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2016/08/25

都庁前通信 2016年8月25日号

F20160825

相模原事件は
今の社会への警鐘 では?

 7月に相模原市の知的障害者福祉施設で19人を殺し27人に重軽傷を負わせた凄惨極まる事件が起き、容疑者の個人的性格や精神疾患、措置入院の短さ、薬物反応が取り沙汰されてきた。
 一方、容疑者は「障害者なんていなくなればいい」と言っていたという。命の価値を選別し、「劣勢」の命は淘汰して構わないとするナチス、ヒトラーの優生思想に感化されていたのではないかと疑われる。ナチスの断種法、障害者抹殺により不妊手術が行われ、障害者は「生きる価値のない存在」として「安楽死」させられた。日本でも戦争中、「障害のある子どもは有事の時に邪魔になるから殺せ」と青酸カリを手渡されたり、「穀つぶし」と蔑まされたりした。
 こうした思想や行動が出てくることについて、自らも盲ろう者である福島智氏(東大教授)は、「今の日本を覆う『新自由主義的な人間観』と無縁ではないだろう。労働力の担い手としての経済的価値や能力で人間を序列化する社会。そこでは、重度の障害者の生存は軽視され、究極的には否定されてしまいかねない」さらに、こうした「生産性や労働能力に基づく人間の価値の序列化、人間の存在意義を軽視・否定する論理・メカニズムは、徐々に拡大し、最終的には大多数の人を覆い尽くすに違いない。つまり、ごく一握りの『勝者』『強者』だけが報われる社会だ」(毎日新聞 7.28)と警告している。日本の障害者運動をリードしてきた一人、藤井克徳さんは、「世の中の“空気”が変わった時に真っ先に切り捨てられる、生きている価値がないとして『価値付け』の対象になってしまう、そういう『変化』が一番早く押し寄せるのは障害者なのだ」という。(ハートネットTV「シリーズ戦後70年」)
 翻って現在はどうだろう。障害者差別解消法やヘイトスピーチ禁止法が国会を通ったが、現実の人々の生活は命の価値を選別(差別)する中にある。経済的効率が最優先され非正規・差別賃金、子どもの6人に1人は貧困状態にある。命の価値の軽視はこの国を戦争が出来る国へと向かわせている。
 都教委の教育行政を見ても、子どもたちの「命の格差解消」「命の平等」に向き合う姿勢は弱い。「健常者」が通う普通学級から障がいを持った子どもを隔離し、特別支援学校に追いやる(このほうが、教育費が安い)。多様な価値観、生き方をみとめないような「日の丸・君が代」の強制。進学重点校等のエリート校の学校予算は、「底辺校」の金を削って増額する。夜間定時制高校は廃校にする。こうした差別を行いながら、一方で「自己責任」を強調する風潮が強められ、命に差をつける学校や社会で育つ子どもたちは、格差や差別を自然なものと認識し、自分よりも「劣勢」と見れば、排除にかかるだろう。
 都教委の要職にある人や教育委員には、この点について、まじめに論議してほしい。
 小池百合子都知事は安倍首相も所属する「日本会議国会議員懇談会」の副会長だった。日本最大の右翼団体「日本会議」は皇室崇拝、憲法改正、国防力の充実、愛国心教育の推進を掲げている。彼女は安倍政権の集団的自衛権容認につて「遅すぎたくらいだ」と支持している。このような小池知事のもとでは国防力増強のための人材育成、愛国心教育が推し進められるのではないか。小池百合子都知事には相模原事件が鳴らす警鐘にしっかり耳を傾けてほしい。
 また、小池都知事が特別秘書に任命した元東京都議の野田数氏は2012年9月、「我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」し、大日本帝国憲法の復活を求める「請願」の紹介議員となった人だ。
 私たちは、「命は平等」を教える学校教育と社会を求める。


7月28日都教委定例会傍聴報告

「あなたは民主主義社会の一員だよ」と子どもに問いかける?!

いじめ問題対策委員会答申について≫の報告から。
 都教委がいじめ問題対策委員会に、「いじめ総合対策」に示された取り組みの進捗状況の検証、評価、いじめの防止等の対策を一層推進するための方策について諮問したところ(2014年10月)、その最終答申が出され、内容について報告がなされた。
 答申をもとに、今年10月頃の都教委定例会で「いじめ総合対策  第2次骨子」を、来年2月頃の定例会で「いじめ総合対策  第2次」を策定するとのこと。骨子には教員対象の研修プログラムと子ども対象の授業プログラムを示し、教員に研修を課し、来年度から全公立学校で「いじめ総合対策  第2次」の取り組みを開始するという。
 答申に書かれたいじめ対策の一つを挙げると―
①  「未然防止・早期発見の取り組み」:スクールカウンセラーによる全員面接を小 5、中 1、高 1 で実施。
②「早期対応の取り組み」:児童・生徒のトラブルや気になる様子の情報収集、実態把握、いじめ認知、対応。
③「重大事態への対処」:いじめをきっかけとした欠席日数が 30 日を経過したら重大事態発生と捉え、組織として調査・対応する。
「児童・保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときには、重大事態が発生したものとして報告・調査に当たる。」「『いじめ発見のためのアンケート』を年間3回以上実施する」「社会全体の力を結集し、いじめ問題に対峙する。地域、関連機関との連携」等々も述べられている。

 報告を受けての木村教育委員の発言にはかなりの傍聴者がびっくり。「答申、よく行き届いている」と前置きして「(答申は)子どもの目線ではなく、指導する立場からの書き方だ。イギリスやオーストラリアの学校では、『あなたは民主主義社会の一員だよ。あなたが黙っていると何が起きるか』と問いかける。子どもの組織を作ったらいいのでは」と。答申は確かに子どもの目線ではないし、木村教育委員が挙げたような子どもへの問いかけは適切な指導だと思う。しかし、職員会議での発言禁止や「日の丸・君が代」の強制など、都教委が学校の民主主義を奪い、子どもと教職員を「黙らせ」ておきながら、よくもこのようなことを言えるものだ。
 子どもがいじめを大人社会の現実から学んでいる面があることに思いを馳せ、子どもたちに「問いかける」だけではなく、弱肉強食、上意下達の大人社会を変革することが最も大事なことだという認識からの発言は、今日も皆無だった。そこに切り込む論議が、相模原事件の解決の糸口になるはずなのに。
 また、膨大な事務量を押し付けて教員を忙しくさせ、放課後の教室でゆっくり子どもと過ごす時間を教員から奪っていることがいじめ発見を遅らせるのではないかという視点からの発言もなかった。子どもたちとの時間が確保できれば、アンケートに頼らずとも、子どもたちの様子は教員にわかるものだ。アンケート自体が密告を煽ることにつながりはしないか、とも杞憂する。

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2016/07/28

都庁前通信 2016年7月28日号

F20160728

戦争準備?!
横田基地米兵、中学生に「新兵訓練」

 武蔵村山五中が開催した地域交流行事に、米兵や基地従業員23名が参加し、「ミニ・ブートキャンプ(新兵訓練)」と称した講座を開催。希望した同校3年生33人が講座に参加し、敬礼の仕方や整列、行進を米兵から指導されたあと、砂場でほふく前進したり、担架で土のうを運んだりする障害物競走をした。横田基地はホームページで、この行事を取り上げ、生徒らの写真も掲載している。
 これについて武蔵村山市教委は「中学校はこの講座を体力トレーニングの一環として捉えていた。講座名は適切ではなかったが、内容自体は特に問題はないと考えている」という(21日付東京新聞)。 学校も市教委も何をとぼけているのか!なぜ体力トレーニングのために新兵訓練なのか!学校・市教委がいくら詭弁を弄しても、軍隊を学校に入れたのだ。この軍事教練さながらのことを生徒に体験させる行事は、子どもたちに軍隊への親近感を醸成するために行っていることは明らかだ。
 戦後教育の理念を大きく変える第一次安倍内閣のときに改定された教育基本法さえ、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」と明記している。軍隊を公教育に入れたいのは自民党及びその与党であって、自民党を支持することにつながる教育・活動もしてはならないのだ。学校や市教委の判断が不適切かつ違法であることは明白だ。
 軍隊を公教育に取り入れたのは、武蔵村山が初めてではない。都教委は学校と自衛隊との連携を施策に取り上げ、一昨年は田無工業高校の生徒が自衛隊練馬駐屯地で、昨年は大島高校の生徒が陸上自衛隊武山駐屯地(横須賀)で合宿して訓練等の体験をした。
 戦争法を成立させた政府にとって、この国を戦争のできる国にするには、平和憲法のもとで国民の間にまがりなりにも根づいてきた戦争に対する拒絶反応をなくし、国民の意識を大きく変えることが不可欠だ。何よりも将来をになう子どもたちの意識を変えることが必要だ。君が代斉唱の強制、教科書検定の強化による価値観の画一化、そして入隊体験などさまざまな軍隊への親近感を植え付けることが行われている。また、子どもたちに軍隊への親近感を醸成することは、将来の兵士の供給源確保にも役立つ。
 武蔵村山五中及び武蔵村山市教委が市民に向けて説明・謝罪をすることはもちろん、都教委も再発防止に向けて丁寧な調査をすべきである。
 それにしても、このような行事に反対の声を上げる教員や保護者はいなかったのだろうか。教育における「政治的中立」の名のもとに、自由な意見表明・発言が抑えられ、さらに自粛というかたちで物言えない雰囲気が作り出されている。わたくしたちは自分で自分の首を絞めているのではないか。
 付言すれば、武蔵村山市教委は、安倍首相の写真を12枚も掲載した、安倍政権の広報誌のような育鵬社公民教科書、及び、侵略戦争を「アジア解放の戦争」と正当化した育鵬社歴史教科書を採択し、子どもたちに使わせている。育鵬社版を採択したのは東京の中で、都教委(都立中高一貫校前期課程と中学校、特別支援学校中学部)と武蔵村山市教委のみ。
 子どもたちを戦場に駆り立てるようなことを看過してはならない。


7月14日 都教委定例会傍聴報告

  

都立高校の補欠募集改善で不登校・中途退学が改善される?

 報告議題の一つに、≪都立高校補欠募集の一層の活用・推進〔生徒の進路変更の希望に応え、再チャレンジを支援する仕組みの強化〕に向けて≫というのがあった。
 今年2月に出された不登校・中途退学対策検討委員会報告を受けて、また、補欠募集についての各学校の対応がバラバラなために都民から様々な苦情が寄せられていることから、「都立高等学校補欠募集の実施に関するガイドライン~中途退学防止のサポートネットの強化に向けて~」を策定するとともに、補欠募集要綱の一部改正を行い、それに基づく補欠募集を今年2学期より行うとの報告であった。
 新たに加えた理念は、「欠員を補充することだけでなく、高校入学後に、将来の目標が変わり他の高校で勉強したいなどの進路変更希望にも応えることで、中途退学を未然に防ぎ、教育の機会を確保すること」という。
 ガイドラインには、次のようなことが書かれている。

①  高校生・中学3年生、保護者等に向けて、補欠募集制度の一層の周知や、各学校における学力検査問題等の積極的な情報提供を行うなど、補欠募集を受検しやすい環境をつくる。
②  各学校の実態に応じた検査教科、面接等を柔軟にするなど、選考方法や選考基準を改善する。合否については、学習活動について行けるかという観点とともに、面接によって、学校生活への意欲等を含め、総合的に判断する。
③  学校選択に向けた適切な指導、補欠募集で不合格になった生徒に対するケア、転学・編入学した生徒に対する支援を組織的に行うことによって、生徒を支える。

 報告に対して教育委員からは、「どうやって救うかという理念は消極的。もっと積極的な意義を出してほしい」などの発言があったが、不登校・中途退学の原因が小学校からの学校教育、東京の教育の在り方にありはしないかと検証する視点が、教育委員には全くないと思った。都教委事務方の提案・報告を追認するだけの教育委員たちでは、不登校・中途退学が減ることも、補欠募集が「生徒の再チャレンジを支援する」ことにもならないだろう。本気で議論し解決したいのならば、都教委とは全く異なる教育観を持つ教育委員が必要なのではないか。
 高校での不登校・中途退学の原因には、貧しさなど家庭の事情、「学力」不足で授業についていけない、学校生活に居場所がなく充実感がないなど複雑に絡み合っているが、背景にある今の教育の在り方を見逃すことはできないと思う。小学校入学時から子どもたちは差別選別教育の中に置かれ、学ぶ楽しさを奪われていく。また、自分の頭で考えるのではなく、「日の丸・君が代」に象徴されるように指示に従うことを教え込まれ、自己の確立ができず、自己肯定感が育たない。日本の子どもたちの自己肯定感が世界的に見て非常に低い、その大きな原因は、学校教育にあると言っていい。都教委が教員を支配管理せず、子どもたちを知る教員集団・学校に任せることが、不登校・中途退学についての解決策には欠かせない。「教師はみずからが自由であるときにのみ、自由への教育ができる」のだ。
 都教委が「君が代」不起立処分を始めた2003年度以前は、学校に自由が多少なりともあった。筆者の体験でも、教員集団が教育員会・校長から支配管理されず、生徒たちを支配管理しない学校をつくったときには、生徒たちは皆、学校が大好きだった。不登校とは無縁だった。生徒たちの手で学校生活をつくり、学校に生徒みんなの居場所があったからだ。支配管理をしないとそこには自己コントロール・責任感が育つのだ、子どもも教員も。
 こうした事実に都教委及び教育委員は目を向けてほしい。

