フォト

掲示板

停職「出勤」日記2009

停職「出勤」日記2008

停職「出勤」日記2007

停職「出勤」日記2006

停職「出勤」日記2005

投稿欄

ちらし置場

リンク集

2012/05/25

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第95号)

~「日の丸・君が代」累積加重処分~
4/19地裁判決:裁量権逸脱・濫用により
減給1月・減給6月・停職1月を取り消す
都側も控訴!!

減給以上の処分取消を受け入れず話し合い・妥協・和解の余地無し今後も処分強化の意図あり

  4/19地裁判決は、都教委「10・23通達」・八王子市通達・職務命令を合憲合法とし、不起立・不斉唱を「非違行為」として戒告を是認した。基本的には 不当判決であるが、それでも、最高裁に追随して減給以上を取り消した。ところが、都側はこの裁判所の警告、単純累積加重処分は裁量権逸脱・濫用に当たると いう判決にさえ抵抗しようとしている。違法な裁量権逸脱・濫用などないかのごとく傍若無人である。
 4/5に教育の自由裁判をすすめる会の共同代 表9氏が「共同アピール」を出した。それは「最高裁判決の主旨に基づき」「最高裁判決の示唆するところを読み取り」都教委に対して「具体的改善策を策定し 関係者すべてに提示」「話し合いの場を設定」することを要望している。都教委はあくまで違法とされた減給・停職を是認させようとしている。「紛争を解決す る」どころか、「最高裁の趣旨」に逆らって強制・処分路線を突き進んでいる。「話し合い」のテーブルに着くはずがない。妥協・和解は論外だ。
 さ らに、一応世論を気にして、今年の卒業式・入学式では戒告処分にとどめているが、「減給以上は違法」に対して争う姿勢を示していることから、「服務事故再 発防止研修」を強化しいつでも処分をエスカレートさせ分限免職にもっていく可能性もある。まず、学校現場の強制・処分を止めなければならない。大阪の処分 条例の実働化に反対する。
 「日の丸・君が代」裁判はいよいよこれから教育の自由を軸として、教育基本法の「不当な支配」・憲法23・26条が争 点となるだろう。処分を構えた一律起立・斉唱の強制か、多様な考え行動を示す不起立・不斉唱か、どちらに道理があるのかを問いたい。市民の皆さまの支援を お願いします。

 これで、原告・被告双方が控訴し、双方が控訴人・被控訴人になる。望むところだ。憲法論議をしよう。

不起立・不斉唱・不伴奏は「非違行為」ではない。
都教委は全ての処分の裁量権逸脱・濫用を認めよ。
都教委は「10・23通達」を執行停止せよ。
これ以上の処分をやめること。

高裁審理の傍聴・支援もよろしくお願いします。

今後の予定 報道

*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 5/28 16時 第527号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 5/31 14時 第424号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 5/31 15:30 第822号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*都障労組処分取消訴訟 高裁判決 6/27 13:15 第824号
*「授業してたら処分」事件 地裁弁論 7/9 11:00 第527号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号

ニュースへのリンク



2012/05/24

5.24都庁情宣

5.24都庁情宣のちらしです。

「f20120524.pdf」のダウンロード



2012/05/15

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第94号)

~「日の丸・君が代」累積加重処分~
地裁不当判決=>控訴へ

控訴の主な理由


1,教育の自由(憲法23・26条)を明確に
~「国の教育統制機能」論を打破する~
2,思想良心の自由(憲法19条、国際規約18条)
の侵害~「慣例上の儀礼的所作」「敬意の表明」の強制~
3,戒告処分は不当な裁量権逸脱・濫用
~不起立・不斉唱は非違行為ではない~


地裁判決=>不当な支配(教基法16条)に対し行政権力介入容認判決


 判決は「国の教育統制機能を前提としつつ」「許容される目的のために必要かつ合理的と認められる介入は、例え教育の内容及び方法に関するものであっても、必ずしも同条の禁止するところではない」「この理は、地方公共団体においても何ら異なるところはない。」としている。
旧教基法前文や学テ判決を持ち出しながら結論はとんでもない介入・不当な支配を容認している。特に国家の教育権を復活強化する判決内容は今後の関連裁判にも影響する可能性があり、看過できない。

地裁判決=>通達・職務命令に対し必要性・合理性の無条件容認判決

 判決は「都教委及び市教委は、学習指導要領に基づく入学式、卒業式における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施につき、一層の改善、充実を図る必要があるとし て、・・本件各通達を発出した」「本件各通達を踏まえて発令された本件各職務命令」は「不当な支配」に該当しない、とする。
 学習指導要領は、一律の起立・斉唱を強制するものではない。そもそも学習・指導・「指導するものとする」の前提は、教授の自由・学習の自由が保持されていなければならない。

地裁判決=>不起立・不斉唱を非違行為として都教委の主張・戒告処分を追認

 判決は「都教委が、原告の本件第1職務命令違反の非違行為を理由に、懲戒処分の中で最も軽い戒告処分を選択したことについては、社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえず」として裁量権逸脱・濫用を認めなかった。
 私の不起立・不斉唱は、生徒に「日の丸・君が代」には多様な意見・行動があることをはっきりと示し公正な判断力を育てるために行ったもの。これは初歩的 な校務遂行であり非違行為ではない。戒告は累積加重処分の出発として科されたものでその不利益、精神的圧迫は「軽い」ものではない。

この判決内容について、多くの皆さまの論評を求めます。
高裁審理の傍聴・支援もよろしくお願いします。


今後の予定 報道

*東京「君が代」裁判第3次訴訟 地裁口頭弁論 5/25 15時第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 5/28 16時 第527号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 5/31 14時 第424号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 5/31 15:30 第822号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*都障労組処分取消訴訟 高裁判決 6/27 13:15 第824号
*「授業してたら処分」事件 地裁弁論 7/9 11:00 第527号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号


ニュースへのリンク



2012/05/14

法廷カレンダー

法廷カレンダー、2012年5~7月を更新しました。

法廷カレンダー
「法廷カレンダー」のダウンロード



2012/05/08

服務事故再発防止研修への要請文

5月7日に強行された「服務事故再発防止研修」への要請文です。


2012年5月7日
東京都教職員研修センター
センター長及び職員 各位

平成22年(行ウ)第68・570号
処分取消等請求事件 原告
近藤順一(元八王子市立第五中学校教員)

要請書

 東京都教職員研修センターは、4月の入学式で、「10・23通達」に基づく校長の職務命令違反を理由として戒告処分された被処分者に対して「服務事故再発防止研修」を行おうとしています。4/19、東京地裁民事第19部(古久保裁判長)は、1月の最高裁に続いて減給と停職の懲戒処分を取り消す判決を下しました。今や、日本の司法・裁判所が「日の丸・君が代」不起立・不斉唱・不伴奏を理由とする処分に警告を発していることは明らかです。
 「日の丸・君が代」は国民的にも意見が異なる問題です。不起立・不斉唱・不伴奏行為は、自らの思想良心の自由、信教の自由を保持し、また、教職員として多様な考え、多様な行動を示し、児童・生徒が公正な判断力を育てるためのやむにやまれぬ行為です。このような自由の希求、正しい教育の追求に対する東京都教育委員会による懲戒処分・分限処分は全く不当です。戒告処分もまた被処分者に重大な不利益と精神的圧迫を与えるもので極めて不当です。貴センターは、このような不当な処分を根拠として「服務事故再発防止研修」を行おうとしています。そのこと自体が思想良心の自由、信教の自由、教育の自由、及び国際人権規約の侵害です。以下の諸点を強く要請します。             

要請項目

1,本日の「服務事故再発防止研修」を中止すること。
2,戒告処分を取り消すよう東京都教育委員会に働きかけること。
3,「10・23通達」の執行を停止するよう東京都教育委員会に働きかけること。
4,「10・23通達」に基づく職務命令を出させないよう東京都教育委員会に働きかけること。

「r20120507.pdf」のダウンロード



2012/04/29

4/19地裁判決を受けて

~「最高裁追随の枠組」判決に潜ませた「国の教育統制機能」~

累積加重処分取消裁判 原告 近藤順一

 「東京都教育委員会が・・・各懲戒処分をいずれも取り消す。」
 古久保裁判長の主文冒頭の言い渡しに、満席の傍聴席は少しざわめいた。まもなく、ほとんどの方が内容を理解されたようだ。この事案は極めて単純明快。それだけに判決の意図も表面上は単純そうに見えた。まず、経過を示そう。

1,累積加重処分と処分取消訴訟の経過

2006/3 卒業式で不起立・不斉唱 八王子市教育長「注意指導」
①    2007/3 卒業式で不起立・不斉唱・・戒告処分
②    2008/3 卒業式で不起立・不斉唱・・減給1月
③    2009/3 卒業式で不起立・不斉唱・・減給6月
④    2010/3 卒業式で不起立・不斉唱・・停職1月
2010.2.20 ①②③について提訴
2010.10.5 ④について提訴
2010.10.8 ①②③④について併合決定(2011.5/30~7/19 第一波最高裁判決)
2011・7/11 結審予定・・延期(青野裁判長)
2011・8/22 結審(古久保裁判長)
2011・11/17 判決予定・・無期延期
(2012.1/16・2/9 第二波最高裁判決)
2012・4/19 判決(地裁民事19部)

主文

1 東京都教育委員会が、平成20年3月31日付け、平成21年3月31日付け及び平成22年3月30日付で原告に対してした各懲戒処分をいずれも取り消す。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを2分し、その1を原告の、その余を被告の各負担とする。

≪目に青葉 山ホトトギス 初鰹≫
 この判決は3つの“初”を意味した。まず、最高裁判決後、初の下級審判決、そして、ひとりの被処分者の全処分量定、初の一括判決、さらに、この春の卒業式・入学式後、初の判決である。一人原告訴訟の地裁判決という地味な裁判ステージを少し浮上させた由縁である。

