フォト

掲示板

停職「出勤」日記2009

停職「出勤」日記2008

停職「出勤」日記2007

停職「出勤」日記2006

停職「出勤」日記2005

投稿欄

ちらし置場

リンク集

« 処分取消裁判を支援する会ニュース(第66号) | トップページ | 橋下を倒そう!大阪秋の陣(12) »

2011/11/04

橋下を倒そう!大阪秋の陣(11)

渡部です。

10月25日に大阪の「教育基本条例にもの申す会」が、大阪市長選の立候補者に公開質問状(質問項目は7つ)を出しました。

これに対し、

  • 橋下徹氏(10月31日14時40分FAXにて)、
  • 平松邦夫氏(11月1日11時1分メールにて)、
  • 渡司考一氏(11月1日11時27分(FAX)・11時46分(メール)にて)、

から回答がきました。

以下ここでは、まず橋下氏の<回答>を紹介し、後ろの方で【論評】したいと思います。

1. あなたのお名前をお答え下さい。
<回答>
橋下徹

2. 大阪府教育基本条例案の府議会への提案理由は、<大阪府における教育行政は、これまで「教育の政治的独立性」、「教育委員会の独立性」の名目のもと、政治が教育行政から遠ざけられ、民意が十分に反映されてこなかった。しかし、加速するグローバル社会に対応できる人材を育てる教育には時代の変化への敏感な認識が不可欠である。議会が条例制定を通じて教育行政に関与し、民意を反映させることで、子供たちの人格を完成させ、激化する国際競争に対応できる有為な人材を育てるため、条例を制定しようとするものである。>となっています。大阪府教育基本条例案の提案理由についてあなたの所感をお聞かせ下さい。
<回答>
府議会での提案理由と私の所感とに大きな齟齬はありません。私は、文部科学省を頂点とするピラミッド型の教育委員会制度を一から見直し、保護者や地域住民が積極的に教育行政に参加できる仕組みを構築したいと考えています。教育委員会に集中している教育行政に関する権限を、住民に取り戻すこと、学校現場を尊重し、校長の権限を重視した学校マネジメントを可能とし、各学校が児童生徒のために切磋琢磨することが必要であると考えています。

3. 大阪府教育基本条例案では、教育の主体である児童・生徒に関する規定は、<第3条 府内におけるすべての児童生徒は、等しく教育を受ける権利を有する。 2 府は、自立支援が必要な児童生徒、学習障がい及びこれに類似する学習上の困難を有する児童生徒が等しく教育を受けるために必要な措置を講ずるよう、努めなければならないだけです。前文の中の約200字、第2条、第47条、他にあるほんの一部、そして第3条が、教育の主体である児童・生徒に関する文言の全てです。15000字程度の条例案本文からすると異常に少ないものとなっています。このことについてあなたの所感をお聞かせ下さい。
<回答>
文字数や条文の主語という形式的な部分で条例の趣旨を読み取るのではなく、条文の内容から条文の趣旨を判断する必要があると思います。条例案にある各関係者の役割分担や学校運営協議会、校長の権限強化等、条文の趣旨は、児童・生徒のためにより良い教育行政の仕組みをつくるという視点にあると考えています。

4. 8月22日発表の大阪府教育基本条例(素案)に、次の条項がありました。
第52条 1項 小中学校の校長は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良の児童・生徒であって、他の児童・生徒の教育に妨げがあると認めるときは、学校教育法35条に基づく出席停止を命ずるよう、市町村教育委員会に要請することができる。

(1) 他の児童・生徒に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
(2) 校長、副校長、教員又は職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
(3) 施設又は設備を損壊する行為
(4) 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為

議会提出案では次のようにしています。
第47条 校長、副校長及び教員は、教育上必要があるときは、必要最小限の有形力を行使して、児童生徒に学校教育法第11条に定める懲戒を加えることができる。但し、体罰を加えることはできない。
2 府教育委員会は、前項の運用に当たっての基準を定めなければならない。このことについて、あなたの所感をお聞かせ下さい。
 <回答>
条例素案と、議会提案条例に変更が出ている部分があることは、公開された条例
素案について、内外の意見も踏まえ、協議された結果であると思います。また、議会に提案された条例案についても、議会での議論や外部からの意見等を尊重し、議論を重ね、より良いものに精緻化されていくことは望ましいことであると考えています。

5. 「大阪市教育基本条例案 第44条」に、<教育委員会は、市立学校における通学区域については、学校と地域社会の結びつきにも配慮しつつ、より柔軟な選択が可能となるよう、隣接区域選択制又はブロック選択制などの実現に努めなければならない。>がありました。大阪維新の会は、小学校や中学校が(区内で?)自由に選べる「学校選択制」を市長選の大きな目玉としています。このことについて、あなたのご意見をお聞かせ下さい。
 <回答>
小学校での隣接区域選択制、中学校でのブロック選択制は、望ましい制度であると考えています。学校が、児童、保護者から選ばれる立場になることで、学校間で切磋琢磨し、より良い教育の提供を目指すこと、選ばれるために学校が情報を積極的に公開するようになること、児童、保護者も積極的に情報を収集するようになることで、教育環境はより良いものになると考えています。

