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2019/11/14

都庁前通信 2019年11月14日号

F20191114

 

今は戦前か!
学校が天皇の退位・即位を
「祝え」と教えている

 

 天皇の退位・即位に際し文科省が都道府県教委に出し、都道府県教委が市町村教委に出した「御即位当日における祝意奉表について(通知)」(4月2日)、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導について(通知)」(4月22日)。そこには、「各学校においては、…国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当」と書かれている。
 こうした後ろ盾がある中、4月23日に天皇夫妻(当時)が昭和天皇の墓に「退位」の報告に来た際に、八王子の3小学校が子どもたちを天皇夫妻の車が通る沿道に立たせ、「日の丸」の小旗を振らせた(既報)。筆者を含めた八王子市民(「『天皇奉迎』に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」)は八王子市教委、3校の校長、「天皇皇后両陛下 八王子奉迎会実行委員会」(代表は町会自治連合会の会長)と面会し、沿道に立たせたことは子どもたちの思想・良心の自由及びその形成を侵害することであり、学校教育がしてはならないことだと申し入れてきた。
 12月3日には新天皇夫妻が即位の報告に八王子の昭和天皇・大正天皇の墓に来るという。再び、子どもたちを沿道に立たせることのないよう、私たちは各機関に求めていく。

■「国民に寄り添う」ならば

 10月22日には「即位正殿の儀」が行われ、11月14,15日には大嘗祭が予定されている。この式典関係費は、予算年度をまたいで総額160億円余。台風19号の被害を慮ったかのようにパレードは延期したものの、中止にはしない。
 パレードにかかる費用が1憶2000万円、大嘗祭の費用が21億円。新天皇は「即位正殿の儀」で、「国民に寄り添う」と発言した。心からそう思うのであるならば、行動で示してほしい。「地方で災害が続く中、国民と皇室が遊離している印象さえ受けます」(原武史・放送大学教授)(毎日新聞11月9日)。

■大嘗祭は憲法違反

 大嘗祭は新天皇が即位の後に新穀を神々に供え、自身もそれを食する儀式。
 「初等科修身 四」(1942年)は、「大嘗祭の御儀」と題して「これこそ実に大神と天皇が御一体となる神事であって、わが大日本が神の国であることを明らかにするもの」と書く。
 天皇は大嘗祭で神と一体になって新天皇になるという。「(天皇の)地位は主権の存する国民の総意に基づく」という日本国憲法とは相容れない考えだ。
 したがって、大嘗祭は天皇家の私的行事に過ぎない。大嘗祭及びそこに国費を投入することは政教分離・信教の自由を規定した日本国憲法に違反する。大嘗祭国費支出差し止め等請求訴訟で大阪高裁判決(1995年)は傍論で、大嘗祭について「憲法違反の疑いは一概に否定できない」と判示した。
 都教委は学校教育で、大嘗祭の「意義について」児童生徒に一体何を理解させようというのだろうか。

 



10月24日都教委定例会傍聴報告
議題は都学力テスト、全国学力テストの結果報告
―――学力テスト実施に弊害は?

 都学力テストは小5、中2が対象、全国学力テストは小6、中3が対象。このほかに、区市町村教委が独自に行う学力テストもある。学力テストは、誰のため、何を目的としているのか。
 都学力テストの報告では、各教科の平均点、教科書例題レベル問題の平均正答率、学力の定着が図られている問題例等を示したうえで、授業内容の理解度年次推移、自尊感情に関する質問の調査結果と平均正答率の関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い)、家の人との会話に関する質問の調査結果と平均正答率との関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い。肯定的な回答をした児童・生徒が減少している。)を数値で示した。
 この結果から、都教委は取り組みの方向性だとして、「授業改善のさらなる充実」「主体的に学習に取り組む態度の育成」「保護者向け『リーフレット』による情報発信」をあげた。
 全国学力テストについては、全国平均点との比較、正答数分布割合を示した。
 報告に対して教育委員からは、「平均点を見ても意味がない。データをどう見るか、違う分析が必要なのでは」「家庭にどう指導していくか」などの発言はあったが、学力テスト自体を否定する、見直そうという発言はなかった。

 学力テストには不正がつきものだ。1950年代終わりから始まった全国学力テストは、学校や地域間での競争が激化し、それに伴い不正も生じた。そうしたことから教職員組合による反対闘争も起きて学力テストは廃止となった。
 再び始まった学力テストでは2006年、足立区立小学校が区独自の学力テストで、採点から障がいのある児童3人を外す、机間巡視の中で教員が机をノックして誤答を教えるなどの不正や事前に過去問をやらせるなど点数アップを図っての工作がなされた。こうしたことが1校で起きたのではなく、かなりの数の小学校で起きたのだった。
 教員たちにとっては担任するクラス、教科の得点が気になる。それが自身の業績評価にも影響するだろう。となれば、子どもたちの興味関心よりも、点数アップのための授業に傾かざるを得ない。この弊害について発言する教育委員はいなかった。この点の検討こそが教育委員の使命ではなかったのか。
 授業は教科書だけでなく他の教材・教具・題材を使い、教員が創意工夫をして行っていいのだが、教員管理・弾圧が激しさを増したこの 10 年、大半の教員は無難に教科書通りの授業をするようになってしまった。学力テストは、それに拍車をかけているのではないか。したがって、子どもたちの知る喜び・発見する喜びが圧し折られているのではないかと思う。
 学力テストは教員管理の手段として教育行政にとっては有用なのだ。

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