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2017年10月

2017/10/26

都庁前通信 2017年10月26日号

F20171026

福井中2生自殺から都教委が学ぶべきは

 今年3月、福井県池田町の中学2年の男子生徒が自殺した問題で先日、町の調査委員会が報告書を出し、この問題について市民の知るところとなった。
 担任らの強い「叱責」を目撃した生徒たちは調査委に「身震いするくらい、すごい怒鳴っていた。かわいそうに感じた」等と証言。こうしたことから報告書は、管理職や他の教員も問題を知っていたのに「適切に対応しなかった」と結論づけ、自殺の原因は「担任や副担任から厳しい指導、叱責を受けた精神的ストレス」と報告した。
 報告書が出されたのは、ご遺族が、ただただ「真実を知りたい」と思って学校や教育委員会に訴えたことによってだった。ご遺族は、「3月、4月と、学校、教育委員会との関係も修復し難い状況に陥り、町長、県庁、文部科学省など、いろいろな方に相談しました。どこの機関に相談しても、状況は改善されず、途方に暮れるばかりでした。・・・議会で報告するという教育委員会の話を信じ、調査に協力しましたが、先月27日の議会で発表されることはなく、裏切られた気持ちが今回もまた、大きくなったのは事実です。」(お母さんが、保護者会で公表された手記から)と、関係機関が当該生徒やご遺族の思いを大事にしなかったことを指摘。また、報告書が「叱責」としたことについて、「私達遺族は、叱責ではなく『教員による陰険なイジメであった』と理解しています」と指摘する。
いま中学生の自殺率は増加傾向にある。今回総選挙で争点にならなかったが、安倍政権下の教育は子どもたちの将来を左右する大きな問題を孕んでいる。
 報道に接した私たちは、自殺に追い込まれた生徒やご遺族の気持ちを推し量り、関係機関の対応について批判的に学ぶべきと思う。学校は子どもたちが受け止め考えられるように投げかけてほしい。また、都教委は他県のこととせず、自分の足元で起きている小山台高校生の件に誠実に向き合ってほしい。

都教委、小山台高校生の自殺調査結果の再調査は?
――「いじめがあったと判断することは極めて困難」は事実なのか

 2015年に自殺した都立小山台高校の男子生徒へのいじめの有無について、都教委は今年9月、「LINE」や「ツイッター」への書き込みや、生徒が級友から体形をからかわれたと母親に相談していたことなど、いじめを疑わせる5つの行為について検討し、「いじめがあったと判断することは極めて困難」とする調査結果を公表した。 
 報告書を受け、ご遺族は「調査が不十分」として、小池百合子知事宛てに再調査を求める意見書を提出。都は、報告書の内容を精査した上で、再調査するかどうかを決めるとのこと。(東京新聞 17.9.26)
 「調査が不十分」とご遺族が感じたのは、これまでの学校や都教委の対応にもあっただろう。同校が生徒に対し行なった調査はご遺族が要望したいじめに関するものではなく「心と身体の健康調査」であったり、都教委は「中間報告をしてほしい」というご遺族の要望を受け入れなかったり。何とかして真実を知りたいと思われたご遺族は都(教委)に開示請求をしたが、「調査中」であることを理由に、黒塗りで開示されたというのだ。(「週刊女性」 16.12.06)


10月12日都教委定例会傍聴記
「雪谷高校定時制の募集継続を求める請願」を不採択
教育委員宛に請願書を送ったことを
「ルール違反」と教育委員

 都教委は16年2月に夜間定時制(小山台、雪谷、港北、立川)の廃校を決め、来年度は雪谷高校定時制で募集を停止、港北高校定時制で1学級減の1学級の募集とする。昼夜間定時制・チャレンジスクールの夜間部募集を増やす(六本木、大江戸、桐ヶ丘)。これらの提案が承認された。他方、「雪谷高校定時制の募集継続を求める請願」が出されていたが、その請願は不採択にされた。

