フォト

掲示板

停職「出勤」日記2009

停職「出勤」日記2008

停職「出勤」日記2007

停職「出勤」日記2006

停職「出勤」日記2005

投稿欄

ちらし置場

リンク集

ちらし置場

2017/04/27

都庁前通信 2017年4月27日号

F20170427

卒業式「君が代」不起立処分に抗議する!

 都教委は4月20日、卒業式で「君が代」の職務命令を拒否し、不起立をした2名の高校教員に対し、処分を発令した。不起立3回目の教員に対して戒告処分を、不起立4回目の教員に対しては、最高裁が「処分が重すぎて違法」とした減給1月を科した。私たちは処分に強く抗議し、処分の撤回を求める。
 一方、処分を覚悟して「君が代」起立の職務命令を拒否した2人の教員に対しては、心から敬意を表したい。

▼なぜ、「君が代」起立・伴奏の職務命令に従わないのか

 「君が代」起立・伴奏の職務命令を校長に出させ、その職務命令に従わない教員を処分する「10・23通達」を都教委が出して今年は14年目、これまでに起立・伴奏を拒否して処分された教職員は延べ480人にのぼる。
 都教委は、処分をすることの教育上の意味について、「起立する教職員と起立しない教職員がいると、児童・生徒は起立してもいいし、起立しなくてもいいと受け取ってしまう。」と言ってきた。 今年1月に開かれた校長連絡会と副校長連絡会では、「生徒への指導が適正か、教職員の指導状況を確認するように」と指示し、各校が作成し都教委に提出する卒業式の進行表に、「起立しない生徒がいたら司会が起立を促す」「全員の起立が確認できたら式を始める」といった記載がないと受け取らないという措置に出た。
 これらから見えるのは、「日の丸・君が代」について意味や歴史を知り、自分の頭で考え判断するという、教育が最も大事にすべきことをさせずに、子どもたちが『君が代』を起立斉唱し、上からの指示には考えずに従うよう教え込む。それが都教委の目指す教育ということだ。
 戦前の日本では、天皇のために忠誠を尽くすのが臣民の努めと説く「教育勅語」による刷り込みが、進んで戦場に行く子どもたちを作り出した。「教育勅語」と同一線上の刷り込みを、都教委は東京の子どもたちにしてきた。
 こうした刷り込みに手を貸してはならないとの考えから480人の教職員は、処分による不利益を覚悟して、職務命令を拒否してきたのだ。
北朝鮮との戦争も辞せずというトランプ政権、そして戦争ともなれば集団的自衛権行使で米軍とともに戦うことになる日本。このような安倍政治の中、「君が代」起立を拒否した教職員の処分に反対することは、子どもたちのため、社会のために極めて大事なことと思う。

▼「君が代」不起立処分に関する都教委発表は治安維持法下のよう

 都教委ホームページ「教職員の服務」を見ていただきたい。都教委は、例えば、女生徒の身体をさわり停職6月処分にした主幹教諭については「中学校(多摩地域)」と表示する。セクハラ・体罰等については学校名を表示しない。一方、「君が代」起立拒否での被処分者については学校名を表示する。そこには都教委と異なる考えを表明することは許さない、思想犯は容赦しない、大勢の批判に晒すという都教委の意思が見え隠れする。


4月13日都教委定例会傍聴報告 

 公開議題は報告2件のみ。そのうち、「都立特別支援学校における社会貢献活動モデル事業について」報告します。非公開議題はいつもながら、教員の懲戒処分について。

「都立特別支援学校における社会貢献活動モデル事業について」

 昨年度、特別支援学校20校の児童・生徒たちが高齢者施設を訪問し、あるいは学校に高齢者を招待して演奏・合唱・ダンスを披露したり、ハンドマッサージや高齢者の話し相手をしたりするなどの社会貢献活動を行ったところ、「こんなに喜んでいただき嬉しかった」(児童・生徒)などの感想があり、成果が見られたとの報告だった。
 そして、今年度は20校を、来年度は未実施の17校をモデル校に指定し、以降全都立特別支援学校で社会貢献活動を継続実施の予定という。今後はこの事業に、一般の小・中学生や地域住民の参加も促進するという。
この事業の目的は、「特別支援学校の児童・生徒が、地域の一員として、生涯にわたり自己有用感を得ながら生き生きと生活していくことを目指し、地域の人々に貢献するとともに、地域の人々と喜びを分かち合えることを実感できる活動の機会を創造する。」という。

 「地域の一員」「喜びを分かち合えること」を目指すというが、都教委は障がいを持つ子どもたちを、地域の一般の小・中・高校から排除し続けている。上記の目的を達成するためには、障がいのあるなしにかかわらず子どもたちが地域の学校で一緒に生活することを目指すべきではないか。排除をしておいて、「地域の一員として・・・自己有用感を得(させる)」云々はないだろう。

 4人の教育委員はこの事業を「素晴らしい」と絶賛。宮崎委員は「素晴らしい」の後に、「他校種ともダイバシティ・インクルーシブ(教育)に持っていけるといい」と言ったが、新しい概念をことばにしただけの虚しさを感じた。委員が本気で、ダイバシティ(多様性)・インクルーシブ(包括する、排除しない)を考えるのならば、都教委が障がいを持つ子どもを一般の学校から排除する現実を変えるよう、提案すべきではないのか。
 そもそも、都教委のいう「社会貢献」とは何なのか。ここには、「成果」「数字」で「社会貢献」度を測定する思考が働いていないか。共生の思想、一人ひとりの存在そのものを肯定する人権思想という強固な思想に裏打ちされない場合、「社会貢献」や「「自己有用感」は、社会の役に立たない人間は存在価値がないという障害者排除の思想につながっていく危うさを否定できない。

 特別支援学校は《障がいに応じた、一人ひとりの子どもに適した教育》が受けられる学校、と一般には認識されている。しかし、きょうだいや地域の子どもたちから隔離された中で育つことでの、相互のマイナス面、それによって生じる差別意識の醸成について、再考すべきと思う。
 日本の特別支援教育が世界の流れではない。インクルーシブ教育の概念が異なる。例えばスウェーデンでは、障がいのあるなしにかかわらず、地域の学校で一緒に学習・生活をするのがインクルーシブ教育であり、それは「自明のこと」と考えられていて、日本の特別支援学校・特別支援学級のような分離は必要最低限に抑えられている。その際には、子ども本人や保護者の意見を重要視している。

通信へのリンク



2017/04/13

都庁前通信 2017年4月13日号

F20170413

子どもたちは国家のものではない
子ども自身のもの
――国も都も子どもたちを政治利用するな!