■都知事選最中、東京の教育破壊にストップをかける知事を選びたい

 今の東京の教育は、子どもたちに「日の丸・君が代」・「愛国心」を刷り込み、自分の判断ではなく、指示命令に従うことを教え込んでいる。知事選では、この現状を変える人を選び、未来に繋げたい。

■自民党「学校教育における政治的中立性についての実態調査」

 教育現場で政治的中立性を逸脱する教員がいなかったかを把握するため、インターネットを通じ具体例を投稿してもらう実態調査を呼びかけ、「18日をもって実態調査を終了しました。皆様方のご協力に感謝申し上げます」と自民党HPに掲載されている。
  これについては、「密告社会の到来」などとネット上で批判が相次いだ。まったく、しかりである。
 自民党がこの呼びかけで「政治的中立性を逸脱する教員」として挙げたのは、「教育の政治的中立はありえない」「子供たちを戦場に送るな」「安保関連法は廃止にすべき」と主張する教員。政権と異なる意見を子どもたちに向かってことばにしたら、「政治的中立性を逸脱する教員」にされてしまうということだ。「監視社会・密告社会」は民主主義の死を意味する。「密告社会」の近づく足音に耳を澄まそう!社会全体が「非国民」の密告に傾斜し、ものを言えなくなっていく。いま、声をあげ、それを防いでいくことが大事だ。

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2016/07/14

都庁前通信 2016年7月14日号

F20160714

東京五輪・森喜朗会長、五輪憲章に抵触する発言
「国歌も歌えないような選手は
日本の選手ではない」

 2020東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏(元首相)は3日、東京都内で開かれたリオデジャネイロ五輪日本選手団の結団式の後で開かれた壮行会であいさつした際、直前の国歌斉唱(プログラムには「国歌独唱」)の様子に触れ「どうしてみんなそろって国歌を歌わないんでしょうか。国歌も歌えないような選手は日本の選手ではない」と語った。さらに、7 日に組織委が開いた国内競技団体協議会では、日本オリンピック委員会(JOC)が定める「日本代表選手団行動規範」を挙げ、「公式行事では脱帽し、姿勢を正し、日の丸を直視し、君が代を斉唱することと書いてある。選手とJOCの約束ができているはずだ」と述べた。
 森会長の発言を受けてJOCの平岡英介専務理事は「これからはきちっと日の丸を見て、君が代を斉唱することを徹底していきたい」と話したという。

 ところで、世界オリンピック委員会(IOC)の「五輪憲章」「規則付属細則」は、「歌と旗」は国旗・国歌ではなく、「選手団の旗、歌」と規定している。これはJOCが1988年総会で、「表彰式等に国旗・国歌を使用することは五輪の理念に反する」として、憲章を改正したことによるものである。日本は、「日の丸」と「君が代」を「選手団の旗、歌」として申請し、それが認められ登録されているのである。
 「五輪の理念」についてIOC倫理規定は言う。「個人の尊厳を守ることは、オリンピズムの根本要件である。/ 参加者間に、人種、性別、種族的出身、宗教、哲学的、若しくは政治的見解、婚姻状況、 又はその他の根拠に基づき、参加者を差別することがあってはならない。」
 今回の森喜朗会長及びJOC平岡専務理事の発言が、五輪憲章に違反することは明白である。彼らがそれを知らないはずはない。
 また、「五輪憲章」は、オリンピックの目的は「人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある」と言い、「6.競技大会」で「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」とはっきり規定している。オリンピックを国威発揚や、ナショナリズムを煽ることに利用してはならないのだ。森会長の発言は「「愛国心」「日の丸・君が代」を国民に刷り込むための、オリンピックの政治利用である。文部科学省は大学にまで入学式・卒業式での君が代斉唱を要請し始め、従来通りの式を行うと発言した岐阜大学学長に対して、馳文科相は「恥ずかしいことだ」と批判した。都教委の「日の丸・君が代」強制はこうしてさらに拡大して国家権力が国民をしばる方向へといよいよ進んでいる。それは安部政権の戦争法案とセットになって、戦争へのみちを踏み固めている。私たちは、日本国憲法第13条「すべての国民は、個人として尊重される」の意味を今一度良く考えるべきだ。


6月23日都教委定例会傍聴報告
≪ 来年度使用の高校教科書採択について ≫

 実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」が「日の丸・君が代」について、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述してきたことに対し、都教委は「都教委の考え方と異なる」として2013年から各学校に「通知」を出し、選定させないできた。
 教科書採択の最終決定は都教委であっても、都教委は「承認」作業をする立場にあり、各学校の教科担当者が協議のうえ選定した教科書を採択することになっている。生徒の実態をよく知る教員たちが選ぶのが理に適うからだ。
 しかし、都教委は実教出版のこの教科書を選定させないために権力を乱用して「通知」を出し、生徒たちの学習権を奪ってきたのだ。この教科書は、それまでは採択率の高かった教科書であったのに、である。
 その実教出版教科書のうち、来年度使用の「日本史A」がその記述を削除した。都教委や大阪府教委の妨害による、会社存続の危機からの苦渋の決断ではないかと思う。
 都教委は今年の採択に当たっては、問題の記述がなくなったとして「通知」を出さない。一方、「日本史B」の教科書は従来通りの記述のため、「考え方が異なる」として引き続き各学校に「通知」を出すことを決定した。

 選定・採択するための『教科書調査研究資料』が配布された。同資料は初めに、「採択に当たっては、採択権者である東京都教育委員会の責任と権限の下、・・・・全ての教科書について、十分かつ綿密な調査研究を行う」と、都教委の「責任と権限」を強調。また、各学校は「校長の責任と権限の下、・・・『教科書調査研究資料』を活用して・・・教科書を選定する。」 と、あくまでも都教委の決めた枠内での選定を促す。そして、教科ごとに各出版社各教科書についての調査結果が続く。
「日本史A」の<調査項目の具体的な内容>は次のように記す。
*我が国の領域をめぐる問題の扱い
*国旗・国歌の扱い
*北朝鮮による拉致問題の扱い
*防災や、自然災害時における関係機関の役割の扱い
*一次エネルギー及び再生可能エネルギーの扱い
*オリンピック、パラリンピックの扱い
 この調査項目を、「日本史」教科書を選ぶ視点とは言わない。安倍政権が進める政策、或いは都教委の考えに沿っている記述かどうかを点検・検閲するような調査項目である。本来、教育条件整備を目的としてつくられた教育委員会が、これほどまでに教育内容に介入しているということである。

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2016/07/07

解雇させない会ニュースNo.57

Newsno57

「newsno57.pdf」をダウンロード


解雇させない会ニュース一覧表
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2016/06/18

2016年度 総会&講演会の集い

F20160717

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
2016年度 総会&講演会の集い

日時 2016年7月17日13時15分開始
13:15 総会
'15年度活動・決算報告 '16年度方針・予算案)
14:00 講演 池田浩士さん

場所 スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎4F)
たんぽぽ舎4階 (JR水道橋駅より徒歩7分)
千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4F
たんぽぽ舎 TEL03-3238-9035

参加費 500円

講演「学校という戦場
 ー『日の丸、君が代』、『勤労奉仕』の歴史を振り返りながら」
講師 池田浩士(ドイツ文学 京都大学名誉教授)

◇池田浩士さんから
 「日本の敗戦後、多くの教育者たちが「二度と教え子を戦場に送ってはならない」という固い決意で学校教育に携わってきました。けれども、こんにち、「戦後民主主義の時代」は遠い過去となり、憲法蹂躙が重ねられてきた末に、政府が「平和安全法制」と呼ぶ戦争法規によって、私たちはついに、日本という国家が戦争をする時代に足を踏み入れてしまいました。
 教え子を戦場に送ることも、もはや遠い未来のことではないでしょう。
 けれども、この「戦場」を、文字通りの戦地、戦争の前線としてだけ思い描くとすれば、私たちは「戦争」のイメージを誤って抱くことになるのではないでしょうか。戦争は必ず、「前線」と「銃後」との両方で戦われるからです。「学校」は、まず何よりもその「銃後」の戦いで大きな役割を果たします。そしてその戦いは、まだ「前線」が存在しない時から、つまり戦争が始まる前から、いわば銃後の戦場として、戦いを始めるのです。
 「日の丸・君が代」を通した天皇制愛国教育や、「道徳」の教科化は、少なからぬ人びとが危惧し警鐘を鳴らしてきたように、銃後の教育の重要な実践です。そしてさらには「ボランティア活動」さえもが、じつはこれと無関係ではないことを、過去の歴史が物語っています。戦争教育は、「平和」や「社会貢献」の顔つきをしていました。
 戦前・戦中の学校教育の中で、学校は「銃後の戦場」としてどのような役割を果たしたのか?――これを具体的に振り返りながら、いま私たちが立っている地点を改めて見つめなおしてみたいと思います。」

★ 最高裁「都の上告棄却」決定のうれしい知らせ(詳しくは裏面をご覧下さい)後、初めての総会です。もう一度学校における「日の丸・君が代」について、本質的なところから考えたいと池田浩士さんに講演をお願いしました。14時から講演の予定です。会員でない方もどうぞご参加ください。

チラシへのリンク



2016/06/13

田中聡史さんに対する「服務事故再発防止研修」の中止を求める要請書

R20160613

2016年6月13日

東京都教育委員会    教育長  中井  敬三様
教職員研修センター所長 伊東  哲様

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

田中聡史さんに対する
「服務事故再発防止研修」の
中止を求める要請書

 東京都教育委員会(以下、都教委という)は今春の卒業式で「君が代」不起立を貫いた田中聡史さん(石神井特支)に対し、減給1月処分をしたうえに、「服務事故再発防止研修」という名称の思想転向を強要する懲罰研修をしてきた。6月15日にはその第2回を行うということだが、当会はその中止を求める。

 当会の河原井・根津の裁判で5月31日に最高裁が出した決定を、都教委は知っているだろう。決定のもとになる東京高裁判決(須藤典明裁判長  2015 年 5 月 28 日)は、次のように判示している。
 「自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実であろうとする教員にとっては、自らの思想や心情を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、…日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる」と。
 田中さんが都教委から弾圧を受けることを覚悟し一貫して「君が代」不起立を続けてきたのは、「自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実であろうとする教員」であり続けようとするからである。その田中さんに対し、都教委は2012年1月16日最高裁判決に違反して2013年以来減給1月処分を科し、半年にもわたる懲罰研修を課してきたのだ。
 同判決・決定が示すように、都教委は田中さんに対し「日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害」をしているのだ。  都教委はそのことを自覚し、6月15日に予定した懲罰研修をやめることを求める。

以上

要請書へのリンク



2016/06/12

裁判勝利報告集会

F20160619

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
裁判勝利報告集会

2007年事件(根津停職6月 河原井停職3月)
最高裁 都の上告を棄却!
根津停職6月処分取消と2人の損害賠償確定!

日時 2016年6月19日(日) 17時〜19時30分
場所 中野区立商工会館 大集会室
中野区新井1-9-1 TEL03-3389-1181
(JR中野駅北口より徒歩7分 早稲田通り沿い)

 昨2015年5月28日、東京高裁(須藤裁判長)は、2007年「君が代」不起立処分取り消しと損害賠償を求めた事件で、河原井停職3月処分取り消しだけでなく、根津停職6月処分の取り消しと2人の損害賠償(各10万円)を認める判決を出しました。敗訴した都は、根津停職6月処分(河原井停職3月処分取り消しについては上告せず)と2人の損害賠償について上告及び上告受理申し立てをしていましたが、最高裁第3小法廷は、5月31日付で都の「上告を棄却」し、「上告審として受理しない」ことを「裁判官全員一致の意見で決定した」との「決定」を出しました。
 この「決定」のもう少し詳しい内容は裏面をご覧下さい。更に弁護士さんからの詳しい説明や根津さん・河原井さんのこれまでの思いを聞きにぜひ19日(日)の裁判勝利報告集会にご参加下さい。総がかり行動や他の集会も予定されていますが、応援して支えて下さったみなさんと喜びを共にしたく、遅れてでもきて頂ければとてもうれしいです。

チラシへのリンク



2016/06/09

都庁前通信 2016年6月9日号

F20160609

最高裁が都の上告を棄却!
根津・「君が代」不起立「停職6月処分」の
取り消しが確定しました!

