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2016年8月

2016/08/25

都庁前通信 2016年8月25日号

F20160825

相模原事件は
今の社会への警鐘 では?

 7月に相模原市の知的障害者福祉施設で19人を殺し27人に重軽傷を負わせた凄惨極まる事件が起き、容疑者の個人的性格や精神疾患、措置入院の短さ、薬物反応が取り沙汰されてきた。
 一方、容疑者は「障害者なんていなくなればいい」と言っていたという。命の価値を選別し、「劣勢」の命は淘汰して構わないとするナチス、ヒトラーの優生思想に感化されていたのではないかと疑われる。ナチスの断種法、障害者抹殺により不妊手術が行われ、障害者は「生きる価値のない存在」として「安楽死」させられた。日本でも戦争中、「障害のある子どもは有事の時に邪魔になるから殺せ」と青酸カリを手渡されたり、「穀つぶし」と蔑まされたりした。
 こうした思想や行動が出てくることについて、自らも盲ろう者である福島智氏(東大教授)は、「今の日本を覆う『新自由主義的な人間観』と無縁ではないだろう。労働力の担い手としての経済的価値や能力で人間を序列化する社会。そこでは、重度の障害者の生存は軽視され、究極的には否定されてしまいかねない」さらに、こうした「生産性や労働能力に基づく人間の価値の序列化、人間の存在意義を軽視・否定する論理・メカニズムは、徐々に拡大し、最終的には大多数の人を覆い尽くすに違いない。つまり、ごく一握りの『勝者』『強者』だけが報われる社会だ」(毎日新聞 7.28)と警告している。日本の障害者運動をリードしてきた一人、藤井克徳さんは、「世の中の“空気”が変わった時に真っ先に切り捨てられる、生きている価値がないとして『価値付け』の対象になってしまう、そういう『変化』が一番早く押し寄せるのは障害者なのだ」という。(ハートネットTV「シリーズ戦後70年」)
 翻って現在はどうだろう。障害者差別解消法やヘイトスピーチ禁止法が国会を通ったが、現実の人々の生活は命の価値を選別(差別)する中にある。経済的効率が最優先され非正規・差別賃金、子どもの6人に1人は貧困状態にある。命の価値の軽視はこの国を戦争が出来る国へと向かわせている。
 都教委の教育行政を見ても、子どもたちの「命の格差解消」「命の平等」に向き合う姿勢は弱い。「健常者」が通う普通学級から障がいを持った子どもを隔離し、特別支援学校に追いやる(このほうが、教育費が安い)。多様な価値観、生き方をみとめないような「日の丸・君が代」の強制。進学重点校等のエリート校の学校予算は、「底辺校」の金を削って増額する。夜間定時制高校は廃校にする。こうした差別を行いながら、一方で「自己責任」を強調する風潮が強められ、命に差をつける学校や社会で育つ子どもたちは、格差や差別を自然なものと認識し、自分よりも「劣勢」と見れば、排除にかかるだろう。
 都教委の要職にある人や教育委員には、この点について、まじめに論議してほしい。
 小池百合子都知事は安倍首相も所属する「日本会議国会議員懇談会」の副会長だった。日本最大の右翼団体「日本会議」は皇室崇拝、憲法改正、国防力の充実、愛国心教育の推進を掲げている。彼女は安倍政権の集団的自衛権容認につて「遅すぎたくらいだ」と支持している。このような小池知事のもとでは国防力増強のための人材育成、愛国心教育が推し進められるのではないか。小池百合子都知事には相模原事件が鳴らす警鐘にしっかり耳を傾けてほしい。
 また、小池都知事が特別秘書に任命した元東京都議の野田数氏は2012年9月、「我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」し、大日本帝国憲法の復活を求める「請願」の紹介議員となった人だ。
 私たちは、「命は平等」を教える学校教育と社会を求める。


7月28日都教委定例会傍聴報告

「あなたは民主主義社会の一員だよ」と子どもに問いかける?!

いじめ問題対策委員会答申について≫の報告から。
 都教委がいじめ問題対策委員会に、「いじめ総合対策」に示された取り組みの進捗状況の検証、評価、いじめの防止等の対策を一層推進するための方策について諮問したところ(2014年10月)、その最終答申が出され、内容について報告がなされた。
 答申をもとに、今年10月頃の都教委定例会で「いじめ総合対策  第2次骨子」を、来年2月頃の定例会で「いじめ総合対策  第2次」を策定するとのこと。骨子には教員対象の研修プログラムと子ども対象の授業プログラムを示し、教員に研修を課し、来年度から全公立学校で「いじめ総合対策  第2次」の取り組みを開始するという。
 答申に書かれたいじめ対策の一つを挙げると―
①  「未然防止・早期発見の取り組み」:スクールカウンセラーによる全員面接を小 5、中 1、高 1 で実施。
②「早期対応の取り組み」:児童・生徒のトラブルや気になる様子の情報収集、実態把握、いじめ認知、対応。
③「重大事態への対処」:いじめをきっかけとした欠席日数が 30 日を経過したら重大事態発生と捉え、組織として調査・対応する。
「児童・保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときには、重大事態が発生したものとして報告・調査に当たる。」「『いじめ発見のためのアンケート』を年間3回以上実施する」「社会全体の力を結集し、いじめ問題に対峙する。地域、関連機関との連携」等々も述べられている。

 報告を受けての木村教育委員の発言にはかなりの傍聴者がびっくり。「答申、よく行き届いている」と前置きして「(答申は)子どもの目線ではなく、指導する立場からの書き方だ。イギリスやオーストラリアの学校では、『あなたは民主主義社会の一員だよ。あなたが黙っていると何が起きるか』と問いかける。子どもの組織を作ったらいいのでは」と。答申は確かに子どもの目線ではないし、木村教育委員が挙げたような子どもへの問いかけは適切な指導だと思う。しかし、職員会議での発言禁止や「日の丸・君が代」の強制など、都教委が学校の民主主義を奪い、子どもと教職員を「黙らせ」ておきながら、よくもこのようなことを言えるものだ。
 子どもがいじめを大人社会の現実から学んでいる面があることに思いを馳せ、子どもたちに「問いかける」だけではなく、弱肉強食、上意下達の大人社会を変革することが最も大事なことだという認識からの発言は、今日も皆無だった。そこに切り込む論議が、相模原事件の解決の糸口になるはずなのに。
 また、膨大な事務量を押し付けて教員を忙しくさせ、放課後の教室でゆっくり子どもと過ごす時間を教員から奪っていることがいじめ発見を遅らせるのではないかという視点からの発言もなかった。子どもたちとの時間が確保できれば、アンケートに頼らずとも、子どもたちの様子は教員にわかるものだ。アンケート自体が密告を煽ることにつながりはしないか、とも杞憂する。

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