■改定学習指導要領は

 学習指導要領は10年毎に改定され、今年がその改定時期。幼稚園ではこれまでの「国旗に親しむ」に、「国歌、唱歌、わらべうたや我が国の伝統的な遊びに親しむ」を加えた。中学校の保健体育の武道(必修)では、柔道や剣道など従来の8種目に加え、木銃を使って相手を突く「銃剣道」を加えた(銃剣は敵との接近戦で相手を倒す武器であり、銃剣道は戦前の学校教育で「竹槍訓練」として教えられ、現在は自衛隊が訓練に用いている)。社会科では、「竹島」「尖閣諸島」は「我が国固有の領土」との「政府見解」を書くことを明記した。「国家」のために役立つ「人材育成」を目指し、幼児期から子どもたちを鋳型にはめ込もうとしている。
 さらには、「外国語(英語)」を小学3年生から教え、5年生からは評定するとした。小学校の段階で英語が出来るかどうかで子どもたちは選別されかねない。

■小学校「道徳」及び高校の教科書検定で

 文科省は10年毎の学習指導要領改定を待たずに2015年に学習指導要領を一部改定し、道徳を「特別の教科」と位置づけ、評価を行う正式な教科とした。18年度から始める小学校教科書について先日、検定結果を公表した。
 1年生の教科書の、「友だちの家に“パン屋”」が登場する物語に対し文科省は、「国や郷土を愛する態度を学ぶ」という観点から「不適切」との意見をつけた。これを受け出版社は“パン屋”を“和菓子屋”に修正した。“アスレチック”を「不適切」とされた出版社は“和楽器店”に直した。戦争中、カタカナ外来語を全て「敵性語」として日本語に置き換えさせたことを思い出させる。
 同時期に行った来年度使用の高校教科書検定では、「政府見解を明記する」との観点から、集団的自衛権の行使を可能とした安全保障関連法について、政府が「限定的」と説明する根拠の、新3要件を詳しく書くよう求めた。
 安倍政権は子どもたちを一人の人格として見るのではなく、手段(=「安倍政権が目ざす国」をつくるための素材・材料)として見、「国家」の都合に合わせる従順な「人材育成」を、学校機関を使って行う。道徳は戦前・戦中の「修身」と同じく、国の求める道徳観を刷り込む危険性から、教科としなかったものである。安倍政権はそうしたことを無視して、暴走する。

■遂には、「教育勅語を教材…否定されない」と閣議決定

 3月31日、政府は「憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることは否定されない」と閣議決定した。憲法や教育基本法に反するから失効決議をした(1948年)ものを、使用していいとわざわざ閣議決定したのはなぜか。教育勅語の核心部分は、「ことが起これば国に身を捧げて皇室を守れ」である。子どもたちに対し、「お国のため」にすすんで自衛隊に入隊し戦場に行く気概を持てと、政府が考えるからに他ならない。
そもそも、教育勅語は天皇が国民に下した命令であり、民主主義とは相容れない。

■「日の丸・君が代」の強制に私たちが反対するのは、学校は「お国のための人間」育成をしてはならない、教育行政から干渉を受けずに、子どもたちの人格形成の助けをすべきと考えるからです。


3月23日都教委定例会傍聴報告 

■華々しく次々に打ち上げる都教委施策に自画自賛

 非公開議題には「『いじめ防止対策推進法』28条に基づく調査について」があった。2月終わりに新聞報道された、原発避難で千代田区小学校に転校してきた3人の児童がいじめを受けていたこと=「重大事態」についての調査報告か。都教委は2015年にいじめにより自殺に追い込まれた高校生の件についても未だ、定例会で公開議題にしていない。したがって、東京の公立学校に周知徹底していないだろうし、身近で起きた教材として子どもたちに提示していないだろう。今回の調査報告とともに、子どもたちが考え受け止められるよう、資料を開示してもらいたい。 以下、公開議題6件のうち、2件について報告します。

1 「英語村(仮称)」事業における事業者、施設名称及び事業概要について

 グローバル社会に生きる自分を発見する体験型英語学習施設「英語村(仮称)」について、以下決定したとのこと。

施設名称:TOKYO GLOBAL GATEWAY
事業者:株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAY
構成員:株式会社学研ホールディングス 株式会社市進ホールディングス 
株式会社エデューレエルシーエー  一般財団法人英語教育協議会 株式会社博報堂
開設場所:タイム24ビル(江東区 ゆりかもめ「テレコムセンター」駅から徒歩2分)
都による財政支援:施設賃料の全額及び、開業前の施設改修経費の2分の1を支給
開業予定:2018年9月
料金:半日コースで2400円、1日コースで4800円。小学校から高校の団体利用優先。

 <かなり大きな予算>を<特定の民間業者>に丸投げし、教育産業に市場を提供してやる。このような営利目的の民間業者の教育事業を体験することで「グローバル社会に生きる自分を発見する」ことになるという発想は安易すぎないか。税金の使い方として適正なのか疑問だ。しかし、この点について教育委員から発言はなく、出された発言は「料金が高いのではないか」「いや、それ(料金が高い)だけの価値がある体験内容だ」(教育長)、「都の事業だから、都から人を出せたらよい」というものであった。
 ここに投じる税金・教育予算は、本来は各学校に配り、すべての子どもたちに使われるべきものである。すべての子どもたちに行くべき教育予算を、都教委が目玉とするこうした事業、エリート育成事業に使うのは許されることではない。しかし、その意識が都教委にも教育委員にも全くない。

2 新国際高校(仮称)の設置について

 国際高校の入学者選抜の応募倍率が高いことからこの高校の設置を、「都立高校改革推進計画・新実施計画」(2016年2月)に決定していた。学科は理数教養系と語学教養系(=第二外国語必修)で、どちらも海外進学コースを設置する。インターナショナル・スクール等との交流や、大学・外資系企業との連携等国際色豊かな教育環境を整備できる立地条件を満たす港区白金に、できるだけ早期の開講を目指す。

 このような、都教委が次々に打ち出す〈エリート育成にお金を投じる施策〉は、全ての子どもの人格の完成という教育の目的、所得格差と教育格差といった教育をめぐる現状からみて教育予算の配分として適正かどうかなど、十分な検討がなされたとは思えない。あまりに性急だ。

通信へのリンク



2017/03/26

都庁前通信2017年3月23日号の訂正とお詫び

都庁前通信2017年3月23日号に以下の誤記がありました。

教育総合会議に参考人として呼ばれた校長たちの人数を数え間違えていました。

【誤】 6人
 ↓
【正】 5人

お詫びして訂正させていただきます。
なお訂正箇所はすでに差し替え済みです。



2017/03/23

都庁前通信 2017年3月23日号

F20170323


都教委は、「君が代」不起立処分をするな!
「日の丸・君が代」強制、行き着く先は森友学園

 「君が代」起立を求める職務命令を校長に出させ、その職務命令に従わない教職員を都教委が処分することを始めて14年、今年も職務命令に従わなかった=「君が代」起立を拒否した教員がいます。自らの不利益を覚悟して職務命令を拒否する教職員は共通して、教員だからこそ、子どもたちを前に間違った命令には従えない・従ってはいけないと考えています。本日の教育委員会定例会で議題になると思いますが、教育委員は「君が代」不起立処分に同意しないでください。

■「愛国心」刷り込み教育は森友学園だけではない、文科省・都教委も同じ

 日本会議のメンバーであった籠池氏が経営する森友学園・塚本幼稚園の教育が、教育勅語の暗証等、あまりにも右翼的と批判されていますが、「日の丸」を常時掲揚し、園児たちに「日の丸」の小旗を振らせ、「君が代」を歌わせていることに問題はないのでしょうか。
 「君が代」は「教育勅語」とともに戦前・戦中、「お国のため・天皇のため命を捧げる」ことを子どもたちに教え込むことに使われました。そして、「日の丸」は兵士を戦場に送り出し、侵略戦争を進めるハタ(「きょうも立てるぞ日の丸を」(朝日新聞1937年11~12月))でした。
 森友学園問題をめぐって、極端な愛国心の刷り込みは問題視されるようになりましたが、2006年教育基本法の改定に始まり、安倍首相の私的諮問機関である教育再生実行会議、それを受けた文科省が次々と打ち出す「教育再生」は、森友学園と同質の「愛国心」刷り込み教育です。ここにきて、政府は、幼稚園・保育園児にまで「日の丸・君が代」を強制しようとしています。安倍首相は、自らが考える「真の日本を取り戻す」ためには、「愛国心」刷り込み教育によって全国の学校を森友学園化したいと考えていたのでしょう。安倍首相の妻・昭恵氏は「(塚本幼稚園の)教育方針は大変主人も素晴らしいと思っている」と言い、安倍首相自身は籠池氏について「私の考え方に非常に共鳴している方」(2 月 17 日国会答弁)と親密ぶりを示していました。
 また、都教委の教育施策――「君が代」不起立処分、オリンピック・パラリンピック教育、都教委作成の副読本による道徳教育、育鵬社版中学歴史・公民教科書の採択、実教出版社高校日本史の使用禁止等々――も政府の一方的な価値観・愛国心の注入という点で、森友学園と同質と言えます。