***** ***** ***** *****

 請願理由には次のように書かれている。
 「貴教育委員会は・・・雪谷高校定時制を『2年続いて入学者が10名未満で、以後回復の見込みなし』との理由で、・・・募集停止とするとしました。」「高校卒業資格は自立して生きていくためには必要不可欠な資格です。・・・チャレンジスクールは競争倍率が高く、学びのセーフティネットにはなりません。」「ハードルの低い学びの場、就職し自立への道につながる学びの場である夜間定時制高校が存続できるよう一層のご尽力をお願いします。雪谷夜間定時制高校の募集状況は、昨年度5名、今年度は3次募集終了現在9名まで回復しています。『回復の見込みなし』と断定できる状況ではありません。」
 この請願に対する都教委の回答は、「雪谷高校定時制課程への入学者数は、10人以下の状況が続いており、今後とも応募者の増える見込みは薄いと考えます。このため、東京都教育委員会は、・・・チャレンジスクールの新設やチャレンジスクールと昼夜間定時制高校の規模拡大を行い、その進捗や夜間定時制高校の応募倍率の推移などの状況を考慮しながら、雪谷高校の夜間定時制課程を閉課程し、都立高校定時制課程の改善・充実を進めていきます。」「雪谷高校の定時制課程の閉課程に当たっては、大崎高校、大森高校、松原高校、桜町高校、六郷工科高校普通科などの周辺の夜間定時制課程において、・・・希望する生徒を受け入れていきます。」というもの。
 遠藤教育委員は「言われることはわかるが、プライベートに個人に手紙を出すのはルール違反」と発言した。請願者が都教委窓口に請願書を出す以外に、各教育委員宛に手紙を出したことがルール違反だと言う。
 4校の存続を求める署名6万筆が提出されても、署名や苦情等が届いたことを事務方が教育委員に知らせるのは、年に2回。その都度ではないのだ。そこに問題があるのだ。請願者を非難するのは筋違いだ。遠藤発言にほかの教育委員が異論を出さなかったということは、同じ考えなのだろうか。なんとしても学びのセーフティネットを残さねばとの必死の思いからの教育委員宛の手紙に対して、痛みを感じ寛容な受け止め方ができないのか。
 セーフティネット・代替措置について都教委は、「周辺の夜間定時制課程において受け入れる」と言う。しかし、例えば、都教委が代替として示す松原高校までの所要時間は雪谷高校を起点に公的交通機関を使って1時間以上、更に遠方から通わざるを得ない生徒が出るだろう。これでは代替措置にはならない。
 なお、「代替措置は万全と考えていいか」(宮崎教育委員)の質問に事務方は、「近隣で受け入れることができる。
通学に時間がかかる場合には、補講とかを考える。」と回答。本当に教育委員たちは「代替措置は万全」と考えるのか、聞きたいものだ。こうしたやり取りの中で「嘘言っている」と傍聴者のつぶやきが聞こえてきた。事務方あるいは教育委員の発言に、「嘘」と思われたのだろう。
 夜間定時制の生徒たちの学びの場を奪うことには憚らず、比して、成績優秀の生徒については年間200名の高校生を80万円のみの自己負担(通常300~400万円かかるところ)で1年間海外留学をさせている。ここにあるのは、弱者を切り捨てる強者の論理。社会の分断、格差を拡大するようなこの論理で教育行政をしてはならない。

通信へのリンク



2017/10/12

都庁前通信 2017年10月12日号

F20171012

アメリカ・プロスポーツ界がトランプ大統領に抗議し
国歌斉唱拒否、続々

  昨年8月、アメリカプロフットボールリーグ(NFL)のスター選手・コリン・キャパニック選手が黒人に対し警官が射殺する事件が起きていることに抗議し、「黒人や有色人種を抑圧するような国の国旗に敬意は払えない」と試合前の国歌斉唱セレモニーで起立を拒否した。これに対して、後に続く選手が出たり、オバマ大統領(当時)が「彼の真摯さを疑っていない」と擁護したりするなど、全米で論争が広がっていた。
  それに焦りを感じたのか、トランプ大統領は9月22日に行った南部アラバマ州での支援者集会の演説で、国歌斉唱の際に起立しないNFL選手を非難し、オーナーに対してもそうした選手は解雇すべきだと強く求めた。さらにツイートで、「もし選手がNFLやその他のスポーツ・リーグで何百万ドルも稼ぐ特権を手にしたいなら、我々の偉大な米国旗(や国)への不敬は許されてはならない。国歌には起立すべきだ。そうしないなら、お前はクビだ。何か別のことをしろ!」と書いた。
 トランプ発言に怒り、各地の試合で、試合前の国歌斉唱で膝をつき、腕を組むなどして起立を拒否する選手が相次いでいる。23日にはプロ野球・メジャーリーグ(MLB)で、オークランド・アスレチックスのブルース・マックスウェル選手が、国歌が演奏された時に膝をついた。メジャーリーグでの国歌斉唱拒否は初めてという。24日にはNFLの選手多数が試合前に国歌が演奏された際、ひざまづいたり、腕を組んだりして斉唱を拒否。抗議を示したのは選手だけではなかった。デトロイトであったアトランタ・ファルコンズ対デトロイト・ライオンズの試合前には、両チームのオーナーが選手たちと腕を組んで国歌斉唱を拒否した。国歌をマイクで歌うはずだった地元の歌手も膝をついてしゃがみ込み、マイクを握る右手を突き上げた。プロバスケットボールNBAの優勝チームも、NFL選手への支持表明を機に、予定されていたホワイトハウス表敬訪問を取りやめた。
 「国旗(や国)への不敬は許されてはならない」(=「国旗に敬意を払え」)とのトランプ発言に、意見表明・反撃が続出している。