2,見え見えの「最高裁追随の枠組」判決

 まず、上記の結審、判決の延期経過からわかるように、東京地裁は最高裁判決を姑息な目で窺ってきたものと思われる。そして、憲法第19条判断では 「10・23通達」「八王子市通達」職務命令は合憲、合法であり、「敬意の表明」強制は間接的に制約するが、職務命令には学習指導要領に照らして必要性・ 合理性があり制約容認性があるとした。
 裁量権問題では、戒告是認、減給1月・減給6月・停職1月を取り消した。特に戒告是認の根拠として次の点を上げている。

A:いかなる懲戒処分をするかは懲戒権者の裁量権にあり、「その判断は、それが社会観念上著しく妥当性を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用した と認められる場合に、違法となる」とする。(これは、直近の2011・7・25地裁判決<青野裁判長>を踏襲している。)
B:2006年の不起立に対する八王子市教育長の「注意指導」、校長の職務命令を「遵守しない」、卒業式の現認時「起立を促されたがなおもこれに従わなかった」。
C:「非違行為を理由に、懲戒処分の中で最も軽い戒告処分を選択したことについては、社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえず」とした。

 被処分者がどのような意図で不起立・不斉唱を実行したか、職務専念義務が科されている中での強制に対して生徒に異なる考え、異なる行動を示した教育的意 義については全く考慮しない。さらに、不起立・不斉唱という正当な教育実践に対する現認時の不当な干渉を転倒して描き出している。副校長こそ教職員の校務 遂行を妨害したのである。また、戒告処分が経済的損失、「再発防止研修」の強制、以後の累積加重処分への精神的圧迫、さらには再雇用の拒否などの重大な結 果を引き起こすことが考慮・判断されていない。決して「軽い処分」ではない。このことを裁判官に認めさせ、戒告を取り消させなければならない。減給以上の 処分については最高裁判決を援用して取り消した。
 以上のような「最高裁追随の枠組」判決は、減給以上を取り消したものの基本的には不当な判決であり、裁判所の独立、三審制の意味さえ疑われるものとなった。
*裁判所法第4条:(上級審の裁判の拘束力)上級審の裁判所の裁判における判断はその事件について下級審の裁判所を拘束する。

3,    教育の自由を否定する「国の教育統制機能」論

 憲法23・26条について、判決は「入学式、卒業式は・・教科等の授業とは異なり、全卒業生、全入学生、在学生等が参加し、保護者、種々の学校関係者の 協力を得て行われる儀式であり、・・一律に定めて実施しようとすることは、儀式としての性格上必要性がある」として、「通達」職務命令の違憲性を否定して いる。これは、明らかに形式論の展開によって各教職員の教授の自由を否定し、一律起立・斉唱の強制をあからさまに是認しているのである。
 判決は「卒業式の式典の運営等が校務の一内容である以上、本件中学校長が本件職務命令を発することができることは明らかである。」として、儀式における統制を重視している。この点、宮川反対意見が「直接指導する場を離れた場面」としているのとは異なる。
 不当な支配(教育基本法16条)の問題で特に注目するのは、47教育基本法の前文、第10条を曲解し「国の教育統制機能を前提としつつ」「許容される目 的のために必要かつ合理的と認められる介入は、たとえ教育の内容及び方法に関するものであっても・・禁止するところではない」「この理は、地方公共団体に おいても何ら異なるところはない。」として、国家の「行政権力」と地方の「教育委員会」が一体となって教育に介入、命令することを認めている。従来の判決 が、“国は大綱的基準の枠に縛られるが、地方教育行政・教育委員会は指導、助言さらに命令を出せる”としていたのを、大枠としての国家の「教育統制機能」 を認めている。これは、現行教育基本法の「教育の目標」(第二条)や「教育振興基本計画」(第十七条)により今後一層強化されるであろう教育内容への介入 を容認するものである。また、大阪をはじめ地方行政の首長の強権とのバランスで中央政府の権限強化を図るものである。
 また、「日の丸・君が代」裁判の焦点が、学校教育への不当な介入・支配、教育の自由侵害に移る時先手を打って国家の教育統制に対する合憲・合法の枠組を形成しようとするものであり、極めて危険な動向である。

 多くの方々に支えられて何とか地裁判決まできた。公正な審理・判決を要請する署名に協力していただいた方、具体的なアドバイスを示してくれた方など直接、間接の援助を頂いた。心から感謝致します。
 判決が下された同日には、大阪市教委が3月の卒業式で不起立した教員の処分を発表した。条例施行が背景にあり、これらの教員は入学式では物理的に式典から排除されたそうだ。
 報道によると、都教委はこの判決に対して対決姿勢を示している。
「都教委は『判決は遺憾。今後とも職務命令違反については厳正に対処していく』とのコメントを出した。」(朝日新聞)
「都教委の大原正行教育長は『減給・停職処分についての判決は遺憾。内容を確認して訴訟対応したい』とコメントした。」(読売新聞)
 都教委は、戒告はもちろん減給・停職処分が裁量権逸脱・濫用であることを決して認めていない。そして、引き続き強制・処分を強行しようとしている。一日も早く「10・23通達」を執行停止させなければならない。
 全国で“不起立・不斉唱・不伴奏を含む多様な取組”を進める教職員の皆さま、自由を求める市民の方々、共に裁判を闘う仲間と共に控訴し、教育の自由確保、戒告取消に向けて進んでいきたい。

「4/19地裁判決を受けて」へのリンク



2012/04/26

解雇させない会ニュースNo.40

解雇させない会ニュースNo.40です。

解雇させない会ニュースNo.39

「newsno40.pdf」をダウンロード



解雇させない会ニュース一覧表

解雇させない会ニュース一覧表を作成してあります。
左側の赤いピンアイコンのリンク先を「お気に入り」に登録することをお薦めします。

 


要請書

「r20120426-1.pdf」のダウンロード



2012年4月26日

東京都教育委員会
委員 各位

平成22年(行ウ)第68・570号
処分取消等請求事件 原告
近藤順一(元八王子市立第五中学校教員)

要請書

 東京都教育委員会は、3月の卒業式で、「10・23通達」に基づく校長の職務命令違反を理由として、不起立教員を処分しました。4/19、東京地裁民事第19部(古久保裁判長)は、減給と停職の懲戒処分を取り消す判決を下しました。今や、日本の司法・裁判所が「日の丸・君が代」不起立・不斉唱・不伴奏を理由とする処分に警告を発していることは明らかです。
 「日の丸・君が代」は国民的にも意見が異なる問題です。不起立・不斉唱行為は、教員として多様な考え、多様な行動を示し、児童・生徒が公正な判断力を育てるために、やむにやまれぬ行為として行われているものです。このような正しい教育実践に対する懲戒処分・分限処分は全く不当です。
 貴教育委員会は、入学式での不起立者に対し4/10に事情聴取を行い、本日懲戒処分を案件とする定例会を開こうとしています。以下のことを強く要請します。

要請項目

1,入学式の不起立者に対し、いかなる懲戒処分・分限処分もしないこと。
2,「10・23通達」の執行を停止すること。
3,「10・23通達」に基づく職務命令を出させないこと。


4.26都庁情宣

4.26都庁情宣のちらしです。

「f20120426.pdf」のダウンロード



2012/04/20

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第93号)

~4/19「日の丸・君が代」地裁判決、下る~

ご支援・傍聴に感謝します
不当判決を越えて控訴を決意
~「10・23通達」、職務命令の不当な介入・支配、教育の自由侵害を確定するまで!!~
~戒告処分を取り消すまで!!~
減給1月・減給6月・停職1月は取り消す

判決内容

主文

1 東京都教育委員会が、平成20年3月31日付け、平成21年3月31日付け及び平成22年3月30日付で原告に対してした各懲戒処分をいずれも取り消す。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを2分し、その1を原告の、その余を被告の各負担とする。


  本日、東京地裁民事第19部(古久保裁判長)は、最高裁追随の不当判決を下した。2回の減給と停職処分を取り消したものの、「日の丸・君が代」一律起立・ 斉唱を強制する都教委「10・23通達」、八王子市通達、職務命令を憲法19条(思想及び良心の自由)合憲とし、また、不当な介入・支配(教育基本法16 条)の禁止、憲法23・26条の教育の自由侵害にも当たらないとした。基本的、大局的にみて不当判決である。
 特に注目するのは、「国の教育統制 機能を前提としつつ」「許容される目的のために必要かつ合理的と認められる介入は、たとえ教育の内容及び方法に関するものであっても・・禁止するところで はない」「この理は、地方公共団体においても何ら異なるところはない。」として、国家の「行政権力」と地方の「教育委員会」が一体となって介入、命令する ことを認めている。
 そして、不起立・不斉唱を「非違行為」と決めつけ「懲戒処分の中で最も軽い戒告処分を選択したことについては、社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえず」として是認した。生徒に異なる考え、異なる行動を示した意義は一顧だにしない。
 また、現在特に問題となっている「再発防止研修」についても、「職務命令違反の再発防止等を目的とする本件研修の受講を余儀なくされたとしても、これをもって違法行為があったとはいえない。」とした。

今後の方向

  事前に提示した判決評価基準の2点(教育の自由侵害認定・戒告取消)とも実現しなかった。最高裁第一波(2011・5~7)、第二波(2012・1~2) 判決の枠組は打ち破れなかった。学校現場では、大阪、東京に典型的にみられるように強制・処分が強行されている。現場の教職員、市民の皆さま、そして共に 裁判を闘う仲間と連帯し、速やかに控訴し闘いを継続したいと思う。
 皆さまのご支援をお願いします。

今後の予定 報道

*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 4/26 16:30第424号
*「授業してたら処分」事件第 地裁弁論 5/7 16:00 第527号
*東京「君が代」裁判第3次訴訟 地裁口頭弁論 5/25  第527号
*都障労組処分取消訴訟 高裁判決 5/27 13:15 第824号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 5/28 16時 第527号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 5/30 15:30 第822号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号


ニュースへのリンク



2012/04/13

4.12都庁情宣

4.12都庁情宣のちらしです。

「f20120412.pdf」のダウンロード



2012/04/12

4.19地裁判決傍聴要請

~地裁判決、傍聴のお願い~

皆さまへ:
 2007年、3月に戒告処分されてから5年、ようやく地裁判決に至りました。この間、多くの方々に支えられて何とか闘いを進めてきました。感謝致します。
 最高裁判決や昨今の情勢をみると、厳しい判決が予想されますが、皆さまの傍聴を期待しています。

「日の丸・君が代」強制・累積加重処分
(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
4月19日(木)13:10第527号
*東京地裁は、地下鉄霞ヶ関駅(丸ノ内線・千代田線)
最高裁判決後、初の判決!処分一括取消請求、初の判決!

