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2020/05/21

解雇させない会ニュースNo.71

Newsno71

 

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2020/02/20

都庁前通信 2020年2月20日号

F20200220_20200218000701

 

学力テストでパソコン使用へ
企業を儲けさせるのが目的?

 小学6年生と中学3年生を対象に2007年以来毎年文科省が行ってきた全国学力テスト。競争をあおり、点数の取れない子を排除しかねない(実際にいくらも事例がある)学力テストは、都や各市町村が行う学力テストも含め、弊害が大きい。
 この全国学力テストに関して、萩生田文科大臣は1月31日の閣議後の記者会見で、「早期のCBT(出題と解答にパソコンを活用する方式)化を図る必要がある」と述べた。政府が2023年度までに全小中学校へ「1人1台パソコン配備」を目指していることや、学校での「働き方改革」の観点からという。
「1人1台パソコン整備」方針は突如、昨年末に閣議決定し、19年度補正予算で2318億円を計上。政府の方針では、パソコン購入に対する補助額は1人当たり45000円で、学校内の通信環境は半額補助、パソコンの保守管理は市区町村が負担という。
 そもそもICT・情報機器の活用は義務教育課程での基礎学力ではない。子ども一人ひとりの資質と能力を大切にして、伸ばしていくことを意識し、人格の完成を目指すことがとりわけ義務教育段階では重要だ。ICT・パソコン学習でその時間を削ってはならない。

 



1月30日都教委定例会傍聴報告
「働き方改革」と言いながら、
子どもや教員に新たな負担増ばかり

■「来年度教育庁所管事業予算・職員定数等について」

「来年度予算はICT、オリ・パラ教育、働き方改革に使う予算が多くなった」(前年度比8.9%増)と報告者。そこで、ICT、オリ・パラ教育について見ていきたい。

◎ICT(情報通信技術)
 「ICT技術を積極的に活用した『TOKYO スマート・スクール・プロジェクト』の取組により…主体的・対話的な学びを深化」すると謳う。『TOKYO スマート・スクール・プロジェクト』とは、都立学校に「1人1台のモバイル端末を実現」し、「エビデンスベースの指導を展開」する。エビデンスベースとは、根拠に基づいたとの意。「Society5.0 に向けた指導方法の確立」として、研究校を指定する。区市町村にも「補助を行い、小中学校のICT整備を支援」するという。都教委は教育を企業に売り渡したのだ。
ICTを使うために教員は忙しくさせられ、ICT教材を販売し、ICT環境を保持する企業が学校に入ってくる。「主体的・対話的な深い学び」どころか、より一層、子どもたちの教員との触れ合いが奪われる。スマート・スクール推進校に指定されたある学校では、教職員のすべてが、これに反対したという。それでも、「推進校」にされるのだ。

◎オリ・パラ教育
 「東京都オリンピック・パラリンピック教育の集大成として、子供たちが…競技を直接観戦し、その感動をかけがえのないレガシーとして築いていくため、…観戦チケットを確保するとともに、暑さ対策も含めた観戦時の安全対策を実施」「都立高校生のボランティア意識を高め、実際の活動へとつなげるため、全都立高校参加のボランティア・サミットを開催するとともに、生徒が実施するボランティア活動を支援。また、中高生の東京2020大会におけるボランティア体験の機会を確保」等を謳う。
「その感動をかけがえのないレガシーとして築いていく」は都教委の勝手な感動の押しつけではないか。暑さ観戦については、熱中症や交通事情への心配が校長たちから多く寄せられている。区市によっては、低学年の観戦を止めたところもある(新聞報道)。しかし、都教委の上記文言からは、その具体策は見えてこない。命にかかわることであり、新聞報道もされているのに、教育委員からの発言も一切ない。
高校生のボランティア・サミットの1回目が18年11月3日に開催されたとき、参加希望者がいなくて、生徒会長が本人の意思ではなく参加せざるを得なかった等の話を聞いた。都教委はその反省もせずに、再び、「全都立校」に参加を強制するのか。
実態を見ようとも、当事者の声を聴こうともせずに都教委が作った事業内容である。

■「学校における働き方改革の成果と今後の展開について」

調査項目に時間外労働「0時間」はなく、1か月あたりの時間外労働が「45時間以下」「45時間超~80時間以下」「80時間超」の、3区分での調査結果の報告だった。「45時間以下」とは、1日2時間の時間外労働は問題なしという前提だ。
 月当たりの時間外労働が「45時間以下」の割合は、一番多い小学校教員で 55,7%。
 昨年度と今年度の時間外労働の比較では、最も時間外労働の多かった特別支援学校副校長では、過労死ラインの1か月あたり「80時間超」は昨年の57,7%から今年度は25,3%に減少。週当たり削減時間は、印刷や片付け等、教員を補助するスクール・サポート・スタッフを配置した地区・学校では4時間30分、「学校マネジメント強化モデル事業」(副校長を補佐する非常勤職員を配置など)をした学校では、特別支援学校で12時間35分。部活動指導員を配置した中学校は1時間33分。都教委はこれらを「成果」として報告した。
来年度の取組として、都立学校では「全校で学校閉庁日を5日以上設定」「学校マネジメント強化モデル事業の実施規模を46校に拡大」等をあげる。都立学校は259校あるのに、今年度、学校マネジメント強化モデル事業をしたのは14校。なぜ、全校で実施しなかったのか。過労死の危機感を持たなかったのか、と思う。
 学校マネジメント強化モデル事業等で時間外労働を減らすのではなく、必要ではない仕事の検討・整理(=子どものためにならない文書作成等を都教委は指示しない)、教員定数の増、30人以下学級の実施等、時間外労働をしなくて済む方策を出すのが、都教委の職務であり責任である。都教委が次々に打ち出す事業や「〇〇指定校」もやめることだ。
 都教委のなすべきは、教育の原点ともいうべき「子どもたちが人格の完成をめざす」ことができるよう、その環境や人的体制をつくることだ。それをしたら、日本の子どもたちが国際比較で低い、自己肯定感も持てるようになるはずだ。

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2020/02/16

解雇させない会ニュースNo.70

Newsno70

 

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2020/01/30

都庁前通信 2020年1月30日号

F20200130

 

オリ・パラ競技観戦辞退続出の責任は都教委に

 都教委にとっては、子どもの命よりも「愛国心」の刷り込みが大事?と疑ってしまう。猛暑の中でのオリ・パラ競技観戦のことである。昨年12月、「53区市町村のうち24自治体で割り当てを辞退する小学校があることがわかった。検討段階も含めると、今月4日時点で計307校に上る」。辞退の理由は、「熱中症のリスクを考慮してのこと」(12月10日付け朝日新聞)と報道された。
 筆者が八王子市教委に学校から上がった「観戦希望について」の文書を開示請求したところ、全学校が「全学年観戦希望」を選んでいた。しかし「自由記述欄」には八王子からの移動(有明までおよそ40km)や熱中症に対する不安を107校中43校の校長が記述していた。市教委に物申すことがなくなって久しい教育現場で、これだけの校長が悲鳴とも聞こえる訴えをしたのは、死に至る事故を心配するからだろう。
 ※オリ・パラ競技期間(7/24~8/9)の昨年の日中最高気温は平均34℃!
 都教委オリ・パラ観戦の希望を取り直すべきだ。その際、生徒たちの声を反映させるべきだ。一昨年秋に都教委が各区市町村教委に配った「希望調査」には、「観戦を希望する学校・学年」の回答として「1 全学校・全学年」「2 全学校・特定する学年」「3 1,2 以外の場合」とあり、「3 を選択した場合は内容を記述」するよう書いてある。都教委は「観戦は強制ではなく希望」と言うが、「3」を選び「希望しない」とは区市町村教委も学校も言えなかったのではないか。都の教育行政の忖度・無責任体制の被害者は子どもたち。許してはならない。
      
八王子の校長たちが「自由記述欄」に書いたこと(抜粋)

■小学校
①最近の地球温暖化で熱中症が心配である。子供たちの安全を第1に考えたい。熱中症、昼食時の食中毒等の事故も想定される。また、八王子は有明までの距離も長く、安全に引率できるか不安も大きい。一人でも事故等に巻き込まれたらオリンピック観戦どころではない。
②基本的に人数が多く、F地区がぎりぎりと考えている。D地区になった場合は辞退する。移動距離が長く、室内観戦以外は、熱中症の危険を考えるとふさわしくないと考える。
■中学校
⑤本校は学区が広く、通学用スクールバスを市が借り上げているだけでなく、路線バスを利用して生徒が登下校しております。学校最寄り駅までも時間がかかる上、駅解散を想定した際の各家庭最寄り駅もJR中央線高尾駅や青梅線武蔵五日市駅となっており、そこから1時間に1~2本の路線バスを利用して帰宅することとなります。校外学習はこれまで必ず借り上げバスを利用しており、校外学習で公共交通機関を利用して往復したことはこれまでないため、安全管理面、所要時間の面を含め、Fゾーンでの観戦を希望します。
⑥八王子市の方針として全学年対象ということなので仕方ないが、生徒の意見としても暑いのに行きたくないとの意見も出ている。また、塾等での夏期講習があり、特に3年生の参加率が低くなりかなりの枚数が、使用されない可能性が高い。同日の家族での有料チケットを使っての観戦や家族旅行などで不参加の生徒もかなり出る可能性があります。3年だけではなく1・2年生でも起こる可能性は高いと考えている。その上での八王子全学年実施をしていただきたい。

 


1月9日都教委定例会傍聴報告

公開議題は報告1件のみ。
「都教委児童・生徒等表彰について」
憲法違反にあたる神社での活動を「伝統・文化の継承活動」で表彰とは?!

 今年の表彰対象者(個人、複複数人の組、団体)は225件。内訳は、
①「地道な活動を継続的に行い、他の児童・生徒等の範となる者」が33件
②「当該児童・生徒が行った活動が契機となり、その効果が波及し、他の児童・生徒等の具体的な行動や取組によい影響を与えた者」が23件
③「環境美化活動や福祉活動、伝統・文化の継承活動、子供会等、地域における活動を継続的に実践した者」が22件
④「スポーツ・文化活動において著しい成果を上げた者」が140件
⑤「人命救助又はこれに類する行為を行った者」が8件

活動事例として紹介されたうちのいくつかをあげると、
①では「将来の地域防災の担い手として、奉仕活動などに継続して取り組む姿が他の範」(小学校)
②では「ラブビーワールドカップの交流活動等(おもてなし等)に取り組む姿が、他の生徒や市内全体に波及」(中学校)
③では、「児童会の呼びかけで、多くの児童が神社等の清掃を行い、地域の環境美化活動に貢献」(小学校)、「自治会役員と連携して、地域の神社祭りや自治会行事等に参加し、伝統文化の継承に貢献」(中学校)
④では、「高松宮賜牌第 52 回全国高等学校アーチェリー選手権大会女子個人戦優勝」(高校)、「令和元年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会文部科学大臣賞」(中等教育学校)
⑤では「自転車の籠が燃えていることを発見し、父親に119番通報を要請、初期消火活動を実施」(小学校)

表彰式は2月9日に行うとのこと。

 報告に対して教育委員からは、「日の当たらない地道な活動に光を与えてほしい」「来年度はオリ・パラボランティア活動等で表彰対象者が増えるだろう。表彰人数は柔軟に」「表彰式を盛大に」など、一人一言の発言があったが、表彰自体や表彰基準等について問題視する発言は皆無だった。
 先月行った「教職員表彰」も今回の「児童・生徒等表彰」も、都教委方針に沿った行為が表彰対象である。神社は宗教の一つである神道の祭祀施設であるから、神社の清掃は公園の清掃とは性格が異なる。公立学校が教育活動として神社の清掃をさせることは、特定の宗教施設への奉仕活動の強制で、子どもの「思想・良心の自由」「信教の自由」を侵害することにつながりかねない。憲法違反にあたる。
 当該の学校や都教委、教育委員はそうしたことに気づかないのか。気づいても、「神社=伝統文化」の思考をこうした機会を使って子どもたちに振りまこうとしているのか。人権に関しては学校教育こそが子どもたちに正確に教えるべきであるにもかかわらず、このあり様。関係者には、人権に敏感になってもらいたい。
 「上」から認められることを誇りとする、表彰自体を廃止したいものだ。

通信へのリンク

 

2020/01/14

12月「天皇奉迎」に子どもたちを動員させなかった! 報告集会

20200223

 

12月「天皇奉迎」に子どもたちを動員させなかった!
報告集会

・4月に子どもたちが動員されてからの私たちの取り組み
・高嶋伸欣さん(琉球大学名誉教授)のお話
 「『天皇奉迎』に子どもたちをかり出したこのと問題点と今後の闘い
  〜小リンピック『聖火リレー』でも」

日時 2020年2月23日(日)13時〜
場所 八王子労政会館第4会議室
   八王子市明神町3-5-1 TEL042-645-7451
資料代 500円


◆これまでの経過

 昨年4月23日、天皇が退位の報告に昭和天皇陵を訪れた際、二小・横山二小・浅川小の子どもたちが「天皇奉迎」にかり出され、「日の丸」の小旗を振らされていました。
 9月に入り、八王子市民有志で「『天皇奉迎』に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」を結成し、市教委、奉迎会実、町自連、市協働推進課、3校の校長に対し,問題点の追及並びに12月3日の即位報告の際に再び子どもたちを動員しないようにと申し入れをし、一つの価値観の刷り込みや子どもの「思想及び良心の自由」を侵害してはならないと強く迫りました。行動する中で、萩生田光一文科相(当時は副幹事長)が主導していたことが判明しました。
 12月3日を控え何度か市教委や3校の校長に問い合わせると「情報を提供していない」「立たせるつもりはない」との返答でした。事実、子どもたちは「天皇奉迎」にかり出されずにすみました。
 翌12月4日の市議会一般質問では、前田議員がこの問題を一問一答でじっくり質問しました。市の回答は満足のいくものではありませんでしたが、市議会で取り上げられたことには大きな意味があると思います。(市議会のWEB中継で見ることができます)

代替わりの儀式が執り行われたこの一年、八王子の学校で何が起こり、それにどう立ち向かったか、これからどうしていくか、みなさんで共有し考えていきたいと思っています。
 とりわけ、オリンピックに向けての『聖火リレー』の際に、子どもたちを沿道にかり出されないようにすることは喫緊の課題です。お忙しい時期だと思いますが、どうぞぜひご参加下さい。

 


