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2015/04/09

都庁前通信 2015年4月9日号

F20150409

卒業式「君が代」不起立処分に抗議する!

 卒業式で「君が代」起立の職務命令を拒否した田中聡史さん(3月まで板橋特別支援学校教員)に対し、都教委は3月30日、減給1ヶ月処分を発令しました。このことに私たちは強く抗議し、都教委に処分の撤回を申し入れています。
 田中さんは2011年入学式で「君が代」不起立を現認され処分をされて以降、毎回処分をされ続け、今回は8回目の不起立処分。2013年(4回目)からは減給1ヶ月処分にされてきました。処分による不利益は、減給の1ケ月間、給料の1/10 がカットされるだけではありません。処分された期間、6月の一時金がカットされ、定期昇給もありません。都教委が今後さらに重い処分を狙っていることも明白です。また、賃金面での不利益だけでなく、短期間での異動等、都教委によるブラック企業まがいのパワハラも起きています。余程の信念がなければ、「君が代」不起立を続けることはできません。

◆「君が代」起立の職務命令を拒否するのは

 「君が代」起立命令・処分の狙いは、指示命令には考えずに従うものだということを、処分の脅し・見せしめによって教員たちの頭に叩き込むことにあります。そして、それを見る子どもたちが、それを肯定的に受け止めることにあります。先のアジア・太平洋戦争中にもこのようにして、子どもたちは「少国民」「軍国少年」につくりあげられ、兵士を志願し、他国の人の命を奪い自分の命を失っていきました。
 安倍内閣は集団的自衛権の行使容認を決め、いつでも戦争を始められる準備をしています。戦争を始めたとき、政府はまずは自衛隊員を戦地に駆り出し、自衛隊員で足りなくなれば、いろいろなかたちの徴兵をするでしょう。そのとき、人々は殺し、殺される徴兵を拒否できるでしょうか。拒否できない精神をつくるために、日ごろから指示・命令には考えずに従うことを教え込む必要があります。卒業式・入学式で「君が代」起立をさせるのは、そのためなのではないでしょうか。
 「君が代」不起立をする教員は、このようなことには加担してはならないと考え、不利益を覚悟で不起立を貫いています。

◆減給処分は違法

 2012年最高裁判決は「君が代」不起立を続けるだけでは「戒告を超える重い処分は違法」と判じ、その判決に沿って、これまでに都教委が行った減給や停職処分は、根津さんを除き取り消されてきました。ですから、都教委が田中さんに対して行ってきた減給1ヶ月処分は違法です。違法を承知で、都教委は田中さんに対して思想弾圧を行い、東京の教員たちの抵抗を抑え込むことに躍起となっています。
 都教委が「君が代」不起立処分を始めて12年になりますが、教員の不起立・抵抗は続いています。私たちは、教員の闘いを支持し、都教委に対峙していきます。


3月26日都教委定例会傍聴報告

■「君が代」不起立処分、なぜ傍聴できない?!■

 卒業式で「君が代」不起立をした田中聡史さん(不起立処分連続8回目)に対する処分が、また、今年1月の最高裁判決で減給処分が取り消された現職の一人に対し再処分が決定された。処分をするなという人で、傍聴は抽選となった。 公開議題は、議案が「来年度教科用図書選定審議会の諮問事項について」、報告が「コミュニティ・スクールの設置状況について」のみ。後者について報告したい。

▼「コミュニティ・スクールの設置状況について」
 「コミュニティ・スクールとは、『学校運営協議会』が設置され、教育委員会から任命された保護者や地域住民等が、一定の権限と責任を持って学校運営の基本方針を承認したり、教育活動について意見を述べたりできる制度を持った学校」(文科省)という。学校運営協議会は2004年、地方教育行政法に「教育委員会は・・・学校の運営に関して協議する機関として、学校運営協議会を置くことができる」と加えて発足した制度。
 教育行政に反対意見を持つ人がこれに任命されるわけはなく、介入の危険はあっても、公平性は全くない。文科省は2013年6月の教育振興基本計画において、「コミュニティ・スクールを全公立小中学校の1割に拡大」と目標を掲げたが、2014年度実施校は全国でたったの1919校(5%)。文科省は2015年3月の教育再生実行会議第6次提言において、「地方公共団体は、すべての学校での導入を目指す」とさらに目標値を高めた。
 それと関係するのかどうかの説明はなかったが、東京の設置状況が報告された。2014年度は小中1908校中238校、2015年度は262校(13,7%)(予定)とのことであった。世田谷区、八王子市、三鷹市で6割を占める。全く未実施の区市町村の方が多い。
 報告を受けて委員の発言は、どれも、コミュニティ・スクールを歓迎しないと受け取れるものばかり。「設置する価値があるのか。一度始めたから止められないのではないか。論議し、精査が必要なのではないか。」(竹花委員)/「学校と地域が連携するのはいいこと。しかし、片や学校選択制を言い、片や地域を言うのは自己矛盾を起こしている。」(遠藤委員)/「詳細な調査をしてほしい」(木村委員長)/「『教育委員会は…学校運営協議会を置くことができる』のであって、置かなければならないのではない」という発言もあった。
 「自己矛盾」と言った遠藤委員の発言には頷けた。しかし、氏は子どもたちを地域から離す学校選択制に反対はしてこなかったのに、それを忘れたのか、第三者的な発言は無神経ではないか。また、木村委員長は2004年10月には教育委員長、その前は中教審の副会長だったのだから、この制度を作った側の責任があるはずなのに、やはり、第三者的発言だった。
 普段、報告や議案に反対や否定的意見が出されることはほとんどないので、この件についての発言には何らかの意図があるのかと勘繰りたくなった。 これらの発言を踏まえ、事務方は精査を開始するのであろうか。

▼処分を含む非公開案件に移るということで、傍聴者には退場指示が出された。傍聴者の一人は、「君が代不起立処分が気になって、それを傍聴するために来たのだ。なぜ傍聴できないのか」と職員に聞いた。初めて傍聴した人だった。「個人の人事案件だから」と返答する職員に、「君が代処分は単に個人の問題ではない。教育行政の問題であり、みんなの問題だ」と食い下がる。そして、非公開とできる根拠法の提示を求めた。
 それに対し、職員は教育委員会規則第13条を示した。「会議は公開する。ただし、人事に関する件、その他の事件について、委員長又は委員の発議により、出席委員の2/3以上の多数で議決した時はこれを公開しないことができる。」あくまでも、公開が原則なのだ。人事案件だから非公開と、傍聴を半ばあきらめていたけれど、「君が代」不起立処分は個人の人事案件にとどまらない。公開を要求していいのだと改めて気づかされた。

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