■昨年5月の東京高裁判決に対し、都は上告

 2007年に都教委が行った「君が代」不起立停職6月処分の取り消し(根津)と損害賠償(河原井・根津)を求めた訴訟で、昨年5月28日、東京高裁(須藤典明裁判長)は根津・停職6月処分の取り消しと河原井・根津の損害賠償(各10万円)を認める判決を出しました。河原井・停職3月処分については地裁で処分取り消しとなっていました。
 敗訴した都は、根津・停職6月処分と2人の損害賠償について、上告及び上告受理申し立てをしていましたが、最高裁第3小法廷は、今年5月31日付で都の「上告を棄却」し、「上告審として受理しない」ことを「裁判官全員一致の意見で決定」しました。この決定によって、須藤・高裁判決が確定したわけです。

■須藤・高裁判決は都教委が行ったこの処分を、憲法19条の「実質的侵害につながる」と断じた

 2012年1月最高裁判決は、「戒告を超える処分」をすべて取り消しましたが、根津・停職3月処分については、根津がそれ以前に「日の丸」を降ろしたことで受けた処分=「過去の処分歴」を使って、処分を適法としました。その後出された減給6月処分や停職1月処分も根津については適法としました。
 しかし、須藤判決は、「過去に同様の行為が行われた際に停職処分がされていたとしても、懲戒権者において当然に前の停職処分よりも長期の停職期間を選択してよいということにはならない」「処分の加重を必要とするような特段の事情が認められるか否かという点に加えて、停職処分を過重することによって根津が受けることになる具体的な不利益の内容も十分勘案して、慎重に検討することが必要」との判断基準を示したうえで、同一の「過去の処分歴」を使って機械的累積過重処分をすることを断罪し、2006年処分から2007年処分に至るまでの間に処分を加重する新たな個別具体的な事情はないとして、停職6月処分を取り消しました。
 「停職6月処分を科すことは、…根津がさらに同種の不起立行為を行った場合に残されている懲戒処分は免職だけであって、次は地方公務員である教員としての身分を失う恐れがあるとの警告を与えることとなり、その影響は、単に期間が倍になったという量的な問題にとどまるものではなく、身分喪失の可能性という著しい質的な違いを根津に対して意識させざるを得ないものであって、極めて大きな心理的圧力を加える」と、停職6月の意味することを明示した上で、「自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実であろうとする教員にとっては、自らの思想や心情を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、…日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる」と指摘。憲法19条の実質的侵害に踏み込んだ判決です。
 また、損害賠償については、「停職期間中は授業をすることができず、児童生徒との信頼関係の維持にも悪影響が生じ、精神的な苦痛を受けるだけでなく、職場復帰後も信頼関係の再構築等で精神的な苦痛を受けるものと認められ、そのような苦痛は、本件処分の取り消しによって回復される財産的な損害の補てんをもっては十分ではない」とし、都に損害賠償金の支払いを命じました。
 この判決確定で最もうれしいのは、「君が代」不起立で停職6月以上の処分が不可となったことです。
 都教委は「君が代」不起立者を分限免職に持っていこうとも考えてきた向きがありますが、それも行うことはできなくなりました。大阪府教委は2回目の不起立をした教員に「次に職務命令違反を行えば免職もあり得る」と記した「警告書」を渡していますが、判決は「警告を与えることは」だめだと言っています。「同一の職務命令違反3回で免職」(府条例)は破たんしたも同じです。
 私たちはあらためて言いたい。「都教委は、須藤判決に学び、10・23通達を撤回せよ!「君が代」処分及び子どもたちへの刷り込みを直ちにやめよ!」


4月14日都教委定例会傍聴報告

 公開議題2件のうちの1件について報告します。

昨年度の指導力不足等教員の指導の改善に関する認定等
及び条件付き採用教員の任用について
――都教委は実質、78名の新規採用教員のクビを切った!――

■指導力不足等教員に認定された人は7名(例年と変わらず)。うち、2名は病気休職となり、研修を中止。休職から復帰した時点で研修再開となる。研修を受けた5名のうち、1名は認定解除、学校復帰。4名は認定解除とならず、そのうちの2名は昨年度が指導力不足等教員認定の1年目だったために、今年度も研修継続となる。残る2名は指導力不足等教員認定2年目だったためか、1名は自主退職、もう1名は行政職への転職選考を受験するという。
 この7名がどういう経緯で指導力不足等教員に認定されたのか、私たちには明らかにされない。しかし、校長の申請・調書提出はあるものの、都教委の物差しによって、「都教委にとって好ましからざる教員」を指導力不足等教員に認定する危険性は大きい。
 事実、筆者(根津)は2001年に指導力不足等教員に認定されそうになった。「従軍慰安婦」問題を授業で取り上げたことをきっかけにして始まった攻撃のなかで、2001年9月、校長は私を指導力不足等教員として多摩市教委に調書を提出した。校長は、「これで私の仕事は終わった」と明言した。多摩市教委は都教委に申請をしたが、都教委の指示に従った申請であったことは校長や多摩市教委の動きを見れば、間違いない。
 それに対して私が黙っていたら、指導力不足等教員に認定されていたことも間違いない。メール等を通じて事実を公開し、都教委と渡り合ったことによって2002年3月、「指導力不足等教員に認定しない」の通知を手にしたのだった。 だから、毎年この人数を見るにつけ、指導力不足等教員認定が「都教委にとって好ましからざる教員」の排除に使われているのではないかと疑念を持っている。

■条件付き採用教員の任用について。教員の場合、新採用1年目は条件附採用期間であって、本採用は1年後と決められている(教育公務員特例法12条)。昨年度の条件附採用教員は2982名。うち、78名(2.6%)が正式採用とならなかった。78名が実質クビを切られたということだ。その内訳は、年度途中の自主退職が63名(うち、病気が29名。「クビになるより、自主退職のほうがキズがつかない」と校長から言われる人が例年多いと聞く)、正式採用「不可」となっての年度末自主退職が12名、懲戒免職等が3名(これは説明がなく、不明)という。
 年度ごとの推移を見ると3%前後の人が正式採用されない。これも、指導力不足等教員と同様、校長が判断・申請することになっている。校長の当たり外れが大きいようだ。
 2011年に正式採用とされず、免職にされた新任教員が、その取り消しを求めて裁判に訴えたところ、昨年勝訴し、職場に復帰した。この事例が示すように、条件附採用の実態は校長の恣意で一人の教員の職を奪う制度である。力量のある教員確保のための制度ではない。
 かつての学校は、年配者が若い人を指導し、協働する職場であった。教員たちが自由に言い合って、協働して学校づくりを行っていた。個々人を査定するのではなく協働の成果を大切にしていた。その関係性を壊したのが、「能力・業績主義に基づく任用制度」及び、業績評価に連動した昇給制度の導入であった。「君が代」不起立をすれば、評価観点の一つは最下位の業績評価に査定される。文科省及び都教委が学校の協働を壊したのだ。

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2016/05/26

都庁前通信 2016年5月26日号

F20160526

「身内」の「犯罪」には目をつぶり、
都教委に楯突く教員はまたも再処分する都教委

■懲戒免職にされた高校教員が勝訴、しかし・・・

 担任する女子生徒に「不適切なメール」を送ったとして、都教委から懲戒免職にされた30代の高校教員(Aさん)が処分を不服として裁判に訴えたところ、地裁、高裁ともに「処分は違法」「処分取り消し」としました(高裁判決は今年3月)。都教委は最高裁に上告しなかったため、4月7日判決は確定しました。
 都教委は一人の教員の前途を奪うに等しい処分権の乱用をしたのですから、Aさんに謝罪すべきでした。しかし、都教委は謝罪どころか、A さんに対し5月9日、「停職6月」の再処分を発令したのです。
 「君が代」不起立裁判で減給以上の処分が取り消しとなる中、都教委はその人たちに対して「戒告」の再処分を発令し続けています。都教委に楯突く教職員については、再処分することが都教委の方針のようです。
 都教委が発表したAさんについての処分理由を見ると、性犯罪に近いことをするような人物のように描き、「停職6月」処分を導き出しています。新聞報道は判決文さえ読まずに、都教委発表を鵜呑みにしたとしか思えない報道です。安倍政権のもとで、権力批判という大切な役割が弱まってきている最近の報道の現れなのでしょうか。
 事実は、高裁判決が判示するように、家庭の事情から精神的に逃げ場のない、虐待と言える生活を送っていた女子生徒に対し、学業が続けられるようメール等で励まし続けたのでした。その励ましの言葉に常識的には行きすぎと思われる言葉はあっても、励ましによって生徒は卒業でき、その後の道を切り開くことができたのです(常識的な言葉・指導では、痛手を負った生徒の心には届かなかったでしょう)。判決は、「訴えた保護者も処分を望まず」「(生徒は A 先生の)対応に救いを見出し、現在も感謝の念を抱いている」と言います。
 職場の同僚たちは、Aさんを全面的に支持・支援し、都教委と渡り合ってきました。

■懲戒免職にするため、都教委は文書を偽

 免職処分を正当化するために都教委が行った驚くべき事実が、裁判で明らかになりました。校長が地裁段階で提出した陳述書は、都教委人事部職員課の相賀直・管理主事が捏造し作成したもので、校長は「都教委の指示で不本意ながら虚偽の陳述書に署名捺印した」ということです。自身の行為に耐えられなくなった校長は、新たに真実を述べた陳述書を提出しました。その陳述書で校長は、「家庭環境に恵まれないひとりの本校生徒を親身になって支援し、卒業までさせた事実は、学校長としても大変喜ばしい教育実践だと考えています。」と陳述しています。  都教委が文書偽造(犯罪)までして A さんを懲戒免職にしたことは、絶対に許されることではないはずです。相賀管理主事をはじめ、処分に携わった者たちについて事情聴取し、事実を公表し反省することこそが、都教委がいま直ちにすべきこと。処分されるべきは、相賀管理主事から中井教育長まで都教委の身内の者たちです。うやむやにしてはなりません。
 「身内」の「犯罪」には目をつぶり、都教委に楯突く教員は再処分するとは、公平性のひとかけらもありません。

 


公金の公私混同
舛添都知事作成の都教育大綱は撤回しかない

 舛添都知事が海外出張に巨額な旅費を使ったこと、湯河原の別荘通いに公用車を使ったことだけでなく、家族旅行や家族の飲食に使った費用を自身の政治団体の会議費として政治資金収支報告書に記載したこと等が問題になっている。税金を私物化することに罪悪感がない人物だ。
 昨年4月、文科省が教育委員会制度を変更し、教育大綱の策定や総合教育会議の開催など教育行政の権限を首長に持たせた。舛添都知事と都教育委員会はそれに倣い、舛添都知事が中井教育長を任命、総合教育会議を開き、都教育大綱を策定し、オリンピック・パラリンピック教育の実施を決めた。巨費を投じて今年度から始めたオリンピック・パラリンピック教育によって学校はその実施を求められ、子どもたちはそれに駆り出されている。
 教育委員会制度の変更により、知事は自治体の教育の基本方針決定の実質的権限を与えられた。東京都の教育大綱には教育のビジョンづくりの六つの柱のなかに「知」「徳」という項目がある。舛添都知事の、カネを巡る問題への今日までの対応を見れば、「知」「徳」という点からも、教育方針の責任者として失格と言わざるを得ない。
 舛添都知事は、都政は言うに及ばず、都教育行政からも撤退すべきだ。オリンピック・パラリンピック教育も、白紙に戻すべきだ。

