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2020/01/14

12月「天皇奉迎」に子どもたちを動員させなかった! 報告集会

20200223

 

12月「天皇奉迎」に子どもたちを動員させなかった!
報告集会

・4月に子どもたちが動員されてからの私たちの取り組み
・高嶋伸欣さん(琉球大学名誉教授)のお話
 「『天皇奉迎』に子どもたちをかり出したこのと問題点と今後の闘い
  〜小リンピック『聖火リレー』でも」

日時 2020年2月23日(日)13時〜
場所 八王子労政会館第4会議室
   八王子市明神町3-5-1 TEL042-645-7451
資料代 500円


◆これまでの経過

 昨年4月23日、天皇が退位の報告に昭和天皇陵を訪れた際、二小・横山二小・浅川小の子どもたちが「天皇奉迎」にかり出され、「日の丸」の小旗を振らされていました。
 9月に入り、八王子市民有志で「『天皇奉迎』に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」を結成し、市教委、奉迎会実、町自連、市協働推進課、3校の校長に対し,問題点の追及並びに12月3日の即位報告の際に再び子どもたちを動員しないようにと申し入れをし、一つの価値観の刷り込みや子どもの「思想及び良心の自由」を侵害してはならないと強く迫りました。行動する中で、萩生田光一文科相(当時は副幹事長)が主導していたことが判明しました。
 12月3日を控え何度か市教委や3校の校長に問い合わせると「情報を提供していない」「立たせるつもりはない」との返答でした。事実、子どもたちは「天皇奉迎」にかり出されずにすみました。
 翌12月4日の市議会一般質問では、前田議員がこの問題を一問一答でじっくり質問しました。市の回答は満足のいくものではありませんでしたが、市議会で取り上げられたことには大きな意味があると思います。(市議会のWEB中継で見ることができます)

代替わりの儀式が執り行われたこの一年、八王子の学校で何が起こり、それにどう立ち向かったか、これからどうしていくか、みなさんで共有し考えていきたいと思っています。
 とりわけ、オリンピックに向けての『聖火リレー』の際に、子どもたちを沿道にかり出されないようにすることは喫緊の課題です。お忙しい時期だと思いますが、どうぞぜひご参加下さい。

 


■4月15日市教委から二小・横二小・陵南中の校長宛のメール

「天皇皇后両陛下
武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」

 上記の件について情報提供させていただいたところですが、4月23日(火)の行幸に関する八王子奉迎実行委員会からの資料を入手しましたので、添付にてお送りします。
 学校用の小旗が70本事前に準備されているとのことです。(中略)
 小旗の対応について検討しますので、お手数ですが、4月18日(木)までに以下の内容についてお知らせ願います。
1.参加の可否
2.参加の場合の人数
3.小旗についての希望
(引用者注:八王子奉迎会実行委員会発行の文書内容は省略)

■4月26日付「はぎうだ光一の永田町見聞録」より

 「天皇皇后両陛下は、昭和天皇への退位のご報告の為、八王子の武蔵陵を訪問されました。警備の関係もあり、いつもはギリギリまで日程が公表されないのですが、今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をしました。八王子インターから浅川大橋、追分から御陵まで、沿道にはかつてないほどの市民が出迎え、両陛下は長い道のりを窓を開け、手を振り続けてくださいました。日の丸の小旗4000本はたちまち無くなり、沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」

■12月4日八王子市議会 前田議員の一般質問から(一部抜粋)

議員:(前略)八王子奉迎会実行委員会結成を呼びかけた主体はどこか。
市 :八王子奉迎会実行委員会(引用者注:結成前であるから、虚偽発言であることは明らか)
議員:八王子奉迎会実行委員会の構成メンバーはどうなっているか。
市 :市は把握していない。
議員:市は呼びかけられたと認識していいか
市 :町会自治連合会から呼びかけられ、同席した。
議員:市からは誰が出席したか。
市 :共同推進課部長と都市戦略課部長。
議員:4月9日付の文書(引用者注:八王子奉迎会実行委員会結成案内)は市から発信されたと認識するが。
市 :奉迎活動を市は呼びかけてはいない。市はむしろ控えている。
議員:萩生田議員は同席したか。
市 :同席したが、実行委員会の内容は回答する立場にない。 (以下略)

チラシへのリンク

 

2020/01/09

都庁前通信 2020年1月9日号

F20200109

 

オリ・パラ競技観戦辞退続出の責任は都教委に

 都教委にとっては、子どもの命よりも「愛国心」の刷り込みが大事?と疑ってしまう。猛暑の中でのオリ・パラ競技観戦のことである。昨年12月、「53区市町村のうち24自治体で割り当てを辞退する小学校があることがわかった。検討段階も含めると、今月4日時点で計307校に上る」。辞退の理由は、「熱中症のリスクを考慮してのこと」(12月10日付け朝日新聞)と報道された。
 筆者が八王子市教委に学校から上がった「観戦希望について」の文書を開示請求したところ、全学校が「全学年観戦希望」を選んでいた。しかし「自由記述欄」には八王子からの移動(有明までおよそ40km)や熱中症に対する不安を107校中43校の校長が記述していた。市教委に物申すことがなくなって久しい教育現場で、これだけの校長が悲鳴とも聞こえる訴えをしたのは、死に至る事故を心配するからだろう。
 ※オリ・パラ競技期間(7/24~8/9)の昨年の日中最高気温は平均34℃!
 都教委オリ・パラ観戦の希望を取り直すべきだ。その際、生徒たちの声を反映させるべきだ。一昨年秋に都教委が各区市町村教委に配った「希望調査」には、「観戦を希望する学校・学年」の回答として「1 全学校・全学年」「2 全学校・特定する学年」「3 1,2以外の場合」とあり、「3を選択した場合は内容を記述」するよう書いてある。都教委は「観戦は強制ではなく希望」と言うが、「3」を選び「希望しない」とは区市町村教委も学校も言えなかったのではないか。都の教育行政の忖度・無責任体制の被害は子どもたち。許してはならない。
      
八王子の校長たちが「自由記述欄」に書いたこと(抜粋)

■小学校
①最近の地球温暖化で熱中症が心配である。子供たちの安全を第1に考えたい。熱中症、昼食時の食中毒等の事故も想定される。また、八王子は有明までの距離も長く、安全に引率できるか不安も大きい。一人でも事故等に巻き込まれたらオリンピック観戦どころではない。
②基本的に人数が多く、F地区がぎりぎりと考えている。D 地区になった場合は辞退する。移動距離が長く、室内観戦以外は、熱中症の危険を考えるとふさわしくないと考える。

■中学校
⑤本校は学区が広く、通学用スクールバスを市が借り上げているだけでなく、路線バスを利用して生徒が登下校しております。学校最寄り駅までも時間がかかる上、駅解散を想定した際の各家庭最寄り駅もJR中央線高尾駅や青梅線武蔵五日市駅となっており、そこから1時間に1~2本の路線バスを利用して帰宅することとなります。校外学習はこれまで必ず借り上げバスを利用しており、校外学習で公共交通機関を利用して往復したことはこれまでないため、安全管理面、所要時間の面を含め、Fゾーンでの観戦を希望します。
⑥八王子市の方針として全学年対象ということなので仕方ないが、生徒の意見としても暑いのに行きたくないとの意見も出ている。また、塾等での夏期講習があり、特に3年生の参加率が低くなりかなりの枚数が、使用されない可能性が高い。同日の家族での有料チケットを使っての観戦や家族旅行などで不参加の生徒もかなり出る可能性があります。3年だけではなく1・2年生でも起こる可能性は高いと考えている。その上での八王子全学年実施をしていただきたい。

 


12月12日都教委定例会傍聴報告

 「懲戒処分者数等の推移及び服務事故防止に向けた主な取組について」は非公開議題(報告)とされた。個人情報を出さなくても報告はできるはず。なぜ公開議題にしないのか。服務遵守月間を設け研修を課しても、懲戒処分件数が少なくならないどころか、増えている。毎年、方針を出しても改善されないのはなぜか。都教委の働かせ方に原因があることを、都教委は認識すべきと思う。

都教委に忠実な教員育成を目的とした職員表彰か?

