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2019/06/20

都庁前通信 2019年6月20日号

F20190620 

天皇の退位・即位を祝うことを公教育が強制してはならない、と思いませんか

 天皇退位・即位に当たって文科省は4月22日、「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に際しての学校における児童生徒への指導について」の通知文を都道府県教委等に送付。それを受けて都教委は各市町村教委に通知しました。通知文は「天皇」「皇太子」ではなく、憲法にも書かれていない「天皇陛下」「皇太子殿下」という最大級の敬語を用い、「国民は天皇陛下を深く敬愛し」「即位に際し、国民こぞって祝意を表する」と書きます。日本国民であるならば天皇を敬愛し祝意を表さねばならないとは、思想・良心の自由を認めないものではないでしょうか。ましてや、思想・良心の自由の形成期にある子どもたちにこれを求めるのは、さらに悪質ではないでしょうか。
 日本国憲法に思想・良心の自由、基本的人権が明記されたのは、大日本憲法下で国家権力があまりにひどく肥大化し、政府の考えに反対する人々を投獄するなどのことがあったからでした。日本国憲法第1章は天皇について定めてはいますが、人々に「深く敬愛する」ことは求めていません。求めることは思想・良心の自由に抵触するからです。今回のこの通知文発出は、安倍一強のおごりから出た、憲法違反の政治介入です。
 通知の弊害か、以下のようなことが起きました。

八王子市の2つの小学校で天皇出迎え

 4月23日に天皇夫妻が多摩陵に退位の報告に行った際、夫妻の車が通る甲州街道沿いの2校の子どもたちが天皇夫妻の出迎えに駆り出されました。八王子市教委は、「何時頃どこを通るという情報を小学校2校と中学校1校に提供した。沿道に立つようには言っていない。あくまでも情報提供である。」「天皇については学習指導要領6年生社会科で『理解と敬愛の念を深める』と示されている。(従って沿道に立たせたのは、)学習指導要領に則った指導だ」と言います。
 しかし、「日の丸・君が代」の刷り込みと同じく、子どもたちに対し、天皇への「敬愛の念を深める」という一方的な価値観の押し付けや「こぞって祝意を表する」行為を求めることは学校教育がしてはならないことです。

大阪市の小学校で「新天皇ご即位記念集会」

 5月8日にこの小学校の集会に招かれたゲストの歌手の方は以下のように自身のブログに書きました。
   ――― ――― ―――
(前略)「幸せなら手を叩こう」「ずいずいずっころばし」を元気にみんなと一緒に歌い、次に唱歌「神武天皇」・唱歌「仁徳天皇」のお話と歌を歌わせて頂きました(〃ω〃) 唱歌「仁徳天皇」は初めて歌った曲ですが、歌う前に「民のかまど」のお話をしたんですが、改めて国民と天皇の絆の深さを感じるお話に私も話しながら胸が熱くなりました。(中略)最後に!私のオリジナル曲「行くぞ!日の丸!」と「令和の御代」を歌わせて頂きました。(以下略)
   ――― ――― ―――
まさに戦前の学校となってしまいました。

 


5月23日都教委定例会傍聴報告

①「教育職員の勤務時間の上限に関する方針の策定について」

 提案された方針は、年間360時間の超勤を前提とする「働き方改革」案。そこを素通りする事務方や教育委員の感覚は、いったい何なのか。
 文科省が1月に学校における働き方改革の方策の一環として「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を策定し、服務監督権者である各教委に対して、教師の勤務時間の上限に関する方針を策定するよう通知した。このことから、都教委は国のガイドラインを参考に方針を策定したとのこと。
 方針は、


・時間外労働時間の上限は、1ヶ月45時間、1年間360時間。
・事故、いじめやいわゆる学級崩壊等の重大事案の発生等で、一時的または突発的に時間外労働をせざるを得ない場合は特例的な扱いを認めることができる。ただし、年間720時間を超えない。
・休憩時間や休日の確保等労働法制を遵守する。在校時間が一定時間を超えた教育職員については、校長は医師による面接指導や健康診断を実施する。

 この方針を都立学校長に通知するとともに、「学校における働き方改革 取り組み事例一覧」(75事例)を送付する。区市町村教委にも送付する。取り組み事例には、「定時退庁日の設定」(「教員の意識改革のため」という。教員をなんと小ばかにしたことか!)も挙げるが、「業務改善の推進」だとして例えば、「内容の似た会議を統合するとともに、必要最小限の人数で開催」「会議時間の上限を 1 時間に定める」等を挙げる。今だって職員会議は校長が都教委からの指示を伝えるのみで職員の発言は都教委が禁止しているし、管理職・中間管理職の打ち合わせで決まったことが一般職員には伝えられるだけ。会議時間の削減など、できようがないことは都教委自身が知るところではないのか。