■4月15日市教委から二小・横二小・陵南中の校長宛のメール

「天皇皇后両陛下
武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」

 上記の件について情報提供させていただいたところですが、4月23日(火)の行幸に関する八王子奉迎実行委員会からの資料を入手しましたので、添付にてお送りします。
 学校用の小旗が70本事前に準備されているとのことです。(中略)
 小旗の対応について検討しますので、お手数ですが、4月18日(木)までに以下の内容についてお知らせ願います。
1.参加の可否
2.参加の場合の人数
3.小旗についての希望
(引用者注:八王子奉迎会実行委員会発行の文書内容は省略)

■4月26日付「はぎうだ光一の永田町見聞録」より

 「天皇皇后両陛下は、昭和天皇への退位のご報告の為、八王子の武蔵陵を訪問されました。警備の関係もあり、いつもはギリギリまで日程が公表されないのですが、今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をしました。八王子インターから浅川大橋、追分から御陵まで、沿道にはかつてないほどの市民が出迎え、両陛下は長い道のりを窓を開け、手を振り続けてくださいました。日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」

■12月4日八王子市議会 前田議員の一般質問から(一部抜粋)

議員:(前略)八王子奉迎会実行委員会結成を呼びかけた主体はどこか。
市 :八王子奉迎会実行委員会(引用者注:結成前であるから、虚偽発言であることは明らか)
議員:八王子奉迎会実行委員会の構成メンバーはどうなっているか。
市 :市は把握していない。
議員:市は呼びかけられたと認識していいか
市 :町会自治連合会から呼びかけられ、同席した。
議員:市からは誰が出席したか。
市 :共同推進課部長と都市戦略課部長。
議員:4月9日付の文書(引用者注:八王子奉迎会実行委員会結成案内)は市から発信されたと認識するが。
市 :奉迎活動を市は呼びかけてはいない。市はむしろ控えている。
議員:萩生田議員は同席したか。
市 :同席したが、実行委員会の内容は回答する立場にない。 (以下略)

チラシへのリンク

 

2020/01/09

都庁前通信 2020年1月9日号

F20200109

 

オリ・パラ競技観戦辞退続出の責任は都教委に

 都教委にとっては、子どもの命よりも「愛国心」の刷り込みが大事?と疑ってしまう。猛暑の中でのオリ・パラ競技観戦のことである。昨年12月、「53区市町村のうち24自治体で割り当てを辞退する小学校があることがわかった。検討段階も含めると、今月4日時点で計307校に上る」。辞退の理由は、「熱中症のリスクを考慮してのこと」(12月10日付け朝日新聞)と報道された。
 筆者が八王子市教委に学校から上がった「観戦希望について」の文書を開示請求したところ、全学校が「全学年観戦希望」を選んでいた。しかし「自由記述欄」には八王子からの移動(有明までおよそ40km)や熱中症に対する不安を107校中43校の校長が記述していた。市教委に物申すことがなくなって久しい教育現場で、これだけの校長が悲鳴とも聞こえる訴えをしたのは、死に至る事故を心配するからだろう。
 ※オリ・パラ競技期間(7/24~8/9)の昨年の日中最高気温は平均34℃!
 都教委オリ・パラ観戦の希望を取り直すべきだ。その際、生徒たちの声を反映させるべきだ。一昨年秋に都教委が各区市町村教委に配った「希望調査」には、「観戦を希望する学校・学年」の回答として「1 全学校・全学年」「2 全学校・特定する学年」「3 1,2以外の場合」とあり、「3を選択した場合は内容を記述」するよう書いてある。都教委は「観戦は強制ではなく希望」と言うが、「3」を選び「希望しない」とは区市町村教委も学校も言えなかったのではないか。都の教育行政の忖度・無責任体制の被害は子どもたち。許してはならない。
      
八王子の校長たちが「自由記述欄」に書いたこと(抜粋)

■小学校
①最近の地球温暖化で熱中症が心配である。子供たちの安全を第1に考えたい。熱中症、昼食時の食中毒等の事故も想定される。また、八王子は有明までの距離も長く、安全に引率できるか不安も大きい。一人でも事故等に巻き込まれたらオリンピック観戦どころではない。
②基本的に人数が多く、F地区がぎりぎりと考えている。D 地区になった場合は辞退する。移動距離が長く、室内観戦以外は、熱中症の危険を考えるとふさわしくないと考える。

■中学校
⑤本校は学区が広く、通学用スクールバスを市が借り上げているだけでなく、路線バスを利用して生徒が登下校しております。学校最寄り駅までも時間がかかる上、駅解散を想定した際の各家庭最寄り駅もJR中央線高尾駅や青梅線武蔵五日市駅となっており、そこから1時間に1~2本の路線バスを利用して帰宅することとなります。校外学習はこれまで必ず借り上げバスを利用しており、校外学習で公共交通機関を利用して往復したことはこれまでないため、安全管理面、所要時間の面を含め、Fゾーンでの観戦を希望します。
⑥八王子市の方針として全学年対象ということなので仕方ないが、生徒の意見としても暑いのに行きたくないとの意見も出ている。また、塾等での夏期講習があり、特に3年生の参加率が低くなりかなりの枚数が、使用されない可能性が高い。同日の家族での有料チケットを使っての観戦や家族旅行などで不参加の生徒もかなり出る可能性があります。3年だけではなく1・2年生でも起こる可能性は高いと考えている。その上での八王子全学年実施をしていただきたい。

 


12月12日都教委定例会傍聴報告

 「懲戒処分者数等の推移及び服務事故防止に向けた主な取組について」は非公開議題(報告)とされた。個人情報を出さなくても報告はできるはず。なぜ公開議題にしないのか。服務遵守月間を設け研修を課しても、懲戒処分件数が少なくならないどころか、増えている。毎年、方針を出しても改善されないのはなぜか。都教委の働かせ方に原因があることを、都教委は認識すべきと思う。

都教委に忠実な教員育成を目的とした職員表彰か?

 「教育の発展、学術、文化の振興に貢献し、その功績が顕著で、かつ勤務成績の優秀な職員及び優れた教育実践活動・研究活動を行っている学校・グループの功労をたたえ、これを表彰する」ことを目的とし、1952年から始まった職員表彰。今年度の表彰は個人が108名、団体が12団体。個人のうち校長が55名、副校長が2名。2月13日に表彰式を行うという。
 各教育委員は、「いつも教育委員は問題ある教員のことばかりを見るので、表彰式後の懇談会で『こんなに頑張っている先生がいる』とうれしくなる。」「表彰式で感銘を受けた」「表彰を受けた先生方を地域紙等で紹介してほしい」「取り組み事例を見て、若い先生が訊いてみたい、相談してみたいと思った時にアクセスする方法を研究したい」と絶賛した。部長は「素晴らしい先生の取り組みを採用希望パンフに取り入れ、教育の底上げをしていきたい」と応答した。
 表彰理由である「主たる功績」には「防災教育の推進」はあるが、「平和教育の推進」はない。筆者が定例会を傍聴するようになって9年になるが、毎回そうである。団体表彰・小学校の部の「主たる功績」は6校中、3校が「プログラミング教育の推進」だ。あくまでも都教委方針に合致していることが表彰対象なのだ。ご褒美を餌に、都教委に忠実な教員を育成しようということか。

■「学校設置条例の一部を改正する条例の立案依頼外1件について」の発言から
 赤羽商業高校を閉校にし、家庭・福祉高校として改編・開校する。城北特別支援学校及び南花畑特別支援学校を閉校し花畑学園として開校する。八王子特別支援学校を移転させ八王子西特別支援学校として開校する、ことでの条例改正。
 教育委員の一人は、「八王子特別支援学校の子どもたちは移転に伴い、通学に支障を来たす心配がある。安全に配慮を」と発言した。
 来年夏のオリンピック・パラリンピック競技観戦を子どもたちが強要されることについて、【会場までは公的交通機関を使用、炎天下での観戦、持ち込みは水1本のみ】の指示を組織委員会、都・各県教委が出す中、12月8日付け東京新聞、同月10日付け朝日新聞が炎天下での観戦による命の危険について報じたが、都教委定例会ではそうした発言はこれまで皆無だ。教育委員は炎天下での事故はないと考えるのか、理解しがたい。学校移転に伴う安全に対する心配だけでなく、オリ・パラ観戦での安全を考え論じるべきだ。論議し、「全校全学年が観戦」(八王子市教委)などの方針を撤廃すべきだ。      
 12月4週の定例会は「議題がないから開催しない」。炎天下でのオリ・パラ競技観戦について再考する定例会にすべきではなかったのか。 

通信へのリンク

 

2019/12/23

田中さん再処分するな都教委要請書

191223

 

2019年12月23日

東京都教育委員会
教育長 藤田裕司様

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

田中聡史さんへの再処分をしないこと

 「君が代」起立を拒否し続けてきた田中聡史さん(石神井特別支援学校教諭)に対する減給1月処分は、最高裁第一小法廷が2019年3月28日、東京都の上告を棄却し上告受理申し立てを不受理したことで、上告人田中聡史さんの減給処分取り消しが確定しました。
 しかし、12月19日、都教委は再処分を前提とした事情聴取をするために田中さんを呼び出しました。今後都教委は、田中さんに対して戒告処分を出すつもりなのでしょう。

 私たちは、都教委が強行している「君が代」不起立処分に心底反対しています。再処分にも反対です。
 「君が代」不起立処分については、2019年3月にILO理事会が、同年4月にはユネスコ執行委員会が、ILO・ユネスコ合同委員会(セアート)の報告・勧告を採択して公表しました。勧告は、「消極的で混乱をもたらさない不服従の行為に対する懲罰を避ける目的」で日本政府と教職員団体との対話を求めており、「消極的で混乱をもたらさない不服従の行為」について懲戒処分を「避ける」べきことを明確に求めています。
 都教委は勧告を無視し続けるのでしょうか。オリンピック・パラリンピック教育では「国際化」云々を喧伝しますが、国際社会が求めるものであっても、自身にとって都合の悪いこの勧告には向き合う姿勢すら見せません。
 都教委は「君が代」不起立処分及び再処分を発令することをやめ、まずは同勧告について、歴史に耐える真摯な論議をすべきです。不起立・被処分者たちが不利益を覚悟してまで不起立をする理由について、都教委には裁判や要請等で届いているのですから、それに真面目に向き合うべきです。
 以上を述べて、下記のことを求めます。


 田中聡史さんに対して、再処分をしないこと。

以上

要請書へのリンク

 

2019/12/12

都庁前通信 2019年12月12日号

F20191212

 

市民の抗議を前に八王子市教委、
即位報告では「天皇奉迎」に
子どもたちを駆り出すことを断念!

 4月23日に天皇夫妻が昭和天皇の墓に退位の報告に来た際に、八王子の3つの小学校の子どもたちが沿道に立たされ「日の丸」の小旗を振らされたことは、以前に報告したところです。
 天皇(制)についてはいろいろな考えの人もいる中、公立義務教育学校が天皇敬愛の表現行為である「天皇奉迎」を子どもたちに強制することは、子どもたちの「思想・良心の自由」「表現の自由」及びその形成を侵害することであり、学校教育法が定める「公正な判断力」育成(義務教育の目標)を阻害することになります。
 八王子市民有志は市教委や各校長、八王子奉迎会実行委員会、町会自治会連合会に抗議し、12月3日には再び子どもたちを駆り出すことのないよう、交渉を繰り返してきました。

 12月3日に新天皇夫妻が昭和天皇・大正天皇の墓に即位の報告に来た際には、子どもたちは沿道に駆り出されずに済みました。続く12月4日に開催された市議会一般質問で、沿道に立たせた件に関し、市教委指導担当部長は「『思想・信条の自由』を侵すとは考えない」、教育長は「天皇退位は江戸時代後期の光格天皇以来約200年ぶり、憲政史上初めてのこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で『理解と敬愛の念を深める』と示されている。児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げるいい機会だった。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った公正・中立の指導だ。」と答弁。
 しかし、12月3日には、子どもたちを沿道に駆り出すことはやめました。その理由はなぜか——。

 市教委は4月のときには沿道の2小学校と1中学校に、天皇の車の通過予定時刻文書及び「参加の可否 人数 日の丸の小旗についての希望」を報告するよう校長に求めました。これを市教委は「安全面からの情報提供」だと言います。12月の情報提供は「安全面から」は変わらないのですが、「通過予定時刻を全小中学校に情報提供」しましたが、「参加の可否」等の報告指示はしませんでした。
 ということは、市教委は天皇奉迎を子どもたちにさせたことは「(子どもたちの)『思想・信条の自由』を侵すとは考えない」と強弁しながらも、強制することには無理があると判断したということでしょう。
 この数日前に2校の校長は筆者の問い合わせに対し、これまでと違って、非常に明るい声で「立たせる予定はありません」と言いました。もう1校は校長不在、対応した副校長からはやはり、安堵した様子が伝わってきました(この学校は、市教委からではなく町会自治会からの要請・情報提供で立たせた)。

 なお、今回、子どもたちを沿道に立たせなかったのは、八王子出身の萩生田光一文科大臣の「呼びかけ」がなかったからということも大きな要因ではないかと見ています。萩生田氏のブログ4月26日には「今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をしました。(中略)沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」とあります。萩生田氏自身が「呼びかけ...組織し準備をし」た、少なくとも関与したということでしょう。しかし、今回は何も書いていません。

 



11月28日都教委定例会傍聴報告
都教委は教育に金を削るな!
――オリンピックより子どもが大事

1.SNSを活用した教育相談(上半期)の実施状況について
 昨年度、都立高校生を対象に試験的に実施したこと(プラス評価)を踏まえ、今年度は対象を都内国公私立学校の中学生・高校生に、相談期間を毎日に拡大した。その結果、上半期の相談件数は2120件(1日平均11.6件)
、中学生が52%、平均相談時間は41分、一人当たりの相談回数は1回が70%・4回以上が8%、相談内容のトップは友人関係(いじめを除く)で533件だったとのこと。
 この報告に、「1回限りということは、相談しても意味がないと思ったのか。とすれば、事業そのものを見直さないといけない。あるいは、軽い感じのチャット(雑談程度)が多いのか。」(北村教育委員)との発言があった。全くそう思う。
 悩みを相談する際に、自分のことを知らない人よりは、自分のことをよく知り、かつ自身が信頼する人に相談するのではないか。中学生も高校生も、担任や信頼を寄せる教員に相談したいはず。そうした指摘がこれまで一度も教育委員からも出てこないのが不思議だ。
 SNSによる教育相談を止めろとまでは言わないが、「やりました!」という形ばかりの施策になっていないか。都教委が本気で教育相談体制をつくるのであれば、子どもたちの悩みやつぶやきを聞き受け止めてあげられるよう、教員の大幅定員増をすることだ。都教委にも教育委員にもそれはわかっているだろう! 2020年五輪費用の東京都負担額は1兆4千億円に上るという。オリンピックより教育に金を使えと言いたい。

