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2018年5月

2018/05/29

2018年度総会&講演会のご案内

180517

河原井さん根津さんらの
「君が代」解雇をさせない会


2018年度総会&講演会のご案内

「君が代」不起立の抵抗は続く



講師 増田俊道さん (大阪府立高校「君が代」不起立者/社会科教員)
日時 2018年7月7日13時30分開会
場所 中野区立商工会館 大会議室
   中野区新井1−9−1 TEL 03-3389-1181
   (JR中野駅北口より徒歩7分 早稲田通り沿い)

◇プログラム◇
13:30 開会
   総会(2017年度経過・会計報告 2018年度方針案)
14:15 増田俊道さん 講演と歌
   質疑応答 意見交換
16:10 閉会

 東京都では、「君が代」起立をしない教員に対し都教委が懲戒処分を始めて15年、これまでに483名の教職員が処分され、多大な不利益を受けてきたが、間違った職務命令に従えないと今春の卒業式でも「君が代」不起立で処分を受けた教員が出た。「君が代」不起立の抵抗は途絶えることなく続いている。
 一方大阪府では橋下府知事(当時)が「国旗国歌条例」「職員基本条例」を制定し、「同一の職務命令違反3回で免職」とする「君が代」処分を始めた。 今回講演をして下さる増田俊道さんは、今春2回目の「君が代」不起立戒告処分を受けた。 3月26日には、1回目の不起立処分に対して7人で提訴していた裁判の大阪地裁判決が出た。判決は提訴棄却という不当判決で、その判決理由は「原告らによる本件職務命令違反行為は、・・・自己の教育上の信念等を優先させて、あえて式典の秩序に反する特異な行動に及んだもの」という、ひどいものだった。それに対して増田さんは「…つまり、『文句があるなら3回処分されてから、具体的に争え!』ってことなんですね?…」(大阪ネットワークニュース14号)と怒りの声を上げている。

 このような今の大阪の状況やそれに対する闘い、そして増田さん自身の思いを、さまざまな集会やデモで反戦・反差別・反体制の替え歌を歌っている増田さんの歌とともにじっくり伺いたいと、お招きしました。
 たくさんの方のご参加をお待ちしています。もちろん会員でない方もぜひお出かけ下さい。

チラシへのリンク


2018/05/25

「君が代」不起立教員に対する不当処分に抗議する

185

2018年5月25日

大阪府教育委員会 教育長 酒井隆行様

「君が代」不起立教員に対する不当処分に
抗議する

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会


 当会は2004年以来定年退職するまで毎年東京都教育委員会(以下、都教委という)から「君が代」不起立処分を受け続けた河原井さん根津さんを支え、東京の「君が代」処分を止めさせるために行動してきた市民団体です。
 当会は、今春の卒業式で「君が代」不起立をした3名の教員に対し大阪府教育委員会(以下、府教委という)が処分発令をしたことに強く抗議し、当該の3名に謝罪し処分を撤回することを求めます。

 しかも2回目の不起立をした増田俊道さんには、「職員基本条例第29条第2項の規定に基づき」、次回不起立の場合、「地方公務員法第28条第1項第3号規定により免職することがあることを警告します」との「警告書」を渡しました。「君が代」不起立処分自体がまったく許されることではありませんが、「同一の職務命令違反3回で免職」の警告はさらに常軌を逸しています。
 「君が代」不起立処分取消訴訟2012年1月16日最高裁判決は、「戒告を超える処分は違法」とし、例外的にそれ以上に重い減給・停職処分をしてもいい場合として、「学校の規律や秩序を害する具体的事情がある場合」としました。当会は、「君が代」不起立処分は思想を裁くことで憲法違反と考えますから、同最高裁判決を容認するものではありません。しかし、その最高裁判決でさえ、府教委が警告した「同一の職務命令違反3回で免職」を認めていません。
 また、河原井・根津の停職6月処分取り消し訴訟で東京高裁は、停職6月処分は「条例によれば、停職期間の上限は6月とされていて、停職期間を6月とする処分を科すということは、控訴人根津が更に同種の不起立行為を行なった場合に残されている懲戒処分は免職だけであって、次は地方公務員である教員としての身分を失うおそれがあるとの警告を与えることとな」る、「自己の歴史観や世界観を含む思想等により忠実であろうとする教員にとっては、自らの思想や信条を捨てるか、それとも教職員としての身分を捨てるかの二者択一の選択を迫られることとなり、(中略)日本国憲法が保障している個人としての思想及び良心の自由に対する実質的な侵害につながる」と判断し、停職6月処分を違法とし(2015年5月28日)、1年後、最高裁はこれを決定しました。
 府教委が出した警告書及び「同一の職務命令違反3回で免職」とする府職員基本条例は、明らかに最高裁判決・決定に違反するものです。とりわけ、この点について、府教委が至急検討するよう強く要請します。