■都教委が行う「君が代」不起立処分はトランプ発言と同じ

 「国旗(や国)への不敬は許されてはならない」。トランプ大統領のこの考えは、卒業式・入学式での「日の丸・君が代」の子どもたちへの刷り込みとそのために「君が代」起立を拒否した教職員を処分する都教委の考えと同じ。また、昨年7月に開かれたリオデジャネイロ・オリンピックの代表選手団の壮行会で、「国歌を歌えないような選手は日本の代表ではない」と言った、森喜朗・2020 年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の考えも同じだ。
  トランプ大統領は国連演説で「北朝鮮を完全に破壊する」と威嚇した。呼応するように、安倍首相は「対話は無に帰した。…必要なのは行動だ」と制裁と圧力強化を強硬に主張した。これに対し、韓国の文在寅大統領、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領はあくまで対話と外交による解決を主張した。
 政府は、Jアラートを連発し、子どもたちを避難訓練に駆り立て洗脳している。加計・森友隠しのため解散し、北朝鮮を仮想敵国に仕立て上げ、「国難来る」と危機を煽り、北朝鮮問題を選挙に利用する首相。この首相のもとで、子どもたちへの「君が代・日の丸」の強制、「愛国心」の注入の先に見えてくるのは「戦争への道」だ。私たち「国民」は、「国を愛するのは当たり前」とするのではなく、権力者がなぜ仮想敵国をつくり「愛国心」を声高に叫ぶのか、冷静に考える必要がある。


9月14日都教委定例会傍聴報告

都教委はいじめ調査から学ぶ機会を提供すべきだ

 公開議題(報告)は①《来年度都立高校入試について》と②《公私連絡協議会の合意事項について》のみ。
①《来年度都立高校入試について》
第一次募集においてインフルエンザ等の感染症で受検できなかった生徒に対し、手続きを経て追受検できるようにするなどの変更点6点について。今後、中学校3年生・保護者等に説明会を開く。
②《公私連絡協議会の合意事項について》
「都立高校受け入れ生徒数を59.6%、私立高校受け入れ生徒数を40.4%」としていることから来年度の受け入れは、都立が41800人、私立が28500人となる。これは、毎年この時期に確認・合意されていること。

 「次回第4週は議題がないので定例会はなし」と提案がされ、教育委員はそれに同意。10時5分に始まった定例会は、これで終わった(10:25)。
 そのあとは非公開議題で、議題は次のように書かれていた。

議案:教員等の懲戒処分等について(4件)
報告:いじめ防止対策推進条例第11条第4項に規定する調査について
        教員等の懲戒処分について

 議案となる懲戒処分は停職・免職の案件、報告となるのは戒告・減給の案件である。体罰等、犯罪とも言える行為が何と多いことかといつも思う。学校は安全な場所とはいえないということか。

 「いじめ…調査について」の非公開議題は今年度すでに3回目。
 いじめ防止対策推進条例第11条第4項は次のように規定する。
 「対策委員会は、都立学校において法第二十八条第一項に規定する重大事態が発生した場合には、同項に規定する組織として同項に規定する調査を行い、その結果を東京都教育委員会に報告するものとする。」
 9月13日付東京新聞が2年前に自殺に追い込まれた小山台高校生のことを報じた。そこに「16年1月25日  都教委が調査部会を設置/17年9月  都教委が調査報告書を公表」と経緯が書かれていたことからすると、非公開報告議題はこの調査報告なのか?
 東京新聞は「調査開始から一年七カ月が過ぎ、母親は『その間、中間報告もなかった』と話す」とも報じている。
なお、都教委はこの件に関し、26日「いじめと判断は困難」と調査結果を発表。母親は「非常に不公平な記載で、この結果では息子に見せられない」と再調査を求めていく考えを示した。
 いじめは個人だけの問題ではなく社会のありかたが問われているのだから、個人情報ではあっても隠して済ませてはならない。都教委は当該の保護者と話し合い、全都の学校に丁寧に報告をしてほしい。そして学校は教員や子どもたちが事実を受け止め、考えることができるよう働きかけてほしい。個人情報だとして事実を秘密にしてしまえば、いじめの解決にはつながらない。

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