 雇用者である都教委のすべきことは、8時間労働で仕事が終わるよう教員定数を大幅に増やすことだ。明らかではないか。戦闘機に回すお金を使えば、全国一斉に即解決する。教員管理のために 21 世紀に入った頃から始めた大量の文書作成・提出指示をやめ、職員会議を議決機関に戻すこと。教員たちが生きがいをもって仕事に当たることができるように戻すこと。それが、「働き方改革」だ。
 教育にお金をかけるのは、国際社会の常識である。

②「東京都教育委員会から教員と保護者等へのメッセージについて」

 「教育職員の勤務時間の上限に関する方針」を周知徹底するために、都教委は教員に対しては「教員一人一人の働き方改革が求められています」と題するメッセージをメール送信し、保護者・地域の人たちに対しては「学校の働き方改革にご理解・ご協力をお願いいたします」と題するメッセージを、学校を通じて紙配布するという。4月には、新学年を迎え、「生徒の皆さんへ」「教員の皆さんへ」を出した。このどれもが、教員の大幅定員増が解決策であるのにそれはせず、「都教委はやっています」の自己アピールに終始する。
 こうした人事部の議案に対し、教育委員の発言は議案を容認するものばかり。「目的は、教育の質の向上」「だらだら時間外勤務と必死の時間外勤務に不公平がないように」「教員でなければできない仕事と削ることができるアンケートのような仕事を分け、精神論ではなく、具体的に期限を設けて仕事を減らす」「(働き方改革の)研究校をつくるとよい」「メッセージは、(一斉定時退庁日などの)具体的事例も書かれていて、よい内容だ」と。

 教員採用受検倍率が年々急降下していること(東京の19年度採用 小学校:1,8倍 中高:4,3倍 特使:2,8倍)について、中井教育長は定例会や総合教育会議で発言しているが、本気でそれを食い止めるつもりならば、上記した筆者の提案を参考にすべきと思う。都教委の「教育改革」が破綻していることを、都教委は自覚せよ。

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2019/05/23

都庁前通信 2019年5月23日号

F20190523

 

滋賀県野洲市教委が文科省作成の「放射線副読本」を回収

 滋賀県野洲市教委は文科省が作成し18年10月に各学校に送付した「放射線副読本」(小学生版、中高生版)の記述内容に問題があると判断し、4月25日、回収に踏み切りました。
 3月の野洲市議会一般質問で、「(副読本は)人工と自然界の放射性物質を同列のように扱い、(放射性物質が)安全であると印象を操作しようとしている」などと指摘を受け、市教委は副読本の内容を精査。その結果、 ア.「放出された放射線の量はチェルノブイリ事故の約7分の1」「福島県内の放射線の量は事故後7年で大幅に低下している」など、事故の影響を少なく見せようとしていると受け取れる記述や、放射線の安全性を強調するような印象を受ける記述が多い。 イ.被災者の生の声が少ない。 ウ.小中学生にとって内容が高度――との判断に至り、回収を決めました。
 副読本には、「県が平成30年4月までに実施した内部被ばくを測定する検査では全員、健康に影響が及ぶ数値ではなかった」とまで記述していますが、この改訂版を発行してわずか3か月後に、当時11歳だった少女が100ミリシーベルトの被爆をしたとのメモ(2011年5月2日の放医研の「朝の対策本部会議メモ」)が見つかりました。メモは開示請求によって見つかったのですから、国・放医研はこの事実を隠してきたということです。こうした現実を見れば、この記述だけでなく、副読本に誤りや嘘がかなりあるといえるでしょう。
 山仲善彰市長は25日の定例会見で、「丁寧な情報を若い世代に伝えることが大事。市教委の判断は適正」「福島の原発事故はもちろん、広島、長崎の原爆や第五福竜丸といった被ばくの歴史についてももっと丁寧に伝えたい」と語ったとのことです。(4月25日朝日新聞 26日中日新聞)。私たちは、野洲市教委の誠意ある判断と対応を支持します。
 東京の全学校にも副読本が配布されていますから、都教委は副読本の内容を精査し、訂正文を配布したり、副読本を回収したりすべきです。

都オリ・パラ準備局発行の高校生向け冊子「2020年。東京と東北で会いましょう。」も回収を

 都が17,18年度に高校生に配った同冊子が「復興を難しくしている最大の原因である原発事故には触れていない」ことから、福島県から原発事故の記述を加えるよう都に提案がされたこと(東京新聞2019年3月24日)を知り、昨年度までの旧版と19年度の改訂版を比べてみたところ、変更は 1 か所、「被災地の復興は、まだ途上。」の項のみでした。旧版が「農業、観光分野において、特に福島県では復興が遅れています。」と記述し、「米の産出額」と「観光客入込」推移のグラフを掲載したところを、改訂版は、「観光、農業分野において、原子力発電所事故による風評の影響が根強く残っています。」と記述し、米と桃の価格推移を、全国平均との比較で掲載しています。「風評の被害」を強く押し出し、健康への影響には一言も触れません。故郷を奪われ、体を壊し、我が子の将来にわたる健康への不安に脅かされる人たちの気持ちに全く寄り添っていない内容です。また、「東京2020大会は、大震災から立ち直った日本の姿を示す。」から始まるもので、福島の人たちも、東京2020大会に期待しているという内容で構成されています。
 しかし、こうした東京2020大会賛美の内容は、福島の少なくない人たちの気持ちを踏みにじり、さらには東京の全高校生を東京2020大会祝賀に動員するものです。オリンピックに使う金は福島の被災者たちの生活保障に回すべきだ等の意見を持つ高校生がいることを無視することになります。