■3代の都知事が続けて金で問題に

 猪瀬前都知事は徳洲会から5000万円の資金を受領して都知事を辞任した。石原元都知事は舛添知事と同様、海外出張に巨額な費用を使い、自身の4男のプロジェクト(4男の絵購入及び、4男を海外に出張させた)に巨額の税金を注ぎこんだ。
 石原、猪瀬、舛添と権力の座に就いた者たちすべてが、権力におぼれ、権力を維持するために地位を利用して税金を私物化した。
 3代続いて都知事が金で問題になったのだ。こういう都知事を選ばないようにするためには、日ごろから政治に関心を持ち、学び発言していくことだ。都民は再び、権力の座を乱用する輩を知事や都議に選出してはならない。
 18歳で有権者となる子どもたちが、身近な社会的・政治的問題について事実を知り考え判断することができるよう、学校教育がまともな政治教育を実施することだ。都教委は「政治的中立」を楯に、教員が政治について話したり、授業で取り上げたりすることを禁止してはならない。

■都教委は舛添都知事の責任を問わないのか

 オリンピック・パラリンピック教育が示すように、教育委員会制度の変更に伴い、都教委は舛添都知事に左右される組織になった。したがって、都教委は舛添氏の金の問題を個人の問題に済まさず、組織の問題として対処すべきだ。都教委は舛添都知事の行為について意見を交わし都教委としての見解・声明を出すべきではないのか。自浄作用を大きくしていくことが、組織を健全に働かせるためには必要なことだ。
 乙武「不倫」が問題になったとき、都教委は乙武氏が杉並区教員及び都教育委員任期中のその行為を遡って処分することをしなかった。一般の教員については、保護者との「不倫」を遡って処分してきたのに、教育委員にはそれを適用しなかったのはなぜか。
  「不倫」はあくまでも個人の問題で処分対象ではない、とするなら、教員についても同じ扱いをすべきである。都教委の対応には一貫性がない。身内には甘く、それが組織維持とでも考えているのだろうか。釈明を求める。

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2016/05/09

田中聡史さんに対する「服務事故再発防止研修」の中止を求める要請書

R20160511

2016年5月9日

東京都教育委員会     教育長 中井 敬三様
教職員研修センター所長 伊東 哲様

田中聡史さんに対する「服務事故再発防止研修」の中止を求める要請書

 都教委が「君が代」不起立処分をし、その被処分教職員に対し「服務事故再発防止研修」なる思想転向攻撃をかけていることについて、当会は再三その中止を求めてきたところです。誤った教育に加担はできないと、起立を拒否した田中聡史さん(石神井特別支援学校)に対し、5月11日都教委が強行しようとしている「服務事故再発防止研修」を中止するよう、厳に要請します。

 そもそも、「君が代」不起立は地公法の非違行為には該当しません。そこで、不起立行為を処分対象にしたいと考えた都教委は、校長に「君が代」起立斉唱の職務命令を発出させ、職務命令違反で懲戒処分をつくり出しました。そして、その理由について、「起立する教員と起立しない教員がいると、児童・生徒は起立をしなくてもいいと受け取る」から、不起立教員を処分するのだと言います。つまり、上からの指示には自分の頭で考え判断せずに従うものだと子どもたちに刷り込むことが、不起立教員を処分する目的だということです。

 旭川学テ最高裁判決が教育の本質的要請について、「教師が公権力によって特定の意見のみを教授することを強制されない」「子どもの教育が教師と子どもとの間の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われなければならない」と判示していることに照らしたとき、「日の丸・君が代」の歴史や意味を教えずに、「日の丸に正対し、起立し斉唱する」行為を教え込むことは、教育を否定する行為にほかなりません。
 また、最高裁判決(2011年6月、2012年1月)で宮川裁判官は、「本件通達は、式典の円滑な進行を測るという価値中立的な意図で発せられたものではなく、その意図は前記歴史観等を有する教職員を念頭に置き、その歴史観等に対する強い否定的評価を背景に、不利益処分をもってその歴史観等に反する行為を強制することにある」と断じました。宮川裁判官が指摘するように、10・23通達が「価値中立的な意図」ではないことを自認するがゆえに、都教委は高校生が実教出版日本史教科書で学ぶことまでをも恐れるのです。

安倍内閣が戦争法を「成立」させ、自衛隊員を戦場に送り出そうとしている今、教職員は子どもたちを戦場に送らないよう、仕事に当たることが求められています。「日の丸・君が代」に象徴される、指示命令には考えずに従うものだと教え込むことは、子どもたちを戦場に送る行為です。学校教育が80年前と同じ轍を踏んではなりません。政治が教育を支配した戦前・戦中の反省から教育委員会制度ができたことを自覚し、都教委は「日の丸・君が代」の強制と処分を即刻止めるべきです。
 甚大な不利益処分を受けてもなお、誤った職務命令には従わない教職員を私たちは支持し、都教委による「君が代」不起立処分及び「服務事故再発防止研修」の中止を求めます。
 田中さんに対して予定している「服務事故再発防止研修」を直ちに中止することを求めます。

要請書へのリンク



2016/04/28

都庁前通信 2016年4月28日号

F20160428

卒業式での「君が代」不起立等処分(その2)   
不起立は子どもたちの未来を護るため

 都教委は3月25日、卒業式で「君が代」起立を拒否した、或いは「君が代」斉唱時に入場しなかった高校の教職員3名に対し戒告処分を、さらに4月15日には、3月24日の卒業式で「君が代」起立を拒否した石神井特別支援学校教員Tさんに対し、減給1か月処分を強行しました。
 私たちは都教委の「君が代」処分に反対し抗議等の行動をしています。それは、「日の丸・君が代」の強制と処分が教職員個人の思想信条の問題にとどまらず、教育に対する支配介入・教育破壊であるからです。都教委が「君が代」処分を始めた2004年から不起立・不伴奏等で処分された教職員延べ478名は共通して、「考えずに指示命令に従う子どもをつくってはいけない」「教え子を再び戦場に送ることには加担しない」と考えて、「君が代」拒否をしてきました。

■教育が求めるのは、指示命令に従順な子どもか、自分の頭で考え行動する子どもか

 「起立する教職員と、それを拒否する教職員とがいた場合、その指導を受ける児童・生徒としては、・・・国旗・国歌を尊重する態度を学ぶことができなくなる」「会場全体が厳粛かつ清新な雰囲気につつまれることは、児童・生徒にとって、無形の指導」と都教委は言い、「君が代」処分を行っています。
 国旗国歌法は国旗・国歌を尊重することを求めてはいません。それは憲法 19 条「思想・良心の自由」に抵触する恐れがあるからです。しかし都教委は全教職員が「君が代」起立斉唱する姿を見せることによって、子どもたちが「日の丸・君が代」を尊重することを求めています。その妨げになるから、都教委は教職員が子どもたちに「日の丸・君が代」の歴史や意味を教えることを事実上禁止し、「君が代」起立等を拒否した教職員を処分するのです。
 自分の頭で考え、判断する子どもに育つよう、その手助けをするのが教育であり、教員の仕事だと私たちは考えますが、文科省や都教委は自分の考えを持たない従順な「国民」をつくろうというのです。
 いま、安倍政権のもとで、民主主義の根幹をなす権利「言論や表現の自由」が急速に蝕まれてきています。放送などメディアへの露骨な介入と特定秘密法案による情報隠しで国民の知る権利は脅かされています。最近来日した国連人権理事会の専門家も、電波法をめぐる高市総務相の発言に「報道の自由の危機」と警告しています。上からの指示・命令に無批判に従う、自分の考えを持たない従順な人間は、こうした政府の情報操作に容易にだまされることになります。情報隠し・虚偽の情報が戦争への道であることは歴史が示しています。イラク戦争は「フセイン政権が大量破壊兵器を保有」というウソで始められました。安保関連法が施行され、自衛隊が戦地に派遣されることが現実となった今、学校は「再び教え子を戦場に送る」教育に協力することを求められています。その第一歩が「君が代」起立・斉唱です。

■「君が代」不起立等で「減給処分は違法」

 Tさんに対し都教委が2013年以降行ってきた減給1月処分は、「戒告を超える重い処分は違法であり、都教委の処分権の乱用」とした2012年最高裁判決を無視し強行するものです。私たちは司法判断が公正中立とは思っていませんが、都教委に最高裁判決を無視する権限はありません。減給1月処分は、10分の1を1月減給されるだけでなく、6月勤勉手当が35%減額され、さらに定期昇給がマイナス4号給(事実上、定期昇給がない)にされます。これは、不起立教員の生活を脅かすことで思想転向を迫るものです。都教委は処分を撤回せよ!


4月14日都教委定例会傍聴報告

 公開議題は①「『東京都教育ビジョン(第3次)』の一部改正について」の議案と②「来年度使用都立高校用教科書の採択について」の報告のみ。以下、「東京都教育ビジョン(第3次)」の一部改正について報告します。
  昨年4月、教育委員会制度が変わって首長が直接、教育に口を出せるようになったのを受け、舛添都知事は3回の総合教育会議を開催し、昨年11月に「東京都教育施策大綱」を策定した。その大綱は、「東京都教育ビジョン(第3次)」(2013年4月策定)が柱とした「知」「徳」「体」「「学校」「家庭」「地域・社会」の6つの柱に、知事の意向で「オリンピック・パラリンピック教育」を加えたというもの。オリンピック・パラリンピック教育を「大綱」入れたので、「東京都教育ビジョン(第3次)」にもオリンピック・パラリンピック教育を入れるというのが、今回の議案「一部改正」であった。知事がオリンピック・パラリンピック教育を打ち出すや、都教委がその実施に向けて疾走してきたことは、これまでの傍聴報告に記してきた。
 今回、それを網羅して 1 冊の「東京都教育ビジョン(第3次)」にまとめた。次期「東京都教育施策大綱」の策定が2年後なので、「ビジョン(第3次)」の計画期間は2年間という提案であった。
今年度4月から、小学校から高校まで東京のすべての公立学校で、オリンピック・パラリンピック教育が始まった。オリンピック・パラリンピック学習読本やDVD教材、英語教材「Welcome to Tokyo」を使った授業や全員参加のボランティア活動等の取り組みが年間35時間も課せられた。学習読本等を3月末までに学校に送り、4月から取り組めという施策はあまりにも拙速だ。意見の違い以前の問題である。
 通常、学年や全校で新たな取り組みをする場合には、教職員間で学習・議論を重ねるものだ。しかし、都教委はその時間を学校に与えなかった。学校・教職員は都教委の指示通りに動けばいいのだという都教委の考えなのかもしれないが、都教委の中に、拙速ではないかという声は起きなかったのだろうか。都教委自体が上(知事)の指示に従うことがすべてという、その思考停止が怖い。組織として機能していないということだ。
 「オリンピック・パラリンピック教育重点校」(100校)はさらに多くの取り組み(負担)が課せられ、子どもたちが動員させられている。

 「一部改正」案の提案説明者は冒頭、「オリンピック・パラリンピック教育が目指すことは、教育が目指すことと同じです」と切り出し、以下、オリンピック・パラリンピック教育を新たに加えた意義や都教委の教育施策について述べた。これらの教育施策も、君が代斉唱強制、従わない教員の処罰という都教委の行動を見れば、ここで言われている「一人一人の個性や能力に着目し、最大限伸ばす」、「社会の一員としての自覚と行動力を育成する」も個の人格的成長ではなく、これまでの、指示命令に従う人材育成、エリート育成・ノンエリート切り捨ての施策だ。
 説明を受け、5人の教育委員のうち4人がコメントなのか感想なのかを一言ずつ述べたが、いつもながら、およそ議案を検討し議決するという発言ではなかった。
 ただ一人、木村教育委員は「2年で成果が出ていないのではないか」と発言したが、それで終わり。そう懸念したのならば、きっちり議論を提起すべきであったろう。それが、教育委員の仕事であろうに、それはしない。そして、この議案は可決された。

 オリンピック・パラリンピック及びその教育にかける税金は、子どもの貧困や福島原発被災など、今深刻な状態に置かれている人たちの救済に回すべきものだ。今回の熊本地震の被災地の復旧には膨大な費用がかかることは間違いない。福島原発事故でもまだ10万人近くが避難生活を余儀なくされている。オリンピック・パラリンピックに費用・時間・人手をかけることはこれら緊急に救済を必要とする人たちの願いを無視することになるのではないか。今ならばまだ引き返せる。オリンピック・パラリンピックは本当に必要なのだろうか。

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2016/04/18

石神井特別支援学校教員・田中聡史さん「君が代」不起立に対し懲戒処分を強行したことに強く抗議する

R20160415

2016年4月15日

東京都教育委員会  中井敬三教育長

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

石神井特別支援学校教員・田中聡史さん「君が代」不起立に対し
懲戒処分を強行したことに強く抗議する

 3月24日に行われた石神井特別支援学校の卒業式で「君が代」起立を拒否した同校教員・田中聡史さんに対して東京都教育委員会は4月15日、減給1月処分を発令した。私たちはこのことに強く抗議し、処分の撤回を求める。さらに、5月15日から田中さんに課している「服務事故再発防止研修」なる懲罰研修を中止することを求める。
 「君が代」不起立処分について、2012年最高裁は「戒告を超える重い処分は違法」と判示した。にもかかわらず、都教委は田中さんに対し2013年から今回に至るまで、最高裁が違法とする減給1月処分を出してきた。このことは、とりわけ問題である。