■「日の丸・君が代」に私たちが反対してきたのは               

 子どもたちへの「日の丸・君が代」の刷り込み、その目的のために「君が代」起立・伴奏をしない教職員を処分することに私たちが反対してきたのは、戦前戦中の「愛国心」刷り込みの轍を踏んではならないと考えるからです。自分の頭で考えずに、指示命令で動く子どもをつくってはいけない、子どもたちを再び戦場に送ってはいけないと考えるからです。
 東京の公立学校の子どもたちは塚本幼稚園よろしく、「日の丸・君が代」の意味や歴史を理解しないまま、「国旗に正対し、国歌を斉唱」させられています。「日の丸・君が代」の強制と教職員処分の行き着く先は、森友学園です。
森友学園問題をきっかけに、私たちは、事実や道理をもとに子どもたちが自分の頭で考えることのできる教育を受けられるよう、都教委の教育施策を総点検し発言していかなければ、と思います。


3月9日総合教育会議傍聴報告
副校長のなり手がいない!
職階制、都教委の学校支配の弊害を考えるとき


■議題は1件、「教育管理職の確保について」

 管理職、とりわけ副校長の受験希望者が極端に少なく、受験者を増やすための対策を講じなければならないところに都教委が追い込まれての議題であった。「教育管理職を取り巻く現状と課題」について中井教育長が資料をもとに説明し、その後、参考人として呼ばれた都内公立小・中学校の校長・副校長・教員、男女各1名ずつ計5名の意見を聞くというものだった。
  傍聴して、これでは受験希望者は増えないと感じた。5人の参考人は都教委の教育施策に批判的な人ではないから、抜本的解決には至らない話ばかり。管理職受験希望者だけでなく、新採の受験希望者も非常に少ないのは、都教委の教育施策に批判が多いことの現れではないか。批判されているのは何か。それを学ぶことが、都教委に必要ではないのか。
  「教諭→主任教諭→主幹教諭・指導教諭→副校長→校長」の職階制を敷き、このコースに乗るための研修体制も整えたが、管理職受験希望者数は減少したという現実。都教委が上から学校を統制・支配するような職階制が破綻したのだ。職階制、賃金査定、都教委の学校支配の弊害を都教委は振り返るべきだ。「君が代」不起立処分をしたくない管理職は少なくはない。
 筆者は、管理職は不要と考えるから、管理職の確保に関心はない。しかし、都教委が確保をしたいのならば、ピラミッド組織を止め、都教委が嫌う「鍋蓋」組織に戻すことだ。管理職が都教委の指示通りにその実行を職員に指示するという上意下達の働かされ方を止め、かつてのように、職員会議で論議し学び合いながら協働する学校組織に変えること、それが、教員がいきいきと働き、子どもが楽しいと思える学校になるのだ。管理職希望者も増えるはずだ。

■「教育管理職を取り巻く現状と課題」についての中井教育長の説明

1.教育管理職(校長・副校長)選考の状況
  2016年度は、  ①必要数572人    ②受験者数450人(うち女性は125人)  ③合格者数418人(116人)④不足数=①-③=572-418=154人
  不足については、定年退職した再任用校長・副校長で対応しており、現段階で欠員は生じていないとのこと。   

2.2017年度の新たな取組
  ①副校長の多忙解消に向けて、副校長の業務を担う非常勤職員を配置する。2017年度は、1900校のうち小学校6校、中学校6校で試行実施。
  ②受験できるのはこれまでは主幹教諭だけだったが、これに加え、46歳~53歳の主任教諭まで拡大するよう制度を改正する。これにより、受験有資格者が、これまでの3倍、女性ではこれまでの5倍になる。
  ③副校長の管理職手当の引き上げ:現行の月72300円を80700円に。校長は現行の月104500円(中井教育長は「80700円、これで(受験希望者増を)期待するのは無理かと思うが」と付け足した)。

■参考人の発言を受けて教育委員は

校長:管理職受験を職員に勧めるが、職員は「自信がない」「子どもと関わりたい」「時間が厳しい」と言う。
副校長:管理職になると子どもから離れるイメージがあるから、私は休み時間は子どもと遊んでいる。
10年目の教員:研修会に参加して自信が持てるようになったので、管理職になりたいと思う。/(一部抜粋)

5人の話を聞いて教育委員たちは、副校長の業務の見直し、女性が働きやすい働き方改革が必要とまとめたが…。

通信へのリンク



2017/03/09

都庁前通信 2017年3月9日号

F20170309_2

森友学園は安倍政治の象徴だ

  マスコミが報じるように、大阪市の学校法人「森友学園」をめぐる国有地売却と小学校認可の過程は国の行政側の
異例ずくめの対応と優遇措置がとられている。評価額 9 億 5600 万円の土地が 1 億 3400 万で払い下げられ、さらに
ゴミ処理費用 1 億 3200 万を国が負担し、販売価格は実質 200 万円。政府が森友学園・篭池理事長に特別の計らいを
したことは明白です。なぜこのような優遇措置がとられたのか。それは森友学園が安倍首相の理想とする教育(「愛
国教育」)を具体的な形で実現しているから。森友学園問題は、安倍政治の象徴です。

■日本会議と安倍政権

 安倍内閣は、20人の閣僚のうち13人が「日本最大の右派組織」である「日本会議」の政策実現に努力する「日本会議国会議員懇談会」に所属する。鴻池理事長もまた、日本会議関西支部の幹部だという。
 日本会議はこれまで、右翼周辺団体と協力し合いながら、最大の目標である改憲運動のみならず、夫婦別姓反対、閣僚・政治家の靖国神社参拝推進、慰安婦問題での朝日新聞への攻撃、教育基本法への「愛国心条項」の追加等々、ここ20年ほどの間に立ち現れた「戦前の価値への回帰」「右傾化」路線を支える圧力団体として活動してきた。入学式・卒業式での「日の丸・君が代」の強制もこの流れの中にある。自民党は、日本会議路線に沿うように軌道修正してきて、安倍第2次内閣でほぼ完成に近づいたと言える。
  さて、森友学園の土地取得に関し、安倍首相は「関与していない」と言い、まるで被害者のように装うが、財務省近畿財務局などの行動を見れば、政権上層部からの指示なしで動いたとは思えない。2015年9月2~4日の安倍夫妻の不可解な行動(財務省幹部との懇談。直後の大阪行き。塚本幼稚園で、妻が名誉校長就任の挨拶)を見るだけでも、関与疑惑は濃厚だ。自らの関与を否定するならば、安倍首相は関係機関にすべての資料を出させ、妻をはじめとする関係者を証人喚問するよう取り計らうべきだ。しかし、安倍首相は大手報道の記者を食事に招き、報道へ圧力をかけている。