 「教育の発展、学術、文化の振興に貢献し、その功績が顕著で、かつ勤務成績の優秀な職員及び優れた教育実践活動・研究活動を行っている学校・グループの功労をたたえ、これを表彰する」ことを目的とし、1952年から始まった職員表彰。今年度の表彰は個人が108名、団体が12団体。個人のうち校長が55名、副校長が2名。2月13日に表彰式を行うという。
 各教育委員は、「いつも教育委員は問題ある教員のことばかりを見るので、表彰式後の懇談会で『こんなに頑張っている先生がいる』とうれしくなる。」「表彰式で感銘を受けた」「表彰を受けた先生方を地域紙等で紹介してほしい」「取り組み事例を見て、若い先生が訊いてみたい、相談してみたいと思った時にアクセスする方法を研究したい」と絶賛した。部長は「素晴らしい先生の取り組みを採用希望パンフに取り入れ、教育の底上げをしていきたい」と応答した。
 表彰理由である「主たる功績」には「防災教育の推進」はあるが、「平和教育の推進」はない。筆者が定例会を傍聴するようになって9年になるが、毎回そうである。団体表彰・小学校の部の「主たる功績」は6校中、3校が「プログラミング教育の推進」だ。あくまでも都教委方針に合致していることが表彰対象なのだ。ご褒美を餌に、都教委に忠実な教員を育成しようということか。

■「学校設置条例の一部を改正する条例の立案依頼外1件について」の発言から
 赤羽商業高校を閉校にし、家庭・福祉高校として改編・開校する。城北特別支援学校及び南花畑特別支援学校を閉校し花畑学園として開校する。八王子特別支援学校を移転させ八王子西特別支援学校として開校する、ことでの条例改正。
 教育委員の一人は、「八王子特別支援学校の子どもたちは移転に伴い、通学に支障を来たす心配がある。安全に配慮を」と発言した。
 来年夏のオリンピック・パラリンピック競技観戦を子どもたちが強要されることについて、【会場までは公的交通機関を使用、炎天下での観戦、持ち込みは水1本のみ】の指示を組織委員会、都・各県教委が出す中、12月8日付け東京新聞、同月10日付け朝日新聞が炎天下での観戦による命の危険について報じたが、都教委定例会ではそうした発言はこれまで皆無だ。教育委員は炎天下での事故はないと考えるのか、理解しがたい。学校移転に伴う安全に対する心配だけでなく、オリ・パラ観戦での安全を考え論じるべきだ。論議し、「全校全学年が観戦」(八王子市教委)などの方針を撤廃すべきだ。      
 12月4週の定例会は「議題がないから開催しない」。炎天下でのオリ・パラ競技観戦について再考する定例会にすべきではなかったのか。 

通信へのリンク

 

2019/12/12

都庁前通信 2019年12月12日号

F20191212

 

市民の抗議を前に八王子市教委、
即位報告では「天皇奉迎」に
子どもたちを駆り出すことを断念!

 4月23日に天皇夫妻が昭和天皇の墓に退位の報告に来た際に、八王子の3つの小学校の子どもたちが沿道に立たされ「日の丸」の小旗を振らされたことは、以前に報告したところです。
 天皇(制)についてはいろいろな考えの人もいる中、公立義務教育学校が天皇敬愛の表現行為である「天皇奉迎」を子どもたちに強制することは、子どもたちの「思想・良心の自由」「表現の自由」及びその形成を侵害することであり、学校教育法が定める「公正な判断力」育成(義務教育の目標)を阻害することになります。
 八王子市民有志は市教委や各校長、八王子奉迎会実行委員会、町会自治会連合会に抗議し、12月3日には再び子どもたちを駆り出すことのないよう、交渉を繰り返してきました。

 12月3日に新天皇夫妻が昭和天皇・大正天皇の墓に即位の報告に来た際には、子どもたちは沿道に駆り出されずに済みました。続く12月4日に開催された市議会一般質問で、沿道に立たせた件に関し、市教委指導担当部長は「『思想・信条の自由』を侵すとは考えない」、教育長は「天皇退位は江戸時代後期の光格天皇以来約200年ぶり、憲政史上初めてのこと。天皇については学習指導要領6年生社会科で『理解と敬愛の念を深める』と示されている。児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げるいい機会だった。(したがって沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った公正・中立の指導だ。」と答弁。
 しかし、12月3日には、子どもたちを沿道に駆り出すことはやめました。その理由はなぜか——。

 市教委は4月のときには沿道の2小学校と1中学校に、天皇の車の通過予定時刻文書及び「参加の可否 人数 日の丸の小旗についての希望」を報告するよう校長に求めました。これを市教委は「安全面からの情報提供」だと言います。12月の情報提供は「安全面から」は変わらないのですが、「通過予定時刻を全小中学校に情報提供」しましたが、「参加の可否」等の報告指示はしませんでした。
 ということは、市教委は天皇奉迎を子どもたちにさせたことは「(子どもたちの)『思想・信条の自由』を侵すとは考えない」と強弁しながらも、強制することには無理があると判断したということでしょう。
 この数日前に2校の校長は筆者の問い合わせに対し、これまでと違って、非常に明るい声で「立たせる予定はありません」と言いました。もう1校は校長不在、対応した副校長からはやはり、安堵した様子が伝わってきました(この学校は、市教委からではなく町会自治会からの要請・情報提供で立たせた)。

 なお、今回、子どもたちを沿道に立たせなかったのは、八王子出身の萩生田光一文科大臣の「呼びかけ」がなかったからということも大きな要因ではないかと見ています。萩生田氏のブログ4月26日には「今回は宮内庁から3週間ほど前に内示があり、町自連、安協、八王子まつりやいちょう祭りの実行委員会にも呼びかけ、『両陛下をお迎えする会』を組織し準備をしました。(中略)沿道の小学校、幼稚園、保育園の子供たちは手づくりの小旗で集まってくれました。」とあります。萩生田氏自身が「呼びかけ...組織し準備をし」た、少なくとも関与したということでしょう。しかし、今回は何も書いていません。

 



11月28日都教委定例会傍聴報告
都教委は教育に金を削るな!
――オリンピックより子どもが大事

1.SNSを活用した教育相談(上半期)の実施状況について
 昨年度、都立高校生を対象に試験的に実施したこと(プラス評価)を踏まえ、今年度は対象を都内国公私立学校の中学生・高校生に、相談期間を毎日に拡大した。その結果、上半期の相談件数は2120件(1日平均11.6件)
、中学生が52%、平均相談時間は41分、一人当たりの相談回数は1回が70%・4回以上が8%、相談内容のトップは友人関係(いじめを除く)で533件だったとのこと。
 この報告に、「1回限りということは、相談しても意味がないと思ったのか。とすれば、事業そのものを見直さないといけない。あるいは、軽い感じのチャット(雑談程度)が多いのか。」(北村教育委員)との発言があった。全くそう思う。
 悩みを相談する際に、自分のことを知らない人よりは、自分のことをよく知り、かつ自身が信頼する人に相談するのではないか。中学生も高校生も、担任や信頼を寄せる教員に相談したいはず。そうした指摘がこれまで一度も教育委員からも出てこないのが不思議だ。
 SNSによる教育相談を止めろとまでは言わないが、「やりました!」という形ばかりの施策になっていないか。都教委が本気で教育相談体制をつくるのであれば、子どもたちの悩みやつぶやきを聞き受け止めてあげられるよう、教員の大幅定員増をすることだ。都教委にも教育委員にもそれはわかっているだろう! 2020年五輪費用の東京都負担額は1兆4千億円に上るという。オリンピックより教育に金を使えと言いたい。

