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2019年8月

2019/08/22

都庁前通信 2019年8月22日号

F20190822

 

教科書採択の議事は実質非公開

 今夏は小学校の教科書採択の年。
 東京のある市の教科書採択は、10時に始まり、12時から1時15分までの休憩をはさんで、3時40分までほぼ4時間半を費やしたと聞く。教育委員の皆さんの話し合いでは、例えば、家庭科については、「T社の方が小学生らしい、仕事の手順がしっかりと分かる、自分でやる気がおきる」など、丁寧に意見が交わされたとのこと。傍聴したある市民が、終了後、廊下で教育委員に「まことにご苦労様でございました。」と挨拶したら、「じっと聞いている方も疲れたでしょう、」とねぎらって下さったそうです。

 一方、7月25日に行われた都教委定例会での教科書採択は――。
 教科書採択に際し都教委は、教育委員の発言に圧力がかかる危険も心配されるとの理由から、教育委員は推薦理由などについては発言せず、無記名投票をするだけ。実質非公開運営である。上記の市教委のように、公開で議論する自治体も多く存在するというのに、文科省の「外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく,静ひつな環境を確保」するという「通知」を悪用しての、都教育委員諸氏の議事運営は看過できない。教育委員の「権限と責任」において採択をするというならば、市民(都民)に議論を公開すべきだ。

 小学部教科書については投票結果が過半数を超える出版社(すべて全員一致か過半数を超えた)が採択された。
 中学校(中学部)教科書については、新しく検定を通った教科書がないので、今年度まで使用した教科書を採択していいかが諮られ、全教育委員がそれを承認。2021年度に学習指導要領が改訂されるので、この日採択した教科書は2020年度のみの使用となる。
 したがって、中学校社会科「歴史的分野」は日本のアジア侵略の事実を歪め、「アジア解放のための戦争」と記述する育鵬社版が、「公民的分野」もまた、義務を前面に出し人権を軽視し、国民主権も軽視する育鵬社版が採択された。都教委が各中学校長に(どの教科も)今年度まで使用した教科書でいいかを問い合わせたところ、どの校長も、「特段の不都合はない」と言ったとのこと。育鵬社教科書は使いたくない、と意見を言った社会科教員が皆無だったとは思えないのだが。

 無記名投票に入る前に各教育委員から「都教委がつくった調査研究資料等がとても参考になった」(2名)「現場の教員が使いやすいものを採択したい」(2名)「使ってみて、現場の意見を聴かせてほしい」と、一言ずつ発言があった。
 「現場の教員が使いやすいもの」を、と言うならば、どうして、「現場の教員に選んでほしい」と言わないのか。各教科の専門家ではない教育委員が選ぶよりも、教科の専門家である教員が選んだ方がいいのはあまりに当然であり、事実、かつては現場の教員たちが選定した教科書が採択されてきたのである。
 しかし、東京の学校で育鵬社の歴史・公民を使わせ、実教出版「高校日本史A」(「君が代」不起立処分について記述した)を使わせないために、教育委員が採択してきた事実がある。教育委員が、こうした事実をまさか知らないはずはないだろうに、と思う。「権限と責任」をはき違えないでもらいたいものだ。
 なお、「それぞれの学校が最もふさわしいとして要望した教科書を採択すること」「問題が各方面から指摘されている育鵬社教科書や自由社教科書は採択しないこと」「都民への公開性を高めること」等の請願が2団体から出されていたが、それについては検討したか否かも説明はなかった。「同内容の請願が過去にあった場合には、再び検討しない」と都教委は決めているとのことだが、この内容の請願が初めて出された時の教育委員は、現在一人もいない。全員が入れ替わっているのだから、検討すべきではないか。請願はできても、検討がなされないのでは、請願権の侵害に当たる。

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「部活動に関する総合的なガイドライン」を作成し配布
――体罰・暴言がなくなるだろうか

 教員の働き方改革の推進(長時間労働の緩和)と部活動の充実を目指して作ったという。内容は7つの章立てで「部活動の教育的意義と適切な運営の在り方」に始まり、「体罰、不適切な行為の防止」「重大事故防止に向けた安全対策」「部活動中における健康面での留意事項」「部活動の実践例」等と続く(152ページからなる)。
 こうしたものを都教委は次々に作り、学校に配布しているが、それによって、部活動での体罰・暴言がなくなるとは思えない。管理支配で人は豊かな人格をつくることはできないどころか、それを阻害するのだ。

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あいちトリエンナーレ『表現の不自由展・その後』中止に思う

 脅しがあったからとの理由で、 『表現の不自由展・その後』が中止に追い込まれた。抗議・脅しの対象とされたのは、慰安婦にされた女性たちを描いた「平和の少女像」と昭和天皇をモチーフにした作品であった。河村名古屋市長は「国民の心を踏みにじる」と展示の中止を求め、菅官房長官は事業の補助金を「精査する」と脅した。
 この事件は、「表現の自由」、検閲の問題にとどまらず、排他主義、ヘイト、レイシズム、また市民運動に対する圧力などさまざまな問題をもっている。その背景には、この国が行った植民地支配と侵略戦争に対する日本社会の認識と想像力の欠如がある。また、天皇代替わりフィーバーの中での「奉祝」の動きも加わる。
 韓国の徴用工問題に対して安倍政権が反発するだけでなく、大手マスコミが同調した報道をするのも、『表現の不自由展・その後』の中止と同じく、歴史認識の欠如による。
 こうした日本社会を変えるためにも、 『表現の不自由展・その後』の再開を強く望む。社会が変われば、「日の丸・君が代」の刷り込みをはじめとする学校教育への政治介入も解決に向かう。

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