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2018年3月

2018/03/22

都庁前通信 2018年3月22日号

F20180322

森友文書の闇―責任は部下に、
子どもたちには道徳教育

 安倍首相は昨年2月17日の国会で「私や妻が関係していたということになれば、私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」と答弁。財務省は2月下旬から、森友関連決裁文書から安倍首相、昭恵夫人の名前などを消すなど改ざんを始めた。改ざんは14文書、300カ所に及んでいる。こうした中、今月、森友学園への国有地売却担当部門の近畿財務局職員が自殺した。8月に親族に「月残業 100 時間が続き、つらい、常識が破壊された」と話していたという。
 決裁文書の改ざんが発覚し、麻生財務大臣は「佐川がやった」と「佐川」を連発。佐川・前国税局長官に責任を押し付けている。こうした組織のトップが部下に責任を押し付ける麻生氏の態度には、財界首脳からも「民間企業ではありえない」と批判の声が上がっている。
 政府は今年度から小学校で「道徳」の教科を始める。政府・文科省は子どもたちに道徳を説く資格があるのか。

■森友の小学校開設に、戦前回帰の教育の復活を狙った安倍首相

 昭恵夫人は、2015年9月5日に森友学園の小学校の名誉校長に就任。安倍首相は「妻から森友学園の先生(籠池氏)の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いている」「(籠池氏は)私の考え方に非常に共鳴している方」(衆院予算委員会、昨年2月17日)と発言し、問題が発覚するまでは森友学園の小学校建設に大変意欲的であった。
 森友学園が経営する塚本幼稚園では、「教育勅語」を暗唱させ、運動会で「大人の人たちは、日本が他の国に負けぬよう、尖閣列島・竹島・北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が、心改め、歴史でウソを教えないよう、お願い致します」「安倍首相ガンバレ!安保法制国会通過よかったです!」と園児たちに言わせていた。安倍首相は、この教育を、森友学園の小学校をそのモデル校として全国に広めたかったのだ。近畿財務局が9億5600万円の土地を、約8億円値引きし、1億3400万円で森友学園に売却したのは、「安倍昭恵夫人」=安倍首相の関与があったからこそのこと。官邸の意向に官僚が動かされ、忖度を求められた結果が今の事態を招いた。
 安倍首相は第一次政権の2006年、教育基本法を改定した。子どもたちを戦場に追いやった戦前の教育の反省に立つ教育基本法を、「我が国と郷土を愛する態度を養う」という愛国心や、「公共の精神」という規範意識を盛り込んだ教育基本法に変えた。政治が教育に介入しやすくするための改定だった。戦争法(安保関連法)を成立させ、改憲を目論む安倍首相は、真っ先に教育に手を付けたのだ。「戦争ができる国」に変えていくため「愛国心」を持った、進んで戦場に行く「国民」づくりを学校教育に求めたのだった。子どもたちに対する君が代・日の丸の強制はこれにつながるものだ。

■道徳の教科化は修身の復活

 第二次安倍政権は次々に教育に介入してきた。社会科教科書の採択基準に「政府見解がある場合は記載すること」を加えた(2014年)ことにより、現行の社会科教科書は「(北方領土を含め)領土に関する記述量は倍増した」(文科省)。関東大震災時の朝鮮人の死亡者数などで、国際社会に通用しない歴史認識が記述されることにもなった。また、道徳を教科に格上げし、評価することを始める。子どもたちは、国民主権、基本的人権の尊重、思想・良心の自由等の観点から色々な考え方を尊重するのではなく、教科書に書かれた考えを「正解」と受け取るようになる。修身教科書で「お国のために」と育っていった戦前の子どもたちの再生産を、安倍政権は行おうとしているのだ。
 公文書改ざんまでして国家犯罪をはたらく安倍政権・文部行政に、「道徳」を言う資格はない。

■社会(組織)を良くするためには、声をあげること。国や都に、そして仕事の中で声を上げていきましょう。


3月8日都教委定例会傍聴記
「国際理解教育」=英語教育?

 報告は、都独自の英語教材「Welcome to Tokyo」Beginner 及び日本語版について。
 2016年度より都教委作成の「Welcome to Tokyo」(小学5,6年生用、中学生用、高校生用)を使った授業が各学校で行われている。新学習指導要領は2020年度から小学校で、21年度から中学校で、22年度から高校で本格実施となる。ただし、安倍政権が目玉とした教科「道徳」は前倒し実施で、小学校は2018年度からとされた。
 本格実施前2年間は移行期間とされるが、小学校英語も移行を急がされている。2018度から都教委はそのための英語教員を安上がりの非正規で採用する。また、都教委は小学3,4年生用の「Welcome to Tokyo」を作り、子どもには冊子を、教員には指導書と DVD を3月中に配る。新年度からそれを使った授業が各学校で始まる。3,4年生用以上の「Welcome to Tokyo」3冊については日本語版を作り、姉妹校や国際交流を行う学校、海外から来た子どもにも配るという。
 小学校英語が、子どもたちの負担になるだろうこと、「落ちこぼれ」にさせられることがとても気になる。また、前のめりの英語教育で、本当に子どもたちに英語教育ができる人材が確保できるのだろうか。