1,学校教育への不当な介入・支配、教育の自由侵害(憲法23・26条違反)に言及するかどうか。
2,全ての処分、特に戒告を取り消すかどうか。


「日の丸・君が代」累積加重処分取消裁判 原告 近藤順一

ビラへのリンク



2012/04/11

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第92号)

~4/19「日の丸・君が代」処分取消判決~
一律起立・斉唱の強制・処分は、子どもの学ぶ権利・教職員の教える自由の侵害!!
戒告も取り消すべき!!
「10・23通達」を執行停止せよ!!
職務命令を発出するな!!

判決評価の基準

  早いもので、地裁判決まで10日となった。1/16最高裁判決後に判決日が通告されたことからも、最高裁追随の判決となる可能性がある。即ち、「10・ 23通達」職務命令は憲法第19条違反ではない、裁量権問題では分離・分断判決で戒告を是認である。これを許してはならない。
 そこで、判決評価の基準として次の2点を上げておく。

1,学校教育への不当な介入・支配(教育基本法違反)、教育の自由侵害(憲法23・26条違反)に言及するかどうか。
2,全ての処分、特に戒告を取り消すかどうか。

その他、私の不起立・不斉唱が生徒への教育的意義をもって行われたことをどうみるか、また、八王子市教育長の「指導措置」となった06年の不起立・不斉唱を「過去の処分歴等」とするのかどうか。明確な判決を期す。

さらなる処分をはかる都教委

 本日、都教委は4/9の入学式での不起立者に対して事情聴取を行った。そこで、抗議の意を込めて下記の要請書を手渡した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2012年4月10日

東京都教育委員会
  委員 各位平成22年(行ウ)第68・570号

処分取消等請求事件 原告
近藤順一(元八王子市立第五中学校教員)
     
要請書

  東京都教育委員会は、3月の卒業式で、「10・23通達」に基づく校長の職務命令違反を理由として、不起立教員を処分しました。国旗・国歌に対する一律起 立・斉唱の強制・処分は、学校教育への不当な介入支配であり、教育基本法、憲法第23・26条に違反しています。そのこと自体、児童・生徒の学習権を侵害 し、教職員の教育の自由を侵害しています。「日の丸・君が代」は国民的にも意見が異なる問題です。不起立・不斉唱行為は、教員として多様な考え、多様な行 動を示し、児童・生徒が公正な判断力を育てるために、やむにやまれぬ行為として行われているものです。このような正しい教育実践に対する懲戒処分・分限処 分は全く不当です。
 貴教育委員会は、先日の入学式における不起立者に対しても事情聴取、処分を行おうとしています。以下のことを緊急に要請します。

要請項目

1,入学式の不起立者を処分しないこと。
2,戒告から停職までの全ての処分を取り消すこと。
3,「10・23通達」の執行を停止すること。
4,「10・23通達」に基づく職務命令を出させないこと。


「日の丸・君が代」強制・累積加重処分
(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
東京地裁 判決日 決定!
4月19日(木)13:10第527
1/16・2/9最高裁判決後、初の判決!
処分(戒告から停職)一括取消請求、初の判決!
12卒業式・入学式処分後、初の判決!
戒告処分を取り消させるために!!
教育の自由(不当な支配禁止、憲法第23・26条)の侵害に憲法判断を!?
「国旗・国歌・国家への忠誠」「敬意の表明」強制は憲法第19条に違反!
裁量権逸脱濫用(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
歯止めはかかっているのか!?

今後の予定 報道

*都障労組処分取消訴訟 高裁結審 4/18 16:00 第824号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 4・19(木)13:10 第527号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 4/19 15:30 第822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 4/26 16:30第424号
*東京「君が代」裁判第3次訴訟 地裁口頭弁論 5/25  第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 5/28 16時 第527号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号


ニュースへのリンク



2012/04/10

2012年春の闘い(33、最終)

渡部です。

本日(4月9日)、東京の多くの学校で入学式が行われました。東京ではまた「不起立」者が出ました。以下のようなメールが入っています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本日、4月9日月曜日、板橋特別支援学校の入学式において、私は君が代斉唱時に不起立しました。式の直後(12時)校長室に呼ばれて事実確認があり、午後1時には、明日朝9時半に事情聴取のために都庁人事部に来い、との連絡がありました。

おそらく、また処分が出されるものと思います。たびたびのお願いで恐縮ですが、東京都教育委員会宛に、不起立者を処分するな、との声をお届けください。

田中聡史
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ちなみに都教委の総務部・総務課の連絡先を以下に入れておきます。)
<総務課>メール S9000003@section.metro.tokyo.jp 
 電  話 03-5320-6718 )

大阪では、「不起立」者を何としても出さないために、府教委・市教委・管理職などは、「不起立」しそうな教員を会場に入れないよう、滑稽なほど必死になりながら、<生徒たちへの「君が代」起立斉唱の徹底>を図ろうとしているようです。

彼らの「君が代」強制の意図・目的が透けて見えてきます。要するに戦前同様、何も知らない子どもたちを「日の丸・君が代」は「常識」というデマゴギーで洗脳しようというのです。

しかし、これに対し大阪では様々な闘いが続いています。以下のようなメールが届いています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Tです。
本日(4月9日)の入学式では、役割分担として正門警備が割り振られていました。13時15分から13時50分まで警備をし、その後、式場に入り教員席に着席しました。すぐ教頭が来て、持ち場に戻ってくださいと言われましたが、騒ぎになりますよ、と言うと教頭はそれ以上は何も言いませんでした。

開式、国歌斉唱時不起立、つつがなく式は終わりました。また、最後まで列席しました。

後、教頭、校長と話しました。不起立の確認がありました。校長は府教委に連絡を入れるとのことでした。退勤時、教頭に聞くと、文書で本日の事実経過を府教委に送ったとのことです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上のように、東京でも大阪でも「不起立」者は出て、「2012年春の闘い」は確かに、「2013年春の闘い」に継続することになりました。

向こう(石原や橋下)は短期決戦で一気に決めようとしましたが、私たちの闘いはそれを許さず、持久戦に持ち込むことができたと思います。これは大きなことです。

橋下は「自分の賞味期限は4年」などと言っていますし、石原の「立ち上がれ日本」も賞味期限切れになりそうです。

中国には「道遠くして馬の力を知り、事久しくして人の心を知る」というような言葉があるようですが、持久戦は気持ちを長く持ちあきらめないことが肝要かと思います。

そして、敵のスキ・弱点が見つかればそこを集中的に攻め、攻めては退き、退いてはまた攻め、敵を翻弄し疲れさせながら、敵を暴露・孤立化させる一方、私たちの連帯の輪(生徒・教職員・保護者・労働者・市民・知識人など)を、つまり私たちの隊列を、一歩一歩広げ、敵(つまるところ米日独占になると思います)を、包囲していくことだと思います。

全国の皆さん、これからも共に連帯して闘いましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<都教委包囲ネットワークでは、

この春の闘いを踏まえ、以下の集会を開くことになりました。

<集会名> 「2012卒・入学式の闘い」4・29報告交流集会
<日 時> 4月29日(日) 18:00~
<場 所> (杉並区) 阿佐ヶ谷産業商工会館 講堂
     (JR阿佐ヶ谷駅下車7分)
<趣 旨>
「日の丸」裁判の最高裁不当判決がでそろい、石原・橋下の暴走、原発問題、憲法改悪等、2012年は今後を左右する画期となる年となる。そうした中で、今年も東京で、大阪で、卒業式において果敢な闘いが展開された。そうした人々を励まし、闘いを受け継ぐための集会である。

<内容>(予定)
・春の闘いの概要報告
・東京の不起立者から
・大阪の全体状況
・大阪の不起立者から
・東京の裁判原告から
・他

<資料代>500円



2012/04/09

法廷カレンダー

法廷カレンダー、2012年4月を更新しました。

法廷カレンダー
「法廷カレンダー」のダウンロード



2012/04/08

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第91号)

~4/19判決へ「日の丸・君が代」強制、抵抗と処分の意味~
連続不起立は一貫した行動!!
累積加重処分(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)は不可分一体!!
処分量定の軽重の問題ではない!!
処分の分離・分断是認は許されない!!
戒告も取り消すべき!!