 



4月25日都教委定例会傍聴報告
昨年度の指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等、 条件付採用教員の任用について
――解決策は都教委が学校への支配介入をやめること

 「指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等」では、「A 指導が不適切である教員」に認定され、
週4回研修センターで受講した者が3名、「B 指導に課題がある教員」に認定され、週1回研修センターで受講し
た教員が2名の計5名が受講。Bの1人は認定を解除されて職場復帰となったが、残り 4 名のうち、Aの 1 人は年度
末に退職し、3 名は今年度も研修センターで受講するという。
 「条件付採用教員の任用」(条件付採用期間は、教員は1年、養護教員と実習助手は6月)は、条件付採用教員数が2809人、正式採用者数は2720人。正式採用とならなかった者が89人、うち、年度途中の自主退職者等が77人(病気29人、他県での採用や転職30人、家庭事情13人他)、懲戒免職1人、正式採用「不可」の者11人(11人とも、年度末で自主退職した)。正式採用とならなかった者の割合は3、2%。正式採用「不可」の理由は、「授業計画が立てられない、授業が上手くできない、子どもに対応できない、教員間のコミュニケ―ションに問題があるなど」とのこと。
 指導力不足等教員の申請も条件付採用教員の正式採用も、校長の判断・評価による。

 希望をもって教員の仕事に就いた人たちを励まし育てるのが校長の仕事なのに、ひどい校長に当たったがために正式採用「不可」や自主退職に追い込まれた人がかなりの数いるのではないかと思う。実際に、正式採用「不可」を2年続けて都教委にあげた校長がいた事例を筆者は知っている。そうした校長によって人生を狂わされ、現在裁判をしている人もいるし、勝訴し職場復帰を果たした人もいる。校長の判断・評価に主観が入ることは否めないということだ。
 「年度途中の自主退職者等」のうち、29人の病気は精神疾患であろう。10年近く前に条件付採用教員から筆者の友人が直接聞かされた(相談された)ことだが、その教員は校長から「(仕事ができないのだから)線路に飛び込んだら」と言われたという。そのような校長に当たってしまったら、病気になって当たり前。「家庭事情」を理由にした人たちは、「自主退職しなければ免職にする。免職となれば、経歴に傷がつき再就職が難しくなる」と校長から脅されてのことだろう。この話は、教員で知らない人はまず、いない。そして、「他県での採用や転職」が30人。東京の学校で働くことに魅力を感じなかったということだ。
 この報告に対して、ある教育委員は次のように言った。「条件付採用の1年の間に(指導力不足を)見つけられないと、その後に指導力不足等教員に認定されるのだから、この1年の間にしっかり(「不可」を)見つけてほしい」。なんと冷酷な人物なのか、こうした人が教育委員であってほしくないと思った。
 教員たちが切り捨て、切り捨てられる中では、教員は子どもたちに対しても同じような扱いを、自覚せずにしてしまうだろう。助け合える関係性の中で、人は育ち力を発揮できるのだ。教員たちが助け合える関係にあれば、条件付採用教員も育つはず。かつての東京の学校はそうだった。
 都教委が学校に対する支配介入を止めることこそが、この解決策である。

 蛇足だが、昨年度4月6日時点での東京の教員不足数は小学校208人(うち学級担任78人)、中学校77人(うち学級担任6人)だった。地元の採用試験に合格して退職していく若い教員が毎年かなりの数いる(=中井教育長の言)など、退職者の予測が都教委にできなかった結果だ。今年度は、充足されているのだろうか。

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2019/04/25

都庁前通信 2019年4月25日号

F20190425

 

生徒や教員を励まし救うと本気で考えているのか?
都教委の「東京都教育委員会から生徒と教員へのメッセージ」

 4月11日に行われた都教委定例会では、議案「東京都教育委員会から生徒と教員へのメッセージについて」が出席した全教育委員の賛成で承認された(1名欠)。メッセージを出す目的は、生徒に対しては「学校生活を送る上で生じる様々な感情と上手に付き合うことの大切さを伝えるとともに、悩んだときには身近な大人に相談するよう促す」、教員に対しては「日頃の教育活動に感謝して激励するとともに、課題の解決に向けた取組をともに行っていくことを伝える」のだという。
 しかし、都教委の言はきれいごとでしかない。実際に東京の公立学校で起きたいじめによる自死について、都教委定例会で論議したことはなく、遺族に寄り添わない。一例を挙げれば、小山台高校生の自死では、その生徒が学校側にいじめを訴えても学校側はそれを無視し、自死後に遺族が真相究明を訴えても、都教委が開示した文書は墨塗りであり、「いじめはない」とした。遺族は知事部局に再調査を求める一方、提訴している。