 英語教材「Welcome to Tokyo」を使った授業の狙いは、次の3つという。

ア.日本・東京の文化、歴史等の理解の促進
イ.英語によるコミュニケーション能力の伸長
ウ.オリンピック・パラリンピックに向けた国際理解教育の推進

 小池都知事は、毎年9月1日に市民団体等で構成する実行委員会が行ってきた「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式」への追悼文の送付を昨年、やめた。歴代都知事ではじめてのことだった。歴史修正主義者であることをもろに見せつけたこの人が言う「国際理解」とは、「文化、歴史等の理解」とは何なのか。きれいなことばを表看板に、それとなく「日本ファースト」の差別意識・歴史歪曲の刷り込みが、ここでも進むのではないかと考えるのは、考え過ぎか。
 国際理解と言うならば、Jアラート訓練等で対外危機や朝鮮民主主義共和国に対する敵がい心を煽るのではなく、対話外交を進めようとする国際社会に学ぶべきだ。大人社会が次世代に残すべきことは、戦争をしない=命を大事にするということ。国際理解教育は、その一環として必要なのだ。英語教育=国際理解教育ではない。


「東京2020大会マスコットがついに決定!

 都内全ての公立小学校(部)が投票に参加しました!」と都教委ホームページに掲載されている。
 クラス1票の投票に、全ての小学生が参加させられた。投票に際し、教員はどのような説明をしたのだろうか。オリンピックや東京2020大会に反対する人がいることや、したがって、クラス投票への参加もあなたの判断で良いということを説明したのだろうか。
 都教委は子どもたちにオリンピックの刷り込みをしないでもらいたい。

通信へのリンク



2018/03/15

「ハンセン病から考える人権教育~道徳教科化のはざまで」

2017.12.3
河原井さん根津さんらの「君が代」解雇させない会学習会
シリーズ「今学校は?」 第1回

「ハンセン病から考える人権教育~道徳教科化のはざまで」

宮澤弘道さん (小学校教員)
中野区立商工会館にて

講演録へのリンク



2018/03/14

解雇させない会ニュースNo.64

Newsno64

「newsno64.pdf」をダウンロード


解雇させない会ニュース一覧表
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2018/03/08

都庁前通信 2018年3月8日号

F20180308

いつまでやるのか?!
卒業式での「日の丸・君が代」の
子どもたちへの刷り込み

 卒業式・入学式で「国歌斉唱」がなされるのは当たり前と受け取っている方も多いかと思いますが、今から20年ほど前の、東京の公立学校の卒業式・入学式の式次第には、「国歌斉唱」を入れない学校が多数ありました。それが、都教委の「指導」介入によって「国歌斉唱」が式に入れられ、2003年からは「君が代」不起立の教職員を処分することが始められました。この14年間に482名の教職員が不起立処分を受けています。当会の河原井・根津はすでに定年退職をしていますが、現役であった時に、「君が代」起立を拒否し続けてきました。
 なぜ、処分を覚悟してまで「君が代」起立を拒否するのでしょう。
 「日の丸・君が代」は、戦前の学校教育において子どもたちに「天皇陛下の御為に命を捧げる」という考えを植え付け、子どもたちを戦場に駆り立てることに利用されました。「敵軍を追ひはらって、せんりゃうしたところに、まっ先に高く立てるのは、やはり日の丸の旗」(1942年発行  国民学校初等科修身1)。
 こうした事実からも、今なお、「日の丸・君が代」には否定的な考えを有する人が相当数存在します(2005年の朝日新聞、東京新聞の調査では、都教委が進める「君が代」不起立処分に反対する人は6割)。1999年に国旗国歌法が成立した際に、「日の丸・君が代」については国民の間にさまざまな考え方があることから、「強制はしない。今までと変わるものではない」と国会答弁がされたのも、こうした理由からでした。
 しかし、都教委は、人々の間で意見の分れる「日の丸・君が代」について、子どもたち自身が考えるような授業をおこなうことを教員に事実上禁止した上で、子どもたちに「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱」させて、一方的に、これらを尊重する態度を身につけさせようとしています。そのために「教員は率先垂範せよ」と「君が代」起立の職務命令を校長に出させてきたのです。「日の丸・君が代」を拒否する人々(子どもたちも含まれます)がいる中で、学校が「日の丸・君が代」の尊重という国家の価値観を子どもたちに教え込むことは、戦前の教育の復活です。
 学校・教員の仕事は、子どもたちが事実や知識をもとに自分の頭で考え判断する人間に育つよう、働きかけや支援をすることです。「日の丸・君が代」についても、子どもたちが考え判断できるよう、学習の機会を与えねばなりません。「君が代」起立を拒否した教員たちは、それとは正反対の、「考えずに指示命令に従うこと」を子どもたちに教えてはならない、それに加担してはならないと考えたのです。このことは、処分された482名の教職員に共通した思いです。