なぜ、不起立・不斉唱を続けたのか~3つの拒否と3つの提示~

裁判所に提出した文書で次のように示した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
陳述書(証人尋問に向けて)2011年3月3日
ここであらためて、私の不起立・不斉唱の意味をまとめて提示します。

<教員としての3つの拒否>
1,教育課程への強制を拒否する。
2,国家忠誠の表明を拒否する。
3,プロトコル(国際儀礼)の強要を拒否する。
  <児童・生徒への3つの提示>
1,不起立・不斉唱によって児童・生徒に非暴力・不服従の意味を教えることは重要な政治的教養の獲得として尊重されるべきである。(教育基本法14条)
2,学習の自由、教授の自由を保持すること、異なる考え異なる行動の存在を承認することによって学習は始まる。 
3,「愛国心」「天皇制」「国家・国旗・国歌」「国際儀礼」等を学ぶきっかけとなり、個性の尊重、多文化共生への学習を進める。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

教育の自由こそ焦点

  上記のように、私の不起立・不斉唱は強制拒否と生徒への提示=教育実践であり、教育の自由保持の視点から「10・23通達」職務命令が学校教育への不当な 介入・支配そのものであることを提訴している。立場を全く異にする方面からも「国旗」「国歌」問題を教育内容の問題としてとらえることが提起されている。

  「『国旗』の掲揚、『国歌』の斉唱は、学校行事の儀式的行事にかかわってのことであった。・・それらは学校において子どもたちの意識と行動のあり方に少な からぬ影響を及ぼす学校文化の一翼となっている。そして、『公意識教育』はこうした学校文化の在り方と結びついている。『国旗』『国歌』問題はこうした文 脈において今一度とらえ直されるべき問題なのである。」(長尾彰夫大阪教育大学長「『公意識教育』の争点(その2)-『国旗』『国歌』問題とのかかわ りー」『現代教育科学2011・12』)

 長尾氏は「法規的な決着は2011年5月の最高裁判決でつけられている。」との立場から、なお学校教育内容への踏み込みを提起している。このような声にも押されて最高裁はいずれ教育の自由について判断を下すだろう。こちら側の実践的、論理的な展開が必要な由縁である。

「話し合い」はどのように始められるべきか
「10・23通達」=仕掛けてきたのは都教委である

  報道によると、「東京・教育の自由裁判をすすめる会」の共同代表9氏(小森陽一氏等)は都教委に対して話し合いの場を設けるよう求めるアピールを発したと いう。注目するのは「最高裁判決の主旨に基づき」となっていることである。最高裁判決は「10・23通達」職務命令を合憲とし、戒告・停職3月処分を分 離・分断是認している。現在、裁判で争っている当事者が話し合う意味はどこにあるのだろうか。強制・処分は都教委側から仕掛けられたものである。少なくと も、「10・23通達」の執行停止、職務命令の発出停止によってこそ話し合いが始められる。
 これ以後の強制・処分が止められる保障によって、「国旗」「国歌」の扱い方、子どもの学習権の保障等を取りあげることができるのであって、あれこれの処分量定の是認や取消を取引してはならない。

「日の丸・君が代」強制・累積加重処分(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
東京地裁 判決日 決定! 4月19日(木)13:10第527
1/16・2/9最高裁判決後、初の判決!
処分(戒告から停職)一括取消請求、初の判決!
12卒業式・入学式処分後、初の判決!
戒告処分を取り消させるために!!
教育の自由(不当な支配禁止、憲法第23・26条)の侵害に憲法判断を!?
「国旗・国歌・国家への忠誠」「敬意の表明」強制は憲法第19条に違反!
裁量権逸脱濫用(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
歯止めはかかっているのか!?

今後の予定 報道

*都障労組処分取消訴訟 高裁結審 4/18 14:00 第824号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 4・19(木)13:10 第527号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 4/19 15:30 第822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 4/26 16:30第424号
*東京「君が代」裁判第3次訴訟 地裁口頭弁論 5/25  第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 5/28 16時 第527号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号


ニュースへのリンク



2012/04/07

2012年春の闘い(32)

渡部です。

本日(4月5日)東京にて、卒業式における不起立者3名(いずれも戒告)に対する「再発防止研修」が開かれました。

抗議集会に集まった人は約80名。道路の反対側には公安警察が6人(これまでは2人)。研修センター入口付近には都教委が12人(これまでは4人)。いかに抗議行動を警戒していたかということです。

抗議集会が始まる前から居並ぶ都教委の役人に対し、都教委のやっていることがいかに異常なものであるかという抗議の声がそれぞれの参加者からあげられました。それに対し都教委の役人たちは押し黙ったまま立っているだけでした。

集会では抗議のシュプレヒコールの後、弁護団から抗議と中止を求める「申入書」が読み上げられ、都教委に手渡されました。

そこには、次のような記述がありました。
少し長くなりますが、特に、今回の研修の特徴と本質が述べられている部分を以下に紹介します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
従来の戒告処分を課された者に対する再発防止研修は、地方公務員法(服務規律)についての抗議と受講報告書の作成にとどまっていました。
しかしならがら、今回、被処分者に対する処分は戒告にとどまっているにもかかわらず、

①服務事故を起こすに至った状況を振り返り、その原因・理由について
②服務事故を起こしたときの気持ちはどのようであったか、その時の気持ち
③起こした服務事故に対して、現在の気持ちや考えをそれぞれ記述させる受講前報告書の提出及び集合研修のほかに個別研修を義務付けるなど従来の処分に対する再発防止研修の枠組みを変えています。

このうち、卒業式等においてどのような原因・理由で起立しなかったか、これは、被処分者らの思想の内容を記述させるものであり、思想の告白の強制を禁ずる憲法19条との関係で問題があるものと言わざるをえません。

また、全体を通じて起立しなかったことが誤りであったことを認めさせようとする意図のもとに設問が設けられていることは明らかですが、それはとりもなおさず、思想の変更を迫るものであり憲法19条が禁じる公権力による思想の強制に踏み込んだ内容となっており、到底容認できるものではありません。

貴教育委員会が実施しようとしている服務事故再発防止研修は、 いまや職務命令が自己の思想内容、信条に反すると表明する者に対して、 「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、 自己の非を認めさせようとするなど、 公務員個人の内心の自由に踏み込み、 著しい精神的苦痛を与える程度に至るもの」であり、 研修自体が違憲違法の問題を生じるものとなっていると 言わざるをえません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
再発防止研修は、従来9時から11時ころまででしたが、今回は12時30分まででした。

3人が研修センターに入っていった後も、抗議のシュプレヒコールが続けられ、その後彼らが出てくるまでしばらく解散となりましたが、残った抗議者らはそれぞれ思い思いに居並ぶ都教委の役人に対して約2時間抗議を繰り返しました。

かつて、再発防止研修が授業と重なり、授業を優先させために6か月の減給となったたFさんは、説得力ある話をたくさんしてくれました。それを再現できないのが残念です。しかし、都教委の役人は黙って聞いていましたので何人かは心に残ったのではないかと思います。

そんなことをしている時、男子高校生4人が通りかかり、何が起きているか知りたそうにしていましたので、私がそばに行き、「君たちは『君が代』の歌詞の意味を知っているかい」と聞きました。すると4人とも「知らない」と言います。そこで歌詞の意味(天皇主権)を話し、「今の日本は天皇主権なのか国民主権なのか」と聞くと、声をそろえて「国民主権」と答えました。「その『君が代』を起立して歌わなかったというので先生たちが処分されたんだよ」と話すと「ええそうだったの。かわいそう」と言いました。「学校でも友達や先生と話してごらん」と言うと、「そうしてみる」と言って去っていきました。

この様子を都教委の役人も見ていましたので、私は彼らに言いました。

「ほら、意味も分からないまま歌わせられているんだ。私たちが卒業式の際にビラを撒いたら、どこの学校の管理職も、『都教委に言われた』と言って『生徒にはまかないで下さい』と言ってきた。なぜ、教職員や保護者には撒いてもいいが、生徒には撒いていけないのか。あなたたちは生徒に本当のことが知られるのが怖いからそう言うのだろう。あなたたちはそういう後ろめたいことをしているのだ。」

12時30分すぎ、3人の被処分者が出てきました。うち2人が以下のような報告をしてくれました。

<Tさん>
地公法と学習指導要領などの講義だった。反省を迫られたり、署名を強制されたりはしなかった。ただ、「ふりかえりシート」なるチェックシートを鉛筆で書かされ、それに捺印を要求された。自分は「鉛筆で書いたものに捺印をしない」と言ったが、校長からも捺印を求められ、捺印した。(これがどういう意味なのかはわかりませんでした)

<Nさん>
研修という名に値しないもの。成り立っていない。形式的で効果の低いものだった。電子黒板やホワイトボードがあったが、講師はただ原稿を早口に読み上げるだけ。質問にも「時間がない」と言って答えない。「ふりかえりシート」は小テストのようなもので、お粗末なもの。

その後の個別研修は独房に連れて行かれたようなもの。10人くらいの役人が自分の周りを取り囲んで、廊下にも張り付いている。トイレの中まで入ってきた。職務命令で「文化祭の時に警備に当てられたのも職務命令か」と聞いたら「そうだ」という答えだった。では「それも処分するのか」と聞いたら質問を遮り、「人事部に聞いてくれ」と言う始末だった。

本日の研修は以上でしたが、この後、<所属校での研修>がありさらに2か月後にまた<研修センターでの研修>があるということです。まさに<研修>とは名ばかり、<思想転向強要・パワハラ・人権侵害・嫌がらせ>以外の何物でもないことがよくわかりました。

最後に参加者で「これが新たな闘いのスタート!!」ということを確認し、力強く抗議のシュプレヒコールを上げ、散会しました。



2012/04/03

法廷カレンダー

法廷カレンダー、2012年4月を更新しました。

法廷カレンダー
「法廷カレンダー」のダウンロード



2012/04/02

累積加重処分取消裁判を支援する会ニュース(第90号)

~「日の丸・君が代」強制 2012.3卒業式処分~
行政権力(東京・大阪)と最高裁、
“狼狽奸を為す”

なぜ、不当処分・戒告にとどまったか

  東京都教育庁は、卒業式での国歌斉唱時不起立により3名の戒告処分を発表した。大阪でも30名以上の処分を出した。処分取消を求めて裁判を行っている者に とっても、学校現場での非暴力不服従の抵抗が継続していることは心強い。過酷な情況の中で果敢に行動する方々、顕在化しなくともそれぞれの持ち場で多様な 取り組みをしている教職員の皆さまに連帯のエールを送ります。
 ところで、都教委は複数回の不起立者に対して戒告処分を行った。従来のような単純 累積加重処分を避けた。1/16最高裁判決を受けて「慎重に考慮して」「最も軽い処分」である戒告を下し裁判でも確実に是認させる道を選んだ。これで都教 委は最高裁の意向を受容する態度を示したことになる。もちろん最高裁は行政権力の意向を受け「10・23通達」職務命令の19・20条合憲を確定してい る。調停を偽装する最高裁と狡猾な処分を強行する行政権力との合作である。双方が最も警戒しているのは不当な介入・支配、教育の自由侵害への世論の注目で ある。これに対する歯止めでも“戒告止め”は効果がある。
 そして、東京でも大阪でも強化執行されようとしているのが「再発防止研修」の名による 「転向強要」「サイボーグ研修」である。すでに大阪では“再度の不起立をしない”「誓約署名」が強要されている。東京では入学式前の4/5にセンター「研 修」が強行されようとしている。許されることではない。