2.今年度上半期に寄せられた都民の声(教育・文化)
 寄せられた件数は2459件。うち、「苦情」が76%。分野別では、生徒指導に関するものが41%、教職員に関するものが21%。
 「苦情」の事例から一つ。「都立高校生が登校時に広がって歩くので、迷惑。倫理観が欠如している。指導を。」との「苦情」に学校側は「ご指摘を受け、登校時のマナーについて注意喚起する印刷物を作成し、教室に掲示するとともに、副校長から指導を行いました。あわせて、教員による生徒の登校時の見守りを校門前だけではなく、範囲を広げるなど、より指導を徹底していくことにしました。」とのこと。
 こうした「苦情」について、一人の教育委員から「思いやりや想像力が欠如しているのではないか」と感想が述べられた。同感だ。上記した「苦情」に対しても、その方が高校生にその場で注意したらいいだろうに、と思う。告げ口やお上に解決してもらう的発想には息苦しさを覚える。
 都教委はこうした「苦情」にはすぐに対応する。しかし、次に示す請願・陳情には全く対応しない。「都教委の方針」に反するからだ。
 請願は、ア.「日の丸・君が代」の強制と教員処分を撤回すること イ.小山台高校定時制・立川高校定時制の廃校方針を見直し、存続させること ウ.学校現場の意見を十分に尊重して、また、公開の場で議論を行って教科書採択をすること について。
 公益通報制度(教育庁等窓口、弁護士窓口)の弁護士窓口を利用したのは13件。いじめ、セクハラ、会計処理、個人情報に関するものとのこと。この制度の性格から見て、いじめとは教職員間のいじめということだろう。兵庫の件が騒がれたが、子どものいじめと同じく、いじめは日本社会に蔓延している。子どものいじめ防止を本気で考えるならば、都教委がまずすべきは、子どもたちと触れ合う教員たちが、ゆとりを持って働くことのできる労働環境をつくることだ。教育に金を削るべきではない。

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2019/12/10

警視庁公安一課の蛮行

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↑YouTube へのリンクです。

 

2019年12月3日、八王子市にある武蔵陵墓地への天皇夫妻墓参において、地元小学生などの強制奉迎を監視する市民団体に暴行する警視庁公安一課の蛮行。

 

2019/12/04

12月3日「天皇奉迎」の報告

12月3日「天皇奉迎」に子どもたちは動員されなかった!

 まずは、今回は子どもたちが動員されなかったことを、喜び合いたいと思います。
 4月23日に天皇が退位の報告に昭和天皇の墓を訪れた際、二小、横山二小、浅川小の子どもたちが「日の丸」の小旗を振らされ「天皇奉迎」に駆り出された件で、八王子市民有志は「天皇奉迎に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」を結成し、市教委、八王子奉迎会実行委員会(奉迎会実)、町会自治会連合会(町自連)、市協働推進課、3校の校長に問題点の追及並びに12月3日の即位の報告の際に再び子どもたちを動員しないようにと申し入れをしてきた。
 3日が近づいた先週半ば、3校の校長と市教委に問い合わせたところ、校長は市教委から情報を「受けていない。立たせるつもりはない。」と、市教委は「情報を提供していない」とのことだった。2校の校長は接客中とのことで、夕刻再び電話を入れようとしていた矢先、両校長が私に電話をくれたのだった。お二人とも非常に明るい声だった。
 市教委には毎日問い合わせた。2日19時の返事は、「市道路交通部長名で、『3日の9時から12時は安全に気を付けるように』とのメールが市教委に届いたので、それをそのまま全小中学校に転送した。」「4月のときは、斉藤指導担当部長名で〈参加の有無、参加人数、小旗についての希望〉を市教委に報告するよう書いたが、今回はどうしたのか」と訊いたところ、「今回は書いていない。そのまま転送した」。3日の朝、「学校から質問や報告は上がったか」と訊いたところ、「何も来ていない」とのことだった。
 今回は子どもたちを動員することはないとは踏んだが、沿道の観察もしておくのもいいかと思い、3校前に数人ずつで監視に立った。
 二小北側の20号バイパス近くには「八幡囃子連」「千人町」「小宮」などと書かれた5台もの山車がお囃子を繰り出した。山車の関係者は張り切って見えたが、小旗を手にした地域の一般の人はそれほど多くはない。黒ずくめの公安のほうが多かったのではないか。9時半頃、私がカレンダーの裏に「天皇奉迎しない!」と書いた紙(37㎝×50㎝)を掲げたところ、まずは「警視庁」の者2人が「ここにいる者は反対派か。危ないから中に入って」と私の前に立ちはだかり、私は倒された。歩道にいるのに、だ。しばらくすると公安2人がやってきて、私の腕をつかみ宙づり状態にして歩道から5~6メートル中に置き、私の体を自分の体で押し続けて私を歩道に近づかせなかった。90㎏ほどありそうな筋肉質の屈強な体躯だ。天皇夫妻の車が通り過ぎた9時45分頃まで押さえつけられて、私の右腕から肩にかけて痛みが出た。帰宅し、フライパンを持とうとしたら、痛みが走った。私に対して公安が行った暴力行為は、同行した仲間が映像を記録してくれたので公開したい。
 天皇の車が通りすぎると、沿道に来た近所の人たちは、互いに感想を出し合うのでもなく、そそくさと帰って行った。こんなものなのか、と思った。私とAさんはその後、浅川小に向かったのだが、60代と思しき女性が電話する声が聞こえた。「(天皇夫妻の車が通る際に)お巡りさん、『手を振ってください』って言っていたよ。」と。二小から西八王子駅までの1㎞弱の甲州街道沿いの商店街で、「日の丸」の小旗を掲げていたのは、わずか1軒。4月のときは見ていないから比較はできないけれど、今回は萩生田議員や町自連からの働きかけがなかったか少なかったのではないかと思った。
 さて、私とAさんに対し、公安4人が尾行し電車に乗り込んだ。駅で上り電車に乗ったBさんにも2人の尾行がついたという。10時半、浅川小前で私たちは6人になる。公安は最終的には34人に。住民は沿道に来ていない。市道路交通部の情報によれば、天皇夫妻は12時には八王子市から姿を消す、ということ。なので、私たちは11時45分まで浅川小、4月に天皇が立ち寄ったみころも霊堂前にも行って待ち構えたが、天皇夫妻の車は通らなかった。
 横山二小に行った人の報告でも、子どもたちは動員されなかった。甲州街道側の門の前に行ったCさんの話では、校長と副校長が門の前に来たとのことだった。Dさんからの報告は次のよう。
「9時18分頃横山二小着。Cさんたちとは別に甲州街道の反対側にいました。
21分頃、「警視庁」の腕章を着けた私服がいろいろと聞いてくる。双眼鏡でシジュウカラがいるのを見ていたのを、マンションをのぞいていたのでは、ということでの職務質問。「原発廃炉」のマークをつけているのは左翼だ と決めつけ(左翼という語をはっきりと出しました)、だから怪しむのは当然 との論理立てのようです。氏名 住所 何処に行く ポケットの中を見せろ などなど 「いろいろお訊きしたいので交番のほうへ」などなど。「令状があるなら行きます」「令状があれば見せます」
10時ごろ天皇の車列が通り過ぎる(どれに天皇が乗っているのが分からなかった)。
分かっただけで8名の私服警官にかこまれていたのだが、それが解かれて西側(陵のある方角)に行こうとすると2名が前をふさぐ。逆側に歩きヤオコー(スーパーマーケット)の西側から川側に行くと人通りもないが、明らかに2名はつけてきている。木の観察で止まると6名くらいに取り囲まれ、亦いろいろと聞いてくる。
身の危険を感じヤオコーの正面に向かう。ほんとにやくざまがいの言葉遣いの警察官がいるのには参りました。
所属と氏名を聞こうとしたが言わない。知り合いの弁護士事務所にその法的な事柄を訊こうとしたが弁護士は不在でした。家まで警官を引き連れて行くのもいやなので、そこに12時過ぎ、天皇が帰るまでいました。
私服警察は3名くらいずつ、メンバーは替わる。12時過ぎに「協力ありがとうございました」みたいなことを言っていなくなったので私も家に帰ったのだが。付いてきてはいないと思うのですが…さて…。」
 浅川小に行った私たちの多くは電車に乗り八王子駅で下車。何人もの公安がついてきた。私には3人が。そのまま分かれた人も皆、尾行されたという。
 二小付近にいた公安だけでも100名はいたと思う。天皇車両が通過する随所に張り付いたのだから、千単位の公安、そして警察が配置されたと思う。
 私たちに対する今日の警察権力の対応からわかることは、天皇制に反対する者は「非国民」、少数であっても徹底してその扱いをするということだ。天皇制反対のデモ参加者に対しては、警察による暴行や不当でっち上げ逮捕、極右の暴力容認が頻繁に起きているから、このことはわかってはいたけれど、まさか、10数人の行動にこれほどの労力を費やすとは思いもしなかった。
 「天皇は平和主義者」と言う「文化人」が多くなったが、この現実を知らないとでもいうのだろうか。

 明日は八王子市議会一般質問(10時半頃から)で、4月23日に「天皇奉迎」に子どもたちを動員した件を前田さんが取り上げます。傍聴を呼びかけます。

根津公子

 

2019/11/28

都庁前通信 2019年11月28日号

20191128

 

「10時間労働」を合法化する「教員の働き方改革」
——「夏休みに振り替えてまとめ取り」では体が悲鳴を上げる!

 教員の勤務時間を年単位で管理する「変形労働時間制」の導入を柱とする教職員給与特別措置法(給特法)改定案が19日の衆議院本会議で可決され、参議院に送付された。改定案は繁忙期の勤務時間の上限を「1日に10時間まで」に引き上げる代わりに、夏休み期間中などに休日をまとめ取りしていいとするもの。8時間労働を指導し厳守させるべき立場にある政府が、「10時間」労働を合法化させようとしている。「1年間の平均で 1 週間あたりの労働時間が40時間を超えないことなどが条件」というが、夏休み期間中も部活動はあるし、研修も強要されている中、夏休み期間中に休みがまとめ取りできるのかも危うい。
 教員の「過労死」ラインの労働時間は周知の事実である。文科省の調査でも、1日当たりの学内勤務時間の平均は小学校教員が11時間15分、中学校が11時間32分という (文科省2018年9月27日発表)。また、東京都の教員の精神疾患による病休者数もここ数年年間550人前後で、都道府県別で1位である。
 この通常の勤務時間11時間に会議や校内研修を勤務時間終了時から2時間延長させたなら、学内勤務時間が13時間以上ともなる。そうなればますます教員に余裕はなくなり、「過労死」が心配される。身体・精神ともに疲労した教員の子どもたちへの影響も懸念される。また、教員志望者もさらに減ってしまうだろう。
 「教員の働き方改革」は、8時間で仕事が終わるよう、教員の大幅定員増に尽きる。諸外国並みに学級の定員を少なくし、教員の配置を増やすことだ。年々急増させている防衛費を抑えれば、それは容易にできることだ。
 この改定案が成立したら、各都道府県教委が条例をつくることになる。有害無益な改定案に反対しましょう。

■ 都教委の「学校における働き方改革」(2018年2月) は、
 当面の目標を「週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにする。」と定めている。この時間数は、月当たりの時間外労働80時間と同じ。過労死・過労自殺の判断基準は、「発症前2か月間ないし6か月間にわたって月当たりおおむね80時間の時間外労働が認められる場合」とされている。近年、全国の過労死件数は年間250件前後で横ばいのままである。
 過労死すれすれラインを「当面の目標」にするとは、都教委の見識を疑うほかない。

 


11月14日都教委定例会傍聴報告

①議案:「管理運営規則の一部改正」等の件

 「改正」の中味は、都立学校の栄養教諭に上級職を導入することである。栄養教諭に、新たに上級職として「主任」(給料表3級)「主幹」(同4級)を設置する。「改正」理由に、「東京都全域における食育推進体制を充実していく上で極めて重要な職務」「人材育成の強化及び食育推進体制の更なる充実を図る」等の文言が並ぶ。
 対象者は63人。これだけの人数に「上級職」を作って職階を3段階にする。そこまでして、栄養教諭に職階制を持ち込みたいか。これは子どものためなのか?こんなところまでヨコ社会を壊してタテ社会を導入して推進する「食育」とは一体なんなのか?? 高校生の「食育」を言うなら、都立高校定時制の給食を次々民間委託にして、子どもたちから温かい給食を奪い、栄養教諭を首切りしてきたのはどこの誰か、と聞きたい。

②報告事項:来年度の「教育庁所管予算」見積の件

 見積の「8.教員の育成(1)2」に次のような記述がある。「将来の東京の教育を担う人材の育成に向けて、東京学芸大学との連携により、都立高校において、大学教員による教職の魅力を伝えるセミナーや教職大学院生による専門教科・科目のワークショップ、地元の小中学校での教育実習体験などの取り組みを実施。【新規】」
 ここで一人の委員が「東京にはたくさんの大学があるのだから、『東京学芸大学』の後に『等』を入れて、連携の幅を広げてはどうか」と質問したのに対し、総務部の答は、「既に執行予定で先方と打ち合わせているので、今年は『等』は入れられない」というものだった。学芸大と言えば近年、近藤精一・金子一彦・伊東哲ら歴代の指導部長が相次いで天下っていることはよく知られている。どこまで癒着しているのか。
 さらに「大学の先生が高校の教室で『教職の魅力』を伝えるのですか」の問いに、「その通り」との答え。それには他の教育委員から、「目の前に本物の高校の先生がいるのに、わざわざ大学の先生を呼んできて『教職の魅力』を語ってもらうんですか。教職を目指してもらいたいなら、目の前の高校の先生に直接お手本になってもらった方がよほど『教職の魅力』が伝わるのではありませんか」との意見が出て、他の教育委員も次々同調した。
 真っ当な意見だ。おそらく都教委は、今の都立高には『教職の魅力』を語らせる実態がないことを知っていて、外部の人間に「空虚な理想論」を語らせようとしているのだろう。現場ではとても思いつきようがない珍奇な案を上から有無を言わせず押しつけるのが、今の都教委だ。
 金の使い途について。「生徒」に関わることでは、今や“学力!学力!学力!”のオンパレード。「全人教育」という言葉は、都立高ではとっくに「死語」になってしまったらしい。英語教育には「話す力」を中心に、58億9600万円予算を付けて多彩な事業を展開している。しかし、教育産業との癒着が疑われている大学入試の英語民間試験導入が延期されたので、目論見が狂ったのではないか?
 「教員の働き方改革」には、213億8600万円を注ぎ込む。しかしその中に、「正規教員の定数増」のような直接業務軽減につながる策は1つもない。自助努力が足りないと言わんばかりの項目が並ぶ。これで“ブラック”が解消に向かうとは、現場は誰も思わないだろう。
 組合の意見を全く聞かずに、一方的に上からお仕着せの「改革」を押しつけるとはどういう了見か。だから見当違いの項目ばかり並ぶ。このようなタテ社会組織の中で、ますますパワハラが生まれていく。