 指示命令に従う教職員、子どもたちをつくるために校長に「君が代」起立の職務命令を出させ、その職務命令に従わない教職員を処分するなどということがあるべき教育行政の姿と,都教委本気では考えているのか。
 舛添都知事は3月15日に行われた定例記者会見で、「服務事故再発防止研修」についての質問に、「そこを何回やっているのかというのは私はつまびらかに知りません」と言っている。昨年4月に教育委員会制度が変わり、舛添都知事は教育に口を出しているにもかかわらず、多くの地方自治体がしてはいない「君が代」処分をし、「服務事故再発防止研修」を課すことを「つまびらかに知」らないままに強行しているとはなんと無責任なことか。

 田中さんをはじめ、「君が代」起立等の職務命令を拒否してきた教職員は、子どもたちを指示命令で動く人間に育ててはいけない、自分の頭で考え行動する人間に育ってほしいと考える。また、とりわけ安倍政権が戦場に若者を送り出そうとしている今、子どもたちを戦場に送ることには加担しないと考え、「君が代」起立の職務命令を拒否しているのだ。
 子どもたちの将来、この国の在りようを真剣に考え、職務命令を拒否した教職員を、権力を使って弾圧するのはやめてもらいたい。
 以上、抗議し申し入れる。

  質問:4月14日の教育委員会定例会の議題には、処分案件は報告としてはあったが、議案にはなっていなかった。そこで、
田中さんの処分案件は3月25日に事情聴取を行った以降、どのような手順を経て4月15日の処分発令になったのか、説明を求める。懲戒分限審査会が行われた日時、懲戒分限審査会の構成員、教育委員会で議案とした日時等、明らかにせよ。

抗議文へのリンク



2016/04/14

都庁前通信 2016年4月14日号

F20160414

本日の教育委員会定例会で、更に卒業式「君が代」処分か
都教委は卒業式「君が代」不起立教員を処分するな!

 都教委は3月24日の都教委定例会で、卒業式の「君が代」斉唱時に不起立、不入場等をした3名の高校教員を戒告処分にしました。そして、入学式を前にした今月5日、定年退職となった1名を除く2名に「服務事故再発防止研修」の第1回を強行しました。研修とは名ばかり、実態は思想転向を強要する「吊るし上げ」に近いものです。

 そして今日の都教委定例会で、3月24日の卒業式で「君が代」不起立をした特別支援学校教員Tさんに対する処分が決定されるのではないかと思われます。
  都庁職員の皆さま、教育庁で働かれている皆さま、まだ、時間はあります。「君が代処分をするな」と声をあげてください。

  自分の頭で考える子どもになってほしいと考え仕事をしてきたのに、都教委の行なう≪指示命令に従う子ども≫作りに加担はできない・しない。「教え子を再び戦場に送る」ことに加担はできない・しない。これは、今回処分を受けた人たちを含め、処分を覚悟で「君が代」不起立をしてきた延べ477人の教職員の共通した思いです。

  都教委は、処分という脅しで教職員を黙らせ、「国旗に正対し国歌を起立して斉唱する」教職員の姿を子どもたちに見せ、それを子どもたちに真似させるのが教育だといます。さらには、「国旗国歌を尊重する態度を養う」と言います。権力が良しとする考えを教え込むことは、子どもたちの思想良心の自由、思想良心形成の自由を奪うもので、敗戦後、反省したはずの戦前の教育そのものです。都教委は、子どもたちには憲法を適用させなくていいと考えているとしか思えません。「公務員である教職員には、自分の思想良心にかかわらず起立してもらう」と都教委は言いますが、「東京の公立学校の児童・生徒にも、自分の思想良心にかかわらず起立してもらう」とでも言うのでしょうか。10・23通達を発出した直後、都教委は校長たちに向かって、「卒業式の主体は、東京都教育委員会」と何度も言ったそうですが、その言葉と重なります。そこには教育の主体は子どもたちと教員であり、その両者の人格的接触が大事、という考えはありません。東京の教育は都教委の私物ではありません。

◇◇今日処分が決められるだろうTさんに対する処分は?

  2012年1月最高裁判決が「戒告を超える重い処分は違法」と判示したにもかかわらず、都教委はTさんに対しては2013年から延べ6回、「戒告を超える」減給1か月処分を出し続けてきました。しかも、その根拠を都教委は一切明らかにしてきませんでした。

  今日の非公開議題のこの案件で、教育委員は人事部の提案を承認するだけに終わらないでほしい。Tさんの思いに心を馳せ、人事部の判断は間違っていないかと丁寧に考えてもらいたい。関東近県でこんな思想弾圧・教員支配をしているのは都教委だけであることを、痛切に認識すべきです。


3月24日都教委定例会傍聴報告から   
      
なぜか「愛国心」の刷り込みに帰着する
オリンピック・パラリンピック教育が始まる!

■オリンピック・パラリンピック学習読本及び映像教材、「Welcome to Tokyo」を配布

 もう新学期が始まりましたから、東京の公立小中高すべての学校で、計画の立案・実施が求められています。今でさえ学校はブラック企業と言われる多忙の中、教職員はこの授業づくりでさらに多忙に追い込まれます。
―――  ―――  ―――  ―――
 5つの資質の育成≪ア.ボランティアマインド  イ.障害者理解  ウ.スポーツ志向  エ.日本人としての誇り  オ.豊かな国際感覚≫を4つの取り組み≪a.地域清掃、地域行事等の活動 b.特別支援学校と地域の学校との交流  c.オリンピアン等との交流  d.国際交流活動≫で実行するという、東京のオリンピック・パラリンピック教育。
 「日本人としての誇り」=「わが国の国旗国歌を尊重する態度の育成」、勤労奉仕・学徒動員につながる全員参加のボランティア活動とその精神育成が都教委の狙うところ。学校には年間35時間の取り組み、学習読本と映像教材の配布と活用を通知した(ここまで1月14日に既報)。
 傍聴者には学習読本の2ページ分が資料として配られたが、それを見た限りでは、子どもたちの興味・好奇心が掻き立てられるとは思えない内容だ。教育委員は学習読本の小学校編、中学校編、高等学校編のすべて、映像教材5巻(各20分)のすべてを事前に見ていたのだろうか。「とてもよくできている、発達段階を踏まえた良い教材。現場でいかに生かしていくことができるかだ。(教員の力量が心配といったニュアンス)」、「他の自治体にも広めることは考えているか(その価値があるという
ニュアンス)」と絶賛した。
 現実を見れば、級友のできないことをあざ笑い、特別支援学級を指して、「しんしょうへ行け」と子どもたちはことばにする。この障害者差別意識は特別な存在であるオリンピアンとの交流などで解するものではない、構造的なものだ。また、都教委が補助金や高校無償化法の対象から朝鮮高校を外している現実は、ヘイトスピーチを助長しこそすれ、「豊かな国際感覚」と離反する。
 東日本大震災復興支援の五輪というが、福島原発事故処理の費用の見通しはすでに12兆円という巨額にのぼり、国民の負担が目に見えにくい形で支出され、さらに増え続けていく。政府は五輪までに原発被害が収束したと見せるために、まだ放射能汚染されている地域の指定解除を急ぎ、支援の打ち切りもちらつかせて避難住民の帰還を半ば強要している。そして、オリンピック・パラリンピックの総費用は当初の7千億円が2兆円近くに膨らむことになり、いまだに予算総額は分からない無責任ぶりである。不都合な現実は子どもたちに見せないで、きれいごとを宣伝し、「愛国心」を刷りこむことは、やめてほしい。
 オリンピック・パラリンピック教育というのなら、子どもたちにこのような現実をふくめて考えさせることをするべきではないか。
 学習読本は都内全国立・私立の児童生徒にも配布、映像教材は国立学校以外に配布とのこと。どれだけの税金がつぎ込まれたことか。
 さらに、都は都独自の英語教材として、「Welcome to Tokyo」を作成し、配布する。これも、東京のオリンピック・パラリンピック教育推進のための書籍とDVD教材。5,6年生向け初級編、中学生向け基礎編、高校生向け発展編があり、都内公立学校小学5年生から高校生までに配布する。
 「政府見解」を記述した半国定社会科教科書や教科となった道徳、小学校低学年からの英語、そして、都教委作成の「愛国心」注入読本で学ばされる子どもたち。子どもたちは次々と知識が詰め込まれるが、これらは本当に子どもたちの人格形成につながるだろうか。

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2016/03/30

卒業式「君が代」処分発令に抗議するとともに、新たな処分を行わないことを求める要請書

R20160330

2016年3月30日

東京都教育委員会 中井敬三教育長

卒業式「君が代」処分発令に抗議するとともに、新たな処分を行わないことを求める要請書

 都教委は3月24日の教育委員会定例会において、大森高校教職員2名及び石神井高校教職員1名の計3名に対し、卒業式での「君が代」起立の職務命令に違反したとして戒告処分を発令した。
 また、3月24日に行われた石神井特別支援学校の卒業式で「君が代」起立の職務命令に違反したとして、同校教諭田中聡史さんに対し、翌25日に処分を前提とした事情聴取を行い、処分発令を行おうとしている。
 私たちはこのことに強く抗議するとともに、3名に対する処分を撤回すること、田中さんに対する処分をしないことを強く要請する。
 とりわけ田中さんに対し都教委が2013年以降行ってきた減給1月処分は、「戒告を超える重い処分は違法であり、都教委の処分権の乱用である」と判じた2012年最高裁判決を無視し強行したものである。私たちは司法判断が公正中立と思っているものではないが、都教委に最高裁判決を無視する権限はない。減給1月処分は、1/10 1月を減給されるだけでなく、6月勤勉手当が20%減額され、さらに極めつけは定期昇給がないという重い処分なのだ。
 「日の丸・君が代」を尊重すること及び、指示命令に従うことを子どもたちに教え込むことは、学校教育がしてはならないことと考え、4名の教職員は「君が代」起立の職務命令に従わなかったのだ。教育長及び教育委員が憲法及び子どもの権利条約、国連・自由権規約委員会の「総括所見」(2014.7.24)が謳う思想及び良心の自由、表現の自由を真に吟味し、「教師と子どもの人格的接触」を通して「子どもの最善の利益」を大事にする学校教育を行おうとするならば、「日の丸・君が代」の強制と処分はあり得ない。都教委は10・23通達を撤回すべきである。

1. 大森高校教職員2名及び石神井高校教職員1名の計3名に対する戒告処分を取り消すこと
2. 田中聡史さんに処分を発令しないこと
3. 10・23通達を撤回すること

以上

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2016/03/24

都庁前通信 2016年3月24日号

F20160324

本日の教育委員会定例会の非公開議題か?
都教委は卒業式「君が代」不起立教員を処分するな!