戒告処分を取り消させる道はあるか

裁判所法第四条:(上級審の裁判の拘束力)上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する。


  この条項によれば、当面、「10・23通達」職務命令は憲法19・20条に違反しない、戒告処分は裁量権逸脱・濫用に当たらないというのが上級審である最 高裁の判断である。ここで戒告を取り消させる道は不当な介入・支配、教育の自由侵害(憲法23・26条)を認めさせるしかない。問題は、学校現場における 「日の丸・君が代」一律起立・斉唱・伴奏の強制と不起立・不斉唱・不伴奏による抵抗の意味に回帰する。

*強制は、教育課程のどこで行われているのか。
*強制は児童・生徒に何をもたらすのか。
*抵抗は何のために行われるのか。
*抵抗は不作為か、それとも教育的意味をもつか。


  今回の卒業式不起立による被処分者が「子どもに、不起立、現認される姿を見せておく必要があった」との見解を表明した。私たちの国家社会の自由や民主の弱 さは、どこにあるのだろうか。ヨーロッパのレジスタンス、アジアの民族解放・反独裁の闘い等は、そのものの意義はもちろん、次の世代がそのことをしっかり 見て語り継がれたこと、つまりは歴史を創ったことを示している。被処分者の言に深く学ぶ次第である。

「日の丸・君が代」強制・累積加重処分
(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
東京地裁 判決日 決定!
4月19日(木)13:10第527
1/16・2/9最高裁判決後、初の判決!
処分(戒告から停職)一括取消請求、初の判決!
卒業式・入学式処分後、初の判決!
戒告処分を取り消させるために!!
教育の自由(不当な支配禁止、憲法第23・26条)の侵害に憲法判断を!?
「国旗・国歌・国家への忠誠」「敬意の表明」強制は憲法第19条に違反!
裁量権逸脱濫用(戒告・減給1月・減給6月・停職1月)
歯止めはかかっているのか!?

今後の予定 報道

*都障労組処分取消訴訟 高裁結審 4/18 14:00 第824号
累積加重処分取消訴訟 地裁判決 4・19(木)13:10 第527号
*米山処分取消・不採用取消裁判 高裁口頭弁論 4/19 15:30 第822号
*東京小中「君が代」裁判 高裁口頭弁論 4/26 16:30第424号
*東京「君が代」裁判第3次訴訟 地裁口頭弁論 5/25  第527号
*河原井・根津処分取消訴訟 地裁口頭弁論 5/28 16時 第527号
*河原井損害賠償差し戻し審 高裁口頭弁論 6/20 11時 812号
*再雇用拒否撤回二次訴訟 地裁口頭弁論 6/7 15:00 第103号
*東京「君が代」裁判2次訴訟 高裁口頭弁論 7/20 14:00 第101号


ニュースへのリンク



2012/04/01

2012年春の闘い(31)

渡部です。

本日(3月30日)、東京で、「四者卒入学式対策本部」主催の<卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会>と<記者会見>が開かれ、主催者の予想を上回る94人が参加しました。

集会では、最初に主催者から、今回不起立複数回であっても「戒告」にとどまったことは、都教委の「累積加重処分のシステムが崩れた」ことであり、「私たちの闘いの成果」である、と述べられました。

また、1月の最高裁判決後、都教委がいかに躍起になって不起立者が出ないように策動してきたかも報告されました。その中には、

  1. 2月初旬校長連絡会を開き、「教育課程の適正な実施について」(・卒業式、入学式における職務命令違反による懲戒処分の考え方・年次有給休暇の申請等にについて)という管理職どまりの文書が出されたり、
  2. 過去に不起立などで処分を受けた教職員がいる学校126校を都教委が訪問し、卒業式は大丈夫かどうかを確認したり、
  3. 3月には「服務事故再発防止研修の実施について」を出し、「教育における国旗掲揚及び国歌斉唱の意義と教育者としての責務」というような研修実施を明記し圧力をかける、

なとと言うこともありました。

もはや、卒業式は卒業生の為のものではなくなっています。

集会には該当者4名のうち<戒告処分>者2名と<文書訓告>者1名が参加し、それぞれ思いを語りました。

<戒告処分を受けたNさん>
最初石原・都教委に対してみんなで闘うと言っていたにも関わらず、気づいたら一人だけ(高校現場)になっていた。自分は「教え子を再び戦場におくるな!」という気持ちでやって来た。都立高校の民主主義は私一人で最後なのか?細々とでも闘い、次に闘いが盛り上がるのを待ちたい。

<戒告処分を受けたTさん>
自分は減給になると思っていた。しかし戒告だった。希望の光が見えた。自分は「式場外に出たらどうか」とも言われたが、「自分から教育の機会を奪わないで」と言って出席し不起立した。職場では卒業式予行の時から副校長が隣に座って現認の予行をやっていたようだ。卒業生の親からは「ありがとう。自分たちもこの問題は話し合っている」、同僚からは「本当は自分も不起立したいが経済的理由でできない。ありがたい。」在校生からは「ありがとう。自分たちのためにやってくれている」というような言葉があったことを、ビラまきをしてくれた根津さんから聞いた。支援してくれる人は決して少なくない。ここに希望の光がある。潮目が変わってきたのかもしれない。

<文書訓告を受けたIさん>
これまでも2時間の休暇をとり、「君が代」斉唱時は避けて卒業式に臨んでだことはあった。ところが今回そうしようとしたら、副校長が来て私の入場を拒んだ。私に「担任業務を解除し、警備係を命ずる」というような職務命令を渡した。しかし、私は卒業生の担任として入場し「呼名」をやった。そうしたら<文書訓告>になった。その「通知書」には、「・・当日においては、全ての担任業務を解除し、同卒業証書授与式の会場には入らないことを内容とした職務命令を受けていたにもかかわらず、同会場に入るとともに、担任業務を行った。このことは、地方公務員法台32条に違反するとともに、全体の奉仕者たるにふさわしくない行為であって、教育公務員としての職の信用を傷つけ、職全体の不名誉となるものであり、同法第33条に違反する。よって、今後かかることのないよう文書をもって厳に訓告する」と書いてあった。(このような「職務命令」の方が余程おかしい!!)今回の問題について職場の仲間が「要請書」を都教委に出してくれた。職場の仲間も実はとても苦しんでいることを知った。

その後加藤弁護士は次のようなことを述べました。

<戒告>になったのは最高裁判決の影響があった。保護者や生徒が「自分たちの為にやってくれている」と言っていることは、最もよい教育をやってくれているということ。この国をどのような国にするのか、誰のために何のために教育をするのか、一番大事なことを教えているということだ。今のヒドイ状況を多くの人々に訴えなければならない。

最後に以下の「行動」が提起されました。

①不当処分撤回を求める電話・FAXを都教委に
<抗議先>
・教育庁総務部教育情報課  
 電話 03-5320-6733
 FAX 03-5388-1726
・教育庁人事部職員課
 電話 03-5320-6790
 FAX 03-5388-1731
・教育長
 FAX 03-5388-1725

②再発防止研修抗議・該当者支援行動
<4月5日(木)> 都教職員研修センター(水道橋)  
 8:20 行動開始
 8:35 弁護団申し入れ
 8:50 該当者(受講者)入場 激励行動
 12:30頃 研修終了後、該当者激励行動



2012/03/31

2012年春の闘い(30)

渡部です。

本日(3月29日)、都教委は、卒業式に関わる処分を本人たちに届けました。

内容は、以下の通りです。

  • 不起立3名(2名は2回目、1名は4回目)にいずれも<戒告>(昇給延伸)
  • 卒業式当日、不当にも卒業生の担任業務を外す「職務命令」を出されたが、それに抗して卒業生の呼名を行った教員に対して<文書訓告>

これまでは、不起立2回目からは<減給><停職>でしたが、今回は4回目の教員も<戒告>となりました。

これは1月の最高裁判決に従ったものと考えられますが、(勿論、「職務命令」合憲判決・分断判決で許されませんが)このような最高裁判決を勝ち取ったのも、また最高裁判決後も変えようとしなかった都教委の姿勢を変えさせたのも、この間の被処分者・被解雇者・不採用者・弁護士をはじめ、多くの闘う人々の闘いの成果だと思います。<文書訓告>も(勿論不当ですが)闘いの成果だと思います。

東京の学校現場にも、大阪の闘いにもきっといい影響を与えると思います。

ただ、4月5日に予定されている「再発防止研修」はこれまでより酷い内容になるようですので、今回の判決を新たな足がかりとして、「再発防止研修」反対闘争を盛り上げていく必要があると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

本日、東京高裁で「和田中夜スペ」裁判の判決が出され、不当にも「棄却」判決でした。

しかし、この裁判闘争の中で色々な問題点が浮き彫りにされてきました。その結果、昨日(3月28日)の杉並区教委では、「夜スペ」の存立条件ともなる「学校希望選択制」の廃止が決定されました。また「夜スペ」の参加生徒も30人枠に対し16人という状況で先細りしています。民間人校長もやがていなくなると言われています。

