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2015/07/09

都庁前通信 2015年7月9日

F20150709

実教出版高校日本史
またもや「使用は不適切」通知

 「国旗国歌について、実教出版日本史の『一部の自治体で公務員への強制の動きがある』との記述は今回も変わらなかった。これは、都教委の考え方と異なる。したがって、校長の責任と権限の下、選定するよう6月26日以降通知をする」。実教出版日本史教科書を選定するなと、今年も校長に通知するというのだ。6月25日に行われた教育委員会定例会で、議題には上がっていなかったこの件が突如述べられた。
 高校の教科書採択に当たり、都道府県教委は教科書検定を通ったすべての教科書について調査研究資料を作成し、それを各学校に配布する。→その資料も参考にして各学校は生徒の実態等を考慮したうえで、使用したい教科書を選定し、都教委に届ける。→各学校が選定した教科書について都教委は検討し、採択に至る。
 このような流れで採択がなされており、日本史以外の教科書は、各学校が選定した教科書が都教委で採択されている。生徒の実態を最も知っているのは現場の教員たちという、当たり前の認識からのことである。
 しかし、都教委はこれらのことを一切無視して、都教委に都合の悪い実教を排除する。教育への支配介入は明白だ。にもかかわらず、委員からは一切の発言がなかった。委員の誰一人、教育に介入していると自覚する者はいないのか。

 実教出版日本史は、東京でもかなりの割合で採択されてきた実績を持つ。しかし、都教委は2012年、実教出版日本史を選定した学校の校長を電話で脅すなどして学校選定を変更させ、採択を「0」にした。2013年には(実教出版日本史の)記述は…都教育委員会の考えと異なるものであり、…都立高等学校で使用する教科書としては適切ではない」との通知を各校長に宛てた。こうして、2013年度以降、実教出版日本史教科書を都立校の生徒たちに使わせない、都教委の不当支配が続いている。
 「公職選挙法」改正を受けて、高校3年生で選挙権を行使できる教育環境をつくることが教育委員会の新たな仕事になったが、そのためには様々な政治的テーマについて、多様な考え方・意見を生徒たちに示して、自由に話し合える環境が不可欠になる。都教委に都合の悪い事実を高校生に隠すという都教委の態度はそれとは逆行するものだ。その姿勢は、最近の自民党若手議員の「勉強会」発言にみられる、報道に圧力をかけて、政府に都合の悪い意見を排除し、自由にものが言えない雰囲気をつくりだそうとする、民主主義の土台を掘り崩す動きに繫がるものだ。

都立中学生に育鵬社版歴史、公民教科書を押し付けるな

 来年度から4年間使用する中学校用教科書がこの夏に採択される(裏面)。都立中高一貫校及び都立特別支援学校の中学部の生徒たちは、都教委によって現在、育鵬社版歴史、公民教科書を使わされている。
 育鵬社版は、「日本は神の国」「先の大東亜戦争で戦った人たちは素晴らしい、侵略戦争と捉えるのは自虐史観だ」「南京大虐殺はなかった」という観点から記述した歴史教科書、そして、「人権を主張せず、お国のために尽くすのが美徳」と説く公民教科書である。ページ数の限られた教科書に、天皇や安倍首相の写真が随所に掲載される。
 都教委は子どもたちに、自分たちに都合の悪い情報は隠す一方で、現場の教員たちから記述の偏りが問題視されている教科書を押しつけている。この教科書を採択させようと活動している日本教育再生機構は、4月下旬から育鵬社の歴史・公民教科書の「見本本」を注文販売し、育鵬社以外の他の教科書を誹謗・中傷し続けている。その行為は独占禁止法が禁じる「不公正な取引方法」に当たるとして、子どもたちに渡すな!あぶない教科書大阪の会が公正取引委員会へ告発した。

国民主権を否定し、歴史を偽造する育鵬社版教科書を、教育委員諸氏は採択しないでください。圧力に屈した採択をしないでください。


6月25日都教委定例会傍聴報告

 公開議題は報告2件、うち1件について報告する。

2016~2019年度使用中学校教科用図書選定審議会の答申について

 都教委がすべての出版社の教科書について調査研究するよう審議会に諮問していた「教科書調査研究資料」が6月10日付けで答申された、その報告。これに基づいて都教委は都立中学校の教科書採択を行い、また、区市町村教委などの採択権者に対しても、これが十分に活用されるよう指導、助言、援助を行うとのこと。

 都教委の教育目標や基本方針、学習指導要領に基づき調査研究したものとして各教科、次のいくつかの項目が目に留まる。

1.我が国の位置と領土をめぐる問題の扱い
2.国旗・国歌の扱い
3.神話や伝承を知り、日本文化や伝統に関心を持たせる資料
4.北朝鮮による拉致問題の扱い
5.防災や、自然災害等における関係機関等の役割の扱い
6.一次エネルギー及び再生可能エネルギーの扱い
7.オリンピック、パラリンピックの扱い

 地理、歴史、公民の教科書については1~7のすべてについて教科書の記述を示す。数学、美術では5,7について。英語では拉致問題について調べている(英語の結果はどの出版社も「無」と記す)。都教委の異常なまでの執着を示す調査研究資料である。この資料に沿って都立中学校の教科書、とりわけ歴史、公民教科書が、現場担当教員の声は聴かず、都教委の権限・好みによって採択されることを危ぶむ。
  しかし、教育委員からは調査研究資料の内容についての発言は全くなかった。これに同意したということか。
遠藤委員は、「社会や理科、豪華な教科書について経済人として思うのは、1 冊いくらかかっているのかということ」
と質問(対する答えは「歴史は予定価格 1 冊 758 円」というものであった)。遠藤委員の質問は、「無償教科書に金
をかけるな」と言っているように私には聞こえた。

午後は、第1回教育総合会議

 4月から教育委員会制度が変わり、地方教育行政の基本方針を決める権限が従来の教育委員会から首長に移った
のを受けて、知事は教育総合会議を招集することができるようになった。その1回目が開催された。これまでに見
たことのない厳重な警備態勢。職員は皆、ピリピリ。傍聴受付は12:00から12:30に25階で。12:50、傍聴者は10人ずつ職員にガードされて42階へ。そこで手荷物検査をされ、控室で待機。13:30、やっと会場に誘導された。1時間の会議を傍聴するために、1時間から1時間半も待たされた。仕事に当たった職員は、これを異常とは思わなかったのだろうか。
 厳重な警備態勢で開催された会議はたいした中身のないものだった。舛添都知事の司会で、まずは、知事の挨拶。「少子高齢化社会の下、高齢出産の危険などについて教育の中で教えていきたい」などと言った。次に、木村元教育委員長が、都教委が取り組んできたことについて説明。「知事がお示しくださった重点事項は大事なことばかり」と、持ち上げ(?)た。続いて、教育委員一人ひとりが各人の考えを発表。
 乙武委員が部活動について、「教員の多忙化や部活動が体罰の温床となっていることから考えると、指導員を外部委託することも位置付けていっていいのではないか」と発言したことに対し、知事は、「私は古い人間なのかもしれないが、教育は愛情、教員が部活を担当することに意味がある」というような趣旨の発言をした。
 今日はそれぞれの考えを出し合い、次回以降、教育施策大綱の策定に入るという。閉会宣言の後、知事が部屋から出るまでは、皆動くことが禁止されていた。知事は別格か。   

■竹花委員は前回に続き、この日も定例会を欠席。しかし、教育総合会議には出席していた。
いったい、どういうこと?!

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