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2019/11/14

都庁前通信 2019年11月14日号

F20191114

 

今は戦前か!
学校が天皇の退位・即位を
「祝え」と教えている

 

 天皇の退位・即位に際し文科省が都道府県教委に出し、都道府県教委が市町村教委に出した「御即位当日における祝意奉表について(通知)」(4月2日)、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導について(通知)」(4月22日)。そこには、「各学校においては、…国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当」と書かれている。
 こうした後ろ盾がある中、4月23日に天皇夫妻(当時)が昭和天皇の墓に「退位」の報告に来た際に、八王子の3小学校が子どもたちを天皇夫妻の車が通る沿道に立たせ、「日の丸」の小旗を振らせた(既報)。筆者を含めた八王子市民(「『天皇奉迎』に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」)は八王子市教委、3校の校長、「天皇皇后両陛下 八王子奉迎会実行委員会」(代表は町会自治連合会の会長)と面会し、沿道に立たせたことは子どもたちの思想・良心の自由及びその形成を侵害することであり、学校教育がしてはならないことだと申し入れてきた。
 12月3日には新天皇夫妻が即位の報告に八王子の昭和天皇・大正天皇の墓に来るという。再び、子どもたちを沿道に立たせることのないよう、私たちは各機関に求めていく。

■「国民に寄り添う」ならば

 10月22日には「即位正殿の儀」が行われ、11月14,15日には大嘗祭が予定されている。この式典関係費は、予算年度をまたいで総額160億円余。台風19号の被害を慮ったかのようにパレードは延期したものの、中止にはしない。
 パレードにかかる費用が1憶2000万円、大嘗祭の費用が21億円。新天皇は「即位正殿の儀」で、「国民に寄り添う」と発言した。心からそう思うのであるならば、行動で示してほしい。「地方で災害が続く中、国民と皇室が遊離している印象さえ受けます」(原武史・放送大学教授)(毎日新聞11月9日)。

■大嘗祭は憲法違反

 大嘗祭は新天皇が即位の後に新穀を神々に供え、自身もそれを食する儀式。
 「初等科修身 四」(1942年)は、「大嘗祭の御儀」と題して「これこそ実に大神と天皇が御一体となる神事であって、わが大日本が神の国であることを明らかにするもの」と書く。
 天皇は大嘗祭で神と一体になって新天皇になるという。「(天皇の)地位は主権の存する国民の総意に基づく」という日本国憲法とは相容れない考えだ。
 したがって、大嘗祭は天皇家の私的行事に過ぎない。大嘗祭及びそこに国費を投入することは政教分離・信教の自由を規定した日本国憲法に違反する。大嘗祭国費支出差し止め等請求訴訟で大阪高裁判決(1995年)は傍論で、大嘗祭について「憲法違反の疑いは一概に否定できない」と判示した。
 都教委は学校教育で、大嘗祭の「意義について」児童生徒に一体何を理解させようというのだろうか。

 



10月24日都教委定例会傍聴報告
議題は都学力テスト、全国学力テストの結果報告
―――学力テスト実施に弊害は?

 都学力テストは小5、中2が対象、全国学力テストは小6、中3が対象。このほかに、区市町村教委が独自に行う学力テストもある。学力テストは、誰のため、何を目的としているのか。
 都学力テストの報告では、各教科の平均点、教科書例題レベル問題の平均正答率、学力の定着が図られている問題例等を示したうえで、授業内容の理解度年次推移、自尊感情に関する質問の調査結果と平均正答率の関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い)、家の人との会話に関する質問の調査結果と平均正答率との関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い。肯定的な回答をした児童・生徒が減少している。)を数値で示した。
 この結果から、都教委は取り組みの方向性だとして、「授業改善のさらなる充実」「主体的に学習に取り組む態度の育成」「保護者向け『リーフレット』による情報発信」をあげた。
 全国学力テストについては、全国平均点との比較、正答数分布割合を示した。
 報告に対して教育委員からは、「平均点を見ても意味がない。データをどう見るか、違う分析が必要なのでは」「家庭にどう指導していくか」などの発言はあったが、学力テスト自体を否定する、見直そうという発言はなかった。

 学力テストには不正がつきものだ。1950年代終わりから始まった全国学力テストは、学校や地域間での競争が激化し、それに伴い不正も生じた。そうしたことから教職員組合による反対闘争も起きて学力テストは廃止となった。
 再び始まった学力テストでは2006年、足立区立小学校が区独自の学力テストで、採点から障がいのある児童3人を外す、机間巡視の中で教員が机をノックして誤答を教えるなどの不正や事前に過去問をやらせるなど点数アップを図っての工作がなされた。こうしたことが1校で起きたのではなく、かなりの数の小学校で起きたのだった。
 教員たちにとっては担任するクラス、教科の得点が気になる。それが自身の業績評価にも影響するだろう。となれば、子どもたちの興味関心よりも、点数アップのための授業に傾かざるを得ない。この弊害について発言する教育委員はいなかった。この点の検討こそが教育委員の使命ではなかったのか。
 授業は教科書だけでなく他の教材・教具・題材を使い、教員が創意工夫をして行っていいのだが、教員管理・弾圧が激しさを増したこの 10 年、大半の教員は無難に教科書通りの授業をするようになってしまった。学力テストは、それに拍車をかけているのではないか。したがって、子どもたちの知る喜び・発見する喜びが圧し折られているのではないかと思う。
 学力テストは教員管理の手段として教育行政にとっては有用なのだ。

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2019/10/24

都庁前通信 2019年10月24日号

F20191024

 

夜間定時制高校切り捨てに教育委員の心は痛まないのか! 

 10月10日に行われた教育委員会定例会の報告議題に「夜間定時制高校の存続を求める請願」があった。
 しかし、「閉課程(廃校)にする」という都教委の方針が先にありき。存続を求める人たちの声が教育委員には聞こえないのか。 
 
 「来年度夜間定時制高校の募集人員について」の議案資料は「小山台30人 立川60人」とある。来年度は両校とも存続する。前回の定例会で立川高校の閉課程とセットで都教委が考えているチャレンジ高校の開校が2年遅れの2025年度となる旨の報告がなされたことから、それまでは立川高校の閉課程はできないが、小山台・立川両夜間定時制高校は閉課程が都教委の方針である。
 その2校存続についての請願が出されていた。小山台高校定時制については「小山台高校定時制の廃校に反対する会」から、立川高校定時制については「立川高校定時制芙蓉会(同窓会)」「立川高校定時制の廃校に反対する会」から。
 
■存続を求める請願者たちの切実な気持ち

 請願理由について、請願書には次のように記されている。 

◎小山台高校: 
 「平成28年2月12日の東京都教育委員会において、多くの存続を求める声が上がるなか、小山台高校など4校の夜間定時制の廃校(閉課程)が決定された。(略)
 小山台高校定時制は歴史も古く、長年地域の中で親しまれ、全日制に通学できなかった人たちの大切な学舎となってきた。今も、昼間働いている生徒や夜間中学卒業生、全日制中退生徒、若いときに学ぶ機会を逸した社会人など多様な生徒が通学している。特に、小山台高校定時制は、近年、人権尊重推進校として外国籍生徒や帰国生徒など外国につながる生徒たちを積極的に受け入れ、多文化共生の教育を積み重ねてきた。その手厚い教育体制は東京都のモデルにもなっている。このような特色ある学校を一方的に廃止することは納得できない。
 小山台高校定時制の生徒募集を継続し、存続させることを求める。」

◎立川高校: 
 「(前略)都内の夜間定時制の普通科で最も多い生徒数となっている。同窓会をはじめ生徒、卒業生、保護者、地域住民などから、「立定(たちてい)」の存続を求める声はいっそう広がっている。
 今年の2月、今後の都立高校の基本政策である「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」が策定されたが、その中で立川高校定時制の閉課程予定年度は「未定」となっている。
 立川高校定時制は多摩地域の中心にあり、交通の便も良く、現在300人近い生徒が在籍している。昼間働いている生徒や夜間中学の卒業生、若い時に学ぶ機会を逸した年配の社会人、外国につながる生徒など、いろんな生徒が学んでいる。全日制とともに「多摩に立高あり」といわれ、今年で創立82年を迎え6000名を超える卒業生を輩出してきた。…存続させることを求める。」
 
■「閉課程」の方針を変えない都教委

 都教委が4校を廃校と決めた時点から存続を求める請願は繰り返し行われてきた。しかし、4校のうちの2校(江北、雪谷)を都教委はすでに閉課程にした。「チャレンジスクールを新設する」「他の夜間定時制を受験すればよい」との、代替案とは言えない「代替案」を出して。
 今回の請願に対する都教委の「回答」もこれまでと同じに、応募者が少ないことを理由(※)に、上記した代替案を挙げる。
 ※夜間定時制課程はセーフティネットの機能を果たしているが、在籍生徒は年々減少している。
 ※夜間定時制課程には、昼間に学校に通うことのできない勤労青少年の学びの場として、昭和40年には夜間定時制課程に進学した生徒のうち勤労青少年は88.3%だったが、平成13年度のそれは7.00%、平成30年度は3.9%にまで低下している。
 ※小山台高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は26人、平成28年度は23人、29年度は22人、30年度は11人、31年度は13人など減少傾向にある。
 ※立川高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は90人、28年度71人、29年度91人、30年度57人、31年度51人など減少傾向にある。
  
■教育委員たちの発言の意図はどこに?

 この都教委の「回答」を是認したうえで、教育委員は次のように発言(趣旨)。 
 「本当は夜間定時制課程をこのまま続けて、チャレンジスクールも作るのがいいのだが、財政的に困難。この請願を認めれば、他も請願することになる。小山台高校で行われているいい教育を続けてほしい。でも、これらを実現するいいアイデアをなかなか思いつかない。」(北村教育委員)
「学びたいという子の意思をどう保証するか、知恵を絞っていきたい。」(宮崎教育委員)
「勤労青少年の比率が3.9%にまで低下している。請願に対する誠実なこたえは、生徒たちのニーズをどう実現するか。それが課題」(遠藤教育委員)
 教育委員に、本当に定時制課程に進学する子どもたちを支えようとする意思があるならば、請願に賛成するはずだ。採決・採択権限が教育委員にだけあることを自覚しているとは思えない、人ごとのような言動だ。都教委事務方の提案に対して、批判検討したうえで採決するのが教育委員の任務であるのに、都教委の代理人のような動きに終始する。「学びたいという子の意思」保証は、夜間定時制課程を存続すること。明白ではないか。
「この請願を認めれば、他も請願することになる。」とは何事か!請願はご勝手に。請願用紙は受理しますよ、だけど認めませんよ、無駄ですよ。請願権は形ばかりのもの、と言っていると同じだ。請願権は憲法で認められた基本的人権だ。その認識がこの教育委員にはあるのだろうか!?
 「財政的に困難」というけれど、「次世代リーダー育成」を目的に2014年度から都教委が始めた都立高校生の留学支援は、年間200人を1年間留学させ、総費用300万円のうち240万円は都が負担する(このことは2014年2月13日開催の都教委定例会で報告された)。 
240万円×200(人)=4億8000万円。この金額は教員60~70人を雇える金額だ。すでに閉課程にした2校を含め、4校存続は可能な額だ。オリンピック・パラリンピック教育にも巨額の予算が組まれている。都教委は、社会的弱者を切り捨てて、その金をエリート育成に回すこと、また、「愛国心」の刷り込みにつかうことしか考えていない。 

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2019/10/23

解雇させない会ニュースNo.69

Newsno69

 

 

 

 

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解雇させない会ニュース一覧表

解雇させない会ニュース一覧表を作成してあります。
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2019/10/10

都庁前通信 2019年10月10日号

F20191010 

 

 

「即位礼正殿の儀」に
「国民こぞって祝意を表する」ことを
強要してはならない!

 天皇の退位・即位に際し「学校における児童生徒への指導について」の通知(4月22日付)を文科省は出した。「各学校においては、・・・国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当・・・よろしくご配慮願います。」とある。9月20日に再び閣議決定したとして、10月22日の「即位礼正殿の儀当日における祝意奉表について(通知)」を出した。これは憲法違反ではないか?
 日本国憲法第1条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と明記するが、国民・市民に「敬愛」や「尊敬」を要求しない。それは、天皇(制)については肯定する考えも否定する考えもある中、「敬愛」や「尊敬」を求めることが、憲法19条「思想及び良心の自由」を侵害するからに他ならない。10月22日には学校や庁舎に「日の丸」が揚げられ、その前後の日に、子どもたちは「国民こぞって祝意を表する」意義について校長等から聞かされるのか。
 これはまさに皇民化教育。戦前、国民は天皇の民であり、学校教育を通して子どもたちに「日本よい国きよい国世界に一つの神の国」「天皇陛下のために」と教えた。その先に日本のアジア諸国侵略や植民地支配があった。それを安倍内閣はめざして、天皇代替わりを利用している。そのことを示しているのが、極右ともいえる萩生田光一氏の文科相任命だ。萩生田光一氏は日本最大の右翼団体日本会議のメンバーであり、日本を戦前に逆戻りさせるような言動を繰り返している。文科相に最もふさわしくない人物だ。
 子どもたちを再び戦場に駆り出すことのないよう、声をあげましょう!