2.今年度上半期に寄せられた都民の声(教育・文化)
 寄せられた件数は2459件。うち、「苦情」が76%。分野別では、生徒指導に関するものが41%、教職員に関するものが21%。
 「苦情」の事例から一つ。「都立高校生が登校時に広がって歩くので、迷惑。倫理観が欠如している。指導を。」との「苦情」に学校側は「ご指摘を受け、登校時のマナーについて注意喚起する印刷物を作成し、教室に掲示するとともに、副校長から指導を行いました。あわせて、教員による生徒の登校時の見守りを校門前だけではなく、範囲を広げるなど、より指導を徹底していくことにしました。」とのこと。
 こうした「苦情」について、一人の教育委員から「思いやりや想像力が欠如しているのではないか」と感想が述べられた。同感だ。上記した「苦情」に対しても、その方が高校生にその場で注意したらいいだろうに、と思う。告げ口やお上に解決してもらう的発想には息苦しさを覚える。
 都教委はこうした「苦情」にはすぐに対応する。しかし、次に示す請願・陳情には全く対応しない。「都教委の方針」に反するからだ。
 請願は、ア.「日の丸・君が代」の強制と教員処分を撤回すること イ.小山台高校定時制・立川高校定時制の廃校方針を見直し、存続させること ウ.学校現場の意見を十分に尊重して、また、公開の場で議論を行って教科書採択をすること について。
 公益通報制度(教育庁等窓口、弁護士窓口)の弁護士窓口を利用したのは13件。いじめ、セクハラ、会計処理、個人情報に関するものとのこと。この制度の性格から見て、いじめとは教職員間のいじめということだろう。兵庫の件が騒がれたが、子どものいじめと同じく、いじめは日本社会に蔓延している。子どものいじめ防止を本気で考えるならば、都教委がまずすべきは、子どもたちと触れ合う教員たちが、ゆとりを持って働くことのできる労働環境をつくることだ。教育に金を削るべきではない。

通信へのリンク

 

2019/11/28

都庁前通信 2019年11月28日号

20191128

 

「10時間労働」を合法化する「教員の働き方改革」
——「夏休みに振り替えてまとめ取り」では体が悲鳴を上げる!

 教員の勤務時間を年単位で管理する「変形労働時間制」の導入を柱とする教職員給与特別措置法(給特法)改定案が19日の衆議院本会議で可決され、参議院に送付された。改定案は繁忙期の勤務時間の上限を「1日に10時間まで」に引き上げる代わりに、夏休み期間中などに休日をまとめ取りしていいとするもの。8時間労働を指導し厳守させるべき立場にある政府が、「10時間」労働を合法化させようとしている。「1年間の平均で 1 週間あたりの労働時間が40時間を超えないことなどが条件」というが、夏休み期間中も部活動はあるし、研修も強要されている中、夏休み期間中に休みがまとめ取りできるのかも危うい。
 教員の「過労死」ラインの労働時間は周知の事実である。文科省の調査でも、1日当たりの学内勤務時間の平均は小学校教員が11時間15分、中学校が11時間32分という (文科省2018年9月27日発表)。また、東京都の教員の精神疾患による病休者数もここ数年年間550人前後で、都道府県別で1位である。
 この通常の勤務時間11時間に会議や校内研修を勤務時間終了時から2時間延長させたなら、学内勤務時間が13時間以上ともなる。そうなればますます教員に余裕はなくなり、「過労死」が心配される。身体・精神ともに疲労した教員の子どもたちへの影響も懸念される。また、教員志望者もさらに減ってしまうだろう。
 「教員の働き方改革」は、8時間で仕事が終わるよう、教員の大幅定員増に尽きる。諸外国並みに学級の定員を少なくし、教員の配置を増やすことだ。年々急増させている防衛費を抑えれば、それは容易にできることだ。
 この改定案が成立したら、各都道府県教委が条例をつくることになる。有害無益な改定案に反対しましょう。

■ 都教委の「学校における働き方改革」(2018年2月) は、
 当面の目標を「週当たりの在校時間が60時間を超える教員をゼロにする。」と定めている。この時間数は、月当たりの時間外労働80時間と同じ。過労死・過労自殺の判断基準は、「発症前2か月間ないし6か月間にわたって月当たりおおむね80時間の時間外労働が認められる場合」とされている。近年、全国の過労死件数は年間250件前後で横ばいのままである。
 過労死すれすれラインを「当面の目標」にするとは、都教委の見識を疑うほかない。

 


11月14日都教委定例会傍聴報告

①議案:「管理運営規則の一部改正」等の件

 「改正」の中味は、都立学校の栄養教諭に上級職を導入することである。栄養教諭に、新たに上級職として「主任」(給料表3級)「主幹」(同4級)を設置する。「改正」理由に、「東京都全域における食育推進体制を充実していく上で極めて重要な職務」「人材育成の強化及び食育推進体制の更なる充実を図る」等の文言が並ぶ。
 対象者は63人。これだけの人数に「上級職」を作って職階を3段階にする。そこまでして、栄養教諭に職階制を持ち込みたいか。これは子どものためなのか?こんなところまでヨコ社会を壊してタテ社会を導入して推進する「食育」とは一体なんなのか?? 高校生の「食育」を言うなら、都立高校定時制の給食を次々民間委託にして、子どもたちから温かい給食を奪い、栄養教諭を首切りしてきたのはどこの誰か、と聞きたい。

②報告事項:来年度の「教育庁所管予算」見積の件

 見積の「8.教員の育成(1)2」に次のような記述がある。「将来の東京の教育を担う人材の育成に向けて、東京学芸大学との連携により、都立高校において、大学教員による教職の魅力を伝えるセミナーや教職大学院生による専門教科・科目のワークショップ、地元の小中学校での教育実習体験などの取り組みを実施。【新規】」
 ここで一人の委員が「東京にはたくさんの大学があるのだから、『東京学芸大学』の後に『等』を入れて、連携の幅を広げてはどうか」と質問したのに対し、総務部の答は、「既に執行予定で先方と打ち合わせているので、今年は『等』は入れられない」というものだった。学芸大と言えば近年、近藤精一・金子一彦・伊東哲ら歴代の指導部長が相次いで天下っていることはよく知られている。どこまで癒着しているのか。
 さらに「大学の先生が高校の教室で『教職の魅力』を伝えるのですか」の問いに、「その通り」との答え。それには他の教育委員から、「目の前に本物の高校の先生がいるのに、わざわざ大学の先生を呼んできて『教職の魅力』を語ってもらうんですか。教職を目指してもらいたいなら、目の前の高校の先生に直接お手本になってもらった方がよほど『教職の魅力』が伝わるのではありませんか」との意見が出て、他の教育委員も次々同調した。
 真っ当な意見だ。おそらく都教委は、今の都立高には『教職の魅力』を語らせる実態がないことを知っていて、外部の人間に「空虚な理想論」を語らせようとしているのだろう。現場ではとても思いつきようがない珍奇な案を上から有無を言わせず押しつけるのが、今の都教委だ。
 金の使い途について。「生徒」に関わることでは、今や“学力!学力!学力!”のオンパレード。「全人教育」という言葉は、都立高ではとっくに「死語」になってしまったらしい。英語教育には「話す力」を中心に、58億9600万円予算を付けて多彩な事業を展開している。しかし、教育産業との癒着が疑われている大学入試の英語民間試験導入が延期されたので、目論見が狂ったのではないか?
 「教員の働き方改革」には、213億8600万円を注ぎ込む。しかしその中に、「正規教員の定数増」のような直接業務軽減につながる策は1つもない。自助努力が足りないと言わんばかりの項目が並ぶ。これで“ブラック”が解消に向かうとは、現場は誰も思わないだろう。
 組合の意見を全く聞かずに、一方的に上からお仕着せの「改革」を押しつけるとはどういう了見か。だから見当違いの項目ばかり並ぶ。このようなタテ社会組織の中で、ますますパワハラが生まれていく。

