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2014/10/23

都庁前通信

F20141023


都教委は、大島高校生に対する 自衛隊体験入隊を止めよ
再び、子どもたちを 戦争に送る教育を止めよ

 若者を戦争に送ってはなりません。当会では、標記の件に対し、都教委に要求書を提出しました。

2014年10月20日

東京都教育委員会 教育長 比留間英人様
            教育委員長 木村孟様

大島高校生に対する、「防災」に名を借りた
自衛隊体験入隊の中止を求める要求書

 昨年度、自衛隊朝霞駐屯地で行った田無工業高校に引き続き、今年度は10月26日から28日に大島高校の2年生33人が陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市)で二泊三日の宿泊防災訓練をすることを都教委が決め、現在その準備をしていることに対し、当会は抗議するとともに、その中止を求めます。
 宿泊防災訓練は、石原都知事(当時)が「今の若者には意欲がない。高校を卒業したら韓国のまねではないが、2年間は兵役、消防、警察に強制的にやったらどうか」(2011年11月16日東京円卓会議)と発言したのを受けて2012年、猪瀬都知事(当時)が「都立高校改革」の中に取り入れたもので、石原元知事の発言にその本音が吐露されているように、目的は防災ではなく、若者の精神を石原流、すなわち、国家に命をささげることを誇りに思うように叩き直すことにあったことは自明のことです。
 7月1日、集団的自衛権行使容認を閣議決定した翌日、全国の高校3年生の自宅には自衛隊勧誘の手紙が送付されました。かなり前から自衛隊は必要数の隊員確保に苦慮し、学校を隊員の供給市場にする方針のもと、広報・募集に学校を訪問してきました。また、ハイスクールリクルーターとして自衛官を出身高校に送り込み、高校生に自衛隊をピーアールする制度も用意してきました。
 自衛隊東京地本はこうした方針の下、都教委からの宿泊訓練を受け入れているのです。東京地本は「教育庁から団体生活・規律訓練の依頼を受けた。隊内生活のことを向こうは(教育庁)は防災訓練と言っているが、うちは(地本)隊内生活体験だ。」と明言しているのを、都教委が知らないはずはありません。現に、昨年度実施した田無工業高校校長は、受け入れ先の朝霞駐屯地司令に提出した申込書に「陸上自衛隊内生活体験」と書いたではありませんか。
 前言に続けて東京地本は、「それを踏まえて内容を調整している。内容が決まれば大島高校は 1 ヶ月前に(武山駐屯地の)「隊内生活体験」申請(生徒の住所・電話・男・女がわかる名簿)を出してもらう。」と言っています。これについても、田無工業高校校長が参加者の名簿を提出した事実があります。
 ところで、田無工業高校の場合、募集呼びかけをしたところ、それに応じる生徒がほとんどおらず、ラグビー部などの顧問が部員などへ働きかけたと聞きます。自衛隊については発足時から憲法9条2項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」に違反するかが問題にされてきたところであり、国民の間で議論が分かれます。高校生やその保護者にも、反対する人がいて当然です。そうしたことを、学校教育に持ち込むことは、子どもたちの思想・信条及び良心の自由、表現の自由を侵害します。
 また、とりわけ 7 月 1 日を境に、この国が“戦争する国”となり、自衛隊による米軍支援を世界に拡大させようとしている政治状況にあって、自衛隊に入隊すれば命を落とすだけでなく、子ども、老人など一般市民を殺傷する危険が多大であることはアメリカの例を見れば推測できます。そうした自衛隊に高校生を体験入隊させることは、個人の生存権よりも国家優先の思想を植え付けるものです。
 また、体験入隊を自衛隊の広報・募集活動の一環として進めていることや、7 月 2 日に高校3年生の自宅に勧誘資料が送られた事実から見れば、卒業に向けて入隊勧誘が学校の提出した生徒名簿を使ってなされる危険性は十分にあります。特定の“就職先”に生徒たちを送り込む仲介役を教育行政が請け負うことも許されません。以上の理由から、大島高校生に対して行おうとしている宿泊防災訓練を直ちに止めるよう、要求するものです。