 さて、「メッセージ」は次のようにいう。

◆生徒の皆さんへ
○新学期が始まりました。皆さんは、今、学校生活を楽しんでいますか。保護者の方や学校の先生たちは、皆さんが楽しく充実した学校生活を送ってほしいと願っています。
○充実した学校生活を送るためには、友人や先生などと心を通わせて、良好な人間関係を普段から築くとともに、学校の集団生活における決まりや社会のルールを守ることが大切です。
○しかし、学校生活を送る上で、困ったことや納得できないことが起きた時などは、不安や不満、怒りなどの感情が湧くことがあるかもしれません。皆さんにとって、こうした感情と上手に付き合っていくことも重要です。
○そして、自分たちだけでは解決できないと思った時には、まず、保護者の方や先生など身近な大人に相談してみましょう。もし、大人への相談が難しいと感じたら、東京都教育相談センターなどの相談機関を利用することができます。また、LINEで気軽に相談できる「相談ホットLINE@東京」という方法もあります。これらの相談窓口は皆さんを全力でサポートしてくれます。
○(SNSの危険性を正しく理解して使うこと:省略)
○皆さんが夢と希望を胸に、未来に向かって羽ばたいていけるよう、保護者の方や学校の先生、地域の皆さんと一緒に、東京都教育委員会は心から応援しています。

平成31年4月11日 東京都教育委員会

◆子供たちの健やかな成長を願って ~教員の皆さんへ~
○先生方におかれましては、全ての児童・生徒が充実した学校生活を送れるよう、日頃からご尽力いただき、ありがとうございます。
○さて、児童・生徒への指導に当たっては、日頃から個別の言葉掛けなどにより一人一人の理解を深め、教員としての信頼に基づく良好な人間関係を構築することが大変重要です。
○そして、学校の集団生活における決まりや、社会のルールを守る意味などについて、児童・生徒が十分に理解し、日常の行動として実践できるよう、丁寧かつ継続的に指導していくことが必要です。
○また、児童・生徒への指導や外部への対応に苦慮するケースもあることから、担当教員を孤立させないよう、学校は複数の教員が協力して指導に当たることを基本とした校内体制をしっかり定着させる必要があります。こうした組織的な取組を通じて、体罰を絶対に許さない学校風土を一層強固なものにすることにも努めていただきたいと思います。
○東京都教育委員会は、教員の皆さんがやりがいをもって日々の仕事ができるよう、今後も学校訪問等を通して皆さんの仕事の実情や日々の努力を理解、共有するとともに、皆さんが抱えている様々な課題や悩みなどの解決に向けた具体的な取組を全力で行っていきます。

平成31年4月11日 東京都教育委員会


 「生徒の皆さんへ」では、決まりやルールを守ること、納得できないことがあっても自分の感情をコントロールすることが大事と説く。それは、決まりやルールを論議し見直すことが必要となっても、それにブレーキをかけることになりはしないか。一人が皆と異なる捉え方や判断をし、納得できないことが起きたなら、皆で話し合いをすることこそが、よりよい社会を作っていくうえで大事であり、学校教育はそれを学ぶ場であるはずだ。それを否定するメッセージは、「規律と秩序維持」を最優先する、都教委の考える道徳心を刷り込むものだ。
 「教員の皆さんへ」では、都教委が取り組むべき教員の過重労働軽減については触れないまま、教員が子どもと自由に過ごす時間的保証をしないままに、「児童・生徒への指導に当たっては…」と説く。また、職員会議での発言を禁止し、職務職階級制賃金及び人事考課制度で教員を競わせ、それまで行われてきた協働を奪っておきながら、「複数の教員が協力して」と説く。
 教員が子どもと自由に過ごす時間があれば、教員はいじめに気づくし、相談にも乗れることが、都教委及び教育委員にはわからないのか。まず必要なのは、教員たちが論議し学び合える場である職員会議を復活させることだ(2004年から都教委は職員会議を校長の伝達機関とし、教員の発言を禁止している)。
 生徒も教員も指示に従わされるのではなく、自分の頭で考え判断する自由を保障されれば、自尊感情を高め、道を切り拓くものだ。そして、それこそが、都教委のすべきことである。
自己反省を欠いた都教委の「やっていますよ」をアピールするがための「メッセージ」には、怒りを通り越して悲しくなる。

「原発」触れぬ「復興五輪」――高校生向け副教材に福島県から原発事故の記述を提案される

 都は「2020年。東京と東北で会いましょう。」と題する冊子をつくり、17年度から都立高校生に配って副教材とし来た。冊子は、最初に五輪招致活動の経過を紹介し、次に「被災地の復興は、まだ途上」として、18年1月時点で75000人が避難生活を送っていることや、福島産米や観光客数が震災前の水準に回復していないことをデータで示す。しかし、復興を難しくしている最大の原因である原発事故には触れていない。これに対し、福島県が原発事故の記述を加えるよう都に提案したという(3月24日付東京新聞から)。
 原発事故で故郷を追われた人たちの暮らしや健康、事故の深刻さなどについて、この 4 月に配られる(た?)新版にはどのように記載されたかは、次号以降で触れたい。

 文科省が事故後つくり、再改定して今年度からは全国の学校に配った(昨年度までは希望校に)「放射線副読本」(小学校用 中学・高校用)も「放射線による健康影響があるとは考えにくい」などと記述し、原発事故の深刻さを伝えない。
 都も国も学校教育を使って嘘を教え込んでいる。

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2019/04/11

都庁前通信 2019年4月11日号

F20190411

 

 今回は3月28日に行われた都教委定例会の公開4議題のうちの2議題について報告します。

パブリックコメント募集は形だけ?