■日本会議・安倍政権の「愛国心教育」

 教育勅語を暗唱させ、運動会では「日本を悪者として扱っている中国、韓国が心改め、歴史で嘘を教えないよう、お願いします。安倍首相がんばれ、安保法制国会通過良かったです」と言わせる塚本幼稚園の異様な洗脳教育。首相の妻は、「瑞穂の國記念小學院」の名誉校長に就任した15年9月の講演で、「(塚本幼稚園の)教育方針は大変主人も素晴らしいと思っている」と言い、「せっかくここ(幼稚園)で芯ができたものが、(公立の)学校にはいってしまった途端に揺らいでしまう」と言った。
 妻の発言は日本会議の考えそのものである。戦後教育は、国の考えを子どもたちに刷り込み、「お国のため」命を捧げることを求めた戦前の教育の反省に立ち、教育勅語の失効から始まった。「お国のため」ではなく、「子どもが主体」の教育に替わったのだが、安倍内閣・日本会議は、戦前の教育に変えようと、一次内閣で教育基本法を改定し、二次内閣ではその具体化に着手した。社会科の教科書検定基準に「政府見解を記載する」を追加(「領土」「南京大虐殺」「沖縄戦」等)、道徳の教科化、幼稚園・保育園での「日の丸・君が代」強制等々。
 また、国際社会が認識する「日本の侵略」を「アジア解放独立への希望(をもたらせた)」と書く育鵬社の中学校歴史教科書(安倍首相の写真を15枚も掲載し、安倍広報誌のような同社中学公民教科書)の執筆者である八木秀次氏は、安倍首相が設立した「日本教育再生機構」の理事長だ。育鵬社教科書を採択させようと、教育再生首長会議が立ち上げられ、いくつかの自治体が同教科書を採択した。こうして今、「愛国心」洗脳教育が急ピッチで進んでいる。
 学校教育を通して子どもたちを洗脳し、大人は「共謀罪」で監視する。それが、戦争法を「成立」させた安倍政権の政治なのだ。今こそアベ政治を断ち切るべきときだ。

■都教委は育鵬社歴史・公民教科書を都立中学校に使わせてきた。都教委作成の「オリンピック・パラリンピック学習読本」や道徳教材集で「都教委見解」を刷り込んでいる。  小池都知事も日本会議所属。


;

2月23日都教委定例会傍聴報告

■またもや、失敗に学ばない新たな施策
「東京都におけるチームとしての学校の在り方検討委員会報告書について」

 中央教育審議会(文科省)の「チームとしての学校のあり方について」(略して「チーム学校」)の答申を受け、都教委は検討委員会をつくり、昨年6月から12月まで7回の検討委員会(学識経験者3名+学校関係者3名で構成)を経て報告書を出した。
 報告書は「これまでの学校体制」について、「管理職も教員も、対等な立場で学校運営に携わるべきだという考えの下に運営がなされ、・・・校長の学校経営方針が教員に十分に浸透」しなかった。都教委はこれに対し、「校長・副校長を中心に、主幹教諭が副校長などを補佐しながら、学校運営を進めていく体制づくり」を進め、「校長や副校長・教頭に業務が集中する『鍋蓋型組織』の弊害を打破し、職層に応じた業務分担ができる『ピラミッド型組織』に変換を図った」と評価した上で、校長のリーダーシップのもと、チーム学校の実現のためのマネジメント力を強化するのだと言う。まず押さえるのは、校長のリーダーシップ・指示命令の強化である。
 そして、これまでは「子供をめぐる様々な教育課題については、教員が『多能化』する(=教員がすべてを受け持つ)ことで解決を図ってきた」が、「教員の「多能化」には限界が生じ、本来の業務である授業や学習活動に費やす時間が十分に確保できない状況となった。」
 そこで学校を、従来の教員を中心とした学校組織から、「教職員が多様な専門人材(カウンセラー、ソーシャルワーカー他)と連携・協働しながら対応していく新しい学校観(チーム学校)」への転換を図るのだという。  チーム学校を実現するために早急に取り組むべき4点を挙げる。

  1.学校マネジメントの強化=副校長を支援する人材を、非常勤職員で新たに配置する。
  2.小・中学校事務職の1校1人配置を止め、共同実施を進める。
  3.教員と専門人材の役割分担と連携、部活動指導における外部指導員の活用。
  4.地域との連携。地域の組織をまとめるコーディネーターの育成支援や地域との窓口となる教員などの育成。

 報告を受けて遠藤教育委員が「地域」について、「地域の父兄(ママ)がサポートするのに、片や、学区自由・学校選択制では、地域はいつまでもお題目だけと私は考える」と、いつもの持論を発言したが今回もこの一言発言で終わってしまった。この点だけでも徹底的に論議したら、都教委の施策の誤りや矛盾が明らかになるだろう。
 部活動の外部指導員についてはかなり以前に導入したが、指導手当も少なく、頓挫した。スクールカウンセラーを配置した効果について、11月10日の定例会で担当者は、「教員とスクールカウンセラーが連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、どういうわけか過去2年間よりも減少した」と報告した。大勢の目で子どもを見守る、相談に乗る、と言えば聞こえはいいが、子どもにとっては“たらい回し”と映るのではないか。その子が最も信頼できる教員・大人がじっくりとかかわってはじめて、子どもは心を開くのだ。
こうした失敗に学んでいない「報告と今後の取り組み」である。欧米のように、少人数クラスや複数担任制の採用が解決への第 1 歩だ。
 そもそも、「ピラミッド型」学校運営は成績査定、昇給、進級を絡めた人事管理で教員のチームワークを弱め、子どもの学びの場である学校を、都教委の考えを刷り込む場に化し、管理職も含め、教員たちの働きたい気持ちを萎えさせてしまったのだ。副校長のなり手が極端に落ちた時期を見れば、そのことは都教委にも自明なはずだ。

都庁前通信へのリンク



2017/02/23

都庁前通信 2017年2月23日号

F20170223

 道徳の教科化、小学校からの英語、プログラミング教育、政府見解の記述を求めた社会科教科書検定基準等々、政府・財界の求める「人材」づくりが学校教育を使って急ピッチで進んでいる。教員と子どもたちとの人格的触れ合いの中で子どもたちの人格が育っていくことより企業に役立つ人材を、そして、経済格差と教育格差が問題となっている中で、ごく一部のエリートと大多数の指示命令に従う人材を作っている。ここに来て文科省は「愛国心」=「日の丸・君が代」の刷り込みを、幼稚園・保育園児にまで広げることを宣言した。判断力の十分でない幼いうちに「愛国心」を注入しようというのだ。国が教育を軍国主義・国家主義注入の手段として使い、子どもたちを戦場に送ってしまったという反省から戦後日本の教育が始まったことを忘れてはいけない。国民の精神を改造することは、戦争のできる国づくりのために欠かせない施策の一環だ。文科省や都教委による子どもたちの洗脳を許してはならない。


幼稚園で国歌  刷り込みにならないか

  幼稚園や保育所で幼い子どもに歌わせることがふさわしいのか。国は現場に押しつけるべきではない。
  文部科学省が幼稚園の教育要領案で、文化や伝統に親しむ例として、唱歌やわらべ歌とともに「国歌」を示した。小中高校の学習指導要領にあたるものだ。厚生労働省もそれを踏まえて、保育所の運営指針の改定案に、国旗と国歌に親しむことを明記した。
  伝統的な習わしや文化に親しむことは大事だろう。ただ、なぜ君が代でなければならないのか。
  かつて国家主義や軍国主義に結びついた歴史的な経緯から、教育の場へ持ち込むことに反対する声は少なくない。幼い子どもたちに歌わせることは“刷り込み”にもなりかねない。
  日の丸、君が代は、小中高校の学習指導要領に入学式や卒業式で「指導するものとする」とされた1980年代以降、現場への締めつけが強まった。お墨つきを与えたのが国旗・国歌法だ。
  国として強制したり義務化したりすることはない―。99年の法制定当時、政府は述べていた。ところが文科省は各学校に掲揚と斉唱の徹底を求め、実施状況を調査して圧力を強めた。
  従わない教員への懲戒処分も相次ぐ。それに対し、憲法が定める思想・良心の自由を侵害しているとして、処分取り消しを求める訴訟が各地で続いている。
  安倍晋三政権下では、国立大学の入学式、卒業式でも掲揚と斉唱を求める声が上がり、文科省は一昨年、「適切な対応」を要請した。学問の自由を尊重する姿勢を欠く不当な介入と言うほかない。
  そして今回、幼稚園や保育所にも持ち込もうとしている。幼児教育から高等教育まで、あらゆる段階で国家統制の色合いが強まっていかないか、心配になる。
  教育は政治権力から独立して行われるべきものだ。国の責務は基盤や条件の整備にあり、教育内容への関与はできる限り抑制的でなければならない。学習指導要領が法的拘束力を持つことを最高裁の判決は示しているが、あくまで大綱的な基準としてである。
  政府の考えを現場に押しつけることは教育をゆがめる。子どもが生き生きと学び育つことにつながらない。要領や指針の本来の趣旨を超えた干渉はすべきでない。
  君が代、日の丸の強制は弊害を生んできた。幼稚園や保育所にまで持ち込むのを避けるとともに、教育の場での扱いをあらためて議論し、見直す必要がある。(2月16日信毎 web)