6. 大阪府教育基本条例案では、第3条第2項に障害児の項目が付け加えられています。8月22日発表の大阪府教育基本条例(素案)では、「府立高等学校及び府立特別支援学校」とすべきところを「府立高等学校」としている箇所がほとんどでした。議会提出案では全て「府立高等学校及び府立特別支援学校」としましたが、逆に、「府立高等学校」とすべきところを「府立高等学校及び府立特別支援学校」としてしまっている箇所があります。このような経緯を見ると、大阪維新の会が障害児教育を念頭の外に置いている事は明らかです。大阪市は、養護教育基本方針で、「障害者一人一人の特性等に応じた、きめ細かい教育の内容を確保するという視点に立ち、自立に向けた基盤づくりとして、ノーマライゼーションの理念のもと、地域で共に育ち、共に学び、共に生きることを基  本とした教育を推進する」と宣言しています。このことについてあなたのご意見をお聞かせ下さい。
 <回答>
大阪維新の会が障害児教育を念頭の外に置いているとは思いません。教育基本条例案は、教育制度の在り方、教育行政の仕組み、枠組みを策定するものであり、個々の教育施策に関するものではないと思います。障害児教育の個々の施策については、より一層充実した施策が実施されることが望ましいと考えています。

7. 最後に、「大阪府教育基本条例案」について、「これだけは言っておきたい」ことがあればお答え下さい。
<回答>
一部マスコミやコメンテーターの曲解、歪曲報道等により、条例案の趣旨が誤って報道、広報されていることを残念に思います。教育基本条例案は、閉鎖され硬直化した教育委員会中心の教育行政に風穴を開け、現場の校長や住民による主体的な学校運営を実現できる仕組みを構築することを主たる目的にしているものと考えています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【論評】

橋下氏は回答のなかで次のようなことを述べています。

2、「保護者や地域住民が積極的に教育行政に参加できる仕組みを構築したい」「教育委員会に集中している教育行政に関する権限を、住民に取り戻すこと」
3、「条文の趣旨は、児童・生徒のためにより良い教育行政の仕組みをつくるという視点にあると考えています。」
4、「議会に提案された条例案についても、議会での議論や外部からの意見等を尊重し、議論を重ね、より良いものに精緻化されていくことは望ましいことである」
5、「選ばれるために学校が情報を積極的に公開するようになること、児童、保護者も積極的に情報を収集するようになることで、教育環境はより良いものになると考えています。」(これに関してだけここで一言。高校受験はこのようにして進学校から底辺校まで序列づけされました。これを今度は義務制段階からやろうというのです。児童・生徒たちの悲鳴が聞こえてきそうです。)
6、「障害児教育の個々の施策については、より一層充実した施策が実施されることが望ましいと考えています。」
7、「条例案の趣旨が誤って報道、広報されていることを残念に思います。教育基本条例案は、閉鎖され硬直化した教育委員会中心の教育行政に風穴を開け、現場の校長や住民による主体的な学校運営を実現できる仕組みを構築することを主たる目的にしているもの」

 橋下氏は、あたかも自分が、「保護者や地域住民」の立場にたち、「外部からの意見等を尊重し」、「児童・生徒のためにより良い教育行政の仕組みをつくる」、「現場の校長や住民による主体的な学校運営を実現できる仕組みを構築する」だといわんばかりです。
 しかし、彼はこれまで、「今の日本の政治に必要なのは独裁」、「教育とは2万%強制です」、「起立しない教員は意地でも辞めさせる」などのことを言ってきたのです。にも係らず、上のような回答をしてきています。橋下知事はこれまで言ってきたことを撤回するのでしょうか。否です。最近になって少し旗色が悪くなって来ているので、トーンダウンしているにすぎぎません。彼の本性が変わったわけではなことを私たちはしっかりと見テおく必要があるでしょう。引き続き、彼の本性(いままで言っていたこと)を暴露していきましょう。
 この<回答>を読み、私は魯迅の「『フェアープレイ』は急がぬが宜しい」(1925年12月29日)という文章を思い出しました。魯迅はこの中で、人々の敵が旗色が悪くなり人々に許し請うと、中国民衆は人が良いばかりにそれを許し、その結果彼らの敵が息を吹き返し、人々が大きな犠牲を払うことになった実例を幾つもあげています。そして、魯迅は、「要するに、人に咬みつく犬であれば、それが岸の上にいようと、水の中にいようと、みな打って差し支えないもの、と私は思っている」と述べています。
 また、「真正直な人間が『水に落ちた犬を打つ』ことをしないのがその(人々が犠牲になる)一端の因をなしているのだ。」とまで述べています。
 さらに魯迅は、この論文の中で、「俗に『真正直は無能の別名』という。ちと冷酷すぎるように聞こえるかも知れぬが、仔細に考えてみれば、別に人を悪事に誘いこむ言葉ではなく、幾多の苦しい経験からにじみ出た警句なのだ。」とも述べています。

「真正直」でなかった家康は「大阪冬の陣」「夏の陣」を制し、戦国の世に終止符を打ちました。



« 処分取消裁判を支援する会ニュース(第66号) | トップページ | 橋下を倒そう!大阪秋の陣(12) »

投稿欄」カテゴリの記事