どもたちに対する教員としての責任から、「君が代」起立を求める職務命令に従わないのです。これほどの不利益・嫌がらせを皆さんから受け続けても。

 この数年、文科省の「指導」を受けて都教委もいじめ問題に「取り組んで」きました(取り組むポーズと映りますが)。子どもたちは何ごとも、良くも悪くも大人社会から学びます。いじめも、大人社会のいじめから学んでのことです。都教委においては、何年にもわたっていじめ問題対策委員会を重ね、「いじめ総合対策」を策定するよりも、教員支配・弾圧を止めること、「君が代」不起立処分と「服務事故再発防止研修」を止めることこそが、東京の子どもたちのいじめ根絶につながるはずです。
 再度言います。田中聡史さんに対する「服務事故再発防止研修」をただちに中止することを求めます。

以上

要請書へのリンク



2016/08/25

都庁前通信 2016年8月25日号

F20160825

相模原事件は
今の社会への警鐘 では?

 7月に相模原市の知的障害者福祉施設で19人を殺し27人に重軽傷を負わせた凄惨極まる事件が起き、容疑者の個人的性格や精神疾患、措置入院の短さ、薬物反応が取り沙汰されてきた。
 一方、容疑者は「障害者なんていなくなればいい」と言っていたという。命の価値を選別し、「劣勢」の命は淘汰して構わないとするナチス、ヒトラーの優生思想に感化されていたのではないかと疑われる。ナチスの断種法、障害者抹殺により不妊手術が行われ、障害者は「生きる価値のない存在」として「安楽死」させられた。日本でも戦争中、「障害のある子どもは有事の時に邪魔になるから殺せ」と青酸カリを手渡されたり、「穀つぶし」と蔑まされたりした。
 こうした思想や行動が出てくることについて、自らも盲ろう者である福島智氏(東大教授)は、「今の日本を覆う『新自由主義的な人間観』と無縁ではないだろう。労働力の担い手としての経済的価値や能力で人間を序列化する社会。そこでは、重度の障害者の生存は軽視され、究極的には否定されてしまいかねない」さらに、こうした「生産性や労働能力に基づく人間の価値の序列化、人間の存在意義を軽視・否定する論理・メカニズムは、徐々に拡大し、最終的には大多数の人を覆い尽くすに違いない。つまり、ごく一握りの『勝者』『強者』だけが報われる社会だ」(毎日新聞 7.28)と警告している。日本の障害者運動をリードしてきた一人、藤井克徳さんは、「世の中の“空気”が変わった時に真っ先に切り捨てられる、生きている価値がないとして『価値付け』の対象になってしまう、そういう『変化』が一番早く押し寄せるのは障害者なのだ」という。(ハートネットTV「シリーズ戦後70年」)
 翻って現在はどうだろう。障害者差別解消法やヘイトスピーチ禁止法が国会を通ったが、現実の人々の生活は命の価値を選別(差別)する中にある。経済的効率が最優先され非正規・差別賃金、子どもの6人に1人は貧困状態にある。命の価値の軽視はこの国を戦争が出来る国へと向かわせている。
 都教委の教育行政を見ても、子どもたちの「命の格差解消」「命の平等」に向き合う姿勢は弱い。「健常者」が通う普通学級から障がいを持った子どもを隔離し、特別支援学校に追いやる(このほうが、教育費が安い)。多様な価値観、生き方をみとめないような「日の丸・君が代」の強制。進学重点校等のエリート校の学校予算は、「底辺校」の金を削って増額する。夜間定時制高校は廃校にする。こうした差別を行いながら、一方で「自己責任」を強調する風潮が強められ、命に差をつける学校や社会で育つ子どもたちは、格差や差別を自然なものと認識し、自分よりも「劣勢」と見れば、排除にかかるだろう。
 都教委の要職にある人や教育委員には、この点について、まじめに論議してほしい。
 小池百合子都知事は安倍首相も所属する「日本会議国会議員懇談会」の副会長だった。日本最大の右翼団体「日本会議」は皇室崇拝、憲法改正、国防力の充実、愛国心教育の推進を掲げている。彼女は安倍政権の集団的自衛権容認につて「遅すぎたくらいだ」と支持している。このような小池知事のもとでは国防力増強のための人材育成、愛国心教育が推し進められるのではないか。小池百合子都知事には相模原事件が鳴らす警鐘にしっかり耳を傾けてほしい。
 また、小池都知事が特別秘書に任命した元東京都議の野田数氏は2012年9月、「我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」し、大日本帝国憲法の復活を求める「請願」の紹介議員となった人だ。
 私たちは、「命は平等」を教える学校教育と社会を求める。


7月28日都教委定例会傍聴報告

「あなたは民主主義社会の一員だよ」と子どもに問いかける?!

いじめ問題対策委員会答申について≫の報告から。
 都教委がいじめ問題対策委員会に、「いじめ総合対策」に示された取り組みの進捗状況の検証、評価、いじめの防止等の対策を一層推進するための方策について諮問したところ(2014年10月)、その最終答申が出され、内容について報告がなされた。
 答申をもとに、今年10月頃の都教委定例会で「いじめ総合対策  第2次骨子」を、来年2月頃の定例会で「いじめ総合対策  第2次」を策定するとのこと。骨子には教員対象の研修プログラムと子ども対象の授業プログラムを示し、教員に研修を課し、来年度から全公立学校で「いじめ総合対策  第2次」の取り組みを開始するという。
 答申に書かれたいじめ対策の一つを挙げると―
①  「未然防止・早期発見の取り組み」:スクールカウンセラーによる全員面接を小 5、中 1、高 1 で実施。
②「早期対応の取り組み」:児童・生徒のトラブルや気になる様子の情報収集、実態把握、いじめ認知、対応。
③「重大事態への対処」:いじめをきっかけとした欠席日数が 30 日を経過したら重大事態発生と捉え、組織として調査・対応する。
「児童・保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときには、重大事態が発生したものとして報告・調査に当たる。」「『いじめ発見のためのアンケート』を年間3回以上実施する」「社会全体の力を結集し、いじめ問題に対峙する。地域、関連機関との連携」等々も述べられている。

 報告を受けての木村教育委員の発言にはかなりの傍聴者がびっくり。「答申、よく行き届いている」と前置きして「(答申は)子どもの目線ではなく、指導する立場からの書き方だ。イギリスやオーストラリアの学校では、『あなたは民主主義社会の一員だよ。あなたが黙っていると何が起きるか』と問いかける。子どもの組織を作ったらいいのでは」と。答申は確かに子どもの目線ではないし、木村教育委員が挙げたような子どもへの問いかけは適切な指導だと思う。しかし、職員会議での発言禁止や「日の丸・君が代」の強制など、都教委が学校の民主主義を奪い、子どもと教職員を「黙らせ」ておきながら、よくもこのようなことを言えるものだ。
 子どもがいじめを大人社会の現実から学んでいる面があることに思いを馳せ、子どもたちに「問いかける」だけではなく、弱肉強食、上意下達の大人社会を変革することが最も大事なことだという認識からの発言は、今日も皆無だった。そこに切り込む論議が、相模原事件の解決の糸口になるはずなのに。
 また、膨大な事務量を押し付けて教員を忙しくさせ、放課後の教室でゆっくり子どもと過ごす時間を教員から奪っていることがいじめ発見を遅らせるのではないかという視点からの発言もなかった。子どもたちとの時間が確保できれば、アンケートに頼らずとも、子どもたちの様子は教員にわかるものだ。アンケート自体が密告を煽ることにつながりはしないか、とも杞憂する。

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