通信へのリンク

 

2019/11/14

都庁前通信 2019年11月14日号

F20191114

 

今は戦前か!
学校が天皇の退位・即位を
「祝え」と教えている

 

 天皇の退位・即位に際し文科省が都道府県教委に出し、都道府県教委が市町村教委に出した「御即位当日における祝意奉表について(通知)」(4月2日)、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導について(通知)」(4月22日)。そこには、「各学校においては、…国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当」と書かれている。
 こうした後ろ盾がある中、4月23日に天皇夫妻(当時)が昭和天皇の墓に「退位」の報告に来た際に、八王子の3小学校が子どもたちを天皇夫妻の車が通る沿道に立たせ、「日の丸」の小旗を振らせた(既報)。筆者を含めた八王子市民(「『天皇奉迎』に子どもを動員することに反対する八王子市民の会」)は八王子市教委、3校の校長、「天皇皇后両陛下 八王子奉迎会実行委員会」(代表は町会自治連合会の会長)と面会し、沿道に立たせたことは子どもたちの思想・良心の自由及びその形成を侵害することであり、学校教育がしてはならないことだと申し入れてきた。
 12月3日には新天皇夫妻が即位の報告に八王子の昭和天皇・大正天皇の墓に来るという。再び、子どもたちを沿道に立たせることのないよう、私たちは各機関に求めていく。

■「国民に寄り添う」ならば

 10月22日には「即位正殿の儀」が行われ、11月14,15日には大嘗祭が予定されている。この式典関係費は、予算年度をまたいで総額160億円余。台風19号の被害を慮ったかのようにパレードは延期したものの、中止にはしない。
 パレードにかかる費用が1憶2000万円、大嘗祭の費用が21億円。新天皇は「即位正殿の儀」で、「国民に寄り添う」と発言した。心からそう思うのであるならば、行動で示してほしい。「地方で災害が続く中、国民と皇室が遊離している印象さえ受けます」(原武史・放送大学教授)(毎日新聞11月9日)。

■大嘗祭は憲法違反

 大嘗祭は新天皇が即位の後に新穀を神々に供え、自身もそれを食する儀式。
 「初等科修身 四」(1942年)は、「大嘗祭の御儀」と題して「これこそ実に大神と天皇が御一体となる神事であって、わが大日本が神の国であることを明らかにするもの」と書く。
 天皇は大嘗祭で神と一体になって新天皇になるという。「(天皇の)地位は主権の存する国民の総意に基づく」という日本国憲法とは相容れない考えだ。
 したがって、大嘗祭は天皇家の私的行事に過ぎない。大嘗祭及びそこに国費を投入することは政教分離・信教の自由を規定した日本国憲法に違反する。大嘗祭国費支出差し止め等請求訴訟で大阪高裁判決(1995年)は傍論で、大嘗祭について「憲法違反の疑いは一概に否定できない」と判示した。
 都教委は学校教育で、大嘗祭の「意義について」児童生徒に一体何を理解させようというのだろうか。

 



10月24日都教委定例会傍聴報告
議題は都学力テスト、全国学力テストの結果報告
―――学力テスト実施に弊害は?

 都学力テストは小5、中2が対象、全国学力テストは小6、中3が対象。このほかに、区市町村教委が独自に行う学力テストもある。学力テストは、誰のため、何を目的としているのか。
 都学力テストの報告では、各教科の平均点、教科書例題レベル問題の平均正答率、学力の定着が図られている問題例等を示したうえで、授業内容の理解度年次推移、自尊感情に関する質問の調査結果と平均正答率の関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い)、家の人との会話に関する質問の調査結果と平均正答率との関連(肯定的な回答をした児童・生徒ほど正答率が高い。肯定的な回答をした児童・生徒が減少している。)を数値で示した。
 この結果から、都教委は取り組みの方向性だとして、「授業改善のさらなる充実」「主体的に学習に取り組む態度の育成」「保護者向け『リーフレット』による情報発信」をあげた。
 全国学力テストについては、全国平均点との比較、正答数分布割合を示した。
 報告に対して教育委員からは、「平均点を見ても意味がない。データをどう見るか、違う分析が必要なのでは」「家庭にどう指導していくか」などの発言はあったが、学力テスト自体を否定する、見直そうという発言はなかった。

 学力テストには不正がつきものだ。1950年代終わりから始まった全国学力テストは、学校や地域間での競争が激化し、それに伴い不正も生じた。そうしたことから教職員組合による反対闘争も起きて学力テストは廃止となった。
 再び始まった学力テストでは2006年、足立区立小学校が区独自の学力テストで、採点から障がいのある児童3人を外す、机間巡視の中で教員が机をノックして誤答を教えるなどの不正や事前に過去問をやらせるなど点数アップを図っての工作がなされた。こうしたことが1校で起きたのではなく、かなりの数の小学校で起きたのだった。
 教員たちにとっては担任するクラス、教科の得点が気になる。それが自身の業績評価にも影響するだろう。となれば、子どもたちの興味関心よりも、点数アップのための授業に傾かざるを得ない。この弊害について発言する教育委員はいなかった。この点の検討こそが教育委員の使命ではなかったのか。
 授業は教科書だけでなく他の教材・教具・題材を使い、教員が創意工夫をして行っていいのだが、教員管理・弾圧が激しさを増したこの 10 年、大半の教員は無難に教科書通りの授業をするようになってしまった。学力テストは、それに拍車をかけているのではないか。したがって、子どもたちの知る喜び・発見する喜びが圧し折られているのではないかと思う。
 学力テストは教員管理の手段として教育行政にとっては有用なのだ。

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2019/10/24

都庁前通信 2019年10月24日号

F20191024

 

夜間定時制高校切り捨てに教育委員の心は痛まないのか! 