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10月9日都教委定例会傍聴報告

都教委またまたFさんの傍聴を拒否
−乙武委員の問題提起も無視

■「傍聴人規則」を濫用し、傍聴権を侵害し続ける定例会運営

 この日の定例会傍聴の受付に久しぶりにFさんが来ていた。しかし、「誓約書にサインしてもらわないと傍聴できません」と言われ、結局 F さんは傍聴を拒否された。筆者は帰宅後、Fさんが退場させられた時の傍聴記録を読み返して、都教委のやりたい放題に、改めて怒りが込み上げた。
 Fさんが木村委員長から退場命令を受けたのは、1月23日。この日、傍聴者は受付窓口に行って初めて開始時刻の変更「9時30分開始」を告知された。1月9日の定例会の終わりに、担当者は「次回は1月23日、10時から」と告げていたのである。だから、Fさんは定例会の部屋に入るや、開始時刻変更の理由を質したのだった。明らかに瑕疵は木村委員長にあるにもかかわらず、委員長は説明や謝罪をするどころか、質問をしたFさんを「議事妨害」をしたとして退場させたのだった。木村委員長の逆切れに対し、他の教育委員も事務方も、木村委員長をたしなめることはなかった。私は当日になっての開始時刻の変更及びFさん排除に納得できなかったので、比留間教育長、木村教育委員長、各教育委員、教育施策課長宛に「質問と謝罪要求」書を出したが、とうとう、返事は来なかった。
 これまで木村委員長によって「議事妨害・退場」とされたのは、傍聴者が好き勝手に意見を言ってのことでは断じてない。あってはならない議事運営に対して、やむにやまれず質問、意見が一言ことばに出た、ただそれだけでのことである。一例をあげれば、実教出版社の高校日本史教科書を選定・採択させないことを決めた議案では、その決め方は、公開の教育委員会で議論し決定したのではなく、事前に密室で決定し、公開の定例会では木村委員長の指示のもと、事務方が決定事項を読み上げるというものだった。傍聴者は、各教育委員の意見を聞く権利を奪われたから、ささやかに質問や異議をことばにしたのだった。
 退場命令の件は木村委員長だけでなく、教育委員全員にかかわる問題である。一人ひとりに、猛省を求めたい。

■発言をめぐって、しっかり論議してほしい

 さて、この日の公開議題のうち、特別免許状に関する規則の一部を改正する規則の制定について、を報告する。 1988年に文部省が定めた教員の特別免許状制度の活用が進んでいないからとして、昨年12月と今年6月、文科省は各都道府県教委に対し、特別免許状の積極的な授与を促進するよう指針を作成し、対策を取るよう依頼。それを受けての提案だった。促進するために、授与手続きを簡素化し、授与の機会を年に2回から3回に増やす、そのための規則改正というものだった。東京では、2005年度に「看護」の教科で3件の授与があったのみという。特別免許状の必要性はないということだ。
 竹花委員は、「何を議題としているのか。文科省の言うことを鵜吞みにしてはいけない。特別免許状の要綱を定める際に、必要性について検討する意味があるのではないか」と発言。しかし、それ以上の発言はなく、議案は承認された。「鵜吞みにしてはいけない」との竹花委員の発言には頷けた。だが、氏は「鵜呑みにさせる」教育を都教委がしていることの問題には気付かないのか。
 特別免許状は「教員免許を持っていないが優れた知識経験等を有する社会人を教壇に立たせるため」に創設したというが、今ここにきて、文科省がこのことを問題にしたのには、意図があるのではないだろうか...。