 都教委は府教委に先んじて2004年から「君が代」起立・伴奏をしない教職員に対し懲戒処分を発令し、教職員や子ども・保護者たちでつくってきた学校を都教委の所有物にしてしまいました。それを境に、東京の教員採用受験倍率は2、8倍(2016年小学校)、副校長の受験倍率も毎年1.1倍~1.2倍と急激に落ちました。これについて中井教育長は、「(小学校の)この倍率では、『この人でいい』という教育力のある人を必要数確保することはできない。(中略)また、校長、副校長のなり手がない。現職だけでは足りず、今は再任用で確保しているが、それではもたない。」と悲痛な声を上げました。(2016.12.22)
 その解決策は、都教委が支配介入をやめ、教職員の思想信条の自由を尊重し、学校運営を学校に任せることです。そうすれば、受験倍率は自ずと増えます。教職員がいきいきと働くことのできる学校は、子どもたちが楽しく過ごせ、いろいろな意見があることを知る中で触発され、豊かな「人格の形成」をしていくことができます。
 橋下府知事(当時)が成立させた「国旗国歌条例」「府職員基本条例」に従い府教委が「君が代」不起立処分を始めたことによって、大阪も上記した東京と同様の事態が生じていると聞きます。学校は、府や府教委のものではありません。速やかに「君が代」不起立処分をやめ、学校を子どもたちに返すよう要請します。

以上


抗議文へのリンク

2018/05/24

都庁前通信 2018年5月24日号

F20180524

足立区中学校の性教育
教育委員は授業の背景を理解する努力を!


 足立区中学校が3月に3年生を対象に行なった性教育について、都教委は4月26日に行われた都教育委員会定例会で「見解」を述べた上で、「今後の都教委方針」を示した。それに対し、教育委員からは都教委の対応の問題を指摘し、都教委に修正を求めるような発言はなかった。
 「『性交』『避妊』『人工中絶』といった中学校学習指導要領保健体育にないことばを使った授業は不適切。保護者の理解を必ずしも十分得ないまま授業が実施されていた。」というのが、授業に対する都教委の「見解」だった。そして今後は、「学習指導要領を基本とする。すべてを集団指導で教えるのではなく、集団指導で教えるべき内容と個別指導で教えるべき内容を明確にする。学習指導要領を超える内容を指導する場合には、事前に学習指導案を保護者に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導を実施するなど」とすると述べた。