 10月10日に行われた教育委員会定例会の報告議題に「夜間定時制高校の存続を求める請願」があった。
 しかし、「閉課程(廃校)にする」という都教委の方針が先にありき。存続を求める人たちの声が教育委員には聞こえないのか。 
 
 「来年度夜間定時制高校の募集人員について」の議案資料は「小山台30人 立川60人」とある。来年度は両校とも存続する。前回の定例会で立川高校の閉課程とセットで都教委が考えているチャレンジ高校の開校が2年遅れの2025年度となる旨の報告がなされたことから、それまでは立川高校の閉課程はできないが、小山台・立川両夜間定時制高校は閉課程が都教委の方針である。
 その2校存続についての請願が出されていた。小山台高校定時制については「小山台高校定時制の廃校に反対する会」から、立川高校定時制については「立川高校定時制芙蓉会(同窓会)」「立川高校定時制の廃校に反対する会」から。
 
■存続を求める請願者たちの切実な気持ち

 請願理由について、請願書には次のように記されている。 

◎小山台高校: 
 「平成28年2月12日の東京都教育委員会において、多くの存続を求める声が上がるなか、小山台高校など4校の夜間定時制の廃校(閉課程)が決定された。(略)
 小山台高校定時制は歴史も古く、長年地域の中で親しまれ、全日制に通学できなかった人たちの大切な学舎となってきた。今も、昼間働いている生徒や夜間中学卒業生、全日制中退生徒、若いときに学ぶ機会を逸した社会人など多様な生徒が通学している。特に、小山台高校定時制は、近年、人権尊重推進校として外国籍生徒や帰国生徒など外国につながる生徒たちを積極的に受け入れ、多文化共生の教育を積み重ねてきた。その手厚い教育体制は東京都のモデルにもなっている。このような特色ある学校を一方的に廃止することは納得できない。
 小山台高校定時制の生徒募集を継続し、存続させることを求める。」

◎立川高校: 
 「(前略)都内の夜間定時制の普通科で最も多い生徒数となっている。同窓会をはじめ生徒、卒業生、保護者、地域住民などから、「立定(たちてい)」の存続を求める声はいっそう広がっている。
 今年の2月、今後の都立高校の基本政策である「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」が策定されたが、その中で立川高校定時制の閉課程予定年度は「未定」となっている。
 立川高校定時制は多摩地域の中心にあり、交通の便も良く、現在300人近い生徒が在籍している。昼間働いている生徒や夜間中学の卒業生、若い時に学ぶ機会を逸した年配の社会人、外国につながる生徒など、いろんな生徒が学んでいる。全日制とともに「多摩に立高あり」といわれ、今年で創立82年を迎え6000名を超える卒業生を輩出してきた。…存続させることを求める。」
 
■「閉課程」の方針を変えない都教委

 都教委が4校を廃校と決めた時点から存続を求める請願は繰り返し行われてきた。しかし、4校のうちの2校(江北、雪谷)を都教委はすでに閉課程にした。「チャレンジスクールを新設する」「他の夜間定時制を受験すればよい」との、代替案とは言えない「代替案」を出して。
 今回の請願に対する都教委の「回答」もこれまでと同じに、応募者が少ないことを理由(※)に、上記した代替案を挙げる。
 ※夜間定時制課程はセーフティネットの機能を果たしているが、在籍生徒は年々減少している。
 ※夜間定時制課程には、昼間に学校に通うことのできない勤労青少年の学びの場として、昭和40年には夜間定時制課程に進学した生徒のうち勤労青少年は88.3%だったが、平成13年度のそれは7.00%、平成30年度は3.9%にまで低下している。
 ※小山台高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は26人、平成28年度は23人、29年度は22人、30年度は11人、31年度は13人など減少傾向にある。
 ※立川高校定時制課程の入学者の状況は、平成27年度は90人、28年度71人、29年度91人、30年度57人、31年度51人など減少傾向にある。
  
■教育委員たちの発言の意図はどこに?

 この都教委の「回答」を是認したうえで、教育委員は次のように発言(趣旨)。 
 「本当は夜間定時制課程をこのまま続けて、チャレンジスクールも作るのがいいのだが、財政的に困難。この請願を認めれば、他も請願することになる。小山台高校で行われているいい教育を続けてほしい。でも、これらを実現するいいアイデアをなかなか思いつかない。」(北村教育委員)
「学びたいという子の意思をどう保証するか、知恵を絞っていきたい。」(宮崎教育委員)
「勤労青少年の比率が3.9%にまで低下している。請願に対する誠実なこたえは、生徒たちのニーズをどう実現するか。それが課題」(遠藤教育委員)
 教育委員に、本当に定時制課程に進学する子どもたちを支えようとする意思があるならば、請願に賛成するはずだ。採決・採択権限が教育委員にだけあることを自覚しているとは思えない、人ごとのような言動だ。都教委事務方の提案に対して、批判検討したうえで採決するのが教育委員の任務であるのに、都教委の代理人のような動きに終始する。「学びたいという子の意思」保証は、夜間定時制課程を存続すること。明白ではないか。
「この請願を認めれば、他も請願することになる。」とは何事か!請願はご勝手に。請願用紙は受理しますよ、だけど認めませんよ、無駄ですよ。請願権は形ばかりのもの、と言っていると同じだ。請願権は憲法で認められた基本的人権だ。その認識がこの教育委員にはあるのだろうか!?
 「財政的に困難」というけれど、「次世代リーダー育成」を目的に2014年度から都教委が始めた都立高校生の留学支援は、年間200人を1年間留学させ、総費用300万円のうち240万円は都が負担する(このことは2014年2月13日開催の都教委定例会で報告された)。 
240万円×200(人)=4億8000万円。この金額は教員60~70人を雇える金額だ。すでに閉課程にした2校を含め、4校存続は可能な額だ。オリンピック・パラリンピック教育にも巨額の予算が組まれている。都教委は、社会的弱者を切り捨てて、その金をエリート育成に回すこと、また、「愛国心」の刷り込みにつかうことしか考えていない。 

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2019/10/10

都庁前通信 2019年10月10日号

F20191010 

 

 

「即位礼正殿の儀」に
「国民こぞって祝意を表する」ことを
強要してはならない!

 天皇の退位・即位に際し「学校における児童生徒への指導について」の通知(4月22日付)を文科省は出した。「各学校においては、・・・国民こぞって祝意を表する意義について、児童生徒に理解させるようにすることが適当・・・よろしくご配慮願います。」とある。9月20日に再び閣議決定したとして、10月22日の「即位礼正殿の儀当日における祝意奉表について(通知)」を出した。これは憲法違反ではないか?
 日本国憲法第1条は、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と明記するが、国民・市民に「敬愛」や「尊敬」を要求しない。それは、天皇(制)については肯定する考えも否定する考えもある中、「敬愛」や「尊敬」を求めることが、憲法19条「思想及び良心の自由」を侵害するからに他ならない。10月22日には学校や庁舎に「日の丸」が揚げられ、その前後の日に、子どもたちは「国民こぞって祝意を表する」意義について校長等から聞かされるのか。
 これはまさに皇民化教育。戦前、国民は天皇の民であり、学校教育を通して子どもたちに「日本よい国きよい国世界に一つの神の国」「天皇陛下のために」と教えた。その先に日本のアジア諸国侵略や植民地支配があった。それを安倍内閣はめざして、天皇代替わりを利用している。そのことを示しているのが、極右ともいえる萩生田光一氏の文科相任命だ。萩生田光一氏は日本最大の右翼団体日本会議のメンバーであり、日本を戦前に逆戻りさせるような言動を繰り返している。文科相に最もふさわしくない人物だ。
 子どもたちを再び戦場に駆り出すことのないよう、声をあげましょう!