  都教委が2003年に出した通達(10・23通達という)をもって、「君が代」起立の職務命令に従わない教職員の処分を始めて今年で13年になります。この13年間、「君が代」不起立被処分者が「0」になったことは一度もありません。今年の卒業式でも「君が代」不起立を貫いた教員がいます。

■なぜ、都教委は「君が代」起立処分をするのか

 「まずは形から入り、形に心を入れればよい。形式的であっても、(教員や生徒が国歌斉唱時に)立てば一歩前進である」(2003.11.11 指導部長)、「起立する教職員と、それを拒否する教職員とがいた場合、その指導を受ける児童・生徒としては、国歌斉唱の際に、国旗に向かって起立してもいいし、しなくてもいいと受け取ってしまうのであり、・・・国旗・国歌を尊重する態度を学ぶことができなくなり、児童・生徒の学習権を侵害するものである」「儀式的行事として、会場全体が厳粛かつ清新な雰囲気につつまれることは、児童・生徒にとって、無形の指導ともなりえるものである」(2007.2.2 都教委準備書面)と、都教委は言います。
 都教委は個人の思想・良心などどうでもいいから国旗に向って起立し、君が代を歌うべきだというのです。「国旗・国歌を尊重する態度を学ぶ」と言う、それなら授業で自由に子どもたちに日の丸、君が代について話し合わせればよいのに、授業で話し合うことは許されません。子どもたちの「学習権を侵害」しているのは、都教委の方です。
 子どもたちに「日の丸・君が代」の歴史や意味を教えることを事実上禁止して、「国歌斉唱」では起立し斉唱することを通して、指示には考えずに従うことを刷り込むという「無形の指導」の効果を挙げるために、「君が代」起立をしない教職員を処分するのです。自分の頭で考え、判断する子どもに育つよう、その手助けをするのが教育であり、教員の仕事だと私たちは考えますが、文科省や都教委は自分の考えを持たない従順な「国民」をつくろうとしています。
 「個人の思想及び良心の自由」(憲法19条)を侵す「君が代」斉唱を強制して、従わない教師をリトマス試験紙にかけ処罰するための「厳粛かつ清新な雰囲気」の演出にどのような教育的意味があるのでしょうか。

■なぜ、「君が代」不起立なのか

  忠君愛国を謳い、考えずに天皇の指示命令に従うことを徹底して教育した結果、子どもたちに侵略を聖戦と思い込ませ、進んで兵士になりたい・銃後の母になりたいと思わせたのが、戦前・戦中の教育でした。その反省から戦後の教育は出発したはずでしたが、歴代自民党政府・文部(科学)省は、一貫して「日の丸・君が代」「愛国心」を教育に復活させようとしてきました。そして、戦争法を昨年9月19日に「成立」させ、戦争する国に向かって法整備を進める安倍政権は、いま再び、兵士をつくる教育に乗り出しています。
  「君が代」不起立をする教職員には共通して「教え子を再び戦場に送らない」、戦場に送る教育には加担しないとの強い思いがあります。「日の丸・君が代」の強制と処分は、子どもたちを戦場に送る教育の第一歩ですから、それには加担せず抵抗するのです。

■都教委は「君が代」不起立処分をするな!

 都教委で働く皆さんの中からも、この声をあげてください。


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3月3日都教委定例会傍聴報告
――教職員の心の退廃・病みは厳罰主義や表彰では解決しない――

■「教職員の主な非行に対する標準的な処分量定の改正について」

  処分案件がない定例会は、私たちが傍聴をしてきたこの5年、一度もなかったのではないかと思う。それくらい、性的行為や体罰、または刑法に触れる行為での懲戒処分が頻繁に起きている。
  処分量定の全文改正から10年が経ち、現状に合わせて内容を変更・追加するのだと、都教委は言う。いくつかの追加を挙げると――「対象を問わず、法律・条例に触れるわいせつ行為等は、免職であることを明記」「児童・生徒に対する性的行為について、免職とする非行の種類に、直接『乳房、でん部』を触った場合を追加。免職、停職とする非行の種類に『性的行為と受け取られる着衣の上から身体に触れる行為を行った場合』『メール等で性的行為の誘導・誘惑を行った場合』を追加」「勤務態度不良の項目では、免職・停職とする非行の種類に、『公文書偽造・変造、私文書偽造・変造若しくは虚偽公文書を作成・行使した場合』を追加」「麻薬、覚せい剤、危険ドラッグの所持又は使用した場合」も免職等々、免職の対象が確実に増えている。
 都教委が焦っていることだけは伝わってきた。しかし、処分量定を詳細・厳密にすればこれらの非行が減るというものではないのに、都教委にはそのことがわからないのか。あるいは対策を講じたということを示すためなのか。恥ずかしくなるような犯罪をしてしまう教職員の予備軍が学校内にいるはずだ。教職員の心の退廃・病みがどこから来るかを考えなければ、対策にはならない。
 管理・監視されていることに耐えられず、教員として働くことや生きることに意味を見いだせなくなった教員の、その一つの行動が性犯罪や体罰、窃盗などのかたちであらわれている場合がかなり多いのではないのか。都教委が管理・監視を今すぐやめ、かつてのように各学校の教職員に仕事を任せることこそが、学校をよみがえらせ、教職員の人間性を取り戻させ、犯罪を生まない最善の策と思う。都教委がこうした思考を続ける限り、子どものいじめ問題にも対応できないことははっきりしている。

■平成27年度「Good Coach 賞」

 「体罰根絶に向けた総合的な対策の一環として、(中略)模範となる指導を実践している運動部顧問教員を表彰し、望ましい運動部活動を普及する」というのが、この賞の趣旨だという。校長、区市町村教委(都立校の場合は学校経営支援センター)の推薦を受けたうえで審査会が決定した。中・高、特別支援学校の被推薦者は92人、うち79人が受賞となった。審査に落ちた13人は、年齢的に若い人、そして、過去に体罰をした人という。体罰をした人の推薦については、苦笑いするしかない。その程度の賞ということでもあるのか。
 教職員の処分量定といい、この賞といい、上意下達の中にどっぷり組み込まれた都教委の人たちには、もので釣ったり脅したりの対策しか考えつかないのだろうか。こうした対策で、人の心からの気づきはないだろう。教員が自由な雰囲気の中で先輩は後輩を指導・助言し、教員同士が互いに協力しあっていけばもっとより良い学校にしていけるということを考えないのだろうか。

■「英語村(仮称)」事業の実施方針について

 「児童・生徒が英語を使用する楽しさや必要性を体感でき、英語学習の意欲向上のきっかけづくり」を目的とした事業で、2018年9月の開業を目指して行うという。運営期間は開業から10~15年間。事業施設はタイム24ビル(江東区青海)を確保し、事業者は3月下旬に公募し、9月下旬に決定する。決定した事業者に対し都は施設改修経費(開業までに発生した経費)の2分の1(4億5千万円を上限)及び事業施設賃料の10分の10の補助金を支給するという。全額補助を補助金というか?!  都学力テストでベネッセに市場を開放したと同じように、英語村で大儲けをする企業に都はカネを出すのだ。このような、カネと癒着した都教委村の英語村事業が子どもの外国語学習に本当に必要なのだろうか。
 文科省は現在小学校5年から行われている外国語活動(英語教育)を、3年生からに早め、5年生は2020年度までに成績が評価される正規の教科にするという。教員の質も量も十分ではない中、ベネッセなど大手教育産業は事業拡大の絶好のチャンスと狙っている。2020年五輪熱を煽るようにして強引に進められる小学校からの外国語教育は、一人ひとりの子どもたちが持っている多様な能力・資質を開花させて人間として成長していくことを助けるという教育の目的に本当にあっているのか今一度、よく考えるべきではないだろうか。
 夜間定時制高校存続を願う人たちの声は受験倍率が低いからと閉校を決めるのに、華々しい英語村にはこれだけ巨額の税金を投入する。教育委員たちは、これを不公平と思わないのだろうか。

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2016/03/07

10・23通達を撤回し、「君が代」起立の職務命令を発出しないことを求める要請書

R20160306

2016年3月6日

東京都教育委員会  教育長  中井敬三様                                    
石神井特別支援学校  校長  豊田栄治様

10・23通達を撤回し、「君が代」起立の
職務命令を発出しないことを求める要請書

  都教委がいわゆる10・23通達(2003年発出)をもって、「君が代」起立を求める職務命令を教職員に宛てて校長に出させ、校長はその指示に唯々諾々と従い、結果、「君が代」で起立しない教職員を処分してきたことに、私たちは毎年抗議し通達の撤回を求めてきました。私たちだけでなく、多くの団体・個人が通達の撤回を求め続けて今日に至っています。しかし、今年の卒業式に際しても、都教委は自身の罪業を顧みることなく、職務命令の発出を続けさせています。
 全教職員を「君が代」で起立させ、それを子どもたちに見せることによって「『日の丸』に正対し、『君が代』を起立し斉唱する」ことを教え込み、さらには、指示命令には考えずに従うことを子どもたちに教え込むのは、教育に反する行為だと私たちは考えます。
 「起立する教職員と、それを拒否する教職員とがいた場合、その指導を受ける児童・生徒としては、国歌斉唱の際に、国旗に向かって起立してもいいし、しなくてもいいと受け取ってしまうのであり、・・・国旗・国歌を尊重する態度を学ぶことができなくなり、児童・生徒の学習権を侵害する」との都教委の主張は、全教職員が起立する姿を見せることによって子どもたちを調教するのだと言わんばかりです。
 「日の丸・君が代」は、都教委が主張するような慣習や儀礼的所作ではなく、戦後の一時期を除いて、常に国論を二分する論争が続いてきたテーマですから、少なくとも、子どもたちに対して「日の丸・君が代」の歴史や意味を学ぶ場を提供し、論争のあることを知らせることを抜きに、「『日の丸』に正対し、『君が代』を起立し斉唱する」行為をさせてはなりません。
 旭川学テ最判は戦前・戦中の一方的かつ画一的な国家主義教育のありようを明確に否定したうえで、「教育とは、国が考えた教育上の利益を子どもにあてがうことではなく、子どもが独立の人格と個性を持った学習の主体として位置付けられ、教師との人間的な触れ合いの中で、子どもの個性に応じた成長発達が保障されるべきである」といいます。都教委及び校長がしていることは、旭川学テ最判がしてはならないと判じた「国が考えた教育上の利益を子どもにあてがうこと」です。

 昨年9月19日、安倍内閣は安保関連法を「成立」させ、戦争する国づくりに向かって一気に法整備を進めています。戦争をするには「お国のために命を差し出す」国民づくりが必須となります。文科省は教科書に「政府見解」を書かせ、道徳を評価対象の教科にし、「日の丸・君が代」実施を大学にまで強制するなどのことに着手しています。東京の公立学校が行っている「日の丸・君が代」の刷り込み教育は、文科省の先を行く、「お国のために命を差し出す」国民づくりそのものです。この先、都教委及び校長が強行する「日の丸・君が代」にそそのかされ調教されて戦場に赴き、命を落とす人たちが出たとき、あなた方に責任は取れません。
 都教委や校長が今すべきことは、広く異論に耳を傾け、以下のことを直ちに実行することです。下記、要請します。

1.  都教委はただちに10・23通達を撤回すること。
2.  豊田校長は、卒業式での「君が代」起立を求める口頭での職務命令を撤回し、以降、文書による職務命令を出さないこと。
3.  来たる3月24日の石神井特別支援学校の卒業式において「君が代」起立をしない教職員を処分しないこと。

以上

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会3月6日学習会参加者一同

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2016/03/03

都庁前通信 2016年3月3日号

F20160303

「日の丸・君が代」の刷り込みは子どもたちを戦場に送る
都教委は「君が代」不起立処分をやめろ!

  卒業式のシーズンになりました。≪卒業・入学式の「君が代」斉唱の際に教職員は校長の職務命令に従い、起立をすること。職務命令に従わなければ処分をする≫との通達を都教委が出して、今年で13年。この間、処分され不利益を被っても「君が代」起立はできない、してはいけないという教職員は少数ですが、後を絶ちません。教職員の「君が代」不起立という行為に共通してあるのは、教職員が全員起立する姿を見せることによって、指示命令には考えずに従うもの、個人の思想良心よりも「日の丸・君が代」は無条件に尊重すべきものであるということを子どもたちに刷り込んではならない、それに加担してはならないという、教職員としての良心、子どもたちに対する責任です。

■安倍政権が狙うのは、子どもたちを戦場に送る教育

  安倍政権は昨年9月19日に安保関連法を「成立」させ、戦争する国に向けて一気に法整備をしています。法の整備だけでは戦争はできません。お国のために進んで戦争に行く兵士と戦争を支持する「国民」づくりが必要です。戦前の教育が子どもたちを戦場に送ってしまったことへの反省から、戦後の教育は出発したはずでしたが、安倍政権はいま再び、戦前の教育に戻そうとしています。文科省は、大学の入学式・卒業式にまで「日の丸掲揚、君が代斉唱」を要請し始めました。また、教科書の内容に国による統制をつよめ、教科書検定基準に「政府見解を書くこと」等を入れ、結果、今年度から「日本固有の領土」を随所に登場させた小学校社会科教科書が使われ始めていますし、自民党や日本会議は、自治体の首長を集めた「教育再生首長会議」を立ち上げるなどして、育鵬社の中学歴史・公民教科書を採択させようと動きました。この教科書は、日本のアジア侵略を美化し、日本国憲法を押し付けとする記述で、子どもたちに一面的で歪んだ歴史認識をさせる教科書です。また、2018年度から道徳を評価する教科にしました。戦前の修身のように、子どもたちが個人の価値観よりも、「正解」である政府の価値観を上と見るよう狙ったことは明白です。
  学校教育によってこのように育てられた子どもたちが、兵役を拒否することは難しくなるでしょう。
 安倍政権は戦争ができる国づくり向けて、大きな障害となる〈言論の自由〉を制限しようと、マスコミの言論統制、放送に対する露骨な権力の介入を続けています。私たちは、君が代を強制し、歌わない教員たちを処罰する都教委の行為は、このような政府の見解と異なる意見・考えの表明を認めない安倍政権の姿勢と共通するものであると考えます。
 安倍政権は教育に介入するだけでなく、その政策は、正規雇用を減らし貧困家庭を拡大して、奨学金を借りる学生を増やしています。このまま行けば、アメリカが行っているように、奨学金の返済を兵役に就くことで代替するようになり、子どもたちの未来が奪われることになりかねません。