 教育委員たちの発言(要旨 傍聴して筆者が聞き取った限り)を紹介する。

北村委員:「今回、議論が起こったことが良かった。議論が大切。現場では萎縮せず、取り組んでほしい。性情報がいろいろある中、子どもには知る権利、自己決定する権利がある。専門家を講師にした教員研修をしたらどうか。授業について気になったのは、保護者への周知が十分だったかどうか。保護者には様々な考えがあり、イスラム教、カトリックの家庭もあるから、理解を得ることが大事。一斉指導と個別指導をし、子どもや保護者が選択できるようにするといい。授業で避妊の方法を生徒に述べさせる場面があったが、嫌な気持ちになった子どももいたかもしれない。都教委の役割として指導・助言があるが、上からではなく、対等なパートナーとして行なってほしい。現場が萎縮しないで子どもに寄り添うよう、性教育にあたってほしい。」
遠藤委員:「性教育は、普遍性と家庭教育が大事。普遍性を担保するのは学習指導要領。生徒参加型の授業で、個別に答えを求める場面があったが、性教育は家庭教育の範ちゅう。保護者の了解が必要だ。ことの経緯についてだが、文教委員会で質問がなければ、都教委はこの授業に関して知らないままだったのか。」
指導部長:「授業に問題があると提供があった上で、文教委員会で(自民党 古賀都議から)質問があった。」
宮崎委員:「議論になったのはとてもいい。デリケートな問題だから、一斉授業と個別授業を。家庭の考えがあるから、家庭との連携が必要。正確な情報を子どもに与えるのが、子どもを守ること。家庭との連携はできていたのか。」
指導部長:「保護者には学校だよりで知らせていたが、内容についてはよく伝わっていなかった。」
秋山委員:「医療現場から見ると、個人差が大きい。集団授業ではなく、また、家庭の理解が大事。都教委作成の『性教育の手引き』(平成16年)は古いので、改定する予定はあるか。」
指導部長:「今年度中に改定する。」
山口委員:「時代の変化が早く、教育が追いついていけてない。個人差があること、センシティブな問題だから、時代に先駆けるのがベストとは言えない。慎重に。足立区教委と都教委が連携し共有できるか(語尾聞こえず)」
北村委員:「一斉授業、個別授業が難しい。一斉授業で傷つけられる場合もある。」
中井教育長:「今後も丁寧に取り組みを進める。」


北村委員は「子どもの知る権利・自己決定権、子どもに寄り添う性教育」が大切と発言していた。それならば、『性交』『避妊』『人工中絶』のことばを使った性の授業が、「子どもの知る権利・自己決定権、子どもに寄り添う性教育」であったのか、なかったのか、意見表明してほしかった。
 また、「現場では萎縮しないで」と言うが、都教委が「見解」を示し校長を「指導」すれば、現場は十分萎縮する。

この発言には、現場を萎縮させる教育行政を都教委が長年してきたことへの認識が見られない。
 遠藤委員の「性教育は家庭教育の範ちゅう」発言には、氾濫する性情報の社会に子どもたちが置かれているといった危機意識が感じられなかった。

◇「個人差があり、デリケートな問題だから一斉指導と個別指導を」は時代錯誤では?

 北欧では小学校入学段階から自分のからだを知る授業が行われている。その授業は当然、一斉授業。隠さず教えることが当たり前となったこれらの国の人々の意識は、女性が性被害を告発したら二次被害が起きる日本の意識とは違う。「個人差、デリケート」を理由に個別指導をいう都教委及び教育委員の性意識には、「性の問題はなるべく隠しておいた方がいい」といった偏見があるのではないかと思う。

◇「保護者の理解・了解」、なぜ性教育についてだけ言うの?!

 性教育に限らず、「日の丸・君が代」、オリンピック・パラリンピック教育についても都教委は、「事前に学習指導案を保護者全員に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導を実施する」を言ってみてはどうだろう。これらの問題についても、北村・宮崎両委員が言うように、「保護者には様々な考え」があり、北村委員が言うように、「保護者の理解を必ずしも十分得ないまま実施されていた」し、「子どもには知る権利、自己決定する権利がある」のだから。