2月9日都教委定例会傍聴報告

■「いじめ総合対策〈第2次〉」の策定――いじめに向き合うことのないいじめ対策か?
 11月に提案され、パブコメを募集、そして今回上下2巻の冊子を作り、全教員に配布し、学校・教員がいじめ防止・解決に向けた取り組みをするよう指示する。実施期間は来年度から向こう4年間。
 上巻は4つの段階「未然防止、早期発見、早期対応、重大事態への対応」に応じて、学校の具体的取組を説明する。例えば、重大事態への対応(サブタイトル「問題を明らかにし、いじめを繰り返さない学校づくり」)では、「年間3回以上実施する校内研修のうち、1回以上」は「(重大事態の)内容を確認し、理解を深める」「対処に係る責任は、学校のみならず、所管教育委員会や地方の公共団体の長にまで及ぶことを十分に理解すること」「子供や保護者から申し立てがあった場合は、必ず重大事態が発生したものとして、調査・報告に当たること」とある。
 下巻の前半は、小学校低学年・高学年・中学校・高校・特別支援学校別に授業教材・資料を示し、その授業の展開例、板書例を4例ずつ示す。「教員が自信を持って授業をできるよう、都教委は学校・教職員を支援する」というが、子どもたちの生活の中で起きているいじめの現実に蓋をしているのでは、いじめは解決しない。現実に起きている学級・学年でのいじめに子どもと教員が向き合うことが大事であり、必要なのだ。文科省・都教委がいじめ調査を年に数度してもいじめがなくならないのはなぜか、福島から避難した子どもたちが教員からもいじめを受けるのはなぜかについて考えたなら、子どもや教員が目の前で起きているいじめに向き合うに至らなかったことがわかるのではないか、と思う。
 下巻の後半は年間3回以上実施する校内研修のプログラム及び、いじめに対処した成功事例をあげる。2冊で260ページに及ぶ。忙しい中で、しっかり読む教員がどれほどいるだろうか。
 冊子について、どの教育委員も「充実した内容」「素晴らしい資料」と絶賛したが、自身の責務を忘れてはいないかと思った。上巻「重大事態への対応」を読めば、子どもや保護者からの訴えにはその意思を尊重して丁寧に当たり、学校及び教育委員会は責任を持って対処しなければならない。しかし、一昨年9月、いじめが原因で自殺した小山台高校生の遺族が昨年 2 月に高校に調査結果を求めたが提供されなかったため、4月に都教委に情報開示請求をしたところ、都教委は「調査部会が干渉や圧力を受ける恐れがある」として、24ページの一部あるいは全てを黒塗りにして回答した。都教委は「真相を究明したい」という遺族の気持ちを踏みつけたのだ。
 都教委のすべきことは、この事件について一刻も早く、遺族に対して情報を提供した上で、東京のすべての学校に、身近なところで起きてしまったいじめの実態を知らせるとともに、教員研修、授業の取り組みを促すことである。そうすることによって、冊子が「絵に描いた餅」ではなく、活かされるのだ。このことを、都教委関係者に喚起したい。

■管理職手当支給に関する規則の一部を改正する規則の制定について
 校長に次ぐ地位なのに忙しすぎてなり手が少ない。定年退職をした再任用者を充てても副校長に欠員が生じる事態に都教委は、副校長の管理職手当を現行月額72300円から改正後80700円(再任用副校長では53000円から59200円)に上げるという「改正」案を提案、可決した。この程度のお金で、釣られる教員がどれほどいるだろうか。
 東京都では本人の希望で副校長職から降りたのは25人と前年度より4人増えた。都の副校長選考試験の受験倍率は毎年1.0倍台だ。
 主任教諭、主幹も含め、管理職のなり手が少ない現状の中、今後は副校長の受験資格を現行の主幹教諭だけではなく、主任教諭からの登用も考えたいとも発言。都教委が学校支配をやめ、教員みんなが自由に話し合って、協力して学校運営に当れるように、各学校に決定権を返さない限り、働く意欲は高まらず、管理職の受験倍率は上がらないと思う。

通信へのリンク



2017/02/09

都庁前通信 2016年2月9日号

F20170209

■これは高校生に向けて配布しているチラシの文面です。皆さまにもお読み頂きたく、転載します。

オリンピックってなんだ!(第3弾)
オリンピックは誰のためにやるの?
ー「学習読本」は、長野五輪の問題点をなで書かない?

 「スポーツ庁の鈴木大地長官は13日、多額の維持費と老朽化が問題となっている1998年長野冬季五輪のそり競技会場「スパイラル」について、長野市の加藤久雄市長から存続に向けた国の支援を求められ、現状以上の財政支援は困難との考えを示唆した。」(2017年1月13日19時56分共同通信による)という。
 長野オリンピックから19年が経過した今も、維持費や施設の老朽化が問題になっていることは皆さんが学ぶ「オリンピック・パラリンピック学習読本」には書いてありません。

 「学習読本」に長野大会はどのように紹介されているでしょう。53ページ、85ページで「オリンピックの環境対策」「自然環境保護にも力を入れた」と題して次のように書いています。
 「1998年の第18回長野冬季大会では、『美しく豊かな自然との共存』が理念として掲げられました。競技施設は可能な限り既存の施設を活用するようにし、新たに建設する場合でも森林の伐採をできるだけ少なくしました。さらに大会後には森林の復元にも配慮しました。スキー競技のコース設定では、スキー場内にある国立公園に影響を与えないように努めました。また、開催式では、地面に落ちて水分に触れると分解される素材を使った鳩風船を飛ばし、・・・」と書き、長野オリンピックが残した問題点には一言も触れていません。

 当時、長野市民の中にはオリンピック開催に反対する人たちがいました。この人たちが配った「オリンピックいらない!宣言」の一部を紹介します。このような声から、みなさんは何を考えるでしょうか?

