フォト

掲示板

停職「出勤」日記2009

停職「出勤」日記2008

停職「出勤」日記2007

停職「出勤」日記2006

停職「出勤」日記2005

投稿欄

ちらし置場

リンク集

« 9月15日(火) | トップページ | 9月18日(金) »

2009/09/24

9月17日(木)

鶴川二中へ。Nさんは「社会科の授業・続き(5)」を生徒に手渡した。立川二中でも鶴川二中でも、渡されたから受け取るのではなく、チラシをほしくて、前の人がもらうのを待ち、「ください」「ありがとうございます」と言っていく生徒が少数、存在する。受け取りを拒否する生徒がかなりいる中で、この生徒たちは私たちの存在をどんな風に感じ、考えるのだろうか。受け取るも受け取らないも、生徒たちは自分で決める機会を持つ。同じ教室に受け取った人受け取らなかった人がいる現実から、生徒たちは、人の考えが一つではないことを学ぶだろうか。
今日プラカードを見ていかれた通行人は、3人。そのうち、一人(女性)が、にっこりされ、頭を下げられた。別の女性は、「みんながやることをどうしてできないのか。そんな先生には教えてほしくない」と言い、言いたいことを告げると、「あなたの話を聞いてもしようがない」と言い残して去っていった。

以下に、「社会科の授業・続き(5)」を掲載。




「自分で考える」というのはどういうことだろう

 2007年にユニセフ(国連児童基金)が世界の先進国24カ国の15歳の子供たちを調査したなかに「孤独を感じますか」という質問があります。国別にみると「孤独を感じる」と答えた割合が最も多いのは日本で29.8%です。3人に1人が孤独だと感じていることになります。二番目に多いのはアイスランドで10.3%です。それ以外の国はすべて10%以下です。一番少なかったのはオランダで2.9%でした。こういう数字の解釈は難しい点がありますが、日本だけが突出しているのは何かがあると考えざるをえないのではないでしょうか。

 オランダをみるとほかにも見えてくることがあります。WHO(世界保健機構)が41カ国の13歳の子供についておこなった2005、2006年の調査ではオランダは「親になんでも相談する」という子供の割合が上位3位、「生活に満足している」とこたえた子供の割合が1位、「学校が好き」という割合が4位、逆に「学校の勉強がプレッシャーになっている」は40位と下から2番目です。

 孤独感とは何かということも難しい面がありますが、このようなオランダとの比較から「信頼して話し合える相手がいない、世の中で自分の居場所がないような気がする、自分というものに自信がもてず不安な気がする」といったことが考えられます。

 オランダと北欧諸国とよばれている北ヨーロッパの国々(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)(どこにあるか地図で確かめてみてください)は日本に比べて貧富の差がはるかに少ないのが特徴です。

 オランダと北欧の国々は高校から大学まで教育費はほぼ無料でフィンランドの大学以外には入学試験はありません。1人ひとりの違いをみとめて、自分で考える力をそだて、個人が持っている能力や才能を社会で生かしていくことを大切にするので入試で人をふるい落としていくことはしないといわれています。

 そして、これらの国々の教育の特徴のひとつは、小学校や中学校のころから社会的な事柄についてよく話し合うことです。オランダでは小学校の授業で社会で起きていることを取り上げて話し合います。デンマークでは今日本で話題になっている「高速道路の無料化」のようなことが環境教育のテーマとして中学生の授業でとりあげられます。スウェーデンの中学校では選挙になると各政党の政策について生徒たちが討論をします。社会で起きることについて子供のころから友だちや家庭で話しあい自分で考え意見を言う習慣が身についていきます。

 一昨年日本では教育基本法が改正されました。一番影響を受けるのはみなさんなので、デンマークであれば、子供たちの討論がおこなわれ、反対となると大規模なデモが行われます。小学生もデモに参加する光景が見られます。子供のころから社会について考え、社会とつながっていると感じている人たちは社会をつくっていくのは自分たちで、社会を自分たちが暮らしやすいように変えていこうという気持ちになります。
このように自分たちは社会とつながっていて自分たちの前に社会が開かれているという感じを持つと、将来に希望も持てず世の中で孤立し、居場所もないという孤独感におちいることは少ないのではないでしょうか。昨年起きた秋葉原の無差別殺人事件の犯人の青年は「誰でもいいからかまってほしかつた」「どうしておれだけ1人なのだろう」と言っています。

 卒業式も日本のように国旗をかざって君が代を歌うことはしません。たとえばスウェーデンのある公立中学の卒業式の光景です。「中学2年生の代表のあいさつ、みんなで考えた歌、楽器の演奏、女子生徒のダンス、校長先生の卒業生を送るあいさつ、最後はスウェーデンの学校で必ず歌われる讃美歌『今、花の季節がやってくる』を全員で歌う」。(先進国で国旗をかざって国家を歌う国はほとんどありません)。

 これらの国々も教育はその国が持つ価値観を生徒に尊重することを求めていますがそれは抽象的な愛国心ではなく1人ひとりの人間を大切にするという価値観であり、国境をこえた多様な文化の中で生活できる能力を身につけること、そのためにも自分で考え、行動する人格を育てていくことを大切にしています。これらの国々もバラ色の社会ではありません。多くの問題をかかえています。しかし、すくなくとも「自分で考えるというのはどういうことか」をみなさんが考えるヒントをあたえてくれるのではないでしょうか。
 それでは「自分で考えるというのはどういうことか」考えてみてください。



« 9月15日(火) | トップページ | 9月18日(金) »

停職「出勤」日記2009」カテゴリの記事