要するに山田区政下で藤原前校長がやったことはマスコミでは大々的に取り上げましたが、地元からはすべからく反発を受け、杉並区では失敗に終ったということです。

その山田前区長と藤原氏は大阪の橋下の特別顧問になっていますが、原告の杉並区民たちからは「杉並でお払い箱になった人間が大阪に行っている」と言われています。

以下に本日出された原告団の「声明」を紹介しますが、今日・明日の大阪の教育を示唆して興味深いものがあります。まさに具体的な実例での橋下教育行政批判になっています。(大阪の方々は是非読んで下さい)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
               「声明」
★杉並区で行われた「夜スペ」は教育基本法を無視した違法行為 「夜スペ」事業は首長(山田宏前杉並区長)が教育の内容に踏み込んだ数々の教育行政施策の中でも最も悪質な事業であります。山田氏は、教育は首長部局が主導するとして、公立学校の私学化を公言し、教育委員会を軽視、無視して教育行政を行いました。区の莫大な予算を「師範塾」につぎ込み、「学校希望制」や民間人校長の採用、教育基本条例(憲章として決定)の提案、「つくる会」側の教育委員採用を強行しての「つくる会」の教科書採択等々、どれも強行してきました。

★区立和田中学校は私学のモデル校
 山田前区長は和田中を私学のモデルとして校長裁量で何でもできる体制をつくりました。初代民間人校長として藤原和博氏を採用(2代目もリクルートから)、藤原前校長の独断による学校経営は放任されました。藤原氏はメディアをフルに活用、有名人を招いてのパーフォーマンス、杉並PTA協議会はらの脱退とPTAの解散、校長会無視、学校希望制を独自に解釈し全区から生徒を集める等、独自の行動で有名になりました。

★「夜スペ」を強引に実施
 藤原氏は地域本部を利用しました。和田中地域本部による「夜スペ」事業は突然の新聞発表で、教育委員初め皆の知るところとなり、「なぜ私塾が公立学校で有料授業を?」と全国的に話題になりました。区内では、教育委員、教員、保護者、地域住民、多数の区議会議員こぞって大反対の声をあげました。和田中地域本部という団体の不明朗な会計や、本部役員には教育産業界からのメンバーもいることがわかり、「夜スペ」の事業の公共性・公益性は否定され、公教育の破壊が指摘される中実施されました。区民有志は裁判に訴えました。

★首長が替わった結果
 新区長は、行政は教育環境の整備に専念すると議会で明言しました。師範館は中止、学校希望制は廃止と決まり、民間人校長採用は見直しの方向、教育憲章は中止と、山田前区長の独断専横の教育施策はすべて廃止あるいは見直しに向かっています。「夜スペ」では、私塾サピックスが撤退し、引き継いだ東進スクールの生徒は激減しています。和田中地域本部の事業を取り入れている学校は全国に一つとしてありません。区議会で多くの反対をよそに強行された減税基金条例も今議会で廃止と決定し、山田氏が強行した目玉施策はすべて消えました。区長が替わるたびに教育施策が変わることを良しとするものではありませんが、教育基本法や良識の声を無視して、首長独自の思想を権力を行使して強行するなどあってはならないことです。「夜スペ」裁判を通して、首長は絶大な権力の下に誰をも従わせることが出来ることの怖さをあらためて感じています。



2012/03/30

2012年春の闘い(29)

渡部です。

本日(3月28日)、都教委は卒業式における不起立者などに関する処分を決める臨時会議を開きました。

そのため本日早朝、都庁前で、「河原井さん根津さんらの「君が代」解雇を許さない会」は、<都教委は「君が代」不起立処分を止めよ!>というビラをまきました。参加者は12名、ビラの受け取りはよく、予定時間の10分前には用意した600枚のビラがなくなりました。

その後(9:00頃。臨時会議は10時から)10名ほどで都庁第二庁舎30階の都教委に抗議に行きました。すると、ここしばらくは無かったことですが、エレベーターホールと総務部に向かう廊下の間にロープでバリケードが張られ、警備会社の人と都教委職員10人くらいで、私たちを通そうとしません。

私たちが抗議をすると、教育情報課のIT課長とINさんが出てきて、「要請を受ける場所を用意できない」というので、「ここでもいいよ」と言って、まず、バリケードを張ったことに対する抗議をそれぞれが声を上げやりました。

次に、包囲ネットからの<3月12日回答への抗議並びに「君が代」処分に関する要請書>(以下に貼り付けます)を読み上げ提出しました。その中には石原の「シナ」発言も書いてありましたが、IT課長は「これについては都知事にも上げておきます」などと言いました。

また、早朝ビラも読み上げ提出し、「都教委の臨時会が始まる前に大原教育長に渡してください」、と申し添えました。すると、I課長は「すぐ所管に届けます」と言って、総務部の中に入っていきました。(9時50分頃)

しかし、それきり出てきません。要請行動参加者はみんな怒り、IT課長を呼び出すよう、そこに立っていた都教委の職員に何度も要求しました。しかし、彼らは押し黙ったままです。「黙っているなら、大声を出すよ」と言っても黙ったままです。

ラチが開かないので、「Iさ~ん!Iさ~ん!Iさ~ん!」と大声で呼びました。すると「庁舎内規則です。辞めてください」となどと言います。こちらは「君たちが呼んでこないからこうやるしかないんだ」と言って、又「Iさ~ん!Iさ~ん!Iさ~ん!」と繰り返しました。

それでもラチが開かず、気づくと会議が始まる時間を過ぎていました。都教委の委員たちは、私たちがいるところを通らずに会議室に入ったようでした。しかし、私たちがいるところから会議室までは10メートル位の距離で、ドア二つで仕切られていることが分かっていましたので、今度はみんなで大声を出し、「処分するな!処分するな!処分するな!」とシュプレヒコールを繰り返しました。

それでもラチが開かないままでしたが、とりあえず本日の抗議行動は終了し、帰って来ました。

明日(3月29日)、処分申し渡しだそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(以下に、昨日の大阪の状況のメールを貼り付けます。)

27日午後、府立学校卒業式(3月分)での不起立者12名、および豊中、高槻、茨木の小中学校卒業式での不起立者3名に戒告処分をおこないました。ホットラインでは詳細を把握していなかった茨木での不起立は、式場後ろ側にいて立ったまま、生徒指導を行っていた教員が「君が代」斉唱時に床に座り込んだことを理由にしていると報道されています。

ホットラインでは、今日の不当処分に対して、府庁別館前での抗議行動を呼びかけました。この呼びかけに応えて、当日に処分を行われた不起立者6名を含む約100名が参加。東京からは根津さん、千葉からも千葉学校合同のYさんが駆けつけてくれました。

府庁前での抗議集会では、不起立者が次々と発言にたち、「君が代」起立斉唱の強制と不当処分の問題点を指摘しました。処分伝達会場の府公館に入っていく不起立者を拍手で送りだし、大きなシュプレヒコールで声を会場内に届けました。15時過ぎには、府教委に抗議申し入れをおこないました。

処分伝達された不起立者が集会に戻ってきた後、その様子が報告されましたが、その権威主義、形式主義に参加者から失笑が起こるほどでした。

考えていたよりも早く、4時頃にはすべての不起立者が公館を出たことを確認し、最後に府教委に向けて力強いシュプレヒコールをぶつけて、この日の行動を終えました。

この抗議行動は反処分闘争の出発点です。入学式も含めて、今後の闘いにとりくんでいきましょう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(以下は本日の都教委への包囲ネットの抗議・要請書です)

2012年3月28日
東京都教育委員会
教育長 大原正行 様
都教委包囲首都圏ネットワーク

3月12日回答への抗議並びに「君が代」処分に関する要請書

(1)
2月27日に私たちが出した「要請書」3通に対して、3月12日に「回答」3通をしてくれました。しかし、いずれも私たちの満足できるものではありませんでした。ここでは、そのうちの「要請(最高裁判決)に対する回答」について、以下のことを反論しておきます。

第一に、1~9までの要請項目がありましたが、いずれも自分たちに都合の悪いことについては、「承知しているが」としながら、まともに受け止めた回答をしていません。そして、最高裁判決の自分たちに都合の良いところだけを前面に出して回答しています。大原教育長は最高裁判決の「停職一ヶ月の処分と減給一ヶ月の処分の判決については、厳粛に受け止める」と言いながら、都教委は全くこれまでの姿勢を変えようとしていません。

第二に、1月16日の最高裁判決の基調は、東京の「累積加重的な懲戒処分」は異常だというものでした。しかし、これについてもただ「承知しているが」というだけで、「でも改めない」と言わんばかりの回答でした。最高裁も馬鹿にされたものです。

第三に、宮川裁判長の反対意見についてはことごとく退けていますが、「思想の多様性を尊重する精神こそ、民主主義国家存立の基盤であり、良き国際社会の形成にも貢献するものと考えられる」という彼の指摘に対して、「国旗を掲揚し国歌を斉唱するよう指導していくことが、民主主義社会と良き国際社会の形成に必要であると考えます」と回答しています。これほどデマゴギーに満ちたものはありません。天皇主権を歌う「君が代」は「民主主義社会」と真っ向から対立するものです。また、「日の丸・君が代」を先頭に立って進めてきた石原都知事は、最近、中国から批判された河村名古屋市長の「南京大虐殺」否定発言を支持したり、首都大学東京の卒業・修了式で卒業生に向かって「中国を『シナ』と呼ばなきゃダメ」と語ったりしています。これで、「良き国際社会の形成に必要」といえるのでしょか。「日の丸・君が代」徹底の戦前も、「良き国際社会の形成」にはならず、「日の丸・君が代」をシンボルに他国を蔑視・侵略していったのではないですか。

第四に、「そもそも主権在民の社会で天皇主権の歌を人々に強制し処分することほど憲法違反・常識ハズレのことはない」という私たちの指摘に、「そのようには考えません」と回答していますが、「ではどのように考えているのですか」。第三のところで述べられているように考えているのだとすれば、それは全くデマゴギーに満ちた考えです。

(2)
この度の卒業式においても複数の「不起立者」が出たと聞いております。しかも、二度目の「不起立者」もいると聞いております。何度でも繰り返しますが、私たちは、天皇主権の歌「君が代」を強制され、従わなければ処分されるというような、誰が考えても分かる「憲法違反・常識ハズレ」のことを決して許すわけにはゆきません。

都教委は、即刻「10・23通達」を撤回せよ!!

あらゆる「君が代」処分を即刻撤回せよ!!