「戦争する国」に突き進む安倍政権の文部行政で

 古今東西、軍隊が兵士に要求する最も大切な資質は、「考えずに命令に絶対服従すること」です。安倍内閣は、2015年に安保関連法(戦争法)を強行成立させ、防衛費は安倍2次政権で6年連続の増額、本年度は5兆円を超え史上最高の規模になりました。
 文部行政では、社会科教科書検定で、「領土」や南京大虐殺・戦後処理等について、国際社会の認識と異なる「政府見解」を記載することを義務付け、道徳の教科化で実態として戦前の「修身」の復活を狙っています。このような国の価値観の植え付けは、子どもたちを戦場に向かわせることにつながっていきます。
 こうした中にあって、「日の丸・君が代」の強制は子どもたちを戦場に向かわせる、その第一歩であったと痛感します。「子どもたちを再び戦場に送らない」。これは、戦後の教員たちの仕事に対する決意でした。いま再び、戦場に子どもたちを送ろうとする政治状況にあって、教員は、子どもたちを戦場に送ることに繋がる仕事の一切を拒否していくべきです。  教育庁で働く皆さんにも、心していただきたいです。


2月22日都教委定例会傍聴記
公開議題から以下の2件を報告します。

教育委員も子どもたちにしっかり向き合っているとは思えない

▼学校における児童・生徒の自殺対策の取組報告と「都教委から子供たちへのメッセージ」について

 都教委は、「学校における児童・生徒の自殺対策の取組」及び授業で活用できるDVD教材「SOSの出し方に関する教育を推進するための指導資料」を作成し、3 月上旬に都内全公立学校に配布するという。また、適切な援助希求行動ができるようにすることを目的に、都教委から公立学校の児童・生徒に対してメッセージを伝えるとのこと。「自分を大切に  友達を大切に」という題で、「つらい思いをして苦しい時などは、信頼できる大人が身近に必ずいるので相談してほしい。」というメッセージ。都教委HPに掲載するとともに、学校だより等を通じて、全児童・生徒に渡るようにするという。
 事務方も教育委員も、自殺に追い込まれていく子どもたちにこのメッセージが届くと本気で思っているのだろうか?いじめによる自殺が全国的に後を絶たない。子どもたちが教員に隠れていじめをしても、子どもたちと直接に接している教員に、そのいじめがわからないはずはない。しかし、「いじめはなかった」と学校は報告する。虚偽の報告をするのはなぜなのかを、都教委事務方及び教育委員は現場に足を運んで声を聞き、真剣に論議してもらいたい。いじめが発覚すれば教員の業績評価を下げられるからか、いじめに気づく時間的・精神的余裕が教員になかったのか、等々。それなくしての「子供たちへのメッセージ」は、虚しい。

▼今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果についての報告

 小学5年生と中学2年生の体力・運動能力の結果は、中学生の都道府県別順位が下位であるものの、向上している。体力向上及び健康教育の研究指定校(小学校20校、中学校62校)の平均点は、都の平均を上回る。そこでは、「家庭との連携、地域人材の活用等、外部と連携した取組」をしたという。

▼家庭との連携、そして自殺対策??…雑感

 7人に1人の子どもが貧困に置かれている中、都教委は「家庭との連携」を掲げる。「家庭が大事」というならば都教委は、保護者が2つも3つもの仕事を掛け持ちしなければ子どもを食べさせることさえできない状況があることにもっと目を向けて、解決するための働きかけもしてほしい。そういうことをしたうえでの、「家庭との連携」ではないのか。憲法が保障する生活環境を子どもたちに提供する責務が行政・教育委員会・各教育委員にはある。
 また、学力テスト、体力・運動能力調査で得点が低い子どもは、「向上」のために休み時間や放課後に努力を課せられる。「平均点を下げるな」といじめられもする。寛容さがなくなった学校に通うことの辛くなった子どもが、SOSを学校や教育委員会に出すだろうか。子どもたちの声に耳を傾けないままの「都教委から子供たちへのメッセージ」は、「やってます」をアピールするためだけの、うわべだけの施策となってしまう。


3月14日に全国Jアラート情報伝達訓練

 「北朝鮮が戦争を仕掛けてくる」と恐怖心を煽るためのJアラート訓練に、子どもたちを巻き込まないよう、都教委は対処すべきです。子どもたちに根拠のない敵がい心を植え付けてはなりません。


 都立高校の卒業式の真盛り。「日の丸・君が代」の強制に反対する市民が毎年、卒業式当日の朝、校門前でチラシを撒いています。当会もその行動に参加。「流されずに、自分の頭で考え判断して生きていってほしい」と願って。

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