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2017/02/09

都庁前通信 2016年2月9日号

F20170209

■これは高校生に向けて配布しているチラシの文面です。皆さまにもお読み頂きたく、転載します。

オリンピックってなんだ!(第3弾)
オリンピックは誰のためにやるの?
ー「学習読本」は、長野五輪の問題点をなで書かない?

 「スポーツ庁の鈴木大地長官は13日、多額の維持費と老朽化が問題となっている1998年長野冬季五輪のそり競技会場「スパイラル」について、長野市の加藤久雄市長から存続に向けた国の支援を求められ、現状以上の財政支援は困難との考えを示唆した。」(2017年1月13日19時56分共同通信による)という。
 長野オリンピックから19年が経過した今も、維持費や施設の老朽化が問題になっていることは皆さんが学ぶ「オリンピック・パラリンピック学習読本」には書いてありません。

 「学習読本」に長野大会はどのように紹介されているでしょう。53ページ、85ページで「オリンピックの環境対策」「自然環境保護にも力を入れた」と題して次のように書いています。
 「1998年の第18回長野冬季大会では、『美しく豊かな自然との共存』が理念として掲げられました。競技施設は可能な限り既存の施設を活用するようにし、新たに建設する場合でも森林の伐採をできるだけ少なくしました。さらに大会後には森林の復元にも配慮しました。スキー競技のコース設定では、スキー場内にある国立公園に影響を与えないように努めました。また、開催式では、地面に落ちて水分に触れると分解される素材を使った鳩風船を飛ばし、・・・」と書き、長野オリンピックが残した問題点には一言も触れていません。

 当時、長野市民の中にはオリンピック開催に反対する人たちがいました。この人たちが配った「オリンピックいらない!宣言」の一部を紹介します。このような声から、みなさんは何を考えるでしょうか?

『オリンピックいらない!宣言』   1998年2月7日
 私たちは、「カネで買ったオリンピックで自然を破壊し、子どもたちや市民を動員し、市民生活を制限し、ばく大な借金を次世代に残してまで強行される」長野冬季オリンピックの開催に強く抗議します。
(1)  自然環境を破壊するオリンピックはもういらない!
「自然と共存するオリンピック」なんて全くの大ウソである。冬季オリンピックはたった 2 週間のオリンピックのために長野県の生態系をズタズタにし、取り返しのつかない自然破壊を起こした。IOC はテレビ・メディアに、オリンピックをより高い商品として売るために、開催地に自然破壊を強要する。
(2)  住民に財政負担を押し付けるオリンピックはもういらない!
金で買った長野オリンピックを開催するために、1兆5000億円以上の税金が使われた。しかし、その支出は大会開催の今になっても、ハッキリと住民に公開されていない。長野県の借金は現在1兆4439億円、長野市の借金は1933億円、白馬村の借金は116億3000万円である。県の借金を合わせると、長野市民は一世帯あたり355万円、白馬村民は一世帯あたり563万円と、子どもの世代までオリンピックの借金を返済しなければならない。(以下略)

 1964年の東京五輪は翌年オリンピック不況にみまわれましたが、その後も10年近く10%程度の高度経済成長が続きました。その時代とゼロから2%台の成長率が20年も続く今の違いを冷静に見つめるべきです。2020年東京大会開催費用についても、長野と同じような問題が後の世代にかかってきます。私たちは、オリンピックの華やかな部分にだけ目を奪われるのでなく、過去のオリンピック開催の問題点を広く把握し、考えることが必要なのではないでしょうか。


1月26日都教委定例会傍聴報告

■「東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画(案)の骨子に対する意見等について」
――パブリックコメントでしか発言できない教職員たち

 2004年度からの都特別支援教育推進計画(第一期)が終わり、来年度から向こう10年間の第二期に向けての計画案が出され(11月)、それに対するパブリックコメント公募(12月)の結果が報告された。
 その結果に入る前に、  第一期の<主な成果>が報告された。<主な成果>は次の3点という。

①  知的障害特別支援学校の企業就労率の上昇 35.2%(H19) → 46.4%(H27)
②  知的障害特別支援学校の普通教室数の増加 736 教室(H16) → 1,239教室(H28)
③  スクールバスの平均乗車時間の短縮 72分(H16) → 60分(H28)

 2017年度からの第二期は、「障害者権利条約の批准と関連する国内法の整備や、インクルーシブ教育システムに関する国の動向、障害者差別解消法の施行など、障害者を取り巻く環境は大きく変化。また、主権者教育の推進等の新たな課題への適切な対応が求められるほか、オリンピック・パラリンピックの開催、『2020年に向けた実行プラン(仮称)」の策定』」という状況変化に対応した特別支援教育を推進すると謳う。そして、「知的障害のある児童・生徒を中心に、今後も在籍者数の増加が見込まれる。」と言い、発達障害の児童・生徒への特別支援、副籍制度による交流(「障害のある子供たちと障害のない子供たちの相互理解や、思いやりの気持ちを育て、将来の共生社会を実現するための取組」)や「視覚・聴覚障害特別支援学校における進学指導の充実」などの「キャリア教育の充実」、そのための「専門性の高い教員の確保・育成」等を挙げる。

 インクルーシブ教育、共生社会と言いながら、どの子も一緒に育つという発想が都教委には(文科省も)ない。報告者は、「副籍制度による交流をする際に、偏見を取り除くよう指導が必要となる」と言ったが、偏見の原因がどこにあるかを都教委は考える必要がある。また、日常的に分離しておいて、年に1度か2度の交流をすることで共生社会の実現に向かうかを考える必要がある。
 障害のある子どもたちと障害のない子どもたちの分離を基本にしていれば、障害のある子に対する理解が生まれにくいこと、偏見が生じることは明らかだ。障害のある子どもを分離しないで、ともに遊び学び、生活していけば、お互いの理解が深まり、思いやりの気持ちが育つはずなのに、学校(=生活空間)を分けられていては、その心の育つ環境が奪われる。相模原事件の背景に、障がい者を分離・隔離してきたこの社会の関係することが指摘されてきたのに、都教委はそこを考えようとしない。それは、差別解消を本気で考えてはいないということだ。文科省や都教委が学校を分けるのは、その方が安上がりだからか。

 さて、寄せられた意見は303件。そしてそのうち何と、学校関係者が158件と半数以上あった。
 「学校関係者が158件」について、「現場の声を吸い上げるのができていないということ。都教委は日頃から現場の声を聞く努力をしてほしい」(山口委員)と発言があった。それは正しい指摘であるが、現場の声を吸い上げなくなった原因が何にあるのかを問題にしてほしかった。
 2006年に都教委が「職員会議での採決禁止」を出して以来、東京の公立学校では教職員が議論を重ね、総意としての意見・要求を校長が都教委に持っていくという、それ以前は普通に行われていたことが全く行われなくなった。また、主任制度などで強化された管理体制の下での教員たちは、都教委の考えに反対する意見を言えば、業績評価に影響するかもしれない、とも考えるだろう。そうしたことから、現場の教職員はパブリックコメントとして意見を寄せるしかなかったのだろう。教育委員にそこを考えてもらえたら、都教委の学校支配の酷さが垣間見えたのではないかと思った。

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