■子どもたちを再び戦場に送らないために、私たちは「日の丸・君が代」強制、「君が代」不起立処分に反対する

戦死せる教え児よ

竹本源治(1952年1月)

逝いて還らぬ教え児よ
私の手は血まみれだ
君を縊ったその綱の
端を私も持っていた
しかも人の子の師の名において
嗚呼!
「お互いにだまされていた」の言訳が         
なんでできよう

慙愧、悔恨、懺悔を重ねても
それがなんの償いになろう
逝った君はもう還らない
今ぞ私は
汚濁の手をすすぎ
涙をはらって君の墓標に誓う
「繰り返さぬぞ絶対に!」

竹本さんは高知県の教員だった。


2月12日都教委定例会傍聴報告

■「都立高校改革推進計画・新実施計画」の策定

 表題の案件について、2016年度から3年間の「計画」(案)が分厚い冊子で提案された。
 新たな取り組みとしていくつか挙げれば、「小中高一貫教育校を立川国際中等学校で2022年度開校に向けて準備」とか、「理数アカデミー(大学、研究機関と連携して最先端の実験・講義を受ける)の取り組みを富士高校・附属中学校で行う  」などの一部エリートに金をかける施策。また、「オリンピック・パラリンピック教育の推進」や「JET(語学指導等を行う外国青年招致事業)等の活用によって、日本の伝統・文化を理解させ、日本人としての誇りを持たせる事業に50校を指定」に見られるような「愛国心」教育。そして、「  チャレンジスクールの新設・規模拡大」「昼夜間定時制高校の規模拡大」と引き換えにした、「夜間定時制課程(定時制高校)の一部閉課程」。
 競争をあおり、一部エリート育成には金をかけるが、ノンエリートには金をかけず、さらには切り捨て、そして、新自由主義のもとでの格差の拡大、生活不安の増大を覆い隠すかのような、「日本人としての誇り」「日本の伝統・文化」を随所に登場させる「新実施計画」である。全児童・生徒の参加を義務付けるオリンピックボランティアは、戦前戦中の勤労奉仕に他ならない。

■大勢の請願を不採択に付し、4夜間定時制高校は閉校に

 夜間定時制課程(=夜間定時制高校)の一部閉課程(=閉校  対象は立川高校、小山台高校、雪谷高校、江北高校)については、存続を求める請願が9件出されており、議案となったが、事務方の「回答」に教育委員全員が同意して、不採択となった。「回答」は、定時制を希望する生徒は減り、昨年度の入学者選抜応募倍率はわずか0.42倍。立川高校の閉課程(3クラス 90 人)に当たっては、その3クラス分を、昼夜間定時制高校(注1)である砂川高校の夜間部の学級増と立川地区チャレンジスクール(注2)の新設により確保する。また、夜間定時制高校を希望する生徒については、福生高校、町田高校、神代高校、青梅総合高校、五日市高校併合科などの周辺の夜間定時制高校において受け入れていく。他3校の閉課程についても同様に対応する。したがって、4校すべて閉課程にする、というもの。
 対する教育委員の発言は、「マクロでは合理的、ミクロでは通えなくなるなどの問題が出てくる。当事者・受益者の相談窓口を設ける。それを発信することも必要」(遠藤教育委員)、「定時制(を閉課程にするか存続させるかについては)、今はこれ(都教委案)が最善と思う。きめ細かい手立てをしていってほしい」(山口教育委員)。どちらも閉課程に同意する発言であって、夜間定時制を存続させることに賛成する発言は誰からもなかった。
 「新実施計画」は「全ての生徒に適切な学びを提供する」と謳いながら、閉課程によって通学時間長時間化や通学費の増大で通学が難しくなる生徒がいても仕方がないということか。夜間定時制高校は、生徒の年齢に幅がある定時制高校だから通うことができた、という年齢のいった人、いろいろな境遇の人がいたから、学齢期を過ぎても適応できたという人たち、ニューカマーの人たちが学ぶ。さらには、貧困により働きながらでなければ高校に行けない子どもたち、さまざまな理由から高校を中退した生徒、中学校で不登校だった生徒など、多様な生徒を受け入れ、そういった人たちにとって憲法26条が定める、すべての国民が、「その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利」を保証する最後の受け皿となっていて、昼夜間定時制高校やチャレンジスクールで代替することは難しい。「これが最善」と言い、同意する教育委員たちは、夜間定時制高校の実態をきちんと調べた上で、閉校計画が少数の生徒を切り捨てることになるのを承知で、発言しているのだろうか。そのことに痛みを感じないのだろうか。「ひとり親家庭で経済的に苦しいので全日制をあきらめ、昼アルバイトをして夜学ぶことを選択せざるを得ない生徒も依然として少なくない。夜間定時制の廃止は絶対撤回すべき」(学校関係者)などの、意見公募に対して寄せられた、切実な177件の意見や2万筆以上の署名、9件の請願に、事務方も教育委員も全く耳を貸さなかった。何のための意見公募だったのか。社会的弱者を救うのが、行政が最優先ですべきことである。
 この案件は現在、都議会に付されている。反対の声をさらに大きくして、4校存続を守りたい。

(注1)午前・午後・夜間の3部制・単位制高校。入学者選抜応募倍率は高い。 
(注2)小・中学校での不登校や高校での中途退学を経験した生徒など、これまで能力や適性を十分に生かしきれなかった生徒が、自分の目標を見つけ、それに向かってチャレンジする単位制・定時制高校。意欲重視の入学選抜。

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2016/02/22

若者と語る「日の丸・君が代」~菱山南帆子さんを迎えて~

菱山南帆子さん講演記録
2015年11月28日学習交流会

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菱山南帆子さん講演記録へのリンク



2016/02/19

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 学習会

F20160306

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 学習会
教科書を取り戻す
ー育鳳社採択阻止の闘い(滋賀県と大田区から)ー

講師 木村幸雄さん(滋賀県) 北村小夜さん(大田区)
日時 3月6日 13時30分開始(13時5分開場)
場所 国分寺労政会館第4会議室
参加費 500円

 今年も卒業式・入学式の時期が近づいてきました。「日の丸・君が代」を強制する10.23通達が出されてから13回目の卒・入学式です。卒業式を前に、学校現場で闘っている人たちをどのように支えられるか、一市民として自分の闘いとするにはどうしたらいいのかを考える手立てにと、させない会では、上記の学習会を計画しました。
 昨年は中学校の教科書採択の年でした。「戦争法案反対」の声が日々大きくなった7,8月、各地の教育委員会では、来年度から4年間使用する教科書が採択されました。歴史の事実を歪め、戦争を賛美する「つくる会」系教科書(育鵬社など)を採択しないようにとの運動が各地で闘われましたが、育鵬社の全国シェアは4%から6%に増えてしまいました。
 そんな中で、2005年「つくる会」系教科書の扶桑社が採択された学校があったにもかかわらず、2009年それを覆し、今回も全県で育鵬社教科書の採択を拒否できたのが滋賀県であり、その運動の中心を担ってきたのが木村幸雄さん(「子どもと教科書 市民・保護者の会」)です。同様に前回育鵬社教科書が採択された直後から様々な立場の違いをこえて反対運動を続け今回は育鵬社教科書の採択を拒否できたのが大田区で、その運動を続けてきたのが北村小夜さん(元教員で「戦争は教室から始まる」の著者)です。
 戦争をする国をつくるのが安保法制であるように、「君が代」不起立教員を処分することは、お上に従順でない教師を排除することであり、育鵬社の教科書を使わせることは、戦争をする兵士を育てることにつながります。
 どうしたらそれを食い止められるか、お二人の話から学び、考え、行動していきましょう。
 お忙しい時期だと思いますが、どうぞご参加下さるようお願いします。

チラシへのリンク



解雇させない会ニュースNo.56

Newsno56

「newsno55.pdf」をダウンロード


解雇させない会ニュース一覧表
解雇させない会ニュース一覧表を作成してあります。
左側の赤いピンアイコンのリンク先を「お気に入り」に登録することをお薦めします。



2016/02/01

法廷カレンダー

法廷カレンダー、2016年2~3月を更新しました。

法廷カレンダー
「法廷カレンダー」のダウンロード



2016/01/28

都庁前通信 2016年1月28日号

F2016128

都教委は子どもたちを〈オリンピック教育〉に
「総動員」するな

 表題のオリンピック教育(「東京オリンピック・パラリンピック教育」)の件が14日の教育委員会定例会で報告されました。これは、子どもたちをオリンピックに向けて「総動員」する教育であり、戦前、子どもたちを戦場に駆り立てていった国家総動員体制下の教育に似ていると恐ろしく感じたので、その内容と問題点を指摘します。
 報告は、(1)「東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議」最終提言とそれに沿って策定した(2)「東京オリンピック・パラリンピック教育」実施方針についてでした。

(1)の最終提言は5つの資質の育成を4つの取り組みで進めるというものです。
 5つの資質の育成とは、ア.ボランティアマインド  イ.障害者理解  ウ.スポーツ志向  エ.日本人としての誇り オ.豊かな国際感覚。
 4つの取り組みとは、a.地域清掃、地域行事等の活動をする〈東京ユースボランティア〉  b.特別支援学校と地域の学校との交流で障害者理解を進める〈スマイルプロジェクト〉  c.オリンピアン等との交流を通してスポーツの素晴らしさを体感し、国際理解を促進する〈夢・未来プロジェクト〉  d.国際交流活動を通じて〈世界ともだちプロジェクト〉。
 年間35時間程度、2016年度から実施。学校が実施することによって、「子供たちが原動力となり、家庭・地域を巻き込む」のだという。
(2)の実施方針を区市町村教委、各学校等に1月下旬を目途に周知し、学習読本、映像教材を配布し、4月から公立のすべての幼稚園から高校、特別支援学校で実施するとのことです。

 2020年の東京五輪は「東日本大震災復興支援」を掲げながら、現実はオリンピックが被災地の復興、被災者の救済を妨げているため、いまだに開催に批判的な意見は少なくない。オリンピック教育は、このような中で、子どもたちを上から、一方的にオリンピックに向けて「総動員」するものです。「子供たちが原動力となり、家庭・地域を巻き込む」という、まるで子どもたちを利用して、全都民をオリンピックにむけて協力・動員していくように見える。この発想は、総力戦に突き進んでいった戦時下の挙国一致の「国民総動員体制」づくりを思わせます。そうしてみていくと、自発的な参加が本来の姿である「ボランティア活動」へ、オリンピックにかこつけて子どもたちを参加(強制)(「勤労奉仕」)させ、オリンピックと関係ない「日本人としての誇り」を身につけさせ、オリンピックを国威発揚の場に利用し、愛国心を植え付けようとしていると疑われるなど、オリンピック教育は、君が代強制と同じように、子どもたちに知らず知らずに上からの価値観を植え付けようとしているのではないか。こうしたことは、人々に気づかれないうちに、静かに進行するのです。私たちはそれを歴史から学びます。(麻生自民党副総理は言っています。「だれも気がつかないうちに変わったナチスの手口を学べ」)
 私たちは子どもたちを「数」として総動員する教育ではなく、ひとりひとりの違いを認めて違いを大切にする教育を求めます。
 教育委員を筆頭とする教育関係者は、教員は、オリンピック教育が、安倍政権が進める〈戦争のできる国〉へと子どもたちを「総動員」する教育になることを認識し、撤回・返上してください。
 最後に、国際比較の統計によれば、OECD(経済協力開発機構)先進国 34 カ国のなかで日本の教員の勤務時間の長さは際立っています。教員の精神疾患は増え続けています。一方、財務省はさらに教員数の削減を主張しています。こうしたなかで、意図が疑わしいオリンピック教育を、教員たちにさらに押し付けないでほしい。