◇足立区中学校の性教育

 都教委と委員の議論で一番の問題は、子どもたちの実態を知る教員たちが熱心に授業作りに取り組んできた背景にある中学生の現実をどれほど理解したうえで発言しているのかということだ。中学生に避妊や中絶を教える授業は各地に広がっている。子どもたちは、大人たちがカネもうけのためにまき散らす興味本位の性情報の洪水の中に置かれ、10代の妊娠・中絶・性感染症などは深刻な問題になっている。もはや、一部の生徒に個別授業をという段階ではない。
 また、この中学校での性教育は、1 年生から丁寧に段階を追って行われていて、「自分と相手を尊重した交際の在り方も含め『人権教育』の一環として行っている」と校長は説明している。都教委が問題とした授業は、子どもたちが中学を卒業する直前の 3 月、義務教育が終わる段階で、子どもたちが人生の次のステップに移る時期を選んでおこなわれていて、そこにも子どもたちの発達段階に対する慎重な配慮がうかがえる。
 足立区教委もこの取り組みを意義あるもので、不適切な授業だとは考えていないと言っている。
 この性教育を現場の教員と連携して作ってきた、宇都宮大学の艮香織(うしとらかおり)准教授(保健学)の話を以下に紹介する(4月16日朝日デジタル版) 。都教委は、当該の学校の校長や区教委からこの内容も聴取していたはずなのに、これについては見解で触れていない。反論できずに、無視したのか。

*** *** *** ***

 6年前から足立区立中の教員と授業作りに取り組んできました。総合的な学習の時間を使い、1年生では「生命誕生」や「女・男らしさを考える」、2年生では同性愛などの「多様な性」をテーマにしています。今回問題とされたのは3年生の「自分の性行動を考える」という授業で、その次は対等な関係を考える「恋愛とデートDV」となります。
 授業の目標は、正確な情報や科学的知識に基づき、リスクの少ない性行動を選択する力を養うことです。今回の授業では、最初に生徒同士で「高校生の性交は許されるか」を討論。そのあと、10代の人工妊娠中絶数や産んだ子どもを遺棄した事件の新聞記事などを紹介します。その上で、中絶可能期間や避妊方法について説明。性交をしないことが確実な避妊方法であること、困ったときには相談機関があることも伝えます。
 生徒にアンケートをすると、授業前は半数近くが「2人が合意すれば、高校生になればセックスをしてもよい」と回答しますが、授業後はその割合が10ポイント以上減少します。正しい知識を伝えることで、性行動に慎重になることがわかります。
 性教育をすることで「子どもが興味を持ってしまったら危険だ」と考える人もいますが、子どもたちをもっと信頼していいと思います。性はいやらしいものではなく、人権を基軸とした学びととらえるべきです。子どもたちの現実に向き合って、よりよい教育を模索していくことがなにより大切だと感じています。

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2018/05/22

2018年度総会&講演会のご案内

180517

河原井さん根津さんらの
「君が代」解雇をさせない会


2018年度総会&講演会のご案内

「君が代」不起立の抵抗は続く



講師 増田俊道さん (大阪府立高校「君が代」不起立者/社会科教員)
日時 2018年7月7日13時30分開会
場所 中野区立商工会館 大会議室
   中野区新井1−9−1 TEL 03-3389-1181
   (JR中野駅北口より徒歩7分 早稲田通り沿い)

◇プログラム◇
13:30 開会
   総会(2017年度経過・会計報告 2018年度方針案)
14:15 増田俊道さん 講演と歌
   質疑応答 意見交換
16:10 閉会


 東京都では、「君が代」起立をしない教員に対し都教委が懲戒処分を始めて15年、これまでに483名の教職員が処分された。多大な不利益を受けても間違った職務命令に従えないと今春の卒業式でも不起立で処分を受けた教員が出た。「君が代」不起立の抵抗は途絶えることなく続いている。