 議題終了後、乙武委員が発言した。「今後の議題として教員評価について取り上げてほしい。いじめ問題が解決できない要因として、≪いじめが起こらないように、いじめが起きたときどうするか。いじめをなかったことにするのか≫がある。いじめが教員評価の際の減点(システム)になるのか、気になっている。」(主旨)と。
 この発言に対し、どの委員からかはわからなかったが、「それをやったら時間がかかる」というような一言があった。そして、議題にしようともしないとも次の発言や確認はなく、閉会となった。
 乙武委員の議題要望の発言、竹花委員の「鵜呑み」発言をめぐって、しっかり論議してほしかった。異なる意見を擦りあわせることによって議論が深化し、問題が見えてくるはずである。
 「月2回、30分から2時間程度話し合い」、「教育委員長52万8千円、教育委員43万2千円の月額報酬」(2011年8月25日毎日新聞)を手にする教育委員。定例会の運営や審議に民主主義を徹底させるよう働いてもらいたい。

ニュースへのリンク




2014/10/22

大島高校「防災訓練」中止を求める要求書

R20141016

2014年10月20日

東京都教育委員会 教育長 比留間英人様
             教育委員長 木村孟様

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

大島高校生に対する、「防災」に名を借りた
自衛隊体験入隊の中止を求める要求書

 昨年度、自衛隊朝霞駐屯地で行った田無工業高校に引き続き、今年度は10月26日から28日に大島高校の2年生33人が陸上自衛隊武山駐屯地(神奈川県横須賀市)で二泊三日の宿泊防災訓練をすることを都教委が決め、現在その準備をしていることに対し、当会は抗議するとともに、その中止を求めます。

 宿泊防災訓練は、石原都知事(当時)が「今の若者には意欲がない。高校を卒業したら韓国のまねではないが、2年間は兵役、消防、警察に強制的にやったらどうか」(2011年11月16日東京円卓会議)と発言したのを受けて2012年、猪瀬都知事(当時)が「都立高校改革」の中に取り入れたもので、石原元知事の発言にその本音が吐露されているように、目的は防災ではなく、若者の精神を石原流、すなわち、国家に命をささげることを誇りに思うように叩き直すことにあったことは自明のことです。
 7月1日、集団的自衛権行使容認を閣議決定した翌日、全国の高校3年生の自宅には自衛隊勧誘の手紙が送付されました。かなり前から自衛隊は必要数の隊員確保に苦慮し、学校を隊員の供給市場にする方針のもと、広報・募集に学校を訪問してきました。また、ハイスクールリクルーターとして自衛官を出身高校に送り込み、高校生に自衛隊をピーアールする制度も用意してきました。
 自衛隊東京地本はこうした方針の下、都教委からの宿泊訓練を受け入れているのです。東京地本は「教育庁から団体生活・規律訓練の依頼を受けた。隊内生活のことを向こうは(教育庁)は防災訓練と言っているが、うちは(地本)隊内生活体験だ。」と明言しているのを、都教委が知らないはずはありません。現に、昨年度実施した田無工業高校校長は、受け入れ先の朝霞駐屯地司令に提出した申込書に「陸上自衛隊内生活体験」と書いたではありませんか。
 前言に続けて東京地本は、「それを踏まえて内容を調整している。内容が決まれば大島高校は1ヶ月前に(武山駐屯地の)「隊内生活体験」申請(生徒の住所・電話・男・女がわかる名簿)を出してもらう。」と言っています。これについても、田無工業高校校長が参加者の名簿を提出した事実があります。
 ところで、田無工業高校の場合、募集呼びかけをしたところ、それに応じる生徒がほとんどおらず、ラグビー部などの顧問が部員などへ働きかけたと聞きます。自衛隊については発足時から憲法 9 条 2 項の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」に違反するかが問題にされてきたところであり、国民の間で議論が分かれます。高校生やその保護者にも、反対する人がいて当然です。そうしたことを、学校教育に持ち込むことは、子どもたちの思想・信条及び良心の自由、表現の自由を侵害します。
 また、とりわけ7月1日を境に、この国が“戦争する国”となり、自衛隊による米軍支援を世界に拡大させようとしている政治状況にあって、自衛隊に入隊すれば命を落とすだけでなく、子ども、老人など一般市民を殺傷する危険が多大であることはアメリカの例を見れば推測できます。そうした自衛隊に高校生を体験入隊させることは、個人の生存権よりも国家優先の思想を植え付けるものです。
 また、体験入隊を自衛隊の広報・募集活動の一環として進めていることや、7月2日に高校3年生の自宅に勧誘資料が送られた事実から見れば、卒業に向けて入隊勧誘が学校の提出した生徒名簿を使ってなされる危険性は十分にあります。特定の“就職先”に生徒たちを送り込む仲介役を教育行政が請け負うことも許されません。以上の理由から、大島高校生に対して行おうとしている宿泊防災訓練を直ちに止めるよう、要求するものです。

