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2018/04/26

都庁前通信 2018年4月26日号

F20180426

都教委の性教育に対する『是正指導』
―是正すべきは都教委の意識だ

 足立区立中学校が3月に行った性教育の授業に対し、自民党の古賀都議が問題視したのを受けて、都教委は「学習指導要領」にない『性交』『避妊』『妊娠中絶』のことばを使った授業は中学生には不適切」として当該中学校を指導し、全都中学校校長会でも指導していくとした。都教委の見解に対して、性情報が氾濫する中、子どもたちが自身や異性のからだについて知り判断できるよう正確に教えることが不可欠である、都教委の対応は教育への介入であるとの声が新聞紙上等でたくさん出されてきた。
 こうした批判・抗議に対し、都教委の中で子どもたちが置かれた現実をよく見たうえでの、論議や学び直しがあるとは聞こえてこない。都教委は、現実をよく見ない「是正指導」をするのではなく、実情にそくして自らの意識こそ「是正」してほしい。

福田財務次官のセクハラ発言を巡る性意識

 週刊新潮の報道に、逃げ切れないと判断したのか、福田財務次官は辞任した。財務省が「被害者は申告を」と呼びかけたことに対し、自民党内からも批判が出たのは唯一の救いか。しかし、麻生財務相は「双方から事情を聞く必要がある」「福田の人権はなしってわけか」と言った。
 福田元財務次官のセクハラや麻生財務相の対応は、女性差別や女性の人権に対する感覚が欠如していると言わざるを得ない。今回のセクハラ発言は、男性権力者が女性の性をもてあそぶ歪んだ性意識のあらわれではないか。この件からも、子どもたちには、人権の尊重を基礎に置いた性教育が必要であることがわかる。

都教委は性について学び直しを

 3月29日に開催された都教委臨時会で北村友人教育委員(東京大大学院准教授)が、「性教育についてもめているような報道があったが、1人の保護者として学校で客観的な立場から性教育を適正にやってもらいたいと考えている」(主旨)と発言した。この発言の意図をたずねた記者に北村氏は次のように説明している。(「朝日新聞デジタル版」4月16日)。
 「子どもたちの発達段階とともに、育つ環境に合った形で、適切な性教育を丁寧に行っていくことが大切だと思っています。インターネットの発達などで、子どもたちが偏った情報を得ることが容易な現代社会において、本当に必要な性教育のあり方を議論することが重要です。
 また、性教育はセクシュアリティーの問題や健康の問題、人権の問題など、大きなくくりで考えれば、個人の権利や他者の尊重など、多様な人間関係を築くための能力を身につける『市民性教育』として位置づけることも不可欠ではないかと考えています。
 性に対する考え方は千差万別で、どのような見方が正しくて、何が間違いだと言えるようなものではありません。それぞれの保護者にも考えがあり、子どもたち自身にもあるでしょう。大事なのは、子どもたちが考える材料をきちんと得ることができることです。多様性に十分配慮し、個々の子どもに寄り添った個別指導なども含めて、性教育の方法をさらに検討していくことが重要だと思います。
 一保護者としての私は、家庭で小学5年生の娘に上手に性教育を行う自信はありません。家庭内でも努力はしていきたいと考えていますが、可能な限り、学校でも取り組んでほしいと思っています。」
 北村教育委員はこの発言を、自身が属する都教委の中で行い、議論してほしい。氾濫するゆがんだ性情報から子どもたちを守るためにも、北村教育委員の言う「子どもたちが考える材料をきちんと得ることができる」性教育を、都教委は保障し推進すべきである。

今春の卒業式でも「君が代」不起立をした教員がいた

 都教委は4月18日、卒業式で「君が代」起立をしなかった教員に対し、戒告処分を発令した。都教委の処分発令について、私たちは断じて許さない。抗議する。
 「君が代」起立をしない教職員に対し都教委が懲戒処分を始めて15年、これまでに483名の教職員が処分をされ、多大な不利益を受けてきたが、間違った職務命令に従ってはいけないと、起立をしない教職員は途絶えない。不起立を続けてきた特別支援学校の一人の教員については、この3年間、卒業式・入学式に参加させない措置を採ってきた。これは校長の独断ではなく、都教委の「指導・助言」=介入によってであることは想像に難くない。都教委はこのようにして、「不起立0」を目指してきたのだが、それでもまだ、起立を拒否する教職員が存在する。
 「君が代」不起立処分を始めた2004年4月9日の教育施策連絡会で鳥海教育委員は不起立処分に関して、「あいまいさを改革のときには絶対に残してはいけない。半世紀の間につくられたがん細胞みたいなものですから、・・・少しでも残すと、またすぐ増殖してくる。徹底的にやる。」と、石原都知事は、「5年10年先になったら、おそらくずっとクビをすくめながら眺めている地方は、全部東京の真似をするでしょう」と言った。しかし、踏み絵を踏まされても踏まない人は絶えない。東京の真似を唯一した大阪府でも、不起立教員は絶えない。


4月12日都教委定例会傍聴記

 公開議題は①来年度使用の都立高校用教科書採択について ②「英語『話すこと』の評価に関する検討委員会」の設置について。どちらも報告。

①来年度使用の都立高校用教科書採択について

 高校の教科書採択は毎年8月に行われていて、今日は採択までの流れと採択方針についての説明報告。「採択は、採択権者である東京都教育委員会が自らの責任と権限において、適正かつ公正に行う」など、今年も昨年までと同じことが報告された。
 2013年から2016年まで、「日の丸・君が代」に関し、「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」について、都教委は「都教委の考え方と異なる」と各学校に通知し、学校が選定することを事実上禁止してきた(しかも、通知を決めた会議は定例の教育委員会を避け、秘密懇談会を開いてのことだった)。それに先立つ2012年には、実教出版教科書を選定した学校に対して、選定のし直しを強要した。それが、都教委がいうところの「東京都教育委員会が自らの責任と権限において、適正かつ公正に行う」ことだったのだ。
 傍聴者には一切の発言が禁止されているので為す術はないけれど、監視はしていこうと思う。

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