「東京都教育ビジョン(第4次)」の策定について

 「ビジョン」は1月31日の定例会で骨子を報告し、その日から30日間にわたり受け付けたパブリックコメントを踏まえて、有識者や校長等による検討委員会で協議し策定したとのこと。それが今日の定例会で承認された。「すべての児童・生徒に確かな学力を育む教育」「社会の持続的な発展を牽引する力を伸ばす教育」など12の方針と30の「今後5か年の施策展開の方向性」を挙げる。
 しかし、資料として配られた、パブリックコメントに対する「都教委の考え方」を見ると、パブリックコメントを「ビジョン」に取り入れた形跡はなかった。やはり、パブリックコメントの募集は形だけであったのか。沢山あるが、そのうちの一つを挙げよう。
「2 社会の持続的な発展を牽引する力を伸ばす教育」の「④ 科学的に探究する力を伸ばす理数教育を推進します。」に対して寄せられたパブリックコメントは、「理数系ばかりでなく、人文・社会系、芸術系、スポーツ系など、子供たちの興味・関心に応じたきめ細かな教育が進められるよう、人員の配置等、教育環境の整備を行うことが重要である。」と。 
 このパブリックコメントに対し都教委は「都教委の考え方」として、「社会の持続的発展を牽引する力を伸ばす教育について『基本的な方針2』に位置付け、理数教育、農業や工業、商業などの職業教育、高度に情報化した社会で活躍できる力を伸ばす教育などを推進していくことで、これからの東京・日本の発展を支え、様々な産業を牽引できる人材を育成していきます。」と書く。これでは都教委の一方的な考えを言うだけで、パブリックコメントへの回答にも協議の材料にもなっていない。

 このパブリックコメントを出した人の頭には、次のような懸念があったのではないかと推測する。兵力不足となった1943年、「在学徴集延期臨時特例」を公布し、理系と教員養成系を除く文系の高等教育諸学校の学生の徴兵延期措置を撤廃し、戦場に向かわせた歴史的事実。そしてまた、文科省が2015年6月、国立大に対し、人文社会科学部・教員養成系学部について「国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう」通知したこと。この2つを考え合わせ、国家による国立大学への支配・介入や「国の求める人材づくり」の先にあるものを懸念したのではないだろうか。文科省のこの通知に対しては、国立大学法人17大学人文系学部長会議等、数団体から抗議声明が出されている。

 2月に策定された「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」も、パブリックコメントが最も多く寄せられた「立川高校夜間定時制の閉課程(閉校)をやめて」を検討した形跡がないまま、閉課程の方針を打ち出したものだった。機能させようとしない都教委のパブリックコメント制度について、発言する教育委員はいないのか。


都教委がまずすべきは、足立区中学の生徒や教職員への謝罪ではないのか

教師用指導書「性教育の手引」の改定について

 「手引き」は「情報化の中、児童・生徒を取り巻く環境の変化、若年層の性感染症やインターネットを介した性被害の増加、前回の改定から10年以上が経過したことから改定した」とのこと。「手引き」が、「性同一性障害等に関する正しい理解」や「学習指導要領に示されていない内容の授業での指導」「産婦人科医等による授業の実施」等の今日的課題を取り入れたことは評価したい。産婦人科医等によるモデル授業を18年度は5校で行ったが、19年度は10校にするという。昨年3月に足立区中学校が行った性教育に端を発して、同年8月に都教委が全中学校長に対して行った調査において、校長の約半数が学習指導要領を超える性教育を求め、また、医師等の外部講師を派遣してほしいとの要望が多かったことによるのは確かだ。
 しかし、「学習指導要領を超える内容を指導する場合には、事前に学習指導案を保護者に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に行う」(昨年 4 月 26 日発表)ことを、都教委は頑なに変えなかった。授業は全員を対象に行うから意味があるのであり、「寝た子を起こすな」式の意識を持つ保護者にこそ理解してもらうことが大事なのに、それはしない。非常に疑問だ。“隠し事”を興味ある一部の子どもにだけにおしえるような形の授業は、かえって子どもたちに性への歪んだ関心を引き起こすのではないか。
 今年度モデル授業を実施した学校では、事前に保護者に授業内容を示したうえで、学習指導要領内と指導要領外の授業のどちらがいいかを訊き、2本立ての授業を実施したという。モデル授業では『性交』『避妊』を扱ってもいいという。