要求書へのリンク



2014/10/16

田中聡史さんに対する「服務事故再発防止研修」の中止を求める要請書

20141017

2014年10月16

東京都教育委員会  教育長  比留間英人様
            教職員センター長様
板橋特別支援学校  校長  真下智様

田中聡史さんに対する「服務事故再発防止研修」の中止を求める要請書

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

 田中聡史さんが「君が代」不起立したことに対し都教委が処分とともに、半年以上に及ぶ「服務事故再発防止研修」なる思想転向攻撃をかけていることに対し、当会は再三その中止を求めてきたところです。本日都教委が強行しようとしている「服務事故再発防止研修」を中止するよう厳に要請します。

 過日、当会を含む市民が「服務事故再発防止研修」の中止を求める要請書を板橋特別支援学校校長に手渡すべく同校を訪ねたところ、警察を動員して追い出し、あるいは施錠して敷地に入れないなどの応対をしたことについて、当会では都教委に質問書を出しました。それに対する「回答」は、質問に対応しない不誠実極まりない「回答」でした。しかも、質問は異なるのにもかかわらず、他団体への回答と同じ文言の「回答」でした。
 「君が代」不起立処分と「服務事故再発防止研修」の正当性を前提に、「静ひつな環境の下で…実施」「都教育委員会は、今後とも当該研修の適切な運営に努めていきます。」というものでした。

 しかし、そもそも、「君が代」不起立処分自体は地公法の非違行為にはなりません。そこで、不起立行為を処分対象にしたいと考えた都教委は、校長に「君が代」起立斉唱の職務命令を発出させ、職務命令違反で懲戒処分をつくり出しました。そして、その理由について、「起立する教員と起立しない教員がいると、児童・生徒は起立をしなくてもいいと受け取る」(裁判の準備書面での主張)から、不起立教員を処分するのだと言います。つまり、上からの指示には自分の頭で考え判断せずに、従うものだと子どもたちに刷り込むことが、不起立教員を処分する目的だということです。
 旭川学テ最高裁判決が教育の本質的要請について、「教師が公権力によって特定の意見のみを教授することを強制されない」「子どもの教育が教師と子どもとの間の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われなければならない」と判示していることに照らしたとき、都教委の「君が代」不起立処分にも「服務事故再発防止研修」にも、一片の正当性もないことは明白です。
 また、最高裁判決(2011年6月、2012年1月)で宮川裁判官は、「本件通達は、式典の円滑な進行を測るという価値中立的な意図で発せられたものではなく、その意図は前記歴史観等を有する教職員を念頭に置き、その歴史観等に対する強い否定的評価を背景に、不利益処分をもってその歴史観等に反する行為を強制することにある」と断じました。宮川裁判官が指摘するように、10・23通達が「価値中立的な意図」ではないことを自認するがゆえに、都教委は高校生が実教出版日本史教科書で学ぶことを恐れるのです。
 甚大な不利益処分を受けてもなお、間違った職務命令には従わない教員を私たちは支持し、都教委による「君が代」不起立処分及び「服務事故再発防止研修」の中止を求めます。
 明日、田中さんに対して予定している「服務事故再発防止研修」を直ちに中止することを求めます。

要請書へのリンク



2014/10/09

都庁前通信

F20141009

日本政府に出された
国連自由権規約委員会勧告を
都教委は真摯に受け止めよ!


