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2015/12/10

都庁前通信 2015年12月10日号

F20151210

子どもたちを選別する教育にひた走る都教委

――「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」、都立小中高一貫教育校構想に見る

 11月26日の教育委員会定例会で上記2つの報告がなされた。「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」は「エリート校」をさらに推進するために、一層税金を投入するというものだ。理数イノベーション校の充実、中高一貫校のうちの1校を理数アカデミー校に指定する(大学や研究機関と連携して最先端の実験・講義を受講)、進学重点校のうちの1校に医学部等に進学希望の生徒を集めて3年間一貫した育成プログラムを実施する、今年度指定した「東京グローバル10」指定校に加え、進学指導重点校や中高一貫校等から英語教育推進校を指定するなどだ。
 一方、「底辺校」では、夜間定時制高校を閉課程にしてチャレンジスクール(昼夜間3部定時制高校)及びエンカレッジスクール(定期テストはなく、やる気を評価)を拡大する、工業高校をデュアルシステム科(企業の求める人材育成)に改編する。こちらには金をかけてはいない。
 また小中高一貫校を新たに設置し、「世界を舞台に活躍できる人材の育成」を目指すという(2022年開校)。ほとんどの委員が中高一貫校を肯定しながらも「中高一貫校から育った生徒は非常にひ弱である。競争原理になじめず、ドロップアウトする生徒が生まれている。なじめなければこのカテゴリーから他に自由に移ることができるシステムを作ることが必要」との発言もあった。乙武委員は「大学進学率を度外視すべきだ」とまで発言した。中高一貫校の弊害を暗に認めていると言えるのではないか。この弊害をさらに低年齢層(小学生)まで下げるというのだ。中高一貫校で崩れた義務教育学校が、小中高一貫校になって完全に崩れることになる。
 純粋培養の学力優秀な子どもたちが歪んだ社会をつくり上げる危険は、戦前の陸軍幼年学校の卒業生(東条英機たち)に見られる。
 現在日本では、経済的に恵まれない家庭の子どもたちと恵まれた子どもたちとの教育面での格差が大きな問題となっている。母子家庭、生活保護家庭の子の大学進学率は低い。有名大学といわれる大学は高額所得者の子弟が圧倒的に多い。現在の日本で格差の拡大が問題になるなか、教育に関して、子どもたちはそのスタートから機会の平等を保障されていない。そして、都教委の進めるエリート育成コースも、乗れる子どもたちは結局、ある程度以上の経済力のある家庭の子どもたちということになるのではないだろうか。
 都教委の進めるエリート育成は、能力のある者を伸ばすというと、もっともらしく聞こえるが、実際に行われていることは子どもたちを経済成長や国力増強のための投入財・投資としか見ていないということではないか。すべての子どもたちが人間として大切され、豊かな感性を育み、人間らしく生きていくために必要な「人格の完成」という教育の目標は忘れられている。
 エリート育成コースから外れた子どもたちは、いまの日本では、はやくから非正規雇用、結婚して安定した家庭を持つことが難しく、やがて「下流老人」という陰惨な将来が見えてくるのではないだろうか。
 教育委員は定例会で「日本の子どもは自己肯定感を持つ子が少ない」としばしば発言するが、これほどの序列化をしていたら、子どもたちが自己肯定感を持ち得るはずがないだろう。
  教育委員は一言発言で済まさずに、違いをしっかり論議してほしい。論議することによって問題点が浮き彫りにされ、教育行政のあるべき姿が見えてくる。それが、教育委員の仕事のはずだ。

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