この度の卒業式を含め処分はもう出すな!!



2012/03/29

2012年春の闘い(28)

渡部です。

本日(3月27日)の新聞に大阪市職員の「選挙関与リスト」は非常勤嘱託職員による捏造だったと報じられた。しかし、この捏造文書によって、2月市議会では「維新の会」の市議が「労組の選挙活動への関与が裏付けられた」と市側を追及し、それにもとづいて橋板下市長は、労組の政治活動についての全庁的な調査を指示していた。

これについて橋下氏は昨日(26日)夕、「このような捏造問題があって市民のみなさんをお騒がせしたことは大変申し訳けなく思っております」と陳謝しながらも、維新市議の対応については、「取り上げるのは議会として当然」と開き直り、

本日(27日)に至っては「維新の会として全く問題ない。捏造した本人の問題だと思う」とし、謝罪する必要は無いとまで開き直っている。

労組の委員長が最敬礼して橋下に謝った写真を思い出すが、橋下は労組に対し陳謝する気などは全く無い。とんでもない開き直りである。

ここに権力を振りかざした彼のデマゴギー政治が良く現れている。彼はウソでも何でも利用し、反対するものを陥れるのである。ファシズムとはデマゴギー政治であるとは何度も言われてきた。これが橋下の場合も実証されつつある。

しかしファシズムは外部は固いが内部は脆い(中味が無いから)。どんどん彼らのデマゴギーを暴露していこう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

都教委包囲ネットワークでは、この春の闘いを踏まえ、以下の集会を開くことになりました。

<集会名> 「2112卒・入学式の闘い」4・29報告交流集会

<日 時> 4月29日(日) 18:00~

<場 所> (杉並区) 阿佐ヶ谷産業商工会館 講堂(JR阿佐ヶ谷駅下車7分)

<趣 旨>

「日の丸」裁判の最高裁不当判決がでそろい、石原・橋下の暴走、原発問題、憲法改悪等、2012年は今後を左右する画期となる年となる。そうした中で、今年も東京で、大阪で、卒業式において果敢な闘いが展開された。そうした人々を励まし、闘いを受け継ぐための集会である。

<内容>(予定)

  • 春の闘いの概要報告
  • 東京の不起立者から
  • 大阪の全体状況報告
  • 大阪の不起立者から
  • 東京の裁判原告から

<資料代>500円



2012/03/28

「君が代・不起立3回で分限免職」は許されない

「君が代・不起立3回で分限免職」は許されない
大阪府・大阪市における、教育に関する条例修正案について


根津・河原井停職処分取消訴訟弁護団
河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会



「a20120328.pdf」のダウンロード

 


「君が代・不起立3回で分限免職」は許されない
大阪府・大阪市における、教育に関する条例修正案について


根津・河原井停職処分取消訴訟弁護団
河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会


  2012年1月16日、最高裁第一小法廷は、一連の「日の丸・君が代」裁判について3件の判決を言い渡しました。戒告処分を容認し、減給処分と停職1カ月処分を裁量権濫用にあたるとして取り消す一方、より重い停職3カ月処分については、過去の処分歴等を理由に違法ではないとする矛盾した判断でした。
 最高裁のこの判断を受けて、大阪府・市議会に提案された教育基本条例案がどのように修正されるのかが注目されてきました。
 2月23日に松井知事が府議会に提出した条例案は、大阪府教育行政基本条例と大阪府立学校条例に分けられ、府立学校・府費負担教職員の分限・懲戒処分については職員基本条例を適用するものとし、その詳細を分限・懲戒に関する各条例に定める形に再編しています。橋下市長は、同様の条例案を3月中旬に大阪市議会に提出するとしています。

 職員基本条例案の第27条では、起立斉唱を命じる職務命令に違反した場合について、1回目は戒告とし、2回目の停職を削除する微修正を施しているものの、同一の職務命令違反3回で標準的には分限免職とされる点は当初の維新案が維持されたままです。「指導、研修」等は、1回目から行われることになり(第29条1項)、2回目に「免職することがあることを文書で警告する」(同2項)としています。
 さらに、職員の懲戒に関する条例の第9条には、懲戒処分を受けた職員に指導を行い「非違行為を反省し、今後非違行為を行わないことの誓約をさせることができる」としています。
 1月16日の最高裁判決は、極めて政治的で不当な判決であることは1月31日付の当弁護団・当会の共同声明に指摘したとおりです。しかしながら、「過去数回で停職」が許されないことに照らせば、分限免職であっても「3回で免職」が許されるべきではありません。「君が代」起立・斉唱、伴奏に係る職務命令違反に職員基本条例の処分条項を適用することは、最高裁判決の判示事項に照らしても、なお、違法とされるべきものと考えられます。
 また、自己の思想信条に反し、不起立について非を認めさせるような内容の研修が違憲・違法となりうることは、都教委の「再発防止研修」の執行停止申立事件の東京地裁決定で示されているところです。

 当弁護団は、「君が代・不起立3回で分限免職」には、これまでの裁判の判示に照らしても多くの法律上の問題があると考え、その内容を別紙のとおりまとめました。
 当弁護団と当会は、「君が代」不起立に対するいかなる処分も許さないという立場で、引き続き、根津さん及び河原井さんの停職処分取消訴訟の勝利をめざします。同時に、現場の教職員、とりわけ無法な攻撃の矢面に立たされている大阪の教職員の闘いを支援するために、全力をあげてともに闘うことをここに表明するものです。

2012年3月12日

■参考資料

 当初の教育基本条例案は、首長による教育目標の設定、その実現の責務を果たさない教育委員の罷免規定をはじめ、その多くの条文が地方教育行政法に定められている教育委員会の職務権限を侵犯していることが指摘されてきました。
 再編された教育・職員条例案も、教育支配への教職員の服従を迫り、「君が代」起立・斉唱条例と一体となって不起立教員に圧力を加えるものです。
  東京では、都教委の10・23通達をめぐるさまざまな裁判の中で、多くの弁護団・原告団の奮闘により、一定の「歯止め」となる判例もかちとられてきています。
 以下は、「3回で免職」が許されるのか、不起立を反省させ職務命令への服従を誓約させる「研修」が許されるのか、を法的に検討する一素材として、当弁護団の意見をまとめたものです。参考にして頂ければ幸いです。

1.「職務命令違反3回で分限免職」は、許されるか

  最高裁は、今回の判決で「不起立行為に対する懲戒において戒告を超えてより重い減給以上の処分を選択することについては…慎重な考慮が必要となる」「不起立行為等に対する懲戒において戒告を超えて減給以上の処分を選択することが許容されるのは、…学校の規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益との権衡の観点から当該処分を選択することの相当性を基礎づける具体的な事情が認められる場合であることを要する」とし、「過去1回の不起立処分歴」を理由に減給処分を、「過去数回の不起立処分歴」を理由に停職処分を選択するのは許されないとしました。ただし、過去に積極的妨害行為などの処分歴がある場合には、停職処分の選択も認めるという判断です。
  「1回目は戒告又は減給」「2回目は停職」としていた条例案から、減給、停職を削除したのは、この判示を意識したものと思われます。
  ところが、「3回で分限免職」は、修正されないままです。「過去数回で停職」が許されないなら、分限免職であっても「3回で免職」が許されるべきではありません。

●懲戒・分限処分の恣意的な選択は許されない
  この点につき、最高裁の判示内容は懲戒処分の量定についてのものであり、その射程は分限処分には及ばないという反論が予想されます。
  たしかに、懲戒処分と分限処分は、各々の制度趣旨・目的を異にしています。懲戒処分は、公務員の職務上の義務違反その他公務員としてふさわしくない非行がある場合に、その責任を確認し、公務員関係の秩序を維持するために科せられる制裁である(神戸税関事件・最三小判77・12・20判時874号3頁)のに対し、分限処分は公務能率の維持及びその適正な運営の確保の目的から行われる処分です(長束小事件・最二小判73・9・14判時716号27頁)。
 しかし、懲戒処分も分限処分も、身分保障の趣旨から、「この法律で定める事由による場合でなければ」処分されない(地公法27条)と、その事由が法律上限定されています。
 また、懲戒・分限事由が競合する場合に、いずれの処分を選択するかの恣意的判断は許されません。川崎市港湾局事件・横浜地判77・12・19判時877号3頁は、「地公法所定の分限および懲戒の各制度の趣旨・目的・処分の要件および効果についての同法28条、29条の規定内容ならびに社会通念に照らし、合理性を有するものとして許容される限度を超えた不当なものであるときは、裁量権の行使を誤ったものとして違法たるを免れない」と判示しています。
 最高裁が示した適法限界をすり抜ける意図で分限処分を選択するのであれば、その選択自体が違法というべきです。

●最高裁判決の判断枠組みに照らして
  最高裁は、処分選択・量定の裁量判断において、公務員関係秩序の維持という懲戒処分の制度趣旨に鑑み、「規律や秩序の保持等の必要性と処分による不利益との権衡」という判断方法を示しました。仮にこれを前提とすると、分限処分の場合には、「公務能率の維持及びその適正な運営の確保」の必要性と、処分による不利益の権衡が審査されることになると思われます。
  分限免職処分は、公務員身分自体を喪失させる過酷な処分であり、勤務実績不良や適格性欠如による分限免職の場合には、免許状が失効するとされている(教免法10条1項3号)ことからも、その不利益の重大さは、減給、停職の懲戒処分とは比較になりません。
  分限処分は、懲戒処分以上に、公務員の身分保障の見地から処分権限の発動が制約されているものです。このことは、たとえば、「職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない」との規定に、「身分保障」という表題が付けられていることからも窺えます(国家公務員法第75条)。
 分限制度の目的である「公務能率の維持及びその適正な運営」は、懲戒制度の目的である「公務員秩序の維持」がなされていることを大前提として追求されるべきものです。とすれば、最高裁では、「公務員秩序の維持」の必要性に対して、減給・停職処分は特段の事情がない限り、不利益が大きすぎるとされたのですから、「公務能率の維持」のためにそれをはるかに超える不利益処分である分限免職処分が許容されるとは、到底考えられません。