――「公共の福祉」を理由とした人権制約の乱用は許容されない――

 日本の司法は「公共の福祉」を理由に、権力が歓迎しない「思想・信条及び良心の自由」や「表現の自由」にかかわる行為を行政が制約・禁止・処罰することを違憲違法としない判例をかなりの数、出してきました。その日本政府に対し、国連は、「公共の福祉」による人権制約に「懸念」を表明し続けてきました(1993年第3回~2008年第5回)。
 今年7月24日に国連人権委員会日本審査「総合所見」が出されました。そのパラグラフ22は、「公共の福祉」を理由とする制約が基本的自由の制約にかかわる問題であることを指摘し、「思想・良心・宗教の自由、意見及び表現の自由に対するいかなる制約をも課すことを控えるよう強く要請する」と、日本政府に向けて発表しました。

公共の福祉を理由とする基本的人権の制限 
22. 委員会は、「公共の福祉」の概念はあいまいであり、無制限であるということ、そして、規約のもとで許容されるものを大きく超える制約を許容するかもしれないということへの懸念を改めて表明する。(2条「人権実現の義務」、18条「思想・良心・宗教の自由」、及び19条「意見及び表現の自由」)
 委員会は、前回の総括所見(CCPR/C/JPN/CO/5、パラ10)を想起し、第18・19条の第3段落(注)における厳しい条件を満たさない限り、締約国が思想・良心及び宗教の自由や表現の自由の権利に対するいかなる制約をも課すことを差し控えるよう強く要求する。
(注)他者の基本的権利及び自由を保護するうえで法律が定める制限

 国連勧告パラグラフ22は、都教委にとって都合の悪い、もの言う教職員を不当に処分(免職も)し、また、刑事事件にしてきた都教委弾圧を、許容されないと指摘するものです。
 板橋高校卒業式事件(注)の当事者とされた藤田さんは、「公共の福祉」を理由に最高裁判決によって威力業務妨害罪(罰金刑)を確定されました。また、「君が代」不起立処分取り消し訴訟最高裁判決は、「職務の公共性」を理由に戒告処分を、さらには「学校の規律や秩序」を理由に加えて、根津さんに対する停職 3 ヶ月処分を合憲合法としました。しかし、判決の前段で、「君が代」起立の職務命令が「その者の思想及び良心の自由についての間接的な制約となることは否定しがたい」とも判示しているのですから、「君が代」起立の職務命令は「思想及び良心の自由」の問題であり、一連の「君が代」最高裁判決も国連の勧告に照らすならば、国際規約に違反するはずです。
 都教委が国際社会を真に意識するならば、勧告に真摯に耳を傾け、処分を取り消すべきです。
 また、「君が代」不起立で処分を受けた教員に対し強行する「服務事故再発防止研修」は、反省を迫り思想転向を強要する「思想及び良心の自由」の侵害以外の何ものでもありません。

(注)2004年3月11日に行われた板橋高校の卒業式で、来賓の藤田元教諭が、開会前の保護者席に「起立斉唱命令」を批判する雑誌記事のコピーを配り、理解と協力を呼びかけた。藤田さんは管理職によって開式前に退席したが、事件とされた。 


10月3日、都教委包囲ネットに集まった市民・市民団体は、都教委が進める教育破壊をストップするよう、都教委に要求・要請しました。「日の丸・君が代」強制と「君が代」処分、及び「再発事故再発防止研修」を止めよ、「防災訓練」に名を借りた自衛隊の「体験入隊」に高校生を駆り出すな、と。