 


9月19日都教委定例会傍聴報告
教員志望が少なく、
「底辺」の子どもを救おうとしない東京の学校

①「都立学校等に勤務する時間講師に関する規則の一部を改正する規則外1件の制定について」

 公務員職場も非正規雇用が増え続けていることから、その人たちを「会計年度任用職員」とし、勤務条件等について「改正」することを、来年度から地方公務員法及び地方行政法に盛り込むことになっている。それに準じて、都の「時間講師規則」及び「日勤講師規則」を「改正」するというもの。
 時間講師(6月以上の任用で、基準日の6月1日、12月1日に在職する者)には、「期末手当」が支給されるようになるが、時間当たりの報酬額が減り、有給だった出産休暇が無給になるなど、「改正」とは程遠い印象を受ける。日勤講師規則「改正」の理由としては、「教科指導等のノウハウを有する退職教員等を日勤講師として一層活用するため」を挙げる。都教委は今年度から65歳以上でも引き続き任用することにした。これも教員採用受験倍率が低迷することからの苦肉の策なのだろうが、場当たり的、そして、安く使うことしか考えていない。教育に対するビジョンがない。
 教員志望が激減した一番の理由は、都教委が教員を管理支配し、創造的な教育をさせず、指示に従う「人材」づくりばかりをさせているからだ。「教師と子どもとの人格的触れ合いによって」「子どもが自由かつ独立した人格として成長していく」ことを願い、そうした教育行政をしたならば、教員志望は上昇する。

②「来年度都立校入学者選抜実施要項・同細目について」

 日本語指導が必要な在京外国人生徒対象の入学者選抜校は、これまでの7校(今年度の倍率は1,75倍)に、1校加えるとのこと。
 宮崎教育委員は、「私の勤務する大学に都立高校出身の学生が在学するが、日本語は全く話せない」と言った。氏の発言からは、日本語指導が必要な外国人の子どもたちへのサポート体制を都教委がとっていないことが明白だ。
ICT教育や留学、○○推進校等、都教委が力を入れる「人材」づくりには湯水のごとく金を投じるのに、都教委が求める「人材」からはみ出す「弱者」は切り捨てるということだ。
 外国人労働者の雇用を国の施策とするが、国や都はその子どもたちの教育には目を向けない。私たちが見過ごしてはならない問題だ。

③「立川地区チャレンジスクールの開校予定年度の変更について」

 都教委は立川高校夜間定時制を廃校にして代わりに単位制・三部制のチャレンジスクール(720人規模)をつくる計画だが、開校が2年遅れの2025年度になるとのこと。理由は、既存建物(都が建てたもの)を解体したところで、設計に変更が生じたからという。専門家が既存建物の設計書と建物を見て設計したのではなかったのか?
 立川高校夜間定時制も、他の閉校したあるいは閉校予定の3夜間定時制と同じく、在校生・卒業生・保護者から存続を切望する声がたくさん上がっているのに、都教委はそうした声は握りつぶして現在に至る。ここにも、在京外国人生徒の日本語サポートには金をかけないのと同じ都教委の方針が見え隠れする。
 三部制高校等では退学が多いと聞く。そこには、「都教委は受け入れ口をつくった、しかし、努力せずに退学した、それは自己責任」というストーリーが思い浮かんでしまう。生徒が求めるものは、「教師と子どもとの人格的接触」だ。それが満たされたなら、学校が意味あるものになり退学には至らないのではないか。大幅な教員増をして、教員に子どもたちとかかわる時間と自由を提供することが、都教委のすべきことだ。他国並みに、教育にお金をかけるべきだ。

④「墨田地区第二特別支援学校(仮称)の設置場所について」

 「知的障害特別支援学校の在籍者数のさらなる増加に対応するため」に設置予定地を鐘ヶ淵駅近くに決めた。今後、住民向け説明会を実施し、開校に向けて動くとのこと。
 呼称が「養護学校」から「特別支援学校」に変更されたのが2008年度、その前々年に筆者が中学校に在職していた当時、年に少なくとも3回(初めの3か月は「君が代」不起立により停職処分だったので、その間はわからない)、「授業中、座っていられない」等の手のかかる生徒を挙げるよう指示があった。「1クラスに最低1名はいるはずだ」としつこく。「特別支援」の名の下、邪魔な児童・生徒を一般の学校から排除するためであった。「さらなる増加」とは、それが今も続いているということだ。
 一般の学校を設置するのに、住民向け説明会をするなど、聞いたことがない。ここでも、都教委は社会にある「知的障害」者差別を助長させる。美辞麗句を使おうとも、「共に生きる」社会の実現に逆行させることが、国や都の方針なのだ。所得格差が拡大する社会で人々が怒りを爆発させないために、為政者には差別構造が必要だからか。
 上記した報告の②から④には、「底辺」の子どもを救おうとしない都教委の姿勢が明白だ。都教委がその姿勢を転換したなら、教員志望者は増えるに違いない。

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2019/09/19

都庁前通信 2019年9月19日号

F20190919

 

育鵬社中学公民教科書に神奈川の現場から批判の声
都教委は学校現場の社会科教員の声を聴くべきだ

 神奈川県横浜市や藤沢市などの教育委員会が採択し、公立中学校で使われてきた育鵬社公民教科書について、藤沢市の市民団体が現場の社会科教員にアンケート調査を実施したところ、8 割の教員が「使いにくい」と回答したという。
 そこには、「立憲主義の理解に誤解を生じかねない内容」「国際協調と平和主義といった人類が到達した理念が軽んじられている」「全体的に押し付けがましい」「わが国という主語を用いているが、様々な国から生徒が集まっているので、全員にとって『わが国』とはしっくりこず、違和感がある」などの意見が並ぶ。また、生徒たちがこの教科書を使うことについては、「生徒は教科書はすべて正しいと思っているので、知らず知らず刷り込まれる」「生徒は教科書を読み込んで覚えようとしがち」「まじめな子どもたちほど教科書を学ぼうとするので不安」「教科書をそのまま教えるわけではないが、子どもたちはテスト前にこの教科書で勉強する」と意見を寄せたという(「週刊金曜日」(9月6日号)池添徳明氏の記事より)。
 育鵬社は、日本の侵略の事実に目を向ける歴史観を「自虐史観」と言い、「改正教育基本法に基づく教科書」づくりを目指す、安倍首相や日本会議と緊密な関係にある会社だ。
 都教育委員会も都立中学校及び特別支援学校の教科書採択で、歴史、公民ともに育鵬社を採択し、子どもたちに使わせている。都立中学校・特別支援学校の社会科教員に聞いたなら、神奈川の教員たちと同じような回答を寄せるのではないか。
 7月25日に行われた都教委定例会で教科書採択が議題になった際、中学校は新たに検定を通った教科書がつくられなかったことから、「今年度と同じ教科書でいいかを各学校長に聞いたところ、どの校長も『問題ない』と答えた。したがって、今年度使用の教科書を引き続き採択する」旨の提案がされ、可決された。筆者は、「育鵬社の教科書は使いたくない」との社会科教員の声はあがらなかったのか、校長は社会科教員に訊いたのか、と疑念を抱いた。
 都教委及び校長は、現場の教員の率直な意見を聞くべきだ。採択権を教員に戻すべきだ。それが、子どもたちのためであり、都教委の「権限と責任」である。

 


酷暑下でのオリンピック・パラリンピック
――オリンピック・パラリンピック教育でこの件を題材にしているか?