 昨年3月16日の都議会文教委員会で古賀自民党議員が足立区中学校の性教育について「不適切」と批判し、中井教育長は、同授業に「課題がある」として、当該校の管理職および全教員を指導する、都内全公立中学校長を指導する旨の答弁をした。さらに都教委は、4月26日の都教委定例会で、学習指導要領を超えた性教育について次のような「見解と今後の対応」を発表した。
 「『性交』『避妊』『人工中絶』といった中学校学習指導要領保健体育にないことばを使った授業は不適切。保護者の理解を必ずしも十分得ないまま授業が実施されていた。」今後は、「学習指導要領を基本とする。すべてを集団指導で教えるのではなく、集団指導で教えるべき内容と個別指導で教えるべき内容を明確にする。学習指導要領を超える内容を指導する場合には、事前に学習指導案を保護者に説明し、保護者の理解・了解を得た生徒を対象に個別指導を実施するなど」とした。
 こうした経緯があるから、都教委は自身及び古賀議員の面子を保つために「保護者の理解・了解」にこだわるのだろうか。
 子どもたちの実態を踏まえて出された、校長たちからの要望等を受け止めて都教委は「手引き」の内容を変えたのだから、「中学校学習指導要領保健体育にないことばを使った授業」も必要と認識したということだ。ならば、まずは足立区中学校の当時の生徒や保護者、教職員に誠実に向き合い謝罪すべきではないのか。都教委はこの人たちの人権を侵害したのだから。そのうえで、昨年4月26日に発表した「見解と今後の対応」を見直すべきではないのか。
 「保護者の理解・了解を得る」ことを条件にしたことについて、校長や教職員が賛成するはずはないと思うのだが、そうした声は都教委に届いていないのだろうか。子どもも親も混乱し、教職員の不要な仕事量は増えるばかりだ。また、こうした条件を付けることで、教員はむしろ性教育をやりにくくなるのではと、気がかりだ。
 「保護者の理解・了解」というならば、都教委は「愛国心」を刷り込むオリンピック・パラリンピック教育や卒業式・入学式での「日の丸・君が代」の強制にこそ、適用すべきである。

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2019/03/28

都庁前通信 2019年3月28日号

《事務局からのお詫び》 2019/3/29

誤字を訂正しました。


F20190328_1

 

止めて!「日の丸・君が代」=「愛国心」の刷り込み

 都教委が子どもたちに「日の丸」に正対し「君が代」を起立斉唱することをからだで覚えさせるために、「君が代」起立を求める職務命令を校長に発出させ、起立をしない教職員を処分することを始めたのは2003年度後半でした。
 筆者は子どもたちに「日の丸・君が代」について考え判断するに必要な資料を与えずに、教員の指示のままに起立・斉唱させることは、教育に反することであり、教員がしてはいけないことと考え、「君が代」起立を拒否してきました。戦場に子どもたちを追いやった戦前の刷り込み教育の反省に立ち、資料をもとに自分の頭で考え判断できるよう指導することが教員の仕事と考えるからです。

■「職務命令は教職員に宛てたもので児童・生徒に宛てたものではない」と都教委は言うが

 都教委は都立高校に卒業・入学式の「進行表」を提出させています。そこに、「起立をしない生徒がいたら起立を促す。起立するまで式は始めない」旨を明記させています。明記してない場合は差し戻すということです。
 「君が代」不起立処分取り消し訴訟で処分を受けた私たちが、「日の丸・君が代」の強制は、「子どもたちの教育を受ける権利」及び「思想・良心の自由の形成」を侵害すると主張したことに対し、都教委は「(起立を求める)職務命令は教職員に宛てたもので児童・生徒に宛てたものではない」と言ってきました。
 しかし、現実は上記したことが進行していますから、職務命令は生徒にも宛てているということです。
 起立をしない生徒を処分する手法は都教委にありませんが、当該生徒への「指示」は暴力そのものです。「日の丸・君が代」については肯定・否定の双方の考えが存在しますから、子どもたちの中にも否定的な考えを持つ子どもは確実に存在します。都教委及び学校は、そのことを認識すべきで、起立しない生徒に起立を促すことはしてはなりません。

■「君が代」不起立教職員は「0」?

 2003年度から昨年度までの「君が代」不起立被処分者は延べ483名にのぼります。不起立は、処分=弾圧を覚悟で仕事に対して責任を持とうとしてのことです。
 政治状況は悪化の一途を辿り、都教委の弾圧も続く中、不起立者は年々少なくなってはいますが、起立はできない・しないと考える教職員はいます。
 しかし、不起立者を「0」にしたい都教委は、不起立をした教員には担任を持たせない、卒業学年には配属しない(=どちらも、式に出させない措置)、特別支援学校では、不起立を続ける教員を小学部3年生に配属し、卒業式も入学式も3年生は平常授業とするという、姑息な手段を使っているのです。

