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2019/10/24

都庁前通信 2019年10月24日号

F20191024

 

夜間定時制高校切り捨てに教育委員の心は痛まないのか! 

 10月10日に行われた教育委員会定例会の報告議題に「夜間定時制高校の存続を求める請願」があった。
 しかし、「閉課程(廃校)にする」という都教委の方針が先にありき。存続を求める人たちの声が教育委員には聞こえないのか。 
 
 「来年度夜間定時制高校の募集人員について」の議案資料は「小山台30人 立川60人」とある。来年度は両校とも存続する。前回の定例会で立川高校の閉課程とセットで都教委が考えているチャレンジ高校の開校が2年遅れの2025年度となる旨の報告がなされたことから、それまでは立川高校の閉課程はできないが、小山台・立川両夜間定時制高校は閉課程が都教委の方針である。
 その2校存続についての請願が出されていた。小山台高校定時制については「小山台高校定時制の廃校に反対する会」から、立川高校定時制については「立川高校定時制芙蓉会(同窓会)」「立川高校定時制の廃校に反対する会」から。
 
■存続を求める請願者たちの切実な気持ち

 請願理由について、請願書には次のように記されている。 

◎小山台高校: 
 「平成28年2月12日の東京都教育委員会において、多くの存続を求める声が上がるなか、小山台高校など4校の夜間定時制の廃校(閉課程)が決定された。(略)
 小山台高校定時制は歴史も古く、長年地域の中で親しまれ、全日制に通学できなかった人たちの大切な学舎となってきた。今も、昼間働いている生徒や夜間中学卒業生、全日制中退生徒、若いときに学ぶ機会を逸した社会人など多様な生徒が通学している。特に、小山台高校定時制は、近年、人権尊重推進校として外国籍生徒や帰国生徒など外国につながる生徒たちを積極的に受け入れ、多文化共生の教育を積み重ねてきた。その手厚い教育体制は東京都のモデルにもなっている。このような特色ある学校を一方的に廃止することは納得できない。
 小山台高校定時制の生徒募集を継続し、存続させることを求める。」

◎立川高校: 
 「(前略)都内の夜間定時制の普通科で最も多い生徒数となっている。同窓会をはじめ生徒、卒業生、保護者、地域住民などから、「立定(たちてい)」の存続を求める声はいっそう広がっている。
 今年の2月、今後の都立高校の基本政策である「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」が策定されたが、その中で立川高校定時制の閉課程予定年度は「未定」となっている。
 立川高校定時制は多摩地域の中心にあり、交通の便も良く、現在300人近い生徒が在籍している。昼間働いている生徒や夜間中学の卒業生、若い時に学ぶ機会を逸した年配の社会人、外国につながる生徒など、いろんな生徒が学んでいる。全日制とともに「多摩に立高あり」といわれ、今年で創立82年を迎え6000名を超える卒業生を輩出してきた。…存続させることを求める。」
 
■「閉課程」の方針を変えない都教委

 都教委が4校を廃校と決めた時点から存続を求める請願は繰り返し行われてきた。しかし、4校のうちの2校(江北、雪谷)を都教委はすでに閉課程にした。「チャレンジスクールを新設する」「他の夜間定時制を受験すればよい」との、代替案とは言えない「代替案」を出して。
 今回の請願に対する都教委の「回答」もこれまでと同じに、応募者が少ないことを理由(※)に、上記した代替案を挙げる。
 ※夜間定時制課程はセーフティネットの機能を果たしているが、在籍生徒は年々減少している。
 ※夜間定時制課程には、昼間に学校に通うことのできない勤労青少年の学びの場として、昭和40年には夜間定時制課程に進学した生徒のうち勤労青少年は88.3%だったが、平成13年度のそれは7.00%、平成30年度は3.9%にまで低下している。
 ※小山台高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は26人、平成28年度は23人、29年度は22人、30年度は11人、31年度は13人など減少傾向にある。
 ※立川高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は90人、28年度71人、29年度91人、30年度57人、31年度51人など減少傾向にある。
  
■教育委員たちの発言の意図はどこに?

 この都教委の「回答」を是認したうえで、教育委員は次のように発言(趣旨)。 
 「本当は夜間定時制課程をこのまま続けて、チャレンジスクールも作るのがいいのだが、財政的に困難。この請願を認めれば、他も請願することになる。小山台高校で行われているいい教育を続けてほしい。でも、これらを実現するいいアイデアをなかなか思いつかない。」(北村教育委員)
「学びたいという子の意思をどう保証するか、知恵を絞っていきたい。」(宮崎教育委員)
「勤労青少年の比率が3.9%にまで低下している。請願に対する誠実なこたえは、生徒たちのニーズをどう実現するか。それが課題」(遠藤教育委員)
 教育委員に、本当に定時制課程に進学する子どもたちを支えようとする意思があるならば、請願に賛成するはずだ。採決・採択権限が教育委員にだけあることを自覚しているとは思えない、人ごとのような言動だ。都教委事務方の提案に対して、批判検討したうえで採決するのが教育委員の任務であるのに、都教委の代理人のような動きに終始する。「学びたいという子の意思」保証は、夜間定時制課程を存続すること。明白ではないか。
「この請願を認めれば、他も請願することになる。」とは何事か!請願はご勝手に。請願用紙は受理しますよ、だけど認めませんよ、無駄ですよ。請願権は形ばかりのもの、と言っていると同じだ。請願権は憲法で認められた基本的人権だ。その認識がこの教育委員にはあるのだろうか!?
 「財政的に困難」というけれど、「次世代リーダー育成」を目的に2014年度から都教委が始めた都立高校生の留学支援は、年間200人を1年間留学させ、総費用300万円のうち240万円は都が負担する(このことは2014年2月13日開催の都教委定例会で報告された)。 
240万円×200(人)=4億8000万円。この金額は教員60~70人を雇える金額だ。すでに閉課程にした2校を含め、4校存続は可能な額だ。オリンピック・パラリンピック教育にも巨額の予算が組まれている。都教委は、社会的弱者を切り捨てて、その金をエリート育成に回すこと、また、「愛国心」の刷り込みにつかうことしか考えていない。 

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