 8月8日に東京ビッグサイトの工事に従事していた男性作業員が死亡した。熱中症とみられる。作業員の一人は「誤った作業手順が進められ、極めて危険で、命がいくつあっても足りない」と語ったという(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウによる)。
 炎天下での競技も観戦も極めて危険だ。都教委は観戦を希望する学校に無料チケットを提供するというが、子どもたちの体のことを考えているとは思えない。命の危険と隣り合わせのオリンピック・パラリンピックについて、オリンピック・パラリンピック学習で学ばせるべきだ。
 


8月22日教育総合会議の傍聴報告
 
どんどん進むデジタルテクノロジー活用教育 

 議題は「Society5.0 時代の学校教育」。まず、教育長が「タブレットPCを使っている学校の児童・生徒は、『授業が分かりやすい』と回答し、正答率も高い」「OEOECD諸国に比べて日本のICT(注)活用は低い」と報告。Society1.0 は狩猟社会、Society2.0 は農耕社会、Society3.0 は工業社会、Society4.0 は情報社会で、Society5.0 は日本政府が推し進める新しい社会だという。
(注)ICT とは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略。

 次に千代田区立九段小、町田市立堺中、三鷹中等教育学校(後期課程)の校長が自校での活用について報告。授業での活用のほかに、保護者会のお知らせやアンケート、学校だより等の家庭との連絡や、出席簿などの校務支援にも活用し、「働き方改革」にもつながると。ICTを使いこなせる教員は少ないのが現状なのだから、「働き方改革」どころか、かえって忙しさを倍加させられているのではないかと思ったところ、「働き方改革」を言ったその口で、「ICT能力の差がかなりあるのが問題」と、相反する発言をした校長もいた。
 教育予算を削減していながら、ICTには金を投じるのか。三鷹中等教育学校は16年度から「ICTパイロット校」(全都で2校)に指定され、全生徒に1台ずつのPCを提供し、日常的に授業や諸活動で使っているのだという。ほかにも、都は15年度から「ICT活用推進校」12校を、16年度から情報モラル推進校20校を指定しており、九段小はICT活用推進校。
 そこには企業が介在し、膨大なお金が動く。今日の傍聴者の中にはICT機器関係の社員と思われる方が数人いた。公教育が教育産業に丸投げされる。今後は、教材も企業が作り販売することになり、教員はその教材を映し出すだけ、目の前の子どもたちと人格的接触をしなくなってしまうのではないか、今以上に子どもたちは人と人とのかかわりの中で人格形成をすることができなくなってしまうのではないか。人格的接触こそが教育の原点であるのに、それを教育行政が放棄する。一人ひとりを「人」としてではなく経済成長のための「人材」としてしか見なくなっていくのではないかと懸念する。

デジタルテクノロジーを活用した教育は「国策」

 最後は、「Society5.0 時代の学校教育~EdTech がもたらす教育改革~」と題して、佐藤昌宏・デジタルハリウッド大学大学院教授の話。氏は、内閣官房・教育再生実行会議の技術革新ワーキング委員や経産省・未来の教室と EdTech 研究会座長代行等々、いくつもの安倍内閣の役職にあるそうだ。
 EdTech とは、デジタルテクノロジーを活用した教育(学び)のイノベーションで、それは「国策」だという。EdTech が進むと、学習者一人ひとりにとって最適な学習機会が得られる。知的好奇心さえあれば、よい学びができる。デジタルテクノロジーは、単なるツールではなく、「教育のインフラ」。教育を科学する。人間の価値を再確認する。EdTech イノベーションの目指すところは、デジタルテクノロジーを活用し、「質の担保された教育」をどう作るかにある。それには、教育についての既成概念を取り除くことが必要、等々。聞き耳を立てないと聞き取れないほどの早口での話だった。こう言い切ることの根拠はどこにあるのか、と疑念を持たざるを得なかったが、それについての話は一切なかった。
 デジタルテクノロジーを活用した教育を、文科省を超えて総務省が打ち出す中、子どもも教員も生涯にわたって個人データが国に管理されるという怖さも生じる。

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2019/08/22

都庁前通信 2019年8月22日号

F20190822

 

教科書採択の議事は実質非公開

 今夏は小学校の教科書採択の年。
 東京のある市の教科書採択は、10時に始まり、12時から1時15分までの休憩をはさんで、3時40分までほぼ4時間半を費やしたと聞く。教育委員の皆さんの話し合いでは、例えば、家庭科については、「T社の方が小学生らしい、仕事の手順がしっかりと分かる、自分でやる気がおきる」など、丁寧に意見が交わされたとのこと。傍聴したある市民が、終了後、廊下で教育委員に「まことにご苦労様でございました。」と挨拶したら、「じっと聞いている方も疲れたでしょう、」とねぎらって下さったそうです。

 一方、7月25日に行われた都教委定例会での教科書採択は――。
 教科書採択に際し都教委は、教育委員の発言に圧力がかかる危険も心配されるとの理由から、教育委員は推薦理由などについては発言せず、無記名投票をするだけ。実質非公開運営である。上記の市教委のように、公開で議論する自治体も多く存在するというのに、文科省の「外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく,静ひつな環境を確保」するという「通知」を悪用しての、都教育委員諸氏の議事運営は看過できない。教育委員の「権限と責任」において採択をするというならば、市民(都民)に議論を公開すべきだ。

 小学部教科書については投票結果が過半数を超える出版社(すべて全員一致か過半数を超えた)が採択された。
 中学校(中学部)教科書については、新しく検定を通った教科書がないので、今年度まで使用した教科書を採択していいかが諮られ、全教育委員がそれを承認。2021年度に学習指導要領が改訂されるので、この日採択した教科書は2020年度のみの使用となる。
 したがって、中学校社会科「歴史的分野」は日本のアジア侵略の事実を歪め、「アジア解放のための戦争」と記述する育鵬社版が、「公民的分野」もまた、義務を前面に出し人権を軽視し、国民主権も軽視する育鵬社版が採択された。都教委が各中学校長に(どの教科も)今年度まで使用した教科書でいいかを問い合わせたところ、どの校長も、「特段の不都合はない」と言ったとのこと。育鵬社教科書は使いたくない、と意見を言った社会科教員が皆無だったとは思えないのだが。

 無記名投票に入る前に各教育委員から「都教委がつくった調査研究資料等がとても参考になった」(2名)「現場の教員が使いやすいものを採択したい」(2名)「使ってみて、現場の意見を聴かせてほしい」と、一言ずつ発言があった。
 「現場の教員が使いやすいもの」を、と言うならば、どうして、「現場の教員に選んでほしい」と言わないのか。各教科の専門家ではない教育委員が選ぶよりも、教科の専門家である教員が選んだ方がいいのはあまりに当然であり、事実、かつては現場の教員たちが選定した教科書が採択されてきたのである。
 しかし、東京の学校で育鵬社の歴史・公民を使わせ、実教出版「高校日本史A」(「君が代」不起立処分について記述した)を使わせないために、教育委員が採択してきた事実がある。教育委員が、こうした事実をまさか知らないはずはないだろうに、と思う。「権限と責任」をはき違えないでもらいたいものだ。
 なお、「それぞれの学校が最もふさわしいとして要望した教科書を採択すること」「問題が各方面から指摘されている育鵬社教科書や自由社教科書は採択しないこと」「都民への公開性を高めること」等の請願が2団体から出されていたが、それについては検討したか否かも説明はなかった。「同内容の請願が過去にあった場合には、再び検討しない」と都教委は決めているとのことだが、この内容の請願が初めて出された時の教育委員は、現在一人もいない。全員が入れ替わっているのだから、検討すべきではないか。請願はできても、検討がなされないのでは、請願権の侵害に当たる。

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「部活動に関する総合的なガイドライン」を作成し配布
――体罰・暴言がなくなるだろうか

 教員の働き方改革の推進(長時間労働の緩和)と部活動の充実を目指して作ったという。内容は7つの章立てで「部活動の教育的意義と適切な運営の在り方」に始まり、「体罰、不適切な行為の防止」「重大事故防止に向けた安全対策」「部活動中における健康面での留意事項」「部活動の実践例」等と続く(152ページからなる)。
 こうしたものを都教委は次々に作り、学校に配布しているが、それによって、部活動での体罰・暴言がなくなるとは思えない。管理支配で人は豊かな人格をつくることはできないどころか、それを阻害するのだ。