 


9月19日都教委定例会傍聴報告
教員志望が少なく、
「底辺」の子どもを救おうとしない東京の学校

①「都立学校等に勤務する時間講師に関する規則の一部を改正する規則外1件の制定について」

 公務員職場も非正規雇用が増え続けていることから、その人たちを「会計年度任用職員」とし、勤務条件等について「改正」することを、来年度から地方公務員法及び地方行政法に盛り込むことになっている。それに準じて、都の「時間講師規則」及び「日勤講師規則」を「改正」するというもの。
 時間講師(6月以上の任用で、基準日の6月1日、12月1日に在職する者)には、「期末手当」が支給されるようになるが、時間当たりの報酬額が減り、有給だった出産休暇が無給になるなど、「改正」とは程遠い印象を受ける。日勤講師規則「改正」の理由としては、「教科指導等のノウハウを有する退職教員等を日勤講師として一層活用するため」を挙げる。都教委は今年度から65歳以上でも引き続き任用することにした。これも教員採用受験倍率が低迷することからの苦肉の策なのだろうが、場当たり的、そして、安く使うことしか考えていない。教育に対するビジョンがない。
 教員志望が激減した一番の理由は、都教委が教員を管理支配し、創造的な教育をさせず、指示に従う「人材」づくりばかりをさせているからだ。「教師と子どもとの人格的触れ合いによって」「子どもが自由かつ独立した人格として成長していく」ことを願い、そうした教育行政をしたならば、教員志望は上昇する。

②「来年度都立校入学者選抜実施要項・同細目について」

 日本語指導が必要な在京外国人生徒対象の入学者選抜校は、これまでの7校(今年度の倍率は1,75倍)に、1校加えるとのこと。
 宮崎教育委員は、「私の勤務する大学に都立高校出身の学生が在学するが、日本語は全く話せない」と言った。氏の発言からは、日本語指導が必要な外国人の子どもたちへのサポート体制を都教委がとっていないことが明白だ。
ICT教育や留学、○○推進校等、都教委が力を入れる「人材」づくりには湯水のごとく金を投じるのに、都教委が求める「人材」からはみ出す「弱者」は切り捨てるということだ。
 外国人労働者の雇用を国の施策とするが、国や都はその子どもたちの教育には目を向けない。私たちが見過ごしてはならない問題だ。

③「立川地区チャレンジスクールの開校予定年度の変更について」

 都教委は立川高校夜間定時制を廃校にして代わりに単位制・三部制のチャレンジスクール(720人規模)をつくる計画だが、開校が2年遅れの2025年度になるとのこと。理由は、既存建物(都が建てたもの)を解体したところで、設計に変更が生じたからという。専門家が既存建物の設計書と建物を見て設計したのではなかったのか?
 立川高校夜間定時制も、他の閉校したあるいは閉校予定の3夜間定時制と同じく、在校生・卒業生・保護者から存続を切望する声がたくさん上がっているのに、都教委はそうした声は握りつぶして現在に至る。ここにも、在京外国人生徒の日本語サポートには金をかけないのと同じ都教委の方針が見え隠れする。
 三部制高校等では退学が多いと聞く。そこには、「都教委は受け入れ口をつくった、しかし、努力せずに退学した、それは自己責任」というストーリーが思い浮かんでしまう。生徒が求めるものは、「教師と子どもとの人格的接触」だ。それが満たされたなら、学校が意味あるものになり退学には至らないのではないか。大幅な教員増をして、教員に子どもたちとかかわる時間と自由を提供することが、都教委のすべきことだ。他国並みに、教育にお金をかけるべきだ。

④「墨田地区第二特別支援学校(仮称)の設置場所について」

 「知的障害特別支援学校の在籍者数のさらなる増加に対応するため」に設置予定地を鐘ヶ淵駅近くに決めた。今後、住民向け説明会を実施し、開校に向けて動くとのこと。
 呼称が「養護学校」から「特別支援学校」に変更されたのが2008年度、その前々年に筆者が中学校に在職していた当時、年に少なくとも3回(初めの3か月は「君が代」不起立により停職処分だったので、その間はわからない)、「授業中、座っていられない」等の手のかかる生徒を挙げるよう指示があった。「1クラスに最低1名はいるはずだ」としつこく。「特別支援」の名の下、邪魔な児童・生徒を一般の学校から排除するためであった。「さらなる増加」とは、それが今も続いているということだ。
 一般の学校を設置するのに、住民向け説明会をするなど、聞いたことがない。ここでも、都教委は社会にある「知的障害」者差別を助長させる。美辞麗句を使おうとも、「共に生きる」社会の実現に逆行させることが、国や都の方針なのだ。所得格差が拡大する社会で人々が怒りを爆発させないために、為政者には差別構造が必要だからか。
 上記した報告の②から④には、「底辺」の子どもを救おうとしない都教委の姿勢が明白だ。都教委がその姿勢を転換したなら、教員志望者は増えるに違いない。

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2019/09/19

都庁前通信 2019年9月19日号

F20190919

 

育鵬社中学公民教科書に神奈川の現場から批判の声
都教委は学校現場の社会科教員の声を聴くべきだ

 神奈川県横浜市や藤沢市などの教育委員会が採択し、公立中学校で使われてきた育鵬社公民教科書について、藤沢市の市民団体が現場の社会科教員にアンケート調査を実施したところ、8 割の教員が「使いにくい」と回答したという。
 そこには、「立憲主義の理解に誤解を生じかねない内容」「国際協調と平和主義といった人類が到達した理念が軽んじられている」「全体的に押し付けがましい」「わが国という主語を用いているが、様々な国から生徒が集まっているので、全員にとって『わが国』とはしっくりこず、違和感がある」などの意見が並ぶ。また、生徒たちがこの教科書を使うことについては、「生徒は教科書はすべて正しいと思っているので、知らず知らず刷り込まれる」「生徒は教科書を読み込んで覚えようとしがち」「まじめな子どもたちほど教科書を学ぼうとするので不安」「教科書をそのまま教えるわけではないが、子どもたちはテスト前にこの教科書で勉強する」と意見を寄せたという(「週刊金曜日」(9月6日号)池添徳明氏の記事より)。
 育鵬社は、日本の侵略の事実に目を向ける歴史観を「自虐史観」と言い、「改正教育基本法に基づく教科書」づくりを目指す、安倍首相や日本会議と緊密な関係にある会社だ。
 都教育委員会も都立中学校及び特別支援学校の教科書採択で、歴史、公民ともに育鵬社を採択し、子どもたちに使わせている。都立中学校・特別支援学校の社会科教員に聞いたなら、神奈川の教員たちと同じような回答を寄せるのではないか。
 7月25日に行われた都教委定例会で教科書採択が議題になった際、中学校は新たに検定を通った教科書がつくられなかったことから、「今年度と同じ教科書でいいかを各学校長に聞いたところ、どの校長も『問題ない』と答えた。したがって、今年度使用の教科書を引き続き採択する」旨の提案がされ、可決された。筆者は、「育鵬社の教科書は使いたくない」との社会科教員の声はあがらなかったのか、校長は社会科教員に訊いたのか、と疑念を抱いた。
 都教委及び校長は、現場の教員の率直な意見を聞くべきだ。採択権を教員に戻すべきだ。それが、子どもたちのためであり、都教委の「権限と責任」である。

 


酷暑下でのオリンピック・パラリンピック
――オリンピック・パラリンピック教育でこの件を題材にしているか?

 8月8日に東京ビッグサイトの工事に従事していた男性作業員が死亡した。熱中症とみられる。作業員の一人は「誤った作業手順が進められ、極めて危険で、命がいくつあっても足りない」と語ったという(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウによる)。
 炎天下での競技も観戦も極めて危険だ。都教委は観戦を希望する学校に無料チケットを提供するというが、子どもたちの体のことを考えているとは思えない。命の危険と隣り合わせのオリンピック・パラリンピックについて、オリンピック・パラリンピック学習で学ばせるべきだ。
 


8月22日教育総合会議の傍聴報告
 
どんどん進むデジタルテクノロジー活用教育 

 議題は「Society5.0 時代の学校教育」。まず、教育長が「タブレットPCを使っている学校の児童・生徒は、『授業が分かりやすい』と回答し、正答率も高い」「OEOECD諸国に比べて日本のICT(注)活用は低い」と報告。Society1.0 は狩猟社会、Society2.0 は農耕社会、Society3.0 は工業社会、Society4.0 は情報社会で、Society5.0 は日本政府が推し進める新しい社会だという。
(注)ICT とは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略。

 次に千代田区立九段小、町田市立堺中、三鷹中等教育学校(後期課程)の校長が自校での活用について報告。授業での活用のほかに、保護者会のお知らせやアンケート、学校だより等の家庭との連絡や、出席簿などの校務支援にも活用し、「働き方改革」にもつながると。ICTを使いこなせる教員は少ないのが現状なのだから、「働き方改革」どころか、かえって忙しさを倍加させられているのではないかと思ったところ、「働き方改革」を言ったその口で、「ICT能力の差がかなりあるのが問題」と、相反する発言をした校長もいた。
 教育予算を削減していながら、ICTには金を投じるのか。三鷹中等教育学校は16年度から「ICTパイロット校」(全都で2校)に指定され、全生徒に1台ずつのPCを提供し、日常的に授業や諸活動で使っているのだという。ほかにも、都は15年度から「ICT活用推進校」12校を、16年度から情報モラル推進校20校を指定しており、九段小はICT活用推進校。
 そこには企業が介在し、膨大なお金が動く。今日の傍聴者の中にはICT機器関係の社員と思われる方が数人いた。公教育が教育産業に丸投げされる。今後は、教材も企業が作り販売することになり、教員はその教材を映し出すだけ、目の前の子どもたちと人格的接触をしなくなってしまうのではないか、今以上に子どもたちは人と人とのかかわりの中で人格形成をすることができなくなってしまうのではないか。人格的接触こそが教育の原点であるのに、それを教育行政が放棄する。一人ひとりを「人」としてではなく経済成長のための「人材」としてしか見なくなっていくのではないかと懸念する。

デジタルテクノロジーを活用した教育は「国策」

 最後は、「Society5.0 時代の学校教育~EdTech がもたらす教育改革~」と題して、佐藤昌宏・デジタルハリウッド大学大学院教授の話。氏は、内閣官房・教育再生実行会議の技術革新ワーキング委員や経産省・未来の教室と EdTech 研究会座長代行等々、いくつもの安倍内閣の役職にあるそうだ。
 EdTech とは、デジタルテクノロジーを活用した教育(学び)のイノベーションで、それは「国策」だという。EdTech が進むと、学習者一人ひとりにとって最適な学習機会が得られる。知的好奇心さえあれば、よい学びができる。デジタルテクノロジーは、単なるツールではなく、「教育のインフラ」。教育を科学する。人間の価値を再確認する。EdTech イノベーションの目指すところは、デジタルテクノロジーを活用し、「質の担保された教育」をどう作るかにある。それには、教育についての既成概念を取り除くことが必要、等々。聞き耳を立てないと聞き取れないほどの早口での話だった。こう言い切ることの根拠はどこにあるのか、と疑念を持たざるを得なかったが、それについての話は一切なかった。
 デジタルテクノロジーを活用した教育を、文科省を超えて総務省が打ち出す中、子どもも教員も生涯にわたって個人データが国に管理されるという怖さも生じる。

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2019/08/22

都庁前通信 2019年8月22日号

F20190822

 

教科書採択の議事は実質非公開

 今夏は小学校の教科書採択の年。
 東京のある市の教科書採択は、10時に始まり、12時から1時15分までの休憩をはさんで、3時40分までほぼ4時間半を費やしたと聞く。教育委員の皆さんの話し合いでは、例えば、家庭科については、「T社の方が小学生らしい、仕事の手順がしっかりと分かる、自分でやる気がおきる」など、丁寧に意見が交わされたとのこと。傍聴したある市民が、終了後、廊下で教育委員に「まことにご苦労様でございました。」と挨拶したら、「じっと聞いている方も疲れたでしょう、」とねぎらって下さったそうです。

 一方、7月25日に行われた都教委定例会での教科書採択は――。
 教科書採択に際し都教委は、教育委員の発言に圧力がかかる危険も心配されるとの理由から、教育委員は推薦理由などについては発言せず、無記名投票をするだけ。実質非公開運営である。上記の市教委のように、公開で議論する自治体も多く存在するというのに、文科省の「外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく,静ひつな環境を確保」するという「通知」を悪用しての、都教育委員諸氏の議事運営は看過できない。教育委員の「権限と責任」において採択をするというならば、市民(都民)に議論を公開すべきだ。

 小学部教科書については投票結果が過半数を超える出版社(すべて全員一致か過半数を超えた)が採択された。
 中学校(中学部)教科書については、新しく検定を通った教科書がないので、今年度まで使用した教科書を採択していいかが諮られ、全教育委員がそれを承認。2021年度に学習指導要領が改訂されるので、この日採択した教科書は2020年度のみの使用となる。
 したがって、中学校社会科「歴史的分野」は日本のアジア侵略の事実を歪め、「アジア解放のための戦争」と記述する育鵬社版が、「公民的分野」もまた、義務を前面に出し人権を軽視し、国民主権も軽視する育鵬社版が採択された。都教委が各中学校長に(どの教科も)今年度まで使用した教科書でいいかを問い合わせたところ、どの校長も、「特段の不都合はない」と言ったとのこと。育鵬社教科書は使いたくない、と意見を言った社会科教員が皆無だったとは思えないのだが。

 無記名投票に入る前に各教育委員から「都教委がつくった調査研究資料等がとても参考になった」(2名)「現場の教員が使いやすいものを採択したい」(2名)「使ってみて、現場の意見を聴かせてほしい」と、一言ずつ発言があった。
 「現場の教員が使いやすいもの」を、と言うならば、どうして、「現場の教員に選んでほしい」と言わないのか。各教科の専門家ではない教育委員が選ぶよりも、教科の専門家である教員が選んだ方がいいのはあまりに当然であり、事実、かつては現場の教員たちが選定した教科書が採択されてきたのである。
 しかし、東京の学校で育鵬社の歴史・公民を使わせ、実教出版「高校日本史A」(「君が代」不起立処分について記述した)を使わせないために、教育委員が採択してきた事実がある。教育委員が、こうした事実をまさか知らないはずはないだろうに、と思う。「権限と責任」をはき違えないでもらいたいものだ。
 なお、「それぞれの学校が最もふさわしいとして要望した教科書を採択すること」「問題が各方面から指摘されている育鵬社教科書や自由社教科書は採択しないこと」「都民への公開性を高めること」等の請願が2団体から出されていたが、それについては検討したか否かも説明はなかった。「同内容の請願が過去にあった場合には、再び検討しない」と都教委は決めているとのことだが、この内容の請願が初めて出された時の教育委員は、現在一人もいない。全員が入れ替わっているのだから、検討すべきではないか。請願はできても、検討がなされないのでは、請願権の侵害に当たる。