 一方大阪府では橋下府知事(当時)が「国旗国歌条例」「職員基本条例」を制定し、「同一の職務命令違反3回で免職」とする「君が代」処分を始めた。 今回講演をして下さる増田俊道さんは、今春2回目の「君が代」不起立戒告処分を受けた。次回の不起立では、「免職にすることがあることを警告します」との「警告書」つきで。3月26日には、1回目の不起立処分に対して7人で提訴していた裁判の大阪地裁判決が出た。判決は提訴棄却という不当判決で、その判決理由は「原告らによる本件職務命令違反行為は、・・・自己の教育上の信念等を優先させて、あえて式典の秩序に反する特異な行動に及んだもの」という、ひどいものだった。それに対して増田さんは「…つまり、『文句があるなら3回処分されてから、具体的に争え!』ってことなんですね?…」(大阪ネットワークニュース14号)と怒りの声を上げている。

 このような今の大阪の状況やそれに対する闘い、そして増田さんの思いを、シンガーソングライターでもある増田さんの歌とともにじっくり伺いたいと、お招きしました。
 たくさんの方のご参加をお待ちしています。もちろん会員でない方もぜひお出かけ下さい。

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2018/05/21

足立区中学校の性教育に関する都教委調査及び「見解」、「今後の方針」についての要求と質問

2018年5月21日

足立区中学校の性教育に関する都教委調査及び「見解」、
「今後の方針」についての要求と質問

河原井さん・根津さんらの「君が代」解雇をさせない会

 足立区中学校で3月、卒業を控えた3年生に行なった性教育に対し、3月16日に開かれた都議会文教経済委員会で古賀俊昭自民党都議が「不適切な性教育の指導が行われているのではないか」と質問したことに、都教委は「中学校学習指導要領にはない『性交』『避妊』『人工中絶』を教え、不適切な授業」と答弁。4月26日に行われた都教委定例会では答弁と同じ「見解」を述べた上で、「学習指導要領を基本とする。すべてを集団指導で教えるのではなく、集団指導で教えるべき内容と個別指導で教えるべき内容を明確にする。学習指導要領を超える内容を指導する場合には、事前に学習指導案を保護者に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導を実施するなど」とする「今後の都教委方針」を示した。また、都教委はこのことを全区市町村教育委員会及び全都立学校に周知していくという。
 当会は、古賀都議が問題視した性教育は、歪んだ性情報の中に置かれた子どもたちに、正確な知識と情報を提供し、考えることを促す人権に根ざした性教育の実践と考える。また、都教委の「見解」「方針」はまったくの誤りであり、都教委担当者及び各教育委員がこのような人権に根ざした性教育を受講し、論議し学習すべきと考える。
したがって、当会は、都教委が「見解」「方針」の誤りを認め、謝罪し撤回することを強く求める。

 加えて、以下の質問に対し、検討の上、回答を求める。

1. 「学習指導要領にはない『性交』『避妊』『人工中絶』を教え、不適切な授業」との「見解」について。

① 学習指導要領は「各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定め」、「それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めてい」るもの(文科省)であって、法的拘束力はない。中学校学習指導要領には記載がされていないことであっても、生徒や地域の実情に合わせて、取り上げてもいいとするのが、学習指導要領の考え方ではないのか。
② 都教委は学習指導要領に依らない「研究開発学校制度」を使った「5歳児から小学校低学年をひとまとまりにした」モデル校を荒川区に作る計画をしている。都教委は、一方では「学習指導要領にないことは教えてはいけない」とし、他方では「学習指導要領に依らない」とする。都教委の都合によって、「学習指導要領」の解釈を変えるとは、どういうことか。
 都教委方針に合わない授業については、それを止めさせる、あるいは弾圧する理由に「学習指導要領」を持ち出すのではないのか。そうした前歴が都教委にはある。当会のメンバーの元中学校教員は、2000年2月、「男女共生社会をめざして」をテーマにした家庭科の授業で、「従軍慰安婦」「同性愛者」を(も)取り上げたところ、都・市教委の指導を受けた校長は「学習指導要領逸脱」だとして保護者・生徒に宣伝した。しかし、最終的には「学習指導要領逸脱」で押し切ることはできず、市教委は同年8月末、「従軍慰安婦の授業はやっていい。問題にしていない。男女共生はむしろ進めてほしい」と前言を翻した。市教委の発言は都教委の指導に依るものであったことは明々白々であった。