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2016/01/14

都庁前通信 2016年1月14日号

F20160114

都教委の教科書採択は自作自演
都教委は子どもや都民を愚弄するな。
自らの行いを省みてものを言え。

 一部委員から「歴史的分野、公民的分野では、社会的見解が分かれている育鵬社の教科書を採択することに懸念があるとの意見を付記すべきである」との意見があり、「どういうかたちで表記するか」を1ヶ月かけて検討したために「各都立中学校教科書採択理由」のHP公表が1か月遅れたことを10月2日付東京新聞は報じた。当会では、そこに至るまでの事実経過等について都教委に質問書を提出したが、意図的にはぐらかしたとしか思えない回答だったので、再質問書を提出。再質問には多少は答えたが、肝心の「検討に1ヶ月かかったということは、意見の調整が難しかったということにほかならない。どのような表記案が出されていたのか、具体的に」については回答を逃げた。
  以下、都立中学校教科書採択について、分かり得た事実と問題点を記す。

①  公開定例会では「意見は述べずに無記名投票をする」との提案に全教育委員が賛成し、歴史、公民ともに、「育鵬社版:他社版  4:2」で育鵬社版を採択した。
②  公開定例会が終了し傍聴者が退場したところで、採択理由について「各委員に意見を聴いて、事務局で取りまとめた」ところ、一部委員から冒頭の意見が出された。意見聴取は非公開の場で行われた上に、議事録もない。都民の知る権利を侵害する行為である。
③  「各都立中学校教科書採択理由」には、「当該教科書は…本校で使用することが適切であると判断した」というように、「本校」ということばが並ぶ。しかし、これを書いたのは校長ではなくて、都教委。本来、これは校長の仕事であるのに、都教委が校長に成り済まして書いたのだ。
④  教育長と5人の教育委員で9教科15科目の教科書を選ぶことは不可能である。全都立中学校の教科担当教員たちが検討した意見を十分に聴取したうえで採択すべきだと当会が述べたことについて、都教委の回答は「教科用図書選定審議会には、教員が参加しています」だった。

 そこで、3回行われた教科用図書選定審議会議事録を読んでみた。そこからわかった驚くべきことは――

ア. 審議会の構成は、学校関係者7人、教育委員会関係者7人、学識経験者(保護者代表2人を含む)6人の計20人(任期途中の1人が急逝、後任を選出)。3回の審議会への出席は、1回目は2名が遅刻、2回目は8名欠席、3回目は1名が欠席、2名が遅刻。この出欠状況は、審議委員の無責任さを示しているのではないか。ほかに、都教委事務局職員16名が提案等で参加。
イ. 事務局職員が提案説明した、調査検討資料を中心に(3グループに分かれて)審議。審議委員の回答は、「いずれも適切であると判断しました」が多い。一例をあげれば、地理で「北方領土、竹島、そして今回尖閣諸島についても含めた内容、そして防災、国旗・国歌、オリンピック・パラリンピック、そういった多面的な視点により分析がされていました」と言う。各社の教科書について、都教委が望む領土、防災、国旗・国歌、オリンピック・パラリンピックについての記述の多少を比較調査すれば調査検討資料として「適切」ということか。審議会の名に値しない、形だけの審議会だ。
ウ. 「教科用図書選定審議会には、教員が参加しています」と都教委は言うが、7人の学校関係者がすべて教員だったとしても、9教科15科目の専門の教員がいるわけではない。他教科の教員が教科書を検討しても、子どもたちの学びにふさわしい教科書を選ぶことは不可能だ。


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12月10日都教委定例会傍聴報告
◆都教委にいじめ対策を論じる資格はない!◆

いじめに関し≪平成27年度都公立学校における「いじめの認知件数及び対応状況把握のための調査」結果≫≪都教委いじめ問題対策委員会中間答申「いじめ総合対策」の改定の方向性について≫報告がされた。
 調査結果からわかったこととして、ア.いじめの認知件数が2年連続減少(1校1ヶ月あたりの平均認知件数 2013年は0.73→2015年は0.42%)  イ.いじめの主なものは「冷やかしやからかい」で、67.3%  等をあげ、中間答申では、「いじめを見て見ぬふりせず、子供たち同士が主体的に話し合い、解決に向けて行動できるようにするための指導の在り方」をあげた。
 報告に対する教育委員の発言から2つ。
 山口教育委員「小学生は正直だから『冷やかしやからかい』が多いが、それをいじめとして押さえ込むのはいかがなものか。抑え込むと子どもに耐える力がなくなる。」(要旨)
 山口教育委員は我慢強さを身につけることを言いたかったのだろう。しかし、いじめは一過性の『冷やかしやからかい』ではない。外見は単なる「からかい」に見えても、それが執拗に、多くは集団で繰り返される。そこに見られるのは、他人との違いを見つけ出し、それを攻撃の対象にすること。差別と排除だ。人が困難に耐え、乗り越えていく力を培うことは大切だろう、しかし、そのような力は、いじめに耐えることで身につけるものなのか。多くの人の体験談は、困難を乗り越えられたのは、手を差し伸べてくれた人がいたことや、やさしい、励ましの言葉があったことを挙げている。
 それは、「君が代」を踏み絵に使って、歌わない教師を徹底的にいびり、差別・排除する都教委のやることとは正反対のことだ。
 つぎに、木村教育委員「いじめ解消は大人だけではできない。子どもを巻き込んで解決すべき。オーストラ
リアではいじめがないようにと学校では、まず、徹底した民主主義教育をする。(都教委も)それをしていか
なければいけない。」(要旨)
 木村教育委員から「徹底した民主主義教育」のことばが出るとは思いもしなかった。東京の全公立学校の民主主義を奪っておいて、よくもこのことばを言えたものだ。氏の言う「民主主義」って何なのか?!

 さて、いじめ解消に向けて都教委は、「いじめを見て見ぬふりせず、子供たち同士が主体的に話し合い、解決に向けて行動できる」ことをめざすという。これも、よくも言えたものだ。個々のいじめの背景は複雑だが、都教委の政策はその温床になっていないか。例えば、子どもたちは授業中に落ち着いて座っていられない子に向かって「しんしょう」「○○組に行け」と言い、いじめや仲間外れの対象にすることが多々ある。障がいを持った子どもの普通学級からの排除、テスト・競争主義の低年齢化、算数・数学の能力別授業や全国・都学力テスト、高校序列化の推進。これらが自己責任を強調する新自由主義といわれる風潮と結びついて、子どもたちに劣等感と優越感を植え付け、自己肯定感を奪い、心の発達を阻害すること、どの子も一緒に助け合い、共に生きることを否定した結果の一形態がいじめとしてあらわれることの認識が、都教委及び教育委員には極めて乏しい。
 また、都教委は、「日の丸・君が代」強制と「君が代」不起立処分に見られるように、子どもたちと教職員で作ってきた卒業式を禁止し、考えずに指示命令に従うことを子どもたちに教え込んできた。ひたすら指示命令に従うことは、異なる意見に不寛容で、排除を見て見ぬふりする人間をつくりだす。ほかの学校行事も、都教委の介入により上意下達を徹底させたことによって形骸化し、子どもたちにはみんなで作り上げる体験がなくなった。主体的に行動することを禁止してきて、「主体的に」などと、なぜ言えるのか。
 いじめ・差別の拡大再生産の教育をし、その一方で、いじめ解消とは。「都教委は自らの行いを見てからものを言え」と言いたい。教育委員の発言を聞いていて無性に腹が立つとともにむなしくなった。
 2012年9月26日、品川区伊藤中でいじめによる自殺があった。このことが起きた直後の定例会の議案にいじめ問題があったにもかかわらず、この件に関しては一切の報告も質問もなかった。その後も議題になったことはない。

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2016/01/13

1月6日付「研修命令」を即刻撤回し、明日から予定している「研修」の中止を求める要求書

2016113

2016年1月13日

大阪府教育委員会  教育長  向井正博  様

1月6日付「研修命令」を即刻撤回し、
明日から予定している「研修」の中止を求める要求書

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

 私たち、河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会は、東京都教育委員会が「日の丸・君が代」の意味も歴史も教えることなく、それを尊重すべきものとして子どもたちに刷り込むこと、そのために「君が代」で起立しない教員を処分することに反対し行動している市民団体です。
 貴教委も都教委と同様、子どもたちに「日の丸・君が代」を尊重すべきものとして刷り込みを行っています。「日の丸・君が代」については社会を二分する考えがありますが、それを隠し、意味や歴史を学ばせず、尊重すべきものと刷り込む行為は、教育に反する行為、調教です。子どもたちが事実をもとに真理を探究し、知識を蓄え、人格的接触を通して自己形成をする、それを助けるのが学校教育の役割です。
思想の形成過程にある子どもたちに「日の丸・君が代」の尊重を求めることは、思想良心形成の自由の侵害であることも、貴教委は認識すべきです。

 さて、貴教委は、2014年以降に「君が代」起立をしなかった教員に対し、1月6日付で「研修命令」を発出したと聞きます。それに対し、当事者及びそれを看過してはいけないと考える市民が「研修命令」書の撤回を求めて貴教委と交渉を重ねていることも聞いております。
 当該教員たちがなぜ起立をしなかったのかを、向井教育長は当該教員から聞いていますか。当該教員たちは、まじめに教育・子どもたちのことを考え、起立をしない選択をしたはずです。向井教育長が先ずすべきは、「研修命令」に従わせることではなく、なぜ、起立をしなかったのかを当該教員から聞き、打算なく真摯に考えることです。

 明日から予定している「研修」を即刻中止してください。

要請書へのリンク



2015/12/10

都庁前通信 2015年12月10日号

F20151210

子どもたちを選別する教育にひた走る都教委

――「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」、都立小中高一貫教育校構想に見る

 11月26日の教育委員会定例会で上記2つの報告がなされた。「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」は「エリート校」をさらに推進するために、一層税金を投入するというものだ。理数イノベーション校の充実、中高一貫校のうちの1校を理数アカデミー校に指定する(大学や研究機関と連携して最先端の実験・講義を受講)、進学重点校のうちの1校に医学部等に進学希望の生徒を集めて3年間一貫した育成プログラムを実施する、今年度指定した「東京グローバル10」指定校に加え、進学指導重点校や中高一貫校等から英語教育推進校を指定するなどだ。
 一方、「底辺校」では、夜間定時制高校を閉課程にしてチャレンジスクール(昼夜間3部定時制高校)及びエンカレッジスクール(定期テストはなく、やる気を評価)を拡大する、工業高校をデュアルシステム科(企業の求める人材育成)に改編する。こちらには金をかけてはいない。
 また小中高一貫校を新たに設置し、「世界を舞台に活躍できる人材の育成」を目指すという(2022年開校)。ほとんどの委員が中高一貫校を肯定しながらも「中高一貫校から育った生徒は非常にひ弱である。競争原理になじめず、ドロップアウトする生徒が生まれている。なじめなければこのカテゴリーから他に自由に移ることができるシステムを作ることが必要」との発言もあった。乙武委員は「大学進学率を度外視すべきだ」とまで発言した。中高一貫校の弊害を暗に認めていると言えるのではないか。この弊害をさらに低年齢層(小学生)まで下げるというのだ。中高一貫校で崩れた義務教育学校が、小中高一貫校になって完全に崩れることになる。
 純粋培養の学力優秀な子どもたちが歪んだ社会をつくり上げる危険は、戦前の陸軍幼年学校の卒業生(東条英機たち)に見られる。
 現在日本では、経済的に恵まれない家庭の子どもたちと恵まれた子どもたちとの教育面での格差が大きな問題となっている。母子家庭、生活保護家庭の子の大学進学率は低い。有名大学といわれる大学は高額所得者の子弟が圧倒的に多い。現在の日本で格差の拡大が問題になるなか、教育に関して、子どもたちはそのスタートから機会の平等を保障されていない。そして、都教委の進めるエリート育成コースも、乗れる子どもたちは結局、ある程度以上の経済力のある家庭の子どもたちということになるのではないだろうか。
 都教委の進めるエリート育成は、能力のある者を伸ばすというと、もっともらしく聞こえるが、実際に行われていることは子どもたちを経済成長や国力増強のための投入財・投資としか見ていないということではないか。すべての子どもたちが人間として大切され、豊かな感性を育み、人間らしく生きていくために必要な「人格の完成」という教育の目標は忘れられている。
 エリート育成コースから外れた子どもたちは、いまの日本では、はやくから非正規雇用、結婚して安定した家庭を持つことが難しく、やがて「下流老人」という陰惨な将来が見えてくるのではないだろうか。
 教育委員は定例会で「日本の子どもは自己肯定感を持つ子が少ない」としばしば発言するが、これほどの序列化をしていたら、子どもたちが自己肯定感を持ち得るはずがないだろう。
  教育委員は一言発言で済まさずに、違いをしっかり論議してほしい。論議することによって問題点が浮き彫りにされ、教育行政のあるべき姿が見えてくる。それが、教育委員の仕事のはずだ。

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