『オリンピックいらない!宣言』   1998年2月7日
 私たちは、「カネで買ったオリンピックで自然を破壊し、子どもたちや市民を動員し、市民生活を制限し、ばく大な借金を次世代に残してまで強行される」長野冬季オリンピックの開催に強く抗議します。
(1)  自然環境を破壊するオリンピックはもういらない!
「自然と共存するオリンピック」なんて全くの大ウソである。冬季オリンピックはたった 2 週間のオリンピックのために長野県の生態系をズタズタにし、取り返しのつかない自然破壊を起こした。IOC はテレビ・メディアに、オリンピックをより高い商品として売るために、開催地に自然破壊を強要する。
(2)  住民に財政負担を押し付けるオリンピックはもういらない!
金で買った長野オリンピックを開催するために、1兆5000億円以上の税金が使われた。しかし、その支出は大会開催の今になっても、ハッキリと住民に公開されていない。長野県の借金は現在1兆4439億円、長野市の借金は1933億円、白馬村の借金は116億3000万円である。県の借金を合わせると、長野市民は一世帯あたり355万円、白馬村民は一世帯あたり563万円と、子どもの世代までオリンピックの借金を返済しなければならない。(以下略)

 1964年の東京五輪は翌年オリンピック不況にみまわれましたが、その後も10年近く10%程度の高度経済成長が続きました。その時代とゼロから2%台の成長率が20年も続く今の違いを冷静に見つめるべきです。2020年東京大会開催費用についても、長野と同じような問題が後の世代にかかってきます。私たちは、オリンピックの華やかな部分にだけ目を奪われるのでなく、過去のオリンピック開催の問題点を広く把握し、考えることが必要なのではないでしょうか。


1月26日都教委定例会傍聴報告

■「東京都特別支援教育推進計画(第二期)・第一次実施計画(案)の骨子に対する意見等について」
――パブリックコメントでしか発言できない教職員たち

 2004年度からの都特別支援教育推進計画(第一期)が終わり、来年度から向こう10年間の第二期に向けての計画案が出され(11月)、それに対するパブリックコメント公募(12月)の結果が報告された。
 その結果に入る前に、  第一期の<主な成果>が報告された。<主な成果>は次の3点という。

①  知的障害特別支援学校の企業就労率の上昇 35.2%(H19) → 46.4%(H27)
②  知的障害特別支援学校の普通教室数の増加 736 教室(H16) → 1,239教室(H28)
③  スクールバスの平均乗車時間の短縮 72分(H16) → 60分(H28)

 2017年度からの第二期は、「障害者権利条約の批准と関連する国内法の整備や、インクルーシブ教育システムに関する国の動向、障害者差別解消法の施行など、障害者を取り巻く環境は大きく変化。また、主権者教育の推進等の新たな課題への適切な対応が求められるほか、オリンピック・パラリンピックの開催、『2020年に向けた実行プラン(仮称)」の策定』」という状況変化に対応した特別支援教育を推進すると謳う。そして、「知的障害のある児童・生徒を中心に、今後も在籍者数の増加が見込まれる。」と言い、発達障害の児童・生徒への特別支援、副籍制度による交流(「障害のある子供たちと障害のない子供たちの相互理解や、思いやりの気持ちを育て、将来の共生社会を実現するための取組」)や「視覚・聴覚障害特別支援学校における進学指導の充実」などの「キャリア教育の充実」、そのための「専門性の高い教員の確保・育成」等を挙げる。

 インクルーシブ教育、共生社会と言いながら、どの子も一緒に育つという発想が都教委には(文科省も)ない。報告者は、「副籍制度による交流をする際に、偏見を取り除くよう指導が必要となる」と言ったが、偏見の原因がどこにあるかを都教委は考える必要がある。また、日常的に分離しておいて、年に1度か2度の交流をすることで共生社会の実現に向かうかを考える必要がある。
 障害のある子どもたちと障害のない子どもたちの分離を基本にしていれば、障害のある子に対する理解が生まれにくいこと、偏見が生じることは明らかだ。障害のある子どもを分離しないで、ともに遊び学び、生活していけば、お互いの理解が深まり、思いやりの気持ちが育つはずなのに、学校(=生活空間)を分けられていては、その心の育つ環境が奪われる。相模原事件の背景に、障がい者を分離・隔離してきたこの社会の関係することが指摘されてきたのに、都教委はそこを考えようとしない。それは、差別解消を本気で考えてはいないということだ。文科省や都教委が学校を分けるのは、その方が安上がりだからか。

 さて、寄せられた意見は303件。そしてそのうち何と、学校関係者が158件と半数以上あった。
 「学校関係者が158件」について、「現場の声を吸い上げるのができていないということ。都教委は日頃から現場の声を聞く努力をしてほしい」(山口委員)と発言があった。それは正しい指摘であるが、現場の声を吸い上げなくなった原因が何にあるのかを問題にしてほしかった。
 2006年に都教委が「職員会議での採決禁止」を出して以来、東京の公立学校では教職員が議論を重ね、総意としての意見・要求を校長が都教委に持っていくという、それ以前は普通に行われていたことが全く行われなくなった。また、主任制度などで強化された管理体制の下での教員たちは、都教委の考えに反対する意見を言えば、業績評価に影響するかもしれない、とも考えるだろう。そうしたことから、現場の教職員はパブリックコメントとして意見を寄せるしかなかったのだろう。教育委員にそこを考えてもらえたら、都教委の学校支配の酷さが垣間見えたのではないかと思った。

通信へのリンク



2017/01/26

都庁前通信 2017年1月26日号

F20170126

 都教委は、昨年開催された19回の教育委員会定例会のうち4回でいじめ防止対策条例及び基本方針を報告議題にし、また、3回で非公開議題にした。非公開議題は、「いじめ防止対策推進法28条に基づく調査」、「(同法)30条に基づく報告」と議案にあったことから、「重大事態」を招いたいじめ案件だということはわかった。新聞が報じたこの件を巡ってだったのだろう。
 「真相を究明したい」という遺族に対して、都教委は「調査部会が干渉や圧力を受ける恐れがある」として、黒塗り回答(=遺族に情報を開示しない)をした。遺族の思いよりも、調査部会の自己防衛とは言語道断、本末転倒。教育委員の面々は、この都教委の対応が適切、と判断したということか。
  都教委は「いじめ防止」を施策に掲げているが、この遺族に対する対応を見れば、いじめ防止に本気になって取り組むという姿勢が見えない。都教委がなすべきことは、遺族に対して誠意をもって情報を提供すること。そして、学校関係者や都民に対し、このようなことが再び起きることのないよう、周知徹底することである。
*いじめ防止対策推進法は5章「重大事態への対処」28条2で、「学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。」と明記する。


1月12日都教委定例会報告

 

■子どもたちは、都教委の競走馬ではない

  公開議題は①今年度東京都教育委員会児童・生徒等表彰について  ②今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果についての報告でした。

1  今年度東京都教育委員会児童・生徒等表彰について
 「東京都における学校教育の一層の充実に資するため」、「ア.地道な活動を継続的に行い、範となる者」「イ.他の児童・生徒の行動や取組に良い影響を与えた者」「ウ.地域における活動を継続的に実践した者」「エ.スポーツ・文化活動において著しい成果を上げた者」「オ.人命救助、これに類する行為を行った者」の個人・組・団体を教育長が表彰する。1894年度から開始し、今年度は211名(うち、エが146名)を決定し、表彰式を2月11日に行うとの報告であった。
 エは、東京2020オリンピック開催も影響して昨年度に比べ1.5倍に増加、全国大会での成績とその回数を判断基準にして決めたとのこと。二重表彰である。ウでは、清掃等のボランティアや和太鼓等の継承が目立つ。こちらも、都教委の施策に合致した活動が表彰対象になっているようだ。
 高校入試にはこうした功績が加点されてきたし、「大学入試でも得点化する」(遠藤教育委員  日本学生支援機構理事長)という。表彰という行為はつねにそれを通して人びとを表彰する者の意図に誘導するという面を持っている。表彰などされなくても、自身の中に達成感や充実感を持ち、自己形成を図っていくことはできる。そのことが大事なのだ。また、周りの子どもたちはその行為をきちんと評価するはずだ。
表彰は、当該者・周りの者の、その気持をねじれさせてしまうのではないか。