2. 授業を実施した中学校の校長は「授業は自信を持ってやっている。自分やパートナーを大切にすることを伝える内容で、避妊方法に触れるからといって、性交をしてもいいとは教えていない」と話す(朝日新聞3月24日朝刊)。

① 都教委の調査に対しても、この校長は、このように答えたのではなかったのか否か。違うのであったら、校長の話したことを示してほしい。
② 校長の説明に、都教委は何と応え、指導したのか。
③ 校長の説明や上記1.に記したことを踏まえ、あらためて、都教委が「性交」「避妊」「人工中絶」を中学生に教えるのは不適切とする理由は何か。

3. 4月16日の朝日デジタル版は、問題とされた性教育を現場の教員と連携して作ってきた、宇都宮大学の艮香織(うしとらかおり)准教授(保健学)の話を次のように紹介する。

 「6年前から足立区立中の教員と授業作りに取り組んできました。総合的な学習の時間を使い、1年生では『生命誕生』や『女・男らしさを考える』、2年生では同性愛などの『多様な性』をテーマにしています。今回問題とされたのは3年生の『自分の性行動を考える』という授業で、その次は対等な関係を考える『恋愛とデートDV』となります。
 授業の目標は、正確な情報や科学的知識に基づき、リスクの少ない性行動を選択する力を養うことです。今回の授業では、最初に生徒同士で『高校生の性交は許されるか』を討論。そのあと、10代の人工妊娠中絶数や産んだ子どもを遺棄した事件の新聞記事などを紹介します。その上で、中絶可能期間や避妊方法について説明。性交をしないことが確実な避妊方法であること、困ったときには相談機関があることも伝えます。
 生徒にアンケートをすると、授業前は半数近くが「2人が合意すれば、高校生になればセックスをしてもよい」と回答しますが、授業後はその割合が10ポイント以上減少します。正しい知識を伝えることで、性行動に慎重になることがわかります。
 性教育をすることで『子どもが興味を持ってしまったら危険だ』と考える人もいますが、子どもたちをもっと信頼していいと思います。性はいやらしいものではなく、人権を基軸とした学びととらえるべきです。子どもたちの現実に向き合って、よりよい教育を模索していくことがなにより大切だと感じています。」

① 都教委は足立区教委や当該校の校長・教職員・保護者等に当たって調査をしたということだから、艮准教授の上記発言・当該校の性教育の目的や視点及び3年間を見通したカリキュラムについても当然認識していたはずである。しかし、それについて、「見解」では触れていない。この目的や視点及びカリキュラムについて、都教委はどう考えるか。詳細に聞きたい。
② 艮准教授がいうように、性教育をすることで『子どもが興味を持ってしまったら危険だ』と考える人がいる。「寝た子を起こすな」とは、性教育を巡って、言われてきた過去がある。
 都教委もそう考えるのか。

4. 「学習指導要領を超える内容を指導する場合には、事前に学習指導案を保護者に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導を実施するなど」との今後の方針について。

「個人差があり、デリケートな問題だから一斉指導と個別指導を」と、4月26日の都教委定例会で多くの教育委員(北村、宮崎、秋山、各教育委員)が発言。遠藤教育委員に至っては、「性教育は家庭教育の範ちゅう」と、現実を見ようとしない発言だった。
 北欧では小学校入学段階から自分のからだを知る授業が行われていることは多くの人の知るところである。その授業は当然、一斉授業。一斉に授業を受けるからこそ、全員の認識になり、社会の意識が高まっていく。隠さず教えることが当たり前となったこれらの国の人々の意識は、女性が性被害を告発したら二次被害が起きる日本の意識とは違う。二次被害が起きる日本社会の現実については、女性記者に対する福田元財務次官のセクハラ発言を契機に起こった#Me Tooの動きを見れば、明白だろう。