*****  *****  *****

「部活動に関する総合的なガイドライン」を作成し配布
――体罰・暴言がなくなるだろうか

 教員の働き方改革の推進(長時間労働の緩和)と部活動の充実を目指して作ったという。内容は7つの章立てで「部活動の教育的意義と適切な運営の在り方」に始まり、「体罰、不適切な行為の防止」「重大事故防止に向けた安全対策」「部活動中における健康面での留意事項」「部活動の実践例」等と続く(152ページからなる)。
 こうしたものを都教委は次々に作り、学校に配布しているが、それによって、部活動での体罰・暴言がなくなるとは思えない。管理支配で人は豊かな人格をつくることはできないどころか、それを阻害するのだ。

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あいちトリエンナーレ『表現の不自由展・その後』中止に思う

 脅しがあったからとの理由で、 『表現の不自由展・その後』が中止に追い込まれた。抗議・脅しの対象とされたのは、慰安婦にされた女性たちを描いた「平和の少女像」と昭和天皇をモチーフにした作品であった。河村名古屋市長は「国民の心を踏みにじる」と展示の中止を求め、菅官房長官は事業の補助金を「精査する」と脅した。
 この事件は、「表現の自由」、検閲の問題にとどまらず、排他主義、ヘイト、レイシズム、また市民運動に対する圧力などさまざまな問題をもっている。その背景には、この国が行った植民地支配と侵略戦争に対する日本社会の認識と想像力の欠如がある。また、天皇代替わりフィーバーの中での「奉祝」の動きも加わる。
 韓国の徴用工問題に対して安倍政権が反発するだけでなく、大手マスコミが同調した報道をするのも、『表現の不自由展・その後』の中止と同じく、歴史認識の欠如による。
 こうした日本社会を変えるためにも、 『表現の不自由展・その後』の再開を強く望む。社会が変われば、「日の丸・君が代」の刷り込みをはじめとする学校教育への政治介入も解決に向かう。

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2019/07/25

都庁前通信 2019年7月25日号

F20190725

 

天皇夫妻の「奉迎」に八王子市の3小学校が子どもたちを動員
――学校は「臣民」を育成するのか

 4月23日に天皇夫妻が昭和天皇の墓に退位の報告に来るにあたり、墓のある八王子市では町会自治会連合会(以下、「連合会」)が中心となって「天皇奉迎実行委員会」(以下、「実行委員会」)がつくられた(連合会の会長が実行委員会の代表に就任し、市から報酬が出ている)。その実行委員会が奉迎に子どもたちを動員させた。
 
「市教委は情報を提供しただけ」

 市教委は「実行委員会から『天皇陛下を乗せた車が何時にどこを通過する』という情報が寄せられたから、甲州街道沿いの3校(二小、横山二小、陵南中)にその情報をメールで提供した。立たせろとは言っていない」と言う。学校教育法は、決定の権限を校長としているし、陵南中は立たせなかったのだから、かたちの上では「情報の提供」だったのだろう。
 しかし、校長の一人は筆者の質問に、「メールが来る前に、指導担当部長から『対処してください』と言われた。対処ということは、立たせろと命令はしないが、忖度しろということ」と答えた。市教委はメール文で、「参加の可否」を報告させた。このことからも、忖度を求めていたことが十分にうかがえる。
 墓を訪問した後、夫妻は高尾みころも霊堂を訪問した。その際に沿道となる浅川小は5、6年生に出迎えと見送りをさせた。校長は「連合会から要請を受けたからやったのではない。校長である私が決めたのだ。連合会が教えてくれたから、(『御出迎えと御見送り』が)できた。連合会は子どもたちに旗も準備してくれた」と言った。
 「出迎えと見送りは敬意の意思表示。思想の強制になるとは考えなかったのか」と訊くと、「連合会から話があって、あえてそれをやらないのは、反対の意思表明になる。敬意を持つのは、日本の国のルールであり、文化だ。あなたのように反対する人がいるのは承知だが、多くの国民が天皇に敬意を持っている。共産党も赤旗で代替わりに賛意を表明している。」と校長。少数の意思は踏みつぶしてもいいと考えるようだ。
 2004年の園遊会で、都教委の米長委員が平成天皇に「日本中の学校で日の丸を掲げ君が代を歌わせます」と話し、天皇は「強制にならないように」と答えている。今回、天皇夫妻は子どもたちのエキストラさながらの動員を知ったら喜ぶのだろうか。

「子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮」を

 実行委が出した4月15日付文書は言う、「天皇皇后両陛下 武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」は、「国旗小旗は、当日沿道にて、町会自治会連合会の方から配布します。沿道では、子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮方お願いします。」。子どもを動員することに力点を置いていることは一目瞭然だ。戦前の天皇制のもとで子どもたちは天皇奉迎に度々動員された。同じことがまた繰り返されている。
 憲法1条は「天皇は日本国民の象徴」と謳うが、同19条で「思想・良心の自由」、20条で「信教の自由」を各人に保障している。敬意の表明を押し付けてはならないのだ。公教育がそれをしてはならないのは当然の理だ。

 



7月11日都教委定例会傍聴報告
教科書採択には、それ以前の問題が

 この日の議題はただ一つ、教科書採択に関する報告。都教委が教科書選定審議会に諮問したことに対する審議会の答申が報告された。前回定例会も公開議題は2件のみで要した時間は30分、今回は 25分。まとめて1回の開催でいいではないかと思うが、そうはいかないものなのか。
 答申は、ア)都教委が作成した「特別支援学校(小学部)用教科書研究資料」(来年度から使用)は適切であり、都教委はこれと「教科書調査研究資料(小学校)」(区市町村教委へ配布済み)等を資料とし、都教委の責任と権限において、適正な採択を行うこと。 イ)都教委は、今回作成した資料も区市町村教委に配布し指導、助言・援助を行うこと。 ウ)都立中学校(特別支援学校中等部を含む)で来年度使用する教科書(2015年採択)は、新たに検定を経て採択の対象となる教科書がないため、前回採択時の教科書が採択対象となること。
 例年通り、7月下旬(本日)の定例会で採択を議題にするという。

 都教委は教科書採択の際に、教育委員の発言に圧力がかかる危険も心配されるとの理由で教育委員は公開の定例会では発言しない、実質非公開としてきた。文科省の「外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく,静ひつな環境を確保」するという「通知」を悪用している。公開で議論している自治体も多く存在する。市民が議論の具体的経過を知ることは大切なことだ。私たちはこのことを問題にしてきたが、これについて都教委が選定審議会に諮ったことはない。選定審議会は形だけのものといえる。

 また、採択以前の問題がある。そもそも教科書の内容が、「国定教科書」というべきものになってしまったこと、「安倍内閣宣伝誌」でもあることだ。
 社会科の教科書検定基準に「政府見解」を書くことを加え(2014年)、書かなければ検定を通させないようにした。2014年採択の現行教科書でも領土についての記述が大幅に政権寄りの記述になり、地図帳にも領土の境界線が入るなどしたが、今回は検定基準の変更だけでなく学習指導要領の改訂(2017年 社会科では領土問題を入れ、自衛隊についての記述を増やすなどした。)もあって、教科書会社は検定の際に、こと細かに書き換えをさせられた。政権が変わると教科書の記述が変わる。子どもにとってみれば「正解」が変わるのだ。時の政権の意向を子どもたちに注入することになる。あってはならないことではないだろうか。
 教科書の「国定教科書」化も、安倍一次政権での2006年教育基本法の改定が生み出したもの。子どもたちが、人格を持った一人の人間として育つことよりも、国家に命を差し出すイエスマンを育成する安倍内閣・教育行政を終わりにせねばと思う。

 本日の議案には、非公開議題とされる懲戒処分案件がなかった。この案件がないのは記憶の限り、この数年で初めてではないかと思う。
 中井教育長が退任し、藤田裕司氏(元産業労働局長)が新教育長に就任。就任の挨拶は傍聴者が入場する前に行なうとのことで、傍聴者は定例会開始時刻の10時を2分過ぎての入場となった。挨拶を非公開にする理由はないだろうに、と思う。

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2019/07/11

都庁前通信 2019年7月11日号

F20190711

 

6月20日都教委定例会を傍聴して
学校への情報端末の持ち込み 禁止から可へ
――なぜ? 子どもの教育を受ける権利よりも、企業の利益優先か

 これまで子どもたちが携帯電話やスマホなどの情報端末を学校に持ち込むことを、都教委は通知(2009年)によって、小学校から高校まで禁止し、特別支援学校では生徒の実態に応じて学校が判断するとしてきた。この通知は文科省の同通知とほぼ同時期に出された。
 しかし今後、都教委は2009年通知を廃止し、都立学校(中等教育学校後期課程を含む)では校内への持ち込みや使用許可を校長が判断する、区市町村立学校については、各教委が判断するという方針を示すという。
 文科省が今年5月に「学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議」を設置し、今後、学校における情報端末の取り扱いについて、改めて方針を出す予定というから、それに合わせてのことのよう。文科省がこれを打ち出したのは、総務省からの強い要請(=教育への介入)があってのことだ。教育は政治からから独立しているという理念も消えてしまった。
 方針の変更について都教委は、児童・生徒のスマートフォン利用率が高校で97,3%、小学生でも63,9%にのぼる中、スマートフォン等の持ち込みを一律に禁止するのではなく、学習指導や安全確保のために適切に活用できるようにするためだという。昨日まで持ち込んで取り上げられたり叱られたりしていたのが、今日からは授業等での活用となる。まず、生徒と保護者に丁寧な説明が必要だろう。
 すでに都教委は 2018 年4月から2年間、白鷗高校及び附属中学校など10校を BYOD(Bring Your Own Device)研究指定校に指定し、「Wi-Fi環境を普通教室に整備し、生徒の所有するICT機器を活用した学習支援等を実施することの有効性を検証し、導入時及び運用における課題の解決の方向性を検討」しているという。
 方針が大きく変ったにもかかわらず、2009年通知についての総括を都教委は出さなかった。教育委員からはいつものように一言ずつではあるが、「ゲームをしてしまうなどのマイナスの側面をどうするか」「このことがさらに教員の負担になるのではないかと心配」との発言もあったが、報告は了承された。
 情報端末を授業で用いるということは、企業がさらに教育に参入し、ハード面・ソフト面ともに莫大な利益をあげるということだ。教育を受ける権利の主体である子どもたちは、生の声での対話の機会を奪われ、また、ますます「教師と生徒との人格的接触」(旭川学テ最高裁判決)の機会が奪われ、孤立させられていくのではないか。集団の中で自己を表現し、行動を選択することを学ぶ場が学校であり、そのかじ取りをするのが教師の役割であるのに、子どもたちからその場を奪うことになるのは必至。教員は、情報端末の操作さえできれば事足りることになり、非正規雇用がますます増えるのではないか、とも危惧する。一方で、学校カウンセラーやソーシャルワーカーを非正規雇用で配置していることとの矛盾。子どもたちに必要なのは、生活する中でじっくりと話を聞いてくれる、主体的・自律的な教員であり、そうした学校体制である。
 子どもの育ちと企業の利益(=政権の利益)を天秤にかけるような愚策・悪策に、腹立たしく悲しくなる。

 



18年度都内公立学校における体罰――都教委は研修による体罰根絶を掲げるが

 2012年度から文科省が始めた体罰実態調査。全公立学校の校長、副校長、教職員、児童・生徒を対象にした調査結果を、都教委が「体罰関連行為のガイドライン」(2013年)に示された体罰分類基準に沿って、「体罰」「不適切な指導、暴言等行き過ぎた指導」「指導の範囲内」に分類した報告である。調査方法は、教職員は校長による聞き取り、児童・生徒は質問紙及び聞き取りによる。
 報告は、
ア.調査に対し、〈体罰があった〉との報告を提出した学校は13,6%。提出しなかった86、4%の学校は体罰がなかった学校とのこと。
イ.「体罰を行った者」は23人。調査を始めた2012年度の182人との比較では、1/8に減少しているが、この3年間と比較すると横ばい。「体罰」とは認定されなかったが、「不適切な指導等」をした者が197人。「指導の範囲内」と認定された者が149人。
ウ.体罰を受けた児童・生徒は、23校31人。2017年度は19校23人であり、増加している。
エ.「体罰」の程度が著しい事案(=体罰を行った件数が5件以上、傷害あり、悪質・危険な行為)と認定されたのが、高校で4件、中学校で2件、小学校で1件の、計7件(SNS投稿がきっかけでその後、新聞報道もされた町田総合高校の件も、ここに分類されている)。

 「体罰がなかった学校が86,4%」というのは本当か。傷害に至らなくても言葉による暴力を「体罰」と認定したか。校長による聞き取り調査の段階で「体罰」から外されたのではないのか。また、集計段階で「指導の範囲内」と認定された149という件数の多さも異常だ。本人や周りが体罰と感じ、心を痛めてこたえたことに対し、一体どのような‟基準"で体罰ではない、「指導の範囲内」としたのだろうか。この報告の信ぴょう性自体に疑念を持った。

 報告を受けて教育委員から、「体罰ではなく、教育の一環ではないかというケースもあるかもしれない。」との発言があった。児童・生徒、教職員から「体罰」と上がった行為のうちの149人が「指導の範囲内」と認定されたのも、この教育委員のような‟基準"が働いた結果なのではないのか。
 この教育委員の発言に対し人事部長は、「教員に主体的に考えてもらうよう、(校長に)研修を計画してもらう」と応答した。
 体罰等の根絶に向けた今後の取り組みとして都教委は、「7・8月を体罰防止月間とし、・・・校内研修等を全公立学校で実施」「全公立学校が体罰根絶の宣言を行い、ホームページ等で公表」などを挙げる。しかし、研修や宣言で体罰根絶が不可能なのは明白だ。調査を始めた2012年度と比べれば体罰は減少しているが、それは至って当然のこと。研修や宣言で根絶に向かわなかったから、その後横ばい状態が続いている現実を都教委は直視すべきである。
 人事部長の「主体的に考えて」の発言に一言。都教委は、日常の仕事の中で教員には指示に従うことばかりを求め、主体的に考え行動する機会を奪い続けている。この件だけに主体性を求めても、求められるものではないだろう。また、教員自身が中学生以降、体罰が横行する部活動を体験した人もかなりの数いるだろうから、暴力の再生産が起き、体罰を教育と勘違いしてしまいがちなのだ。
 戦前の軍国主義日本で教育が体罰と親和的だったことも忘れてはいけない。
 体罰根絶に向けて必要なのは、仕事の中で同僚と論議でき、自由な発言・助言が行き交う自立的な職場環境である。教員たちが話し合いによって職場・学校をつくり、子どもたちとも話し合いをもとに教育活動していったなら、暴力=体罰に向かわなくなるだろう。