1  今年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査結果について
  2011年度から毎年行っている「東京都統一体力テスト」の今年度の報告。握力、持久走、50m走等文科省指定の8種目のテスト結果、及び生活・運動習慣等の実態に関する質問調査結果を、小中学校は区市町村ごとに、高校は学校ごとに集計し、東京の平均結果を出す。そのうえで、経年変化や全国標準との比較によって、全国での順位を出している。
 「東京都統一体力テストを始めた平成23年(2011年)度と比較すると、全学年ともに向上傾向にあり、体力合計点平均値も上昇している」などの「成果と課題」を示し、来年度の重点的取り組みとして「体力向上のモデル校において、体力を向上させるための指導法の工夫や運動部活動加入の促進等の、体力向上の取組をさらに充実させ、その成果を全中学校へ発信する」等を挙げる。
 小学校1年生から結果を求められ評定をされ続けたら、良い結果が出せなかった子どもが運動することの楽しさを持ち続けることができるであろうか。劣等感を持ち、運動嫌いにさせてしまうだけではないか。そのことは都教委指導部や教育委員もわかるはずだ。とすると、都教委の狙いは何か。どの子にも運動を楽しむ生活習慣をつけさせることではなく、都教委の施策によって全国順位を上げたこと、トップ選手を育成した成果を世に誇示することなのではないか。そこに都教委の一番の関心があるのではないかと思ってしまう。
 都教委は、「低学力」校の学校予算を削り、「高学力」校・生徒にその予算を充てる「都立高校改革」をしてきたが、そのことと同じ思考・施策で体力・運動面についても当たっているのだ。子どもたちは、都教委の競走馬ではない。

通信へのリンク



2017/01/12

都庁前通信 2017年1月12日号

F20170112

子どもたちの手に未来を!

 明けましておめでとうございます。
 オバマ大統領が広島を、安倍首相が真珠湾を訪れ、「かつての敵国同士が」「最も緊密な同盟国になった和解の力を示」し、「同盟の強化の意義を世界に発信」しました。それにより、米軍と共に戦うことができる自衛隊への予行演習として、南スーダンへ派遣された自衛隊員が戦闘に巻き込まれる危険が増しています。安倍政権はアメリカから高額兵器を買いこみ、5兆1千億円を超える史上最大の防衛予算を計上しようとしています。戦争のできる国へと突き進む政府に対し反対の声を上げていきましょう。子どもたちの未来を奪わないために! 
 安倍内閣は、「愛国心」「国威発揚」の教育=戦争に加担させるための教育を加速させています。東京の教育は、その最先端を走っています。
 昨年7月から18歳以上の国民に選挙権が与えられました。しかし政府は、子どもたちに投票はさせても政治活動についてはさまざまな口実をもうけて制限しようとしています。政治活動の自由は、すべての国民に憲法が保障する基本的人権「表現の自由」の具体的な内容のひとつです。政府は、君が代・日の丸の強制など一方的な価値観を子どもたちに注入するのではなく、子どもたちが自分たちで考え自分の未来を選ぶ権利を保障するべきです。戦争法、原発再稼働、武器輸出、カジノ法案、出口の見えない日銀異次元金融緩和、子どもたちの未来を奪いかねない政治に子どもたちが自分で考え、声をあげる権利を保障すべきです。
 裏面で報告しますが、副校長の受験者が極端に少なくなっています。これは、都教委の教育行政の失敗を端的に示しています。ほとんどの教員が都教委の教育行政に背を向けてしまったということです。私たちは、東京の子どもたちがオリンピック・パラリンピックに踊らされたり、都教委の価値観を押し付けられたりすることに反対し、子どもたちが、何が真実で事実かを自分たちで考え、自己の意見を表明するなど、人格的成長を保障される教育を求めて声を上げていきたいと思います。

販売しています
パンフ2017年版「~卒業式・入学式の前に~日の丸・君が代について考える」
(発行:卒業式・入学式の『日の丸』『君が代』について考える保護者の会)

 わずか12頁のものですが、一般の人々が「日の丸・君が代」に関して持っている疑問に、昨年出された、根津さん・河原井さんの最高裁確定判決や、アメフトのキャパニック選手の「国歌斉唱」不起立なども紹介しながら、分かりやすく答えるものとなっています。以下、質問項目を一部紹介します。

Q1  卒業式・入学式の君が代斉唱のとき、教師が起立を拒否して座っているのは、子どもたちに失礼ではないでしょうか? マナー違反ではないですか?
Q2  公務員なのだから、国旗・国歌を尊重するのは当たり前ではないですか?  いやなら私立の学校に勤務すればよいのではないでしょうか?
Q3  一度、皆で決めたことは、従うのが当たり前です。それが民主主義ではないのでしょうか?
Q4  君が代は、たかが40秒程度のこと。それぐらい我慢すべきではないですか?また、不起立によって、周りの人を不快にさせるのはよくないのでは?
Q5  オリンピックでも国旗を掲揚し、国歌を歌うのは当たり前に行われています。入学式・卒業式も同じではないでしょうか?

以下、Q11まで質問が続く。  1部100円  ご注文は、当会まで。


12月22日都教委定例会及び
第2回教育総合会議傍聴報告

 

■副校長に欠員の危機!?

  定例会の公開議題は①「都立学校における『組体操』等への都教委対応指針について」  ②「都教委職員表彰について」の報告など。
  ②は、都立学校については都立学校長及び教育庁が、区市町村立学校については各区市町村教委が、「他の模範となる」として推薦した個人・団体について、職員表彰審査会が審査し、今年度は81名(うち校長が50名)、11団体の表彰を決めたとのこと。
  団体の表彰理由の「主なる功績」としては、「学校経営」などの他に「オリンピック・パラリンピック教育の推進」や「中学校区における小中一貫教育の推進」があげられている。都教委の方針に沿った「他の模範」であることが容易に想像できる。

  総合教育会議の議題は「東京都教育施策大綱(案)」について。冒頭、「パブリックコメントを頂戴し、新たな大綱(案)を出した」と小池都知事が挨拶。次に中井教育長が大綱案の加筆修正した箇所を説明。その説明を聞くと、都教委方針と合うパブリックコメントは採用し、都教委方針と合わないパブリックコメントについては無視したことがよくわかった。
  その後、教育委員5人が大綱案を巡って持論や重点課題について各5分ほど発言。言葉はきれいだけれど、心を打つような教育観・人間観は感じられなかった。ところが最後の中井教育長の発言は、悲鳴とも聞こえる切羽詰まった内容だった。
  「仕事が忙しすぎて、教員のなり手がない。特に小学校では受験倍率が 2.8 倍。この倍率では、『この人でいい』という教育力のある人を必要数確保することはできない。働き方改革、職場環境を良くする必要がある。また、校長、副校長のなり手がない。現職だけでは足りず、今は再任用で確保しているが、それでは持たない。副校長の仕事の軽減、見直しなどの抜本的対策が必要だ。」(要旨)来年か再来年にも、副校長の欠員が出るのではないかと思わせるような発言だった。
  副校長の受験倍率は10・23通達(=「君が代」起立の強制)以来急激に下がって、この10年1.1倍~1.2倍が続いている。倍率が下がった要因の一つは多忙さだろうが、それだけではないのではないか。都教委は副校長のなり手がないのはなぜかを真面目に考えてきたのだろうか。10・23通達直後、それに怒って副校長を自ら降格した人が何人かいた。その背後にはかなりの数の、都教委の教育行政に批判的な考えを持つ管理職や管理職受験希望者が存在していたはずだ。都教委はそのことを考えないままに権力的に学校を支配してきたから、今の事態を招いたのではないか。
  意味があるとは思えない文書作成を次々に課せられ終わることのない忙しさや精神的苦痛、教員の支配管理を都教委の指示で日常的にさせられる苦痛、校長に昇格しても、○○推進校や○○研究校に名乗りを上げ「特色ある学校」を作らなければという脅迫観念や「君が代」不起立処分に我が手を貸すなどの苦痛に悩まされる。それがわかっているから、副校長のなり手がいないのだ。
  「君が代」不起立を続けてきた筆者は、校長・副校長が処分に手を貸すことの苦痛を見続けてきた。10・23通達を撤回し、都教委の介入なしに各学校が教職員の総意で教育活動を行えるようになったなら、子どもの人格的成長に資す教育を論議できるようになったら、副校長の受験倍率は復元するだろう。このことを筆者は切に願うものであり、都教委に提言したい。                        