★「君が代」不起立教員を処分するのは、「日の丸・君が代」を尊重する態度=「愛国心」を子どもたちに刷り込むためです。人々が「愛国心」を持ったなら、この国の政治がよくなり、生活困窮者がいなくなる、でしょうか。
 19年度は都教委が各学校にオリンピック・パラリンピック教育の一層の推進を指示するでしょう。また、天皇代替わりの祝賀に学校がかかわるよう、文科省からの指示も考えられます。「愛国心」の刷り込みが心配です。

 


2月14日都教委定例会傍聴報告

◇公開議案「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」の策定について

 12月に寄せられたパブリックコメント128件のうちの25件が「立川高校定時制の閉課程をしないで」というものだったが、提案された2019年度から3か年の「新実施計画(二次)」はその声を全く無視したもので、「雪谷高校の閉課程は2020年度、江北高校の閉課程は2021年度、小山台高校及び立川高校の閉課程年度は未定」と、昨年までの計画をそのまま強行するものだった。パブリックコメントに対する都教委の事務方及び教育委員の認識・良識を疑う。
 「夜間定時制課程は、全日制課程の高校等への進学がかなえられなかった生徒のセーフティネットの機能を有していますが、新実施計画策定後も、夜間定時制課程を希望する生徒は減少を続けています。」と言い、「セーフティネットの機能」の認識は都教委にあるようだが、「生徒の減少」に閉課程は仕方ないとする。
 皮肉にも、4校の閉課程方針は「目標2:生徒一人一人の能力を伸ばす学校づくりの推進」の項に書かれている。「夜間定時制課程を希望する生徒」はここで言う「生徒一人一人」に入らないのか。「学力」の低い生徒については、能力を伸ばすことは無理、採算も取れないから切り捨てるということのよう。高校進学ができないのは自己責任ということなのか。すべての子どもたちに学びを保障するのが教育行政の第一の仕事だ。都教委は、15歳の子どもたちを、一人として切り捨てないでもらいたい。
 都教委は夜間定時制には金を出さない一方で、進学指導重点校への予算加配や理数教育の充実、医学部進学への支援、海外留学など、「エリート」には金をふんだんに使っている。その差別施策を根本から変えるべきだ。
 
◇4報告のうち、「『学校における働き方改革の成果と今後の展開』について」

 昨年度に比べ、今年度は教員の在校時間が縮まったとの報告だった。
 部活動指導員が導入(中・高)された学校・担当教員は週当たり2時間32分の減、印刷などの手伝いをするスクール・サポート・スタッフが導入(小・中)された学校では、週当たり3、2時間の減、副校長を補佐する人を入れ、学校マネジメント強化モデル事業を実施した学校の副校長は週当たり小学校で11時間55分の減、中学校で8時間の減。
 これによって、例えば中学校教員の週当たりの在校時間は昨年の64時間35分から今年は61時間14分になり、過労死ライン相当の割合は、昨年度の68、2%から今年度は48、5%に減ったと「成果」の報告。「成果」といえる数値ではないだろうに。
 来年度の取り組みとして都立学校では、ア.「管理職が長時間労働となっている教員に対する指導・助言や産
業医面接の勧奨を実施」 イ.「長期休業期間中において学校閉庁(閉校)日を原則5日以上設定」 ゥ.「各学校で定時退庁(閉校)日を設定する等」などをあげるが、仕事量を減らすものではない。アに至っては、仕事処理の遅い教員だとして個人の責任に転嫁するのではないか。となれば、教員はこれまで以上に、仕事を持ち変えざるを得ないだろう。
 「今後の展開」・解決策は、大幅定員増しかないのだ。8時間労働を保証するのは使用者である都教委の責任であり仕事であることを都教委にはしっかり認識してもらいたい。
 都立学校の教員から聞いた話だが、「退勤時のタイムカードを刻印した後、管理職から『そのまま帰るのではないよね』と言われた同僚がいる」という。調査となれば、こんなことが起きるのは悲しいかな、現実なのだ。