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あいちトリエンナーレ『表現の不自由展・その後』中止に思う

 脅しがあったからとの理由で、 『表現の不自由展・その後』が中止に追い込まれた。抗議・脅しの対象とされたのは、慰安婦にされた女性たちを描いた「平和の少女像」と昭和天皇をモチーフにした作品であった。河村名古屋市長は「国民の心を踏みにじる」と展示の中止を求め、菅官房長官は事業の補助金を「精査する」と脅した。
 この事件は、「表現の自由」、検閲の問題にとどまらず、排他主義、ヘイト、レイシズム、また市民運動に対する圧力などさまざまな問題をもっている。その背景には、この国が行った植民地支配と侵略戦争に対する日本社会の認識と想像力の欠如がある。また、天皇代替わりフィーバーの中での「奉祝」の動きも加わる。
 韓国の徴用工問題に対して安倍政権が反発するだけでなく、大手マスコミが同調した報道をするのも、『表現の不自由展・その後』の中止と同じく、歴史認識の欠如による。
 こうした日本社会を変えるためにも、 『表現の不自由展・その後』の再開を強く望む。社会が変われば、「日の丸・君が代」の刷り込みをはじめとする学校教育への政治介入も解決に向かう。

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2019/07/25

都庁前通信 2019年7月25日号

F20190725

 

天皇夫妻の「奉迎」に八王子市の3小学校が子どもたちを動員
――学校は「臣民」を育成するのか

 4月23日に天皇夫妻が昭和天皇の墓に退位の報告に来るにあたり、墓のある八王子市では町会自治会連合会(以下、「連合会」)が中心となって「天皇奉迎実行委員会」(以下、「実行委員会」)がつくられた(連合会の会長が実行委員会の代表に就任し、市から報酬が出ている)。その実行委員会が奉迎に子どもたちを動員させた。
 
「市教委は情報を提供しただけ」

 市教委は「実行委員会から『天皇陛下を乗せた車が何時にどこを通過する』という情報が寄せられたから、甲州街道沿いの3校(二小、横山二小、陵南中)にその情報をメールで提供した。立たせろとは言っていない」と言う。学校教育法は、決定の権限を校長としているし、陵南中は立たせなかったのだから、かたちの上では「情報の提供」だったのだろう。
 しかし、校長の一人は筆者の質問に、「メールが来る前に、指導担当部長から『対処してください』と言われた。対処ということは、立たせろと命令はしないが、忖度しろということ」と答えた。市教委はメール文で、「参加の可否」を報告させた。このことからも、忖度を求めていたことが十分にうかがえる。
 墓を訪問した後、夫妻は高尾みころも霊堂を訪問した。その際に沿道となる浅川小は5、6年生に出迎えと見送りをさせた。校長は「連合会から要請を受けたからやったのではない。校長である私が決めたのだ。連合会が教えてくれたから、(『御出迎えと御見送り』が)できた。連合会は子どもたちに旗も準備してくれた」と言った。
 「出迎えと見送りは敬意の意思表示。思想の強制になるとは考えなかったのか」と訊くと、「連合会から話があって、あえてそれをやらないのは、反対の意思表明になる。敬意を持つのは、日本の国のルールであり、文化だ。あなたのように反対する人がいるのは承知だが、多くの国民が天皇に敬意を持っている。共産党も赤旗で代替わりに賛意を表明している。」と校長。少数の意思は踏みつぶしてもいいと考えるようだ。
 2004年の園遊会で、都教委の米長委員が平成天皇に「日本中の学校で日の丸を掲げ君が代を歌わせます」と話し、天皇は「強制にならないように」と答えている。今回、天皇夫妻は子どもたちのエキストラさながらの動員を知ったら喜ぶのだろうか。

「子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮」を

 実行委が出した4月15日付文書は言う、「天皇皇后両陛下 武蔵陵昭和天皇山陵に親謁の儀に伴う八王子奉迎(沿道お迎え)対応について」は、「国旗小旗は、当日沿道にて、町会自治会連合会の方から配布します。沿道では、子どもたちが前列でお迎えできるよう御配慮方お願いします。」。子どもを動員することに力点を置いていることは一目瞭然だ。戦前の天皇制のもとで子どもたちは天皇奉迎に度々動員された。同じことがまた繰り返されている。
 憲法1条は「天皇は日本国民の象徴」と謳うが、同19条で「思想・良心の自由」、20条で「信教の自由」を各人に保障している。敬意の表明を押し付けてはならないのだ。公教育がそれをしてはならないのは当然の理だ。

 



7月11日都教委定例会傍聴報告
教科書採択には、それ以前の問題が

 この日の議題はただ一つ、教科書採択に関する報告。都教委が教科書選定審議会に諮問したことに対する審議会の答申が報告された。前回定例会も公開議題は2件のみで要した時間は30分、今回は 25分。まとめて1回の開催でいいではないかと思うが、そうはいかないものなのか。
 答申は、ア)都教委が作成した「特別支援学校(小学部)用教科書研究資料」(来年度から使用)は適切であり、都教委はこれと「教科書調査研究資料(小学校)」(区市町村教委へ配布済み)等を資料とし、都教委の責任と権限において、適正な採択を行うこと。 イ)都教委は、今回作成した資料も区市町村教委に配布し指導、助言・援助を行うこと。 ウ)都立中学校(特別支援学校中等部を含む)で来年度使用する教科書(2015年採択)は、新たに検定を経て採択の対象となる教科書がないため、前回採択時の教科書が採択対象となること。
 例年通り、7月下旬(本日)の定例会で採択を議題にするという。

 都教委は教科書採択の際に、教育委員の発言に圧力がかかる危険も心配されるとの理由で教育委員は公開の定例会では発言しない、実質非公開としてきた。文科省の「外部からのあらゆる働きかけに左右されることなく,静ひつな環境を確保」するという「通知」を悪用している。公開で議論している自治体も多く存在する。市民が議論の具体的経過を知ることは大切なことだ。私たちはこのことを問題にしてきたが、これについて都教委が選定審議会に諮ったことはない。選定審議会は形だけのものといえる。

 また、採択以前の問題がある。そもそも教科書の内容が、「国定教科書」というべきものになってしまったこと、「安倍内閣宣伝誌」でもあることだ。
 社会科の教科書検定基準に「政府見解」を書くことを加え(2014年)、書かなければ検定を通させないようにした。2014年採択の現行教科書でも領土についての記述が大幅に政権寄りの記述になり、地図帳にも領土の境界線が入るなどしたが、今回は検定基準の変更だけでなく学習指導要領の改訂(2017年 社会科では領土問題を入れ、自衛隊についての記述を増やすなどした。)もあって、教科書会社は検定の際に、こと細かに書き換えをさせられた。政権が変わると教科書の記述が変わる。子どもにとってみれば「正解」が変わるのだ。時の政権の意向を子どもたちに注入することになる。あってはならないことではないだろうか。
 教科書の「国定教科書」化も、安倍一次政権での2006年教育基本法の改定が生み出したもの。子どもたちが、人格を持った一人の人間として育つことよりも、国家に命を差し出すイエスマンを育成する安倍内閣・教育行政を終わりにせねばと思う。

 本日の議案には、非公開議題とされる懲戒処分案件がなかった。この案件がないのは記憶の限り、この数年で初めてではないかと思う。
 中井教育長が退任し、藤田裕司氏(元産業労働局長)が新教育長に就任。就任の挨拶は傍聴者が入場する前に行なうとのことで、傍聴者は定例会開始時刻の10時を2分過ぎての入場となった。挨拶を非公開にする理由はないだろうに、と思う。

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