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2009/02/22

「君が代」不起立上映会その1

パリ第七大学から

日本でも報道されているかもしれませんが、3週間程前からフランスの各地で大学がストに入り、私の所属している学部(東アジア言語・文化学部)も総会でストを決議しています。この運動との関連で、「君が代不起立」を学生達と一緒に見ることになり、その報告を、と思い、ご連絡させていただいている次第です。

大学でのスト、と申しますと、フランスではいわば年中行事、といった感もあるのですが、今回は教職員・研究者が中心になって運動を展開しているところが特徴です。ざっと事情をご説明いたしますと、以下のようなことが言えるのではないかと思います。

2年前にサルコジ政権になってから、大学の「改革」が進められています。スローガンは大学の「自立」。今までは、それぞれの大学の専任のポストが必要であるかどうか等の判断は、すべて文部省がしてきました。その裁量を学長に譲渡し、人事権をそれぞれの大学に移す、などの方針を打ち出し、 2007年の夏に「大学改革法」が成立しました。文部省の束縛から多少でも解放される、という意味では評価するべき点もあり、成立当時は教員・研究者からの反対運動は特にありませんでした。

しかし実際に「自立」へと移行する過程において、さまざまの問題や疑問が出てきました。

1)ひとつには、大学間の競争が激しくなるのではないかと、という危惧です。競争が激しくなれば、入試制度の導入(フランスでは大学入学資格を持っていれば、誰でも入学できます)・授業料のアップ(授業料は原則無料です)へと繋がり、フランスの高等教育を貫いている共和制の原則が崩れてしまう可能性が取りざたされています。

2)もうひとつには、学長の権限と教員・研究者の評価の問題があります。今回のストは、この二点目との関連で、文部大臣が事前の話し合いもなく、教員の評価システムの変更を目的とした政令案を発表したことが発端となっています。強引に要約しますと、「研究活動が十分ではない教員には,教育活動(授業)をもっとしてもらう。4年に1度評価を行い、学長の判断で各教員の授業時間数を決める」ということです。
ここで批判の対象になっているのは3点。
イ ー 研究成果の評価はだれが、なにを基準にして行うか。4年というサイクルに根拠はあるのか。
ロ ー 教育は「罰」なのか。
ハ ー 学長に権力が集中し、民主的な大学運営が困難になるのではないか。

ストの当面の目的は、政令案の撤回にあります。教授・准教授の身分に関するこですから、現時点では学生達の反応はいまひとつ鈍い、と言ってもいいのではないかと思います。私としては、「スト中であるが、授業はする」というスタンスをとることにしました。出席は取らないし、試験に際して、スト中に話したことからは出題しない、しかし授業はする、という方式です(大学は封鎖されていません)。

火曜日にスト続行が決議されたことを受けて,今週は「君が代不起立」を見る授業にしようと決めました。きのう水曜日のことです。ドキュメンタリーを理解するには予備知識が必要だと思い、授業の前半では1)君が代・日の丸を巡る問題の説明と「戦後」の意味、2)石原慎太郎の経歴と政治思想、都知事としての発言や政策 3)教育委員会の成り立ち、この3つのテーマを中心に話をしました。

後半は上映会。持ち時間の3時間を大幅に超えてしまい、感想は来週、ということになりました。普段は70人前後の学生がいるのですが、来ていたのはちょうと半分ぐらいではなかったかと思います。君が代・日の丸について話した時に、過去の歴史との連続、ということでは、フランスの植民地主義を連想させる、という反応がすぐに出ました。しかし、第二次世界大戦では、一応ナチに対する戦勝国ということになっている国の学生達ですから、日本で国旗・国歌がこれほど問題になる、ということ自体が一瞬ピンと来ないようです。良きにつけ、悪しきにつけ、フランス革命以降、国は「普遍主義」を標榜する連続体として存在しているという意識がとても強いのでしょう。



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