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2017/11/09

都庁前通信  2017年11月9日号

F20171109

都教委、養成・採用から退職まで「教員の規格品づくり」を打ち出す
――これでは子どもたちの関心・好奇心には応えられない

 10月26日の都教委定例会での報告を聞いて暗たんたる気持ちになってしまった。都教委の教員支配はここまできてしまったのかと。
 「東京都の教育に求められる教師像」に近づくべく、全教員に教員であるかぎり研修をさせるという「平成30年度年度東京都教員研修計画」、及び、東京都の教員になりたい学生に対し、教員養成段階で教えてほしいことを大学に提示する「東京都教職課程カリキュラム」の2つ(裏面で後述する)を策定したとの報告。2つをセットとして、養成・採用から退職に至るまで、都教委の求める教員の「規格品」づくりをするということだ。前者は2008年度から、後者は2010年度から始まってはいたが、いよいよ完成版である。
 社会科教科書は「政府見解」を記述しなければ教科書検定を合格にさせないとされ、「愛国心」を教え込む道徳が教科とされ、そして教員が都教委の推奨・指定する研修機関で「研修」を受けさせられ続ける。子どもたちが「日の丸・君が代」を教え込まれてきたように、今度は「研修」によって全教員に都教委・文科省の考えを刷り込むというのだ。学校は、子どもたちの学ぶ意欲に応える場であるよりも、国の考えを刷り込む場になってしまう。
 戦後の教育は、国の考えを刷り込んできた戦前の教育の反省に立ち、教員が自由でなければならないとし、研修についても、官製研修と民間教育団体の研修、個人研修とを差別しないことが日教組と文部省(当時)・各県教委との間で取り交わされてきた。そして教員は子どもたちが夏休みの期間中、それぞれが必要とする研修に取り組んできた。長期にわたる研修によって知識や見聞を深め、授業づくりに活かすことができた。また、かつての都教委は各学校が職員会議の決定によって教育活動・授業づくりを行うことを認めていたから、学校・各教員は子どもたちの声に応えた教育活動が可能だったのだ。このような教員たちの自主的な研修は海外からも高く評価されてきた。
 国の考えを子どもたちに刷り込むために、教員を調教する「東京都教員研修計画」及び「東京都教職課程カリキュラム」に私たちは反対だ。


10月26日都教委定例会傍聴報告

 ①②をセットとして、養成・採用から退職に至るまで、都教委の求める「教員の規格品づくり」をしようとする。

①2018年度東京都教員研修計画の策定について

 7月27日の定例会において、「教育公務員特例法の一部を改正する法律」(文科省2016年11月)を受けて都教委は職層(教諭、主任教諭、主幹教諭・指導教諭、副校長、校長)に応じて身につけるべき能力「資質の向上に関する指標」を事細かに羅列した。これをリーフレットにして学校及び教員養成大学に配るとのことだった。この「指標」に基づき今回、次のような「教員研修計画」(「学び続けよう、次代を担う子供たちのために」)が出された。
 「OJT」(「On the Job Training」=日常的な職務を通して、必要な知識や技能、態度などを、意識的、計画的、継続的に高めていく取り組み)、「Off-JT」(職場以外の研修機関での研修)、「自己啓発」の3本柱により、「東京都の教育に求められる教師像」に近づくべく研修計画を立てる。職層ごとに求められる能力や役割、それを達成するための OJT、Off-JT をこと細かに示し、それをもとに各人が「マイ・キャリア・ノート」にキャリア計画・研修計画を立案する。「マイ・キャリア・ノート」は管理職が見て各教員の人材育成に取り組むという。
 研修とキャリア・アップとで教員はがんじがらめにされる。逸脱は許されない。
 これに対し、教育委員の多くは「非常に明確に示されている」(北村教育委員)等、絶賛ないしは同意した。山口教育委員だけは、「多忙な上に、またかと、負担に教員が思う、押し付けられていると感じるのではないかと心配だ。研修では、教員が抱えていること、生の声を聞くことも入れたい。教員のやる気をどうやって引き出すかが大事だ」と、「研修計画」に反対はしないものの、懸念を示した。
 都教委がこうした「教員の人材育成」に乗り出した最初は、人事考課制度(1999年)だった。各教員は「私は○○に頑張ります」「○○を達成できました」と自己申告書を提出させられ、校長が業績評価をし、その評価が賃金に反映される(2006年)ようになった。その頃から、休職者が増えたように思う。
 利益を上げることが目的の民間企業が取り入れているこうした社員教育体系や人事考課制度・成績査定の手法を真似た制度は学校という教育の場には合っていない。学校という場で求められるのは、教員と子どもたちのふれあい、自由に発言できる職場と教員集団の協業だ。職層を分化し給料で差別し、教員たちの垣根をつくり、都教委の意向に従順な教員の規格品をつくっても自主的に考え、自立した子どもたちは育っていかない。
 教員を都教委のコマとしか見ない、官製研修を強化したところで、教員の休職や体罰、わいせつ行為等が少なくなるとは思えない。都教委が教員管理を止め各学校・教員組織に決定権を戻すことこそが必要なのだ。

②東京都教職課程カリキュラムの策定について

 「東京都の教員を目指す学生が採用段階で身につけておいてほしい資質・能力を具体的に各大学へ提示し、採用後の研修内容等との連携をより深めていくことで、『養成』『採用』『研修』段階が一体となって若手教員の人材育成を図る」のが狙い。これまでは小学校教員に限定して「カリキュラム」を策定し大学に提示してきたが、今後は中・高の教職課程にも拡げるという。
 93ページに及ぶ「カリキュラム」を総覧すると、都教委の進める教育施策が見てとれる。「世界で活躍できる人材の育成」「道徳教育の充実」「キャリア教育の充実、防災教育の充実」「不登校対策」「オリンピック・パラリンピック教育の推進」と並ぶ。採用試験にも反映させるかも。都教委は大学教育にまで介入し、国の意向に沿った教員づくりをしようとしている。看過できないことだ。

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