9月11日都教委定例会傍聴報告

≪ついぞ聞かれなかった都教委の反省――反省なくして根本的改善はあり得ない≫

 この日の公開議題は、①都立高校入試の採点誤りに関する再発防止・改善策について他の3報告でした。新聞報道等でご存じかと思いますが、①について報告します。

 8月末に出された「調査・改善委員会報告書」をもとに、都教委が策定した「再発防止・改善策」の報告でした。改善策は、次に示すように、調査・改善委員会の報告をほぼ取り入れたものでした。
  「1.採点・点検に専念できる十分な時間と環境を確保する」ために、「学力検査翌日から合格発表の前日までの日数を現行の3日間から4日間とする」「学力検査翌日と翌々日の2日間については、生徒を登校させない」「原則、作業50分ごとに10分間の休憩を設ける」。
 「2.マークシート方式を導入する」。来年度入試においては、都立高校の1割、20校前後のモデル実施校にマークシート方式を試験的に導入し、2016年2月の全面導入に向けて検討するといいます。20校はすでに決定済み。
 「3.採点・点検方法を抜本的に見直す」ために「読み上げ方式による採点・点検を(答案とコピー答案の)2系統で行う」「作文等の記述式問題も2系統で行う」「合格発表日までに、合否ボーダーライン上下の一定範囲にある受検者の答案を再点検する」「採点・点検業務の詳細を定めた『採点・点検実施要項』を新たに作成する」。
 「4.採点誤りを起こしにくい仕組みを作る」ために、出題形式を変えるとか、解答用紙に得点記入欄を設置するなどの改善をする。正答表と解答用紙の様式を同一にする。「採点・点検の責任の所在を明確にするため、『解答用紙綴り』の様式を改善する」。
 「5.採点・点検に対する意識を高める」ために、研修会の実施や「学校現場と都教委が定期的に意見交換する場を設ける」などをあげています。
  また、「合格発表以降、受検者から申し出があった場合は、採点済みの答案の写しを交付する」「合格発表後、年度内に他校同士で点検を行う」などの「セーフティネットの構築」や「全受検者の20%の答案を抽出し、都教委による再点検を行う」などの「再発防止・改善策の効果検証」を行うとしています。
  報告された改善策については、理解できる内容でしたが、時間的にも労力的にもやりきれる見通しはあるのか、不安は残りました。採点業務に入ったのち、4日間で完了しない事態の発生を考えておくべきだと思いました。
  この報告に対し竹花委員は、「事務局の取り組み、しっかりした検討を行っていることを評価したい。お疲れでした。私自身としては早期に何かできなかったか、反省し、忸怩たる思いはある。(採点の)システム上の問題が大きいという前提で見直しをしたのは正しい。これまでのシステムに乗ってやってきた学校職員についても、真剣に、真剣にやっているだろうけれども、重く受け止めてもらいたい。学校職員が真剣に取り組むよう、事務局でやってもらいたい」と発言。その発言に重ねるように、木村委員長は「私も責任を感じている。」と言いました。
 竹花委員や木村委員長が忸怩たる思いだったり、責任を感じているのは当然のことです。そして、であるならば、十何年か前に現場の反対の声を聴かずに、採点業務の期間を短縮し、生徒を登校させるようにした教職員の過重労働に対する事務局の運営にきっちりメスを入れるべきでした。しかし、この件が議題となった4月24日から8月28日までの3回の定例会において、そうした発言はありませんでした。
 事務局は現場の声を聴かずに決定し従わせたことへの反省が、教育委員には事務局の誤りを指摘しただすことが求められていたのです。そうでなければ、これが教訓にはならず、また、他の件で同じ過ちを犯すことになります。
 教職員にものを言わせず、指示命令に従わせることのみを求めてきた都教委の姿勢が問われているのです。都教委に反対する者の声からも学ぶ姿勢が都教委には必要です。

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