●分限処分についての最高裁判例
 そもそも、最高裁は、分限処分、とくに分限免職処分に対しては、高いハードルを課してきました。長束小事件・最二小判73・9・14は、「地方公務員法28条所定の分限制度は、公務の能率の維持およびその適性な運営の確保の目的から同条に定めるような処分権限を任命権者に認めるとともに、他方、公務員の身分保障の見地からその処分権限を発動しうる場合を限定したものである。」とした上で、「同条に基づく分限処分については、…もとより純然たる自由裁量に委ねられているものではなく、分限制度の上記目的と関係のない目的や動機に基づいて分限処分をすることが許されないのはもちろん、処分事由の有無についても恣意にわたることを許されず、考慮すべきことを考慮せず、考慮すべきでない事項を考慮して判断するとか、また、その判断が合理性を持つ判断として許容される限度を超えた不当なものであるときは、裁量権の行使を誤った違法なものであることを免れないというべきである。そして、任命権者の分限処分が、このような違法性を有するかどうかは、同法8条8項にいう法律問題として裁判所の審判に服すべきものである」として、司法による裁量審査の判断基準を示しています。
  同最高裁判例は、地公法28条1項3号の「その職に必要な適格性を欠く場合」の該当性判断について、「当該職員の簡単に矯正することのできない持続性を有する素質、能力、性格等に基因してその職務の円滑な進行に支障があり、または支障を生ずる高度の蓋然性が認められる場合をというものと解される」としています。
  さらに、降任とは異なり、分限免職の場合には「現に就いている職に限らず、転職が可能な他の職を含めてこれらすべての職についての適格性」の有無が検討されねばならず、「免職の場合には公務員としての地位を失うという重大な結果となる…ことを考えれば、免職の場合における適格性の有無の判断については、特に厳密、慎重であることが要求される」としています。
  裁判実務においても、こうした判断基準に照らした厳格な裁量審査が行われてきています。教育公務員の分限免職に係る近時の判例においても、大阪高裁判18・8・29(裁判所HP)、その上告審最三小09・12・4決、京都地裁08・2・28判(裁判所HP)、その控訴審判決09・6・4、その上告審最一小決10・2・25、岡山地判09・1・27(公判速396号)、その控訴審広島高裁岡山支部判09・12・24、その上告審最三小決10・9・21など、取消判決が相次いで最高裁で確定しているところです。

● 加重処分の機械的適用は許されない
 根津さんに対する懲戒免職処分がなされなかった2008年の7月、都教委は、「分限事由に該当する可能性がある教職員に関する対応指針」を策定しました。そこでは、勤務実績不良、適格性欠如の例として「研修を受講したものの成果があがらない」「職務命令を拒否する」「過去に非違行為を行い、懲戒処分を受けたにもかかわらず、再び非違行為を行い、都及び教職員に対する信用を著しく失墜させている」などが列挙され、これにあてはめて分限免職を進めようとしました。しかし、「解雇させない」運動の力で、処分を進めることができなかったことは、周知のとおりです。
 そもそも、不起立は、それ自体が処分の対象とされるものではなく、起立・斉唱の職務命令などを出すことで、作為的に職務命令違反として「非違行為」とするものです。世論調査を見ても「非違行為」としての社会的評価が定着しているとはいえず、子どもたちに不起立の選択肢を示す教育的行為という評価も有力に存在します。
  「不当な支配」に服することなく子どもたちの人権、学習権を守ることこそ、教員の最大の職責であり求められる資質です。卒業式・入学式のあり方に関してこのような職務命令を発し、教員を処分することは、教育の自主性、指導・助言を旨とする教育行政の原則に反しています。
 一連の最高裁判決の中で、宮川裁判官は、10・23通達の意図は、強制に反対する教職員の「歴史観等に対する否定的評価を背景に、不利益処分をもってその歴史観等に反する行為を強制しようとするところにある」(最一小判11・6・6等)との反対意見を述べ、櫻井裁判官は、「一律の加重処分の定め方、実際の機械的な適用は、そのこと自体が問題」で、「自らの信条と尊厳を守るためにやむなく不起立を繰り返す教職員」への「加重量定は、法が予定している懲戒制度の運用の許容範囲に入るとは到底考えられず」(12・1・16最一小判)と厳しく指摘する補足意見を述べています。
「職務命令違反3回で分限免職」の機械的適用は、不正な動機・目的によるもの、ないし裁量権を濫用したものとして、違法無効と判断されるべきものです。

2.「指導、研修」なるものの違憲・違法性

  教職員も適用を受ける職員基本条例の修正案によれば、1回目の戒告処分後に「指導、研修等」、2回目の処分後には「指導、研修等」と免職の警告を行い、なお3回目の不起立があった場合には標準的には分限免職とするとしています。また、職員の懲戒に関する条例の第9条は、懲戒処分を受けた職員に指導を行い「非違行為を反省し、今後非違行為を行わないことの誓約をさせることができる」としています。
 この「指導、研修」なるものの詳細は明らかにされていませんが、橋下氏や松井氏は、「『職務命令に従う』と誓約させ、誓約しない場合は『現場に戻せない』」「違反状態が改善されるまで現場復帰は認めない」と語ったと報道されています。

●「再発防止研修」の違憲・違法性を警告した東京地裁決定
 条例案に盛り込まれた「指導、研修」が、「君が代」斉唱時の起立・斉唱の職務命令に従うことを誓約させ、誓約しない限り現場復帰を認めないといった内容のものであれば、そうした研修は、思想転向の強要と評価するほかなく、その違憲・違法性は明らかです。
  都教委が実施した、不起立・不伴奏で処分を受けた教職員に対する「服務事故再発防止研修」の執行停止を求めた裁判では、裁判所は、申立自体は却下したものの、次のように警告しました。
 「研修の意義、目的、内容等を理解しつつ、自己の思想、信条に反すると表明するものに対して、何度も繰り返し同一内容の研修を受けさせ、自己の非を認めさせようとするなど、公務員個人の内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与える程度に至るものであれば、そのような研修や研修命令は合理的に許容されている範囲を超えるものとして違憲違法の問題を生ずる可能性がある」(東京地決04・7・23判時1871号142頁、同旨・東京地決05・7・15)
 「再発防止研修」とは、セクハラや体罰などで懲戒処分を受けた教職員を対象として再発防止にむけて「被処分者が行った非行に対する反省を促す」ものとして位置づけられ、「説諭」の上で「報告書を作成させ」「研修成果に基づき必要な措置を講ずる」ことが実施要綱で定められていました。
  裁判所が上記のような異例の警告を発したのは、以下の事情を認定したからでした。
「本件においては、東京都教育委員会教育長は、東京都議会において、『受講に際し、指導に従わない場合や研修の成果が不十分な場合には、研修終了とはなりませんので、再度研修を命ずることになりますし、また、研修を受講しても反省の色が見られず、同様の服務違反を繰り返すことがあった場合には、より厳しい処分を行うことは当然のことである』と答弁しているほか、相手方が当裁判所に提出した意見書において、仮に、申立人らが研修において、『私は、国歌斉唱時に起立しませんでした。これは客観的には職務命令に即した行為ではありませんでした』とか、『私は、国歌斉唱時には起立しませんでしたが、この件については係争中ですので、この点の見解を述べることは差し控えさせて頂きます』との報告書を作成したとしても、それだけでは、非行に対する反省や本件研修についての理解が十分になされているとはいえず、研修の成果が十分にであるとはいえない」と主張していることを考慮すると、相手方が本件研修及びこれに引き続いて実施しようとしている一連の手続きにおいて、前記のような合理的に許容されている範囲を踏み超える可能性がまったくないとまではいえない。」
  橋下市長や松井知事の発言と同様に、都教委も当初は、反省の意を表明するまで研修と処分を反復することを意図していたのです。
  裁判所のこの警告を受けて、都教委は、再発防止研修の内容を、地方公務員法の関係条文の講義と報告書の作成へと変更せざるをえなくなりました。受講者は「反省文」を書きませんでしたが、再受講を命じることもできなかったのです。
  橋下氏や松井氏がいうような、「職務命令に従うことを誓約させ、誓約しない限り現場復帰を認めない」といった内容、態様の研修であれば、違憲違法と判断されるべきであると考えられます。

3.分限免職の差し止め訴訟は、訴訟要件も本案要件も満たすこと

  最高裁第一小法廷は、2012年2月9日、国歌斉唱義務不存在確認請求事件(通称「予防訴訟」)について上告を棄却する判決を言い渡しました。この判決も、10・23通達に基づき教職員に起立・斉唱、ピアノ伴奏を命ずる職務命令について、違憲違法性を否定した不当判決でした。しかし、懲戒処分の差し止めの訴え、起立・斉唱義務不存在確認の訴えが認められるかという争点に関しては、原審の判断を変更し、「懲戒処分が反復継続的かつ累積加重的になされる危険が現に存在する」として、差し止めの訴えの要件である「重大な損害が生ずるおそれ」はあると認めました。
 本案判断においては、個別具体的な事情が明らかでないとして差し止めを認めなかったものの、1・16判決が示した裁量権濫用の基準に従い、戒告処分を受けた者の減給処分の差し止め請求、減給処分を受けた者の停職処分の差し止め請求については、容認されうることを示唆する判示内容となっています。
   同判決は、東京では免職処分はされていないので免職処分の差し止めの訴えは蓋然性がないとして不適法と判断しています。しかし、「3回で分限免職」と条例に規定された場合には、免職の蓋然性は極めて高いものとなり、分限免職による損害は減給、停職の懲戒処分よりはるかに重大です。分限免職の差し止め訴訟は、訴訟要件を充足するだけでなく、裁量権濫用にあたるとして本案要件も満たすと判断されるべきです。


3.28都庁情宣

3.28都庁情宣のちらしです。

「f20120328.pdf」のダウンロード



«2012年春の闘い(27)