通信へのリンク



2016/12/22

都庁前通信 2016年12月22日号

F20161222

原発事故の現実を押し隠す「オリンピックの欺瞞」
~谷口源太郎さん講演

 リオが終わりいよいよ本番とばかり2020東京オリンピックへ官民一体の本格的な取り組みが始まっている。このままその渦にまきこまれていいのだろうか。オリンピックを原点にもどって考えようと、スポーツ評論家・谷口源太郎さんの講演会「オリンピックの闇と病み」(主催:河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会)が12月4日東京・スペースたんぽぽで開かれた。
〈たにぐちげんたろう:スポーツを社会的視点からとらえた批評を手がける。著書に「日の丸とオリンピック」(文藝春秋)「スポーツの真実」(三一書房)等。「週刊金曜日」でお馴染〉 

 谷口さんは、冒頭、福島の原発問題こそ、2020年東京オリンピックが抱える根本的欺瞞だと訴えた。10月にIOCのバッハ会長が、野球・ソフトボールの開催を福島で行うと提案した。「復興の意味でパワフルなメッセージになる」というのがその理由。しかし、帰還を迫られる現地の人々は、オリンピックどころではないというのが本音だ。汚染水の垂れ流しは続き、緊急事態宣言は、まだ生きている。「その中でオリンピックを呼ぶ非人間性はもっと告発されなければいけない」と、谷口さんは力をこめる。しかし、マスメディアは沈黙したまま。
 8月にNHKの解説委員がニュース番組で、オリンピックのメリットを5項目あげ、その第一番目に「国威発揚」を挙げた。民放では、かなり前から、スポーツに関する批判はタブーになっているという。2018韓国・平昌(冬季五輪)と2020東京の放送権料は660億円。その中で「いかにスポーツタレントを生み出すか。金メダリストを視聴率稼ぎの目玉商品にするかが、目的になっている」。大手新聞も、各社150億円でスポンサー契約を行い、自ら応援団を自称している。こうした事態の中で、「一般の人たちは、オリンピックの抱える問題を聞く手立てがない」と谷口さんはなげく。
 そもそもオリンピックは、どこから変節してきたのか。1980年のモスクワ大会は、ソ連のアフガニスタン侵攻を理由に西側諸国がボイコット。「オリンピックが理念として掲げた相互理解、平和運動としての在り方を根本から覆した」。84年のロス五輪では、市が税金を出さないと決定したことから、大企業がスポンサーになり、徹底した商業主義を展開。これが大成功したことから、IOCは以後、自らを企業化し拝金主義の流れが決定した。
 それでは、今回の東京オリンピックについて言えば、「安倍・森(オリンピック組織委員会会長)の狙いは、国威発揚と国家威信を世界に顕示すること」。国家プロジェクトなのだから文句を言わずについてこいというのが、彼らのやり方だ。森は“one for all, all for one”という言葉が好きだが、“チームワークとともにひとり一人の助け合いも大切だ”と言っているこの言葉を、これこそ“滅私奉公”だと真逆のコメントをしている。「金メダル30個の目標を掲げ、原発事故の現実を押し隠す“復興オリンピック”こそ、最大の欺瞞だ」と谷口さんは語った。
 いまオリンピックは、自然破壊や巨額の経費が批判され、立候補をとりやめる都市が続出している。「理念も理想もなくなったオリンピックは確実に終焉に向かっている」と谷口さんはしめくくった。
オリンピック予算は2兆円近くに膨らむ一方で、原発事故の自主避難者への住宅支援(70億円・年)は来年3月で打ち切られようとしている。〈東日本大震災復興支援五輪〉の原点に戻って考えよう。
(レイバーネット日本 http://www.labornetjp.org/news/2016/1204sasaki


11月24日都教委定例会傍聴報告

 

■いじめ対策を言うならば、東京で起きたいじめ自殺等について明らかにせよ

 報告議題「いじめ総合対策【第2次】(案)」について、以下報告します。
 いじめ問題対策委員会からの「最終答申」(2016年7月28日)を受けて、都教委が出した「いじめ総合対策【第2次】(案)」の報告。12月24日までパブリックコメントを募集し、2月の教育委員会定例会で「いじめ総合対策【第2次】」を策定、来年度から学校において取り組みを開始するという。
 案は、「軽微ないじめも見逃さない《教職員の鋭敏な感覚によるいじめの認知》」「教員一人で抱え込まず、学校一丸となって取り組む《「学校いじめ対策委員会」を核とした組織的対応》」を始めとする6つのポイントを掲げ、未然防止、早期発見、早期対応、重大事態への対処の4つの段階に応じた具体的取組をあげる。いじめ防止の取り組みを推進するにあたっては、「いじめの件数が多いことをもって、その学校や学級に問題があるという捉え方をしない」などの注意事項が書かれている。
 「きめ細かく、素晴らしい」などの意見が教育委員からあった。しかし11月10日の定例会で今年4月から6月までのいじめ調査の集計報告がなされた際に、「学校いじめ対策委員会が組織的に対応した学校が増えた」が、「教員とスクールカウンセラーが連携して対応した事例のうち、効果が見られた事例の割合が、どういうわけか、過去2年間よりも減少した」と報告された。こうした事実について、それがなぜなのか、教育委員から意見はなかった。
 横浜に自主避難した中学生へのいじめの件に触れ、「賠償金云々は、大人の話。大人に理解を得る働きかけも大事」(宮崎教育委員)との発言には同意する。しかし、東京で起きてきたいじめによる自殺等については、これまで、誰も一度も触れてこなかった。昨年9月、大月駅で自殺した都立高校生の件、今年4月に同級生から殴られて死亡した青井小学校の件について、都教委はどのような調査をし、どう判断したのか、再発防止に向けて各学校にどのような指導をしたのか等を明らかにすべきだ。対策の実効性を検証するためにも、こうした実際に起きたことにきちんと向き合うことが必要だ。
 案の最後のページには「東京都の公立学校から巣立つ子供たちに伝えたいメッセージ」だとして、「人間と社会」(都立高校で昨年度から週1時間の必修を課した教科の、都教委作成の「教科書」)の最後のページを転載している。そこには、「多様な人と出会、関わり、時にはぶつかり、高め合えるからこそ、私たちは幸福な人生を切り拓き、よりよい社会を、豊かな未来を築くことができるのです。何よりも、違った意見をもつ者同士の調整を図ることができること、それこそが人間らしさなのです。」とある。ここで言う、「違った意見をもつ者同士の調整を図る」とは何なのか。「日の丸・君が代」については、教員だけでなく子どもたちにも「君が代」起立を強制し、「お前が起立するまで式は始めない」と学校・教員が子どもを恫喝する現実。「違った意見をもつ者」も、上の考えに合わせて「調整を図れ」ということなのか。言葉はきれいだが、人間的でも教育的でもなく、恐ろしい。

通信へのリンク



より以前の記事一覧