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2014/07/10

都庁前通信

F20140710

集団的自衛権行使 解釈改憲と閣議決定で 
――私たちは容認しない!

 2014年7月1日は、政府が多くの国民の反対の声に耳を傾けることなく、国会を無視し、閣議決定による独断的な「憲法解釈の変更」というかたちで、戦後日本が構築してきた憲法9条のもとでの平和主義というこの国の姿を根底から変えて、戦争ができる国にした日、として歴史に汚点を刻む日となってしまいました。
 政府が戦争に向かう中で、私たちにできることはまだあります。それは、それぞれの仕事の中で要求される一切の戦争協力に手を貸さないこと、そして、そのことを、同調圧力をはねのけ意見表明していくこと、ではないでしょうか。「戦争協力はしない」と皆が声を上げ、仕事を返上すれば、政府の企みは進まなくなります。
 戦争は教室から始まります。これまでも学校教育は政治に利用されてきましたが、今後は戦争に備え、兵士・少国民の育成を学校教育で行おうとするでしょう。安倍政権が矢継ぎ早にやっている「教育再生」・教育破壊は、このためです。
 石原都政以降、東京の教育もまさにその方向に向かってきました。「君が代」起立の職務命令を拒否してきた教員たちは、「日の丸・君が代」尊重や「愛国心」の強要が、やがては「教え子を戦場に送る」ことになると見抜き、「君が代」起立を拒否してきたのです。
 都教委が行う「戦場に送る」教育は、「日の丸・君が代」の強制と処分だけではありません。すでに都教委は自衛隊と協力関係にあります。昨年度、田無工業高校長は都教委の誘いに乗り、宿泊防災訓練と称して、生徒たちを陸上自衛隊朝霞駐屯地に送り込み、体験入隊を実施しました。生徒の名簿が、卒業後の入隊勧誘に使われるだろうことは、想像に難くありません。
 一方、自衛隊は、小学校段階から「学校開拓」に力を入れています。小中学校の総合の時間を「募集基盤の醸成」と位置づけ、校長や教員をなびかせて、食い込んできています。子どもたちは体験入隊によって自衛隊を身近に感じるようにされています。
 こうした動きに、すべての教員が声を上げ、返上・拒否をしていってほしいです。都教委に働く皆さんも、声をあげていってください。70年前の過ちは、政府の同調圧力に、大多数の国民が屈してしまったから。その轍を踏まない責任が、私たち一人ひとりに課せられていると思います。

■6月17日都議会での比留間教育長の発言取り消しに思う

 議事録は次のようになっている。

① 中谷文孝議員の質問に対する比留間教育長の答弁の最後に、「──(三百二十字削除)──」とある。
② 議長:「ただいま教育長比留間英人君から、先ほどの発言中、四点目のオリンピック教育に関する発言について、取り消しの申し出がありました。これを許可することにご異議ありませんか。」 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
③ 議長:「ご異議なしと認めます。よって、発言取り消しの申し出を許可することに決定いたしました。」
④ 橘正剛議員:オリンピック教育の充実等についての質問
⑤ 教育長(比留間英人君):「ご答弁申し上げます前に、先ほどの答弁に誤りがあり、議事を混乱させてしまい、まことに申しわけありませんでした。深くおわびを申し上げます。教育に関する三点のご質問ですが、まず、オリンピック教育の充実についてであります。」と言い、答弁が続く。その字数を数えると、句読点を入れて320字であった。

 議事録からわかることは、比留間教育長は④橘議員の質問に対し読み上げる原稿を、①中谷議員の質問に対する答弁で読み上げてしまったということ。比留間教育長が緊張感を持って議会に臨んではいなかったことが容易に推察される。これこそ、自己に職務専念義務違反の処分を科すべきだろう。

■6月26日教育委員会定例会傍聴報告/古典の教科書に拉致問題、あるわけないでしょ!

 報告4件のうち、2件(①来年度都立高用教科書の調査研究資料について ②昨年度「都立高校学力スタンダード」推進校の取り組みについて)について報告します。
 ①は、7月から8月にかけて行われる高校教科書採択に当たり、昨年度検定に合格した教科書71点について都教委が調査研究した結果を一覧表にまとめたものの報告。専門教科(農業、工業、商業、情報、福祉)を除けば、国語(国語表現 現代文A 古典A 古典B)、理科(生物)、芸術(音楽Ⅲ 美術Ⅲ 書道Ⅲ)、外国語(コミュニケーション英語Ⅱ 英語表現Ⅱ)のみ。他の教科の教科書については、昨年の選定・採択の際に調査研究資料をつくっている。
 調査する内容として、「学習指導要領の各教科・科目の目標等を踏まえ」るだけでなく、またもや、「北朝鮮による拉致問題の扱い」「一次エネルギー及び再生可能エネルギーの扱い」「オリンピック、パラリンピックの扱い」を特別調査項目に挙げる。国語、外国語については、すべての教科書について、「北朝鮮による拉致問題の扱い」をあげ、「調査の結果、記載のないことを確認した」とある。古典に拉致問題、これを指示した幹部と“真面目に”調査した担当者の神経を疑ってしまう。理科については、「一次エネルギー及び再生可能エネルギーの扱い」を調査項目にあげ、その扱いがあるのは、実教出版の「生物」のみ。バイオマス燃料についての記載であった。何とも皮肉なことだ。
 日本史教科書は昨年、一昨年に教科書検定を終えており、6月12日の定例会で、「その記述に変更がなければ、昨年の『見解』を今年も教育長名で学校に通知する」ことが議決されていた。指導部長は、今日もその確認を繰り返した。「見解」の撤回を求める要請等がたくさん寄せられても、一切の論議、説明をせずに強行する。自分たちに都合の悪いことは子どもたちの目に触れさせない。自己保身のためだけに動くなと言いたい。
 その記述とは、実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」の「国旗・国歌法をめぐっては、日の丸・君が代がアジアに対する侵略戦争ではたした役割とともに、思想・良心の自由、とりわけ内心の自由をどう保障するかが議論となった。政府は、この法律によって国民に国旗掲揚、国歌斉唱などを強制するものではないことを国会審議で明らかにした。しかし一部の自治体で公務員への強制の動きがある」。まさに事実を書いたことである。
 「見解」とは、実教出版の記述は「都教委の考え方と異なる」から、この教科書を「使用することは適切ではない」と「委員総意の下」「確認した」というものである。この「見解」を都教委は、今年の教科書採択に当たり、再び、校長に通知するというのだ。

 ②は、2013年度から2年間、32校を推進校に指定し、学力定着を図るために組織的・効果的な指導・評価を行うという取り組み。1年間の指導を経て2月、推進校の1年生を対象に、「基礎」「応用」「発展」の3コースに分けて学力テストを実施した結果を活用し、今年度は、教材の工夫や放課後及び長期休業中の補習の取り組みをしていること、対象を推進校の1,2年生と全都立校の1年生に拡大すること、等の報告。
 次世代リーダー育成道場、国際バカロレア、進学重点校などのエリート育成にはお金をつぎ込む都教委だが、「成績下位層」の子どもの学力を上げるために予算を計上するという話にはならなかった。つぎ込むお金は、ベネッセに支払う学力テスト作成費だけだろう。
 また、補習等に費やす教員の労働強化には一切触れないで、教育委員のほとんどが補習の推進にもろ手を挙げ賛成する始末。学力をあげることを本気で考えるのであれば、まずは、小学校段階から、「先進国」で一般的となっている15~20人学級を実現することではないのか。

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