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2007/12/18

教育機関での国旗敬礼を拒絶したために処分および嫌がらせを受けている日本の同僚へのメッセージ

教職に携わる皆様へ

集団的記憶、歴史的記憶の諸問題について、私は長年にわたり研究しておりますが、これらのテーマが、国家ならびに統治者たちと、社会一般または記憶に関するサークルや社会団体との間に、いかに激しい対立の構成要素となっているかを見てきました。民主主義的伝統にこの上なく恩恵を授かっている諸国も含め、至るところで、全般的には国家によって、特定分野では様々な政府機関によって、「過去を統治する」意図は多かれ少なかれ執拗に現れております。こういった過去に対する管理は――必然的に生存する者らを管理する方法の一つでもあるのですが――、あらゆる手段を駆使して進められております。それは例えば、記念式典や歴史教育上の規制、あるいは、現在の政治観にかなった諸目的のために、歴史のある部分を拾い上げて利用する作業などです。過去を統治するというこうした意図は、真理あるいは客観性を気にかけることはありません。例えば私の国においては、拷問の組織的実践・市民虐殺・消息不明者の続出・居住区の破壊など、アルジェリア独立戦争下で犯した国家犯罪の数々を、1962年以来、歴代の政府は否認し続けております。
統治目的のために過去を「動員」する形式のなかでも、社会一般の心理、そしてとりわけ若者の心理を操作するために、過去の出来事を賛美し、再構成し、偽造することは、最悪な部類に入ることでしょう。まさしくこれは、あなた方の国の教育当局が行っていることであり、その実践として、あなた方が勇敢にも抗議している国旗にまつわる擬似愛国主義政策が行われているわけです。教育機関における国旗掲揚の強制という、まやかしでしかないこれらの儀式の第一の使命が何であるかは、異国の一観察者にとっても明白です。その使命とは、中国大陸ならびに東南アジアにおける大日本帝国の領土拡大期とは何であったかを、また、その過程に伴なって行われた一連の戦争犯罪や人道に反する罪を、若い世代の記憶から永久に抹消させようとすることです。

あなた方が参加を拒否しているこれらの儀式は、廃れているようで実は非常に効力をもっており、率直に告発されるべき事象に属しています。その事象とは、国家によるナショナリズム的な過去の利用や、民主主義的規範性への暴力的な違反を伴なって行われる統治者による過去の掌握、といったものです。実際、民主主義国家においては、各自の感受性と信条に基づいて、自国の過去と個人的な関係を見つめ直す自由を、市民は保証されるべきです。中でも論争を巻き起こす点については尚更のこと、その自由が保証されなければいけません。あなた方が困難な状況の中で抵抗している「国旗の政策」は、以上のような規則に明白に反しているばかりか、児童あるいは青年層を標的にしているだけに、いっそう醜悪なものであると言えます。

教員かつ研究者として、私はあなた方の闘争に連帯を表明するとともに、あなた方に加えられた処分に反対して立ち上がらないではいられません。こういった闘争においては、口を閉ざす多数派ではなく、「正義」と「真」を曲げない人々が道標となるのです。この闘争によって、「思想及び良心の自由と批判的精神というものは、服従と従順に優る価値であり続ける」と考えるすべての人々、とりわけ教員及び研究者らの敬意が、あなた方に向けられるに違いありません。

アラン・ブロッサ(サン・ドニ市パリ第8大学哲学教授、東京大学元客員教授)

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