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2019/09/19

都庁前通信 2019年9月19日号

F20190919

 

育鵬社中学公民教科書に神奈川の現場から批判の声
都教委は学校現場の社会科教員の声を聴くべきだ

 神奈川県横浜市や藤沢市などの教育委員会が採択し、公立中学校で使われてきた育鵬社公民教科書について、藤沢市の市民団体が現場の社会科教員にアンケート調査を実施したところ、8 割の教員が「使いにくい」と回答したという。
 そこには、「立憲主義の理解に誤解を生じかねない内容」「国際協調と平和主義といった人類が到達した理念が軽んじられている」「全体的に押し付けがましい」「わが国という主語を用いているが、様々な国から生徒が集まっているので、全員にとって『わが国』とはしっくりこず、違和感がある」などの意見が並ぶ。また、生徒たちがこの教科書を使うことについては、「生徒は教科書はすべて正しいと思っているので、知らず知らず刷り込まれる」「生徒は教科書を読み込んで覚えようとしがち」「まじめな子どもたちほど教科書を学ぼうとするので不安」「教科書をそのまま教えるわけではないが、子どもたちはテスト前にこの教科書で勉強する」と意見を寄せたという(「週刊金曜日」(9月6日号)池添徳明氏の記事より)。
 育鵬社は、日本の侵略の事実に目を向ける歴史観を「自虐史観」と言い、「改正教育基本法に基づく教科書」づくりを目指す、安倍首相や日本会議と緊密な関係にある会社だ。
 都教育委員会も都立中学校及び特別支援学校の教科書採択で、歴史、公民ともに育鵬社を採択し、子どもたちに使わせている。都立中学校・特別支援学校の社会科教員に聞いたなら、神奈川の教員たちと同じような回答を寄せるのではないか。
 7月25日に行われた都教委定例会で教科書採択が議題になった際、中学校は新たに検定を通った教科書がつくられなかったことから、「今年度と同じ教科書でいいかを各学校長に聞いたところ、どの校長も『問題ない』と答えた。したがって、今年度使用の教科書を引き続き採択する」旨の提案がされ、可決された。筆者は、「育鵬社の教科書は使いたくない」との社会科教員の声はあがらなかったのか、校長は社会科教員に訊いたのか、と疑念を抱いた。
 都教委及び校長は、現場の教員の率直な意見を聞くべきだ。採択権を教員に戻すべきだ。それが、子どもたちのためであり、都教委の「権限と責任」である。

 


酷暑下でのオリンピック・パラリンピック
――オリンピック・パラリンピック教育でこの件を題材にしているか?

 8月8日に東京ビッグサイトの工事に従事していた男性作業員が死亡した。熱中症とみられる。作業員の一人は「誤った作業手順が進められ、極めて危険で、命がいくつあっても足りない」と語ったという(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウによる)。
 炎天下での競技も観戦も極めて危険だ。都教委は観戦を希望する学校に無料チケットを提供するというが、子どもたちの体のことを考えているとは思えない。命の危険と隣り合わせのオリンピック・パラリンピックについて、オリンピック・パラリンピック学習で学ばせるべきだ。
 


8月22日教育総合会議の傍聴報告
 
どんどん進むデジタルテクノロジー活用教育 

 議題は「Society5.0 時代の学校教育」。まず、教育長が「タブレットPCを使っている学校の児童・生徒は、『授業が分かりやすい』と回答し、正答率も高い」「OEOECD諸国に比べて日本のICT(注)活用は低い」と報告。Society1.0 は狩猟社会、Society2.0 は農耕社会、Society3.0 は工業社会、Society4.0 は情報社会で、Society5.0 は日本政府が推し進める新しい社会だという。
(注)ICT とは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略。

 次に千代田区立九段小、町田市立堺中、三鷹中等教育学校(後期課程)の校長が自校での活用について報告。授業での活用のほかに、保護者会のお知らせやアンケート、学校だより等の家庭との連絡や、出席簿などの校務支援にも活用し、「働き方改革」にもつながると。ICTを使いこなせる教員は少ないのが現状なのだから、「働き方改革」どころか、かえって忙しさを倍加させられているのではないかと思ったところ、「働き方改革」を言ったその口で、「ICT能力の差がかなりあるのが問題」と、相反する発言をした校長もいた。
 教育予算を削減していながら、ICTには金を投じるのか。三鷹中等教育学校は16年度から「ICTパイロット校」(全都で2校)に指定され、全生徒に1台ずつのPCを提供し、日常的に授業や諸活動で使っているのだという。ほかにも、都は15年度から「ICT活用推進校」12校を、16年度から情報モラル推進校20校を指定しており、九段小はICT活用推進校。
 そこには企業が介在し、膨大なお金が動く。今日の傍聴者の中にはICT機器関係の社員と思われる方が数人いた。公教育が教育産業に丸投げされる。今後は、教材も企業が作り販売することになり、教員はその教材を映し出すだけ、目の前の子どもたちと人格的接触をしなくなってしまうのではないか、今以上に子どもたちは人と人とのかかわりの中で人格形成をすることができなくなってしまうのではないか。人格的接触こそが教育の原点であるのに、それを教育行政が放棄する。一人ひとりを「人」としてではなく経済成長のための「人材」としてしか見なくなっていくのではないかと懸念する。

デジタルテクノロジーを活用した教育は「国策」

 最後は、「Society5.0 時代の学校教育~EdTech がもたらす教育改革~」と題して、佐藤昌宏・デジタルハリウッド大学大学院教授の話。氏は、内閣官房・教育再生実行会議の技術革新ワーキング委員や経産省・未来の教室と EdTech 研究会座長代行等々、いくつもの安倍内閣の役職にあるそうだ。
 EdTech とは、デジタルテクノロジーを活用した教育(学び)のイノベーションで、それは「国策」だという。EdTech が進むと、学習者一人ひとりにとって最適な学習機会が得られる。知的好奇心さえあれば、よい学びができる。デジタルテクノロジーは、単なるツールではなく、「教育のインフラ」。教育を科学する。人間の価値を再確認する。EdTech イノベーションの目指すところは、デジタルテクノロジーを活用し、「質の担保された教育」をどう作るかにある。それには、教育についての既成概念を取り除くことが必要、等々。聞き耳を立てないと聞き取れないほどの早口での話だった。こう言い切ることの根拠はどこにあるのか、と疑念を持たざるを得なかったが、それについての話は一切なかった。
 デジタルテクノロジーを活用した教育を、文科省を超えて総務省が打ち出す中、子どもも教員も生涯にわたって個人データが国に管理されるという怖さも生じる。

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