① 福田元財務次官のセクハラ発言は、男性権力者が女性の性をもてあそぶ歪んだ性意識のあらわれであり、麻生財務相の「(福田氏が記者に)ハメられて訴えられているんじゃないかとか、ご意見はいっぱいある」「セクハラ罪という罪はない」発言、下村元文科相「確かに福田事務次官はとんでもない発言をしたかもしれないけど、テレビ局の人が隠してとっておいて、週刊誌に売ること自体が、はめられてますよ。ある意味犯罪だと思う」発言等々も福田元財務次官と同様、女性蔑視の、歪んだ性意識によるものである。こうした社会だからこそ、子どもたちには、人権の尊重を基礎に置いた、全生徒を対象にした性教育が必要不可欠と考えるが、都教委はいかが考えるか。
② 北欧で行われている、からだを知る授業=性教育について、都教委はどう考えるか。
③ 「個人差、デリケート」を理由に個別指導をいう都教委及び教育委員の性意識に、偏見があるのではないかと思うが、いかがか。

5. 同じく、「保護者の理解・了解を得」るという今後の方針について。

① 性教育に限らず、「日の丸・君が代」、オリンピック・パラリンピック教育についても都教委は、「事前に学習指導案を保護者全員に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導を実施する」をしてはどうだろう。これらの問題についても、北村・宮崎両委員が言うように、「保護者には様々な考えがあ」り、北村委員が言うように、「子どもには知る権利、自己決定する権利がある。」のに、都教委は「日の丸・君が代」、オリンピック・パラリンピック教育については保護者の理解・了解を得ずに、全児童・生徒を一斉に参加させてきた。それはなぜか。
② 卒業式・入学式における「日の丸・君が代」の取扱について、学習指導要領には、「全生徒に起立を促す」「生徒が全員起立するまで式を進行しない」などということは書かれていないが、都教委は書かれていないことをも生徒に指示するよう、各都立校に通知している。これは、学習指導要領を超えた指導ではないのか。

6. 2003年、七生養護学校(現七生特別支援学校)の「こころとからだの学習」に対し、古賀議員ら3人の都議の要求に応じて(あるいは便乗して)、都教委は「授業内容が不適切である」として教材145点を没収すると共に、当時の校長を降格並びに停職1ヶ月の懲戒処分に、教員ら31名を厳重注意処分に処した。
 この裁判で、09年東京地裁は「都議らの行為は政治的な信条に基づき、学校の性教育に介入・干渉するもので、教育の自主性をゆがめる危険がある」と判決を言い渡し、13年には都と3都議に賠償を命じる最高裁判決が確定した。にもかかわらず、今回の件である。反省がないとしか言いようがない。
あらためて、都教委が七生養護学校に対して行った教材没収、校長・教員処分について、所感(正当性や反省)を聞きたい。

7. 「見解」「今後の方針」について、「全区市町村教育委員会及び全都立学校に周知していく」と都教委は言う。

① 現時点で、周知させた教育委員会、都立学校はどのくらいか。
② 10・23通達以降、都教委は「学校は都教委のもの(所有物)」と豪語し、指示・命令、通知を繰り返し、学校から教職員の創意工夫を奪ってきた。そうした中、足立区中学校でこうした性教育が行われてきたことには感動する。保護者たちの理解・賛同を得てきたからからこそ、学校が実践してこられたのだ。それは想像に難くない。
 いままた、都教委が「全区市町村教育委員会及び全都立学校に周知してい」けば、北村委員が要求した、「都教委の役割として指導・助言があるが、上からではなく、対等なパートナーとして行なってほしい。現場が萎縮しないで子どもに寄り添うよう、性教育にあたってほしい。」は実現しない。現場が萎縮すること必至だ。都教委は、現場が萎縮するとは考えないのか。 
そもそも、誤った「見解」「方針」のもとに、それを周知することはしてはならないことである。

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