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2019/06/20

都庁前通信 2019年6月20日号

F20190620 

天皇の退位・即位を祝うことを公教育が強制してはならない、と思いませんか

 天皇退位・即位に当たって文科省は4月22日、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導について」の通知文を都道府県教委等に送付。それを受けて都教委は各市町村教委に通知しました。通知文は「天皇」「皇太子」ではなく、憲法にも書かれていない「天皇陛下」「皇太子殿下」という最大級の敬語を用い、「国民は天皇陛下を深く敬愛し」「即位に際し、国民こぞって祝意を表する」と書きます。日本国民であるならば天皇を敬愛し祝意を表さねばならないとは、思想・良心の自由を認めないものではないでしょうか。ましてや、思想・良心の自由の形成期にある子どもたちにこれを求めるのは、さらに悪質ではないでしょうか。
 日本国憲法に思想・良心の自由、基本的人権が明記されたのは、大日本憲法下で国家権力があまりにひどく肥大化し、政府の考えに反対する人々を投獄するなどのことがあったからでした。日本国憲法第1章は天皇について定めてはいますが、人々に「深く敬愛する」ことは求めていません。求めることは思想・良心の自由に抵触するからです。今回のこの通知文発出は、安倍一強のおごりから出た、憲法違反の政治介入です。
 通知の弊害か、以下のようなことが起きました。

八王子市の2つの小学校で天皇出迎え

 4月23日に天皇夫妻が多摩陵に退位の報告に行った際、夫妻の車が通る甲州街道沿いの2校の子どもたちが天皇夫妻の出迎えに駆り出されました。八王子市教委は、「何時頃どこを通るという情報を小学校2校と中学校1校に提供した。沿道に立つようには言っていない。あくまでも情報提供である。」「天皇については学習指導要領6年生社会科で『理解と敬愛の念を深める』と示されている。(従って沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った指導だ」と言います。
 しかし、「日の丸・君が代」の刷り込みと同じく、子どもたちに対し、天皇への「敬愛の念を深める」という一方的な価値観の押し付けや「こぞって祝意を表する」行為を求めることは学校教育がしてはならないことです。

大阪市の小学校で「新天皇ご即位記念集会」

 5月8日にこの小学校の集会に招かれたゲストの歌手の方は以下のように自身のブログに書きました。
   ――― ――― ―――
(前略)「幸せなら手を叩こう」「ずいずいずっころばし」を元気にみんなと一緒に歌い、次に唱歌「神武天皇」・唱歌「仁徳天皇」のお話と歌を歌わせて頂きました(〃ω〃) 唱歌「仁徳天皇」は初めて歌った曲ですが、歌う前に「民のかまど」のお話をしたんですが、改めて国民と天皇の絆の深さを感じるお話に私も話しながら胸が熱くなりました。(中略)最後に!私のオリジナル曲「行くぞ!日の丸!」と「令和の御代」を歌わせて頂きました。(以下略)
   ――― ――― ―――
まさに戦前の学校となってしまいました。

 


5月23日都教委定例会傍聴報告

①「教育職員の勤務時間の上限に関する方針の策定について」

 提案された方針は、年間360時間の超勤を前提とする「働き方改革」案。そこを素通りする事務方や教育委員の感覚は、いったい何なのか。
 文科省が1月に学校における働き方改革の方策の一環として「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を策定し、服務監督権者である各教委に対して、教師の勤務時間の上限に関する方針を策定するよう通知した。このことから、都教委は国のガイドラインを参考に方針を策定したとのこと。
 方針は、


・時間外労働時間の上限は、1ヶ月45時間、1年間360時間。
・事故、いじめやいわゆる学級崩壊等の重大事案の発生等で、一時的または突発的に時間外労働をせざるを得ない場合は特例的な扱いを認めることができる。ただし、年間720時間を超えない。
・休憩時間や休日の確保等労働法制を遵守する。在校時間が一定時間を超えた教育職員については、校長は医師による面接指導や健康診断を実施する。

 この方針を都立学校長に通知するとともに、「学校における働き方改革 取り組み事例一覧」(75事例)を送付する。区市町村教委にも送付する。取り組み事例には、「定時退庁日の設定」(「教員の意識改革のため」という。教員をなんと小ばかにしたことか!)も挙げるが、「業務改善の推進」だとして例えば、「内容の似た会議を統合するとともに、必要最小限の人数で開催」「会議時間の上限を 1 時間に定める」等を挙げる。今だって職員会議は校長が都教委からの指示を伝えるのみで職員の発言は都教委が禁止しているし、管理職・中間管理職の打ち合わせで決まったことが一般職員には伝えられるだけ。会議時間の削減など、できようがないことは都教委自身が知るところではないのか。

 雇用者である都教委のすべきことは、8時間労働で仕事が終わるよう教員定数を大幅に増やすことだ。明らかではないか。戦闘機に回すお金を使えば、全国一斉に即解決する。教員管理のために 21 世紀に入った頃から始めた大量の文書作成・提出指示をやめ、職員会議を議決機関に戻すこと。教員たちが生きがいをもって仕事に当たることができるように戻すこと。それが、「働き方改革」だ。
 教育にお金をかけるのは、国際社会の常識である。

②「東京都教育委員会から教員と保護者等へのメッセージについて」

 「教育職員の勤務時間の上限に関する方針」を周知徹底するために、都教委は教員に対しては「教員一人一人の働き方改革が求められています」と題するメッセージをメール送信し、保護者・地域の人たちに対しては「学校の働き方改革にご理解・ご協力をお願いいたします」と題するメッセージを、学校を通じて紙配布するという。4月には、新学年を迎え、「生徒の皆さんへ」「教員の皆さんへ」を出した。このどれもが、教員の大幅定員増が解決策であるのにそれはせず、「都教委はやっています」の自己アピールに終始する。
 こうした人事部の議案に対し、教育委員の発言は議案を容認するものばかり。「目的は、教育の質の向上」「だらだら時間外勤務と必死の時間外勤務に不公平がないように」「教員でなければできない仕事と削ることができるアンケートのような仕事を分け、精神論ではなく、具体的に期限を設けて仕事を減らす」「(働き方改革の)研究校をつくるとよい」「メッセージは、(一斉定時退庁日などの)具体的事例も書かれていて、よい内容だ」と。

 教員採用受検倍率が年々急降下していること(東京の19年度採用 小学校:1,8倍 中高:4,3倍 特使:2,8倍)について、中井教育長は定例会や総合教育会議で発言しているが、本気でそれを食い止めるつもりならば、上記した筆者の提案を参考にすべきと思う。都教委の「教育改革」が破綻していることを、都教委は自覚せよ。

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2019/05/24

2019年度総会&お話の集いご案内

190519

 

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
2019年度総会&お話の集いご案内

日時 2019年6月30日(日) 13時15分開会
場所 国分寺労政会館第2会議室
国分寺市南町3-22-10 TEL 042-323-8515

 総会の議事終了後、させない会弁護団萱野弁護士から08年事件控訴審判決の解説と河原井・根津裁判のこれからについて30分程度話して頂きます。

 お話の集いは、「マコの宝物」(2017年3月 現代企画室発行 1500円)の著者えきた ゆきこさんにお願いしています。
 この本は、山口県長門市の山里の村で育った「マコ」が、家族や村人や学校の仲間たちとの生活を物語っています。
 解説者の清水眞砂子(「ゲド戦記」翻訳者)さんは「こんなに喜びを覚えた本にはここ何年と出会っていなかった……社会の縁におしやられている人々への書き手のまなざしが違う……」と書いています。
 ぜひ、ご一読ください。
 お話のつどいの詳細については、現在太田昌国さんと一緒に準備中です。会員の方も会員でない方もぜひご参加下さるようお待ちしています。


著者紹介欄から
本名 浴田 由紀子。1950年山口県長門市に生まれる。北里大学卒業。臨床検査技師となる。74年、東アジア反日武装戦線大地の牙に参加。75年、逮捕。77年、日本赤軍のダッカ・ハイジャック闘争で超法規的に釈放されアラブへ。95年、ルーマニアで拘束され日本に強制送還、服役。2017年3月、20年の刑期を終え出所。

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解雇させない会ニュースNo.68

Newsno68 
 

 

newsno68.pdf」をダウンロード

 

 

解雇させない会ニュース一覧表

解雇させない会ニュース一覧表を作成してあります。
左側の赤いピンアイコンのリンク先を「お気に入り」に登録することをお薦めします。

 

 

 

2019/05/23

都庁前通信 2019年5月23日号

F20190523

 

滋賀県野洲市教委が文科省作成の「放射線副読本」を回収

 滋賀県野洲市教委は文科省が作成し18年10月に各学校に送付した「放射線副読本」(小学生版、中高生版)の記述内容に問題があると判断し、4月25日、回収に踏み切りました。
 3月の野洲市議会一般質問で、「(副読本は)人工と自然界の放射性物質を同列のように扱い、(放射性物質が)安全であると印象を操作しようとしている」などと指摘を受け、市教委は副読本の内容を精査。その結果、 ア.「放出された放射線の量はチェルノブイリ事故の約7分の1」「福島県内の放射線の量は事故後7年で大幅に低下している」など、事故の影響を少なく見せようとしていると受け取れる記述や、放射線の安全性を強調するような印象を受ける記述が多い。 イ.被災者の生の声が少ない。 ウ.小中学生にとって内容が高度――との判断に至り、回収を決めました。
 副読本には、「県が平成30年4月までに実施した内部被ばくを測定する検査では全員、健康に影響が及ぶ数値ではなかった」とまで記述していますが、この改訂版を発行してわずか3か月後に、当時11歳だった少女が100ミリシーベルトの被爆をしたとのメモ(2011年5月2日の放医研の「朝の対策本部会議メモ」)が見つかりました。メモは開示請求によって見つかったのですから、国・放医研はこの事実を隠してきたということです。こうした現実を見れば、この記述だけでなく、副読本に誤りや嘘がかなりあるといえるでしょう。
 山仲善彰市長は25日の定例会見で、「丁寧な情報を若い世代に伝えることが大事。市教委の判断は適正」「福島の原発事故はもちろん、広島、長崎の原爆や第五福竜丸といった被ばくの歴史についてももっと丁寧に伝えたい」と語ったとのことです。(4月25日朝日新聞 26日中日新聞)。私たちは、野洲市教委の誠意ある判断と対応を支持します。
 東京の全学校にも副読本が配布されていますから、都教委は副読本の内容を精査し、訂正文を配布したり、副読本を回収したりすべきです。

都オリ・パラ準備局発行の高校生向け冊子「2020年。東京と東北で会いましょう。」も回収を

 都が17,18年度に高校生に配った同冊子が「復興を難しくしている最大の原因である原発事故には触れていない」ことから、福島県から原発事故の記述を加えるよう都に提案がされたこと(東京新聞2019年3月24日)を知り、昨年度までの旧版と19年度の改訂版を比べてみたところ、変更は 1 か所、「被災地の復興は、まだ途上。」の項のみでした。旧版が「農業、観光分野において、特に福島県では復興が遅れています。」と記述し、「米の産出額」と「観光客入込」推移のグラフを掲載したところを、改訂版は、「観光、農業分野において、原子力発電所事故による風評の影響が根強く残っています。」と記述し、米と桃の価格推移を、全国平均との比較で掲載しています。「風評の被害」を強く押し出し、健康への影響には一言も触れません。故郷を奪われ、体を壊し、我が子の将来にわたる健康への不安に脅かされる人たちの気持ちに全く寄り添っていない内容です。また、「東京2020大会は、大震災から立ち直った日本の姿を示す。」から始まるもので、福島の人たちも、東京2020大会に期待しているという内容で構成されています。
 しかし、こうした東京2020大会賛美の内容は、福島の少なくない人たちの気持ちを踏みにじり、さらには東京の全高校生を東京2020大会祝賀に動員するものです。オリンピックに使う金は福島の被災者たちの生活保障に回すべきだ等の意見を持つ高校生がいることを無視することになります。

 



4月25日都教委定例会傍聴報告
昨年度の指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等、 条件付採用教員の任用について
――解決策は都教委が学校への支配介入をやめること

 「指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等」では、「A 指導が不適切である教員」に認定され、
週4回研修センターで受講した者が3名、「B 指導に課題がある教員」に認定され、週1回研修センターで受講し
た教員が2名の計5名が受講。Bの1人は認定を解除されて職場復帰となったが、残り 4 名のうち、Aの 1 人は年度
末に退職し、3 名は今年度も研修センターで受講するという。
 「条件付採用教員の任用」(条件付採用期間は、教員は1年、養護教員と実習助手は6月)は、条件付採用教員数が2809人、正式採用者数は2720人。正式採用とならなかった者が89人、うち、年度途中の自主退職者等が77人(病気29人、他県での採用や転職30人、家庭事情13人他)、懲戒免職1人、正式採用「不可」の者11人(11人とも、年度末で自主退職した)。正式採用とならなかった者の割合は3、2%。正式採用「不可」の理由は、「授業計画が立てられない、授業が上手くできない、子どもに対応できない、教員間のコミュニケ―ションに問題があるなど」とのこと。
 指導力不足等教員の申請も条件付採用教員の正式採用も、校長の判断・評価による。

