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2014/09/11

都庁前通信

F20140911

自衛隊と教育の急接近―都教委は高校生を自衛隊に体験入隊
文科省は奨学金返金代替に防衛省で就業体験か?

 2011年11月に行われた「教育再生・東京円卓会議」での石原都知事(当時)の発言を受けて翌年、猪瀬都知事(当時)が「都立高校改革」の中に取り入れた宿泊防災訓練と称する高校生の自衛隊「体験入隊」(防衛省の言)。その問題点を私たちも何度か紙面で指摘してきました。
 子どもたちを自衛隊に送ろうとしているのは、都教委だけではありませんでした。9月3日付東京新聞は、「奨学金返金に『防衛省で就業体験』」「貧困層に『経済的徴兵制』?」の見出しで「体験」の危険性を指摘しています。
 5月に開かれた文科省の有識者会議「学生への経済的支援の在り方に関する検討会」においてメンバーの前原金一経済同友会専務理事は、「(返金滞納者に)1年とか2年とかインターンシップ(自衛隊での就業体験)をやってもらえば」と発言したといいます。検討会が8月29日に出した報告書には盛り込まれなかったものの、これが実行される心配は十分にあります。
 アメリカには、軍に入隊すれば国防省が奨学金の返済をする制度があり、貧困層の子どもはこの制度を使って進学。結果的に兵士の多くを貧困層が占めている現実があります。安倍政権が集団的自衛権行使容認を閣議決定したことにより、自衛隊員の戦死ということが現実味をおび、応募者が少なくなり、日本の自衛隊員募集がアメリカのこの制度の二の舞になることを、私たちも非常に危ぶみます。



8月28日都教委定例会傍聴報告

■批判には耳を貸さず、反省はしない都教委のやり方をただすのが、
教育委員の仕事ではありませんか■

 議案の①来年度使用都立高校用教科書の採択について、報告事項の、②都立高校入学者選抜学力検査の採点の誤りに係る答案の点検結果について  ③都立高校入試調査・改善委員会報告書について、報告します。

 

の焦点は、実教出版日本史教科書を選定させない都教委の介入問題。それについて28日の東京新聞夕刊のトップは、「実教『日本史』来年度も都立高ゼロ」「教育内容へ介入懸念」「都教委方針  学校側従う」「自主規制拡大の恐れ」の見出しで、的確にかつ分かりやすく報じています。
 都教委の介入により、国旗掲揚・国歌斉唱をめぐり「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」を選定した学校は昨年に続き今年も0校。したがって、採択もゼロでした。
 提案する都教委事務方も、教科書採択をする教育委員の面々も、定例会では意見は述べず、形の上では全教科、各学校の選定を尊重し、「適正かつ公正に」教科書を採択したということになりました。
 実教出版の当該教科書を高校生に使わせないために都教委が行ってきた不当介入については、何度か紙面で批判したところです。昨年の高校教科書採択にあたり「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」との記述について、都教委は「都教育委員会の考え方と異なるものである」から「使用することは適切でないと考える」とした「見解」を各学校に通知。今年は6月12日の定例会で木村委員長が「今年も、当該記述に変更がないことが確認できた場合は、都教委は各都立学校長宛に、昨年の『見解』を踏まえて教科書選定をするよう、教育長名の通知を出す」のでどうかと確認を求めると、教育委員の誰からも質問や異論はなく、これが確認され、「見解」通知が出されました。
 さらにさかのぼれば、一昨年は、この教科書を選定した学校には都教委が執拗に電話を入れ、別の教科書を選定させ直したという事実があります。都教委の介入はすさまじいものです。

 この議案提案の中で、「見解」通知に対する請願が出されているとの報告がありました。
 しかし、請願の宛先は「委員長  木村孟殿」にもかかわらず、木村委員長は「事務方でやってもらう」の一言で片づけました。また、委員の誰からも、木村委員長の発言を諌める発言はありません。いまの都教委は木村委員長の御用機関に成り下がっています。
 請願の内容は、「『見解』通知は、実教出版歴史教科書の選定排除について、偽りの理由が書いてあり、かつ説明不足のため、各校長の誤解を誘導するものとなっているので、都教委においては真の理由を書いて訂正し、説明も加えた上で、改めて訂正した『見解』通知を各都立学校長宛、送付されたい」というもの。
 請願者らは「見解」を違憲違法としてその取り消しを裁判に訴えているところですが、裁判の5月29日付都教委答弁書において都教委は、「見解」に書いた「使用することは適切でないと考える」の意味は「使用してはならない」ということではないと書いてきたといいます。ならば、「使用してはならない」と受け取った校長らの誤解を解くべきであり、その訂正「見解」を送付することを求めた請願でした。
 まっとうな指摘をした請願です。選定ゼロの事実は、当該教科書を「使用してはならない」と各校長に通知し、圧力を加えた結果であることは明白ですから。

 

②③  採点ミスの件数等については一般報道にゆだね、調査・改善委員会報告書について、報告します。
 〈誤りの原因と課題の考察〉については採点時間が少ないこと、採点日も授業や行事が行われており、集中して採点業務を行えない環境にあること、出題形式や配点の方法・解答用紙と正答表が異なっていること等が明らかにされています。また、誤りはないという採点者の思い込みや時間的圧力からの3回点検の形骸化をあげています。しかし、こうした時間的圧力は、都教委の効率を求め続けた方針の結果であり、反省すべきは都教委の姿勢そのものではないでしょうか。
 〈再発防止・改善の方向と具体的改善策〉では、①採点・点検に専念できる十分な時間と環境を確保する。具体的には、ア.学力検査日から合格発表に前日までの日数を3日間から4日間にする。イ.学力検査翌日と翌々日の2日間については、原則、生徒は自宅学習とする。ウ.連続作業による集中力等の減衰を避けるため、作業50分ごとに10分の休憩を設ける。これらのことが、まず、打ち出されています。ほかに、②マークシート方式を導入する。③録音による読み上げ方式による採点・点検を、答案をコピーして2系統で行うなど、採点・点検方法を抜本的に見直す。④採点誤りを起こしにくい出題形式や解答用紙にするなどの改善。⑤採点・点検に対する意識を高める。  をあげます。

 これをもとに、都教委としての改善策を本日、9月11日の定例会で出すということです。
 10年ほど前までは採点期間が長く、生徒は自宅学習でしたが、都教委はそれを変更させたのでした。しかし、事務方の報告や教育委員の発言からは、それに対する反省は聞かれません。その反省を公開し、現場の声を十分に聴く姿勢に改めない限り、抜本的な解決にはならないと思います。指示に従わせるばかりの、都教委の教育行政に対する根本姿勢が問われているのです。

■通常定例会は10時開始とされているのですが、この日の定例会は理由も告げられずに、9時開始でした。
 今日の定例会も9時開始を告げられました。同じく理由は告げられずに。これも、傍聴者に対し、上から目線の対応です。

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