 希望をもって教員の仕事に就いた人たちを励まし育てるのが校長の仕事なのに、ひどい校長に当たったがために正式採用「不可」や自主退職に追い込まれた人がかなりの数いるのではないかと思う。実際に、正式採用「不可」を2年続けて都教委にあげた校長がいた事例を筆者は知っている。そうした校長によって人生を狂わされ、現在裁判をしている人もいるし、勝訴し職場復帰を果たした人もいる。校長の判断・評価に主観が入ることは否めないということだ。
 「年度途中の自主退職者等」のうち、29人の病気は精神疾患であろう。10年近く前に条件付採用教員から筆者の友人が直接聞かされた(相談された)ことだが、その教員は校長から「(仕事ができないのだから)線路に飛び込んだら」と言われたという。そのような校長に当たってしまったら、病気になって当たり前。「家庭事情」を理由にした人たちは、「自主退職しなければ免職にする。免職となれば、経歴に傷がつき再就職が難しくなる」と校長から脅されてのことだろう。この話は、教員で知らない人はまず、いない。そして、「他県での採用や転職」が30人。東京の学校で働くことに魅力を感じなかったということだ。
 この報告に対して、ある教育委員は次のように言った。「条件付採用の1年の間に(指導力不足を)見つけられないと、その後に指導力不足等教員に認定されるのだから、この1年の間にしっかり(「不可」を)見つけてほしい」。なんと冷酷な人物なのか、こうした人が教育委員であってほしくないと思った。
 教員たちが切り捨て、切り捨てられる中では、教員は子どもたちに対しても同じような扱いを、自覚せずにしてしまうだろう。助け合える関係性の中で、人は育ち力を発揮できるのだ。教員たちが助け合える関係にあれば、条件付採用教員も育つはず。かつての東京の学校はそうだった。
 都教委が学校に対する支配介入を止めることこそが、この解決策である。

 蛇足だが、昨年度4月6日時点での東京の教員不足数は小学校208人(うち学級担任78人)、中学校77人(うち学級担任6人)だった。地元の採用試験に合格して退職していく若い教員が毎年かなりの数いる(=中井教育長の言)など、退職者の予測が都教委にできなかった結果だ。今年度は、充足されているのだろうか。

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2019/04/25

都庁前通信 2019年4月25日号

F20190425

 

生徒や教員を励まし救うと本気で考えているのか?
都教委の「東京都教育委員会から生徒と教員へのメッセージ」

 4月11日に行われた都教委定例会では、議案「東京都教育委員会から生徒と教員へのメッセージについて」が出席した全教育委員の賛成で承認された(1名欠)。メッセージを出す目的は、生徒に対しては「学校生活を送る上で生じる様々な感情と上手に付き合うことの大切さを伝えるとともに、悩んだときには身近な大人に相談するよう促す」、教員に対しては「日頃の教育活動に感謝して激励するとともに、課題の解決に向けた取組をともに行っていくことを伝える」のだという。
 しかし、都教委の言はきれいごとでしかない。実際に東京の公立学校で起きたいじめによる自死について、都教委定例会で論議したことはなく、遺族に寄り添わない。一例を挙げれば、小山台高校生の自死では、その生徒が学校側にいじめを訴えても学校側はそれを無視し、自死後に遺族が真相究明を訴えても、都教委が開示した文書は墨塗りであり、「いじめはない」とした。遺族は知事部局に再調査を求める一方、提訴している。

 さて、「メッセージ」は次のようにいう。

◆生徒の皆さんへ
○新学期が始まりました。皆さんは、今、学校生活を楽しんでいますか。保護者の方や学校の先生たちは、皆さんが楽しく充実した学校生活を送ってほしいと願っています。
○充実した学校生活を送るためには、友人や先生などと心を通わせて、良好な人間関係を普段から築くとともに、学校の集団生活における決まりや社会のルールを守ることが大切です。
○しかし、学校生活を送る上で、困ったことや納得できないことが起きた時などは、不安や不満、怒りなどの感情が湧くことがあるかもしれません。皆さんにとって、こうした感情と上手に付き合っていくことも重要です。
○そして、自分たちだけでは解決できないと思った時には、まず、保護者の方や先生など身近な大人に相談してみましょう。もし、大人への相談が難しいと感じたら、東京都教育相談センターなどの相談機関を利用することができます。また、LINEで気軽に相談できる「相談ホットLINE@東京」という方法もあります。これらの相談窓口は皆さんを全力でサポートしてくれます。
○(SNSの危険性を正しく理解して使うこと:省略)
○皆さんが夢と希望を胸に、未来に向かって羽ばたいていけるよう、保護者の方や学校の先生、地域の皆さんと一緒に、東京都教育委員会は心から応援しています。

平成31年4月11日 東京都教育委員会

◆子供たちの健やかな成長を願って ~教員の皆さんへ~
○先生方におかれましては、全ての児童・生徒が充実した学校生活を送れるよう、日頃からご尽力いただき、ありがとうございます。
○さて、児童・生徒への指導に当たっては、日頃から個別の言葉掛けなどにより一人一人の理解を深め、教員としての信頼に基づく良好な人間関係を構築することが大変重要です。
○そして、学校の集団生活における決まりや、社会のルールを守る意味などについて、児童・生徒が十分に理解し、日常の行動として実践できるよう、丁寧かつ継続的に指導していくことが必要です。
○また、児童・生徒への指導や外部への対応に苦慮するケースもあることから、担当教員を孤立させないよう、学校は複数の教員が協力して指導に当たることを基本とした校内体制をしっかり定着させる必要があります。こうした組織的な取組を通じて、体罰を絶対に許さない学校風土を一層強固なものにすることにも努めていただきたいと思います。
○東京都教育委員会は、教員の皆さんがやりがいをもって日々の仕事ができるよう、今後も学校訪問等を通して皆さんの仕事の実情や日々の努力を理解、共有するとともに、皆さんが抱えている様々な課題や悩みなどの解決に向けた具体的な取組を全力で行っていきます。

平成31年4月11日 東京都教育委員会


 「生徒の皆さんへ」では、決まりやルールを守ること、納得できないことがあっても自分の感情をコントロールすることが大事と説く。それは、決まりやルールを論議し見直すことが必要となっても、それにブレーキをかけることになりはしないか。一人が皆と異なる捉え方や判断をし、納得できないことが起きたなら、皆で話し合いをすることこそが、よりよい社会を作っていくうえで大事であり、学校教育はそれを学ぶ場であるはずだ。それを否定するメッセージは、「規律と秩序維持」を最優先する、都教委の考える道徳心を刷り込むものだ。
 「教員の皆さんへ」では、都教委が取り組むべき教員の過重労働軽減については触れないまま、教員が子どもと自由に過ごす時間的保証をしないままに、「児童・生徒への指導に当たっては…」と説く。また、職員会議での発言を禁止し、職務職階級制賃金及び人事考課制度で教員を競わせ、それまで行われてきた協働を奪っておきながら、「複数の教員が協力して」と説く。
 教員が子どもと自由に過ごす時間があれば、教員はいじめに気づくし、相談にも乗れることが、都教委及び教育委員にはわからないのか。まず必要なのは、教員たちが論議し学び合える場である職員会議を復活させることだ(2004年から都教委は職員会議を校長の伝達機関とし、教員の発言を禁止している)。
 生徒も教員も指示に従わされるのではなく、自分の頭で考え判断する自由を保障されれば、自尊感情を高め、道を切り拓くものだ。そして、それこそが、都教委のすべきことである。
自己反省を欠いた都教委の「やっていますよ」をアピールするがための「メッセージ」には、怒りを通り越して悲しくなる。

「原発」触れぬ「復興五輪」――高校生向け副教材に福島県から原発事故の記述を提案される

 都は「2020年。東京と東北で会いましょう。」と題する冊子をつくり、17年度から都立高校生に配って副教材とし来た。冊子は、最初に五輪招致活動の経過を紹介し、次に「被災地の復興は、まだ途上」として、18年1月時点で75000人が避難生活を送っていることや、福島産米や観光客数が震災前の水準に回復していないことをデータで示す。しかし、復興を難しくしている最大の原因である原発事故には触れていない。これに対し、福島県が原発事故の記述を加えるよう都に提案したという(3月24日付東京新聞から)。
 原発事故で故郷を追われた人たちの暮らしや健康、事故の深刻さなどについて、この 4 月に配られる(た?)新版にはどのように記載されたかは、次号以降で触れたい。

 文科省が事故後つくり、再改定して今年度からは全国の学校に配った(昨年度までは希望校に)「放射線副読本」(小学校用 中学・高校用)も「放射線による健康影響があるとは考えにくい」などと記述し、原発事故の深刻さを伝えない。
 都も国も学校教育を使って嘘を教え込んでいる。

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2019/04/11

都庁前通信 2019年4月11日号

F20190411

 

 今回は3月28日に行われた都教委定例会の公開4議題のうちの2議題について報告します。

パブリックコメント募集は形だけ?

「東京都教育ビジョン(第4次)」の策定について

 「ビジョン」は1月31日の定例会で骨子を報告し、その日から30日間にわたり受け付けたパブリックコメントを踏まえて、有識者や校長等による検討委員会で協議し策定したとのこと。それが今日の定例会で承認された。「すべての児童・生徒に確かな学力を育む教育」「社会の持続的な発展を牽引する力を伸ばす教育」など12の方針と30の「今後5か年の施策展開の方向性」を挙げる。
 しかし、資料として配られた、パブリックコメントに対する「都教委の考え方」を見ると、パブリックコメントを「ビジョン」に取り入れた形跡はなかった。やはり、パブリックコメントの募集は形だけであったのか。沢山あるが、そのうちの一つを挙げよう。
「2 社会の持続的な発展を牽引する力を伸ばす教育」の「④ 科学的に探究する力を伸ばす理数教育を推進します。」に対して寄せられたパブリックコメントは、「理数系ばかりでなく、人文・社会系、芸術系、スポーツ系など、子供たちの興味・関心に応じたきめ細かな教育が進められるよう、人員の配置等、教育環境の整備を行うことが重要である。」と。 
 このパブリックコメントに対し都教委は「都教委の考え方」として、「社会の持続的発展を牽引する力を伸ばす教育について『基本的な方針2』に位置付け、理数教育、農業や工業、商業などの職業教育、高度に情報化した社会で活躍できる力を伸ばす教育などを推進していくことで、これからの東京・日本の発展を支え、様々な産業を牽引できる人材を育成していきます。」と書く。これでは都教委の一方的な考えを言うだけで、パブリックコメントへの回答にも協議の材料にもなっていない。

 このパブリックコメントを出した人の頭には、次のような懸念があったのではないかと推測する。兵力不足となった1943年、「在学徴集延期臨時特例」を公布し、理系と教員養成系を除く文系の高等教育諸学校の学生の徴兵延期措置を撤廃し、戦場に向かわせた歴史的事実。そしてまた、文科省が2015年6月、国立大に対し、人文社会科学部・教員養成系学部について「国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう」通知したこと。この2つを考え合わせ、国家による国立大学への支配・介入や「国の求める人材づくり」の先にあるものを懸念したのではないだろうか。文科省のこの通知に対しては、国立大学法人17大学人文系学部長会議等、数団体から抗議声明が出されている。

 2月に策定された「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」も、パブリックコメントが最も多く寄せられた「立川高校夜間定時制の閉課程(閉校)をやめて」を検討した形跡がないまま、閉課程の方針を打ち出したものだった。機能させようとしない都教委のパブリックコメント制度について、発言する教育委員はいないのか。


都教委がまずすべきは、足立区中学の生徒や教職員への謝罪ではないのか

教師用指導書「性教育の手引」の改定について

 「手引き」は「情報化の中、児童・生徒を取り巻く環境の変化、若年層の性感染症やインターネットを介した性被害の増加、前回の改定から10年以上が経過したことから改定した」とのこと。「手引き」が、「性同一性障害等に関する正しい理解」や「学習指導要領に示されていない内容の授業での指導」「産婦人科医等による授業の実施」等の今日的課題を取り入れたことは評価したい。産婦人科医等によるモデル授業を18年度は5校で行ったが、19年度は10校にするという。昨年3月に足立区中学校が行った性教育に端を発して、同年8月に都教委が全中学校長に対して行った調査において、校長の約半数が学習指導要領を超える性教育を求め、また、医師等の外部講師を派遣してほしいとの要望が多かったことによるのは確かだ。
 しかし、「学習指導要領を超える内容を指導する場合には、事前に学習指導案を保護者に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に行う」(昨年 4 月 26 日発表)ことを、都教委は頑なに変えなかった。授業は全員を対象に行うから意味があるのであり、「寝た子を起こすな」式の意識を持つ保護者にこそ理解してもらうことが大事なのに、それはしない。非常に疑問だ。“隠し事”を興味ある一部の子どもにだけにおしえるような形の授業は、かえって子どもたちに性への歪んだ関心を引き起こすのではないか。
 今年度モデル授業を実施した学校では、事前に保護者に授業内容を示したうえで、学習指導要領内と指導要領外の授業のどちらがいいかを訊き、2本立ての授業を実施したという。モデル授業では『性交』『避妊』を扱ってもいいという。

 昨年3月16日の都議会文教委員会で古賀自民党議員が足立区中学校の性教育について「不適切」と批判し、中井教育長は、同授業に「課題がある」として、当該校の管理職および全教員を指導する、都内全公立中学校長を指導する旨の答弁をした。さらに都教委は、4月26日の都教委定例会で、学習指導要領を超えた性教育について次のような「見解と今後の対応」を発表した。
 「『性交』『避妊』『人工中絶』といった中学校学習指導要領保健体育にないことばを使った授業は不適切。保護者の理解を必ずしも十分得ないまま授業が実施されていた。」今後は、「学習指導要領を基本とする。すべてを集団指導で教えるのではなく、集団指導で教えるべき内容と個別指導で教えるべき内容を明確にする。学習指導要領を超える内容を指導する場合には、事前に学習指導案を保護者に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導を実施するなど」とした。
 こうした経緯があるから、都教委は自身及び古賀議員の面子を保つために「保護者の理解・了解」にこだわるのだろうか。
 子どもたちの実態を踏まえて出された、校長たちからの要望等を受け止めて都教委は「手引き」の内容を変えたのだから、「中学校学習指導要領保健体育にないことばを使った授業」も必要と認識したということだ。ならば、まずは足立区中学校の当時の生徒や保護者、教職員に誠実に向き合い謝罪すべきではないのか。都教委はこの人たちの人権を侵害したのだから。そのうえで、昨年4月26日に発表した「見解と今後の対応」を見直すべきではないのか。
 「保護者の理解・了解を得る」ことを条件にしたことについて、校長や教職員が賛成するはずはないと思うのだが、そうした声は都教委に届いていないのだろうか。子どもも親も混乱し、教職員の不要な仕事量は増えるばかりだ。また、こうした条件を付けることで、教員はむしろ性教育をやりにくくなるのではと、気がかりだ。
 「保護者の理解・了解」というならば、都教委は「愛国心」を刷り込むオリンピック・パラリンピック教育や卒業式・入学式での「日の丸・君が代」の強制にこそ、適用すべきである。

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