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2019/02/14

都庁前通信 2019年2月14日号

F20190214

「教員の負担軽減」「教育の質の向上」を本気で言うならば、
都教委がまずすべきは大幅定員増


 3月までの教育委員会定例会に、新年度に向けての施策等が次々と打ち出される。1月31日の教育委員会定例会には、①平成31年度教育庁所管事業予算・職員定数について ②「東京都教育ビジョン(第4次)(案)」の骨子について が報告された。
 新規採用教員受験倍率が一向に上がらない深刻な東京の学校現場。昨年度の東京の小学校教員採用試験倍率は2.7倍という低さで、教育総合会議で取り上げられるなどしたが、今年度の同倍率は更に下がって1.8倍という。事務方の報告や教育委員の発言を傍聴していて思うのは、受験倍率が上がらないのはなぜかが、事務方にも教育委員にも全く理解できていないのではないかということだ。
 また、上記した①では、「『過労死ライン』の教員が多数存在し、教員採用選考の受験倍率も低下している現状であり、教育の質の低下も懸念される。」「『教員の負担軽減』と『教育の質の向上』の両立を図るため、東京都教育委員会として多様な取り組みを複合的に行っていくことが重要」といい、②では、「教育の質を向上する『働き方改革』」として、「教員が誇りとやりがいをもって職務に従事できる学校運営体制を整備する。」「多角的に学校を支援する新たな体制を構築する。」という。
 「教員が誇りとやりがいをもって」と言うならば、まずは、過労死ラインの残業をやらなくていいよう、教員の大幅定員増をすること。これが大前提だ。ここにお金をかけることに反対する都民はいないだろう。そして、都教委が学校の支配管理を止め、各学校に職員会議の議決権(=自治権)を戻すことだ。そのためには、一人ひとりの教員及び教員集団に「教育の自由」のあることが、生きた子どもたちを相手にする教育活動には必要不可欠だということを都教委は認識すべきである。教員集団が子どもたち・保護者と共に、かつてのように学校を楽しいと思える場所に作り変え、また、教員に子どもと向き合う時間的余裕があれば、教員は「誇りとやりがいをもって」仕事ができる。そうなれば、教員希望者は間違いなく増えるだろう。

***** ***** *****

 上記したことと重なる部分もありますが、この日の定例会で報告されたことのうち、3点を報告します。

平成31年度教育庁所管事業予算・職員定数について
 事業予算に加えて、「教員の負担を軽減するとともに、教育の質の向上を図るため、学校をきめ細かくサポートする全国初の多角的支援機関(新財団)の設立」を発表した。
 新財団は、ア.外部人材の安定的な確保 イ.教員サポート ウ.学校事務の共通処理――の機能を持つとのこと。ア.は「人材バンク」を設置し、情報提供や派遣をする。 イ.は専門外の懸案事項の相談、国際交流等に係る高度な交渉等を代行し、教員をサポートする。 ア.イ.ともに、教員OBや校長OBの活用がメインのようだ。 ウ.は従来各校で行っていた学校事務のうち、共通処理が可能な事務を集約し、業務負担の軽減・効率化を図る。そのうえで、事務職員の教員サポートや学校経営への参画を促進する(事務職員に教員の仕事までさせるということか?)。
 この機関を都教委の中に作るのではなく外部組織である新財団にするというのは、今問題になっている水道の民営化のように、教育の民営化の一方法ということか? 「チーム学校」を打ち出したのは数年前、その総括もできないまま、わけのわからない新財団設立という無節操さは何ということか。
 新財団の取り組みの一つとして、「国への提案」3つが挙げられている。その一つは、「夏季休業期間等の業務が比較的少ない実情を踏まえ、『1年単位の変形労働時間制』の導入を提案」というものだ。これは、文科省の方針と同じで、過労死ラインの残業を軽減するものでないことは明々白々。これを「教員の負担軽減」策として平然と挙げる無神経ぶり。都教委は「教員の負担軽減」など、全く考えていないということだ。
 新財団は2019年度に設立し、2020年度から実施し2021年度からは本格実施、立ち上げ時の組織規模は13名体制とのこと。新財団が、「教員の負担軽減」「教育の質の向上」に寄与するはずはない。

「東京都教育ビジョン(第4次)(案)」の骨子について
 文科省の「第3期教育振興基本計画」に沿って都教委は「東京都教育ビジョン(第4次)」を策定するとのこと。「すべての児童・生徒に確かな学力を育む教育」「生徒の多様なニーズと時代の要請に応える『都立高校改革』」「教育の質を向上する『働き方改革』」など12の「基本的な方針」を設定し、30の今後5か年の施策展開の方向性を示す。これも、美辞麗句を並べるが、子どもたちが教員との人格的触れ合いの中で育つような環境づくりがなされないのははっきりしている。
 この骨子に対するパブリックコメントを2月いっぱい受け付け、3月末の教育委員会で策定し、4月から施策の展開に入るという。

「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)(案)」の骨子に対する意見等について
 11月後半から1ヶ月間に寄せられたパブリックコメントの概要が紹介された。パブリックコメント(総数128件)のうち25件の意見が寄せられたのは、立川高校定時制の閉課程問題だった。「立川高校定時制が閉課程になれば、八王子市・立川市に夜間定時制はなくなる。多様な学びを保障するのは都の施策方針でもあり、こうした方針に反する定時制の閉課程について見直ししてほしい。」等々。定時制課程の存続は、長いこと、要求され続けてきたことなのに、都教委はその要求に耳を傾けることなく、閉課程を続けてきた。パブリックコメントに対する指導部からの発言等はなかったので、2月に決定される新実施計画(第2次)に取り入れられるかは不明。パブリックコメントを募集しながら、それを無視してきたのがこれまでの都教委の手法なので、注視していきたい。

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2019/01/31

都庁前通信 2019年1月31日号

F20190131

都教委、高校生を東京2020大会ボランティアに半ば強制


 12月半ば、一都立高校生が「(教員から)とりあえず全員書いて出せと言われたんだけど、都立高校の闇でしょう」とSNSに投稿した。
 東京2020大会のボランティア募集、大会ボランティアは目標の2倍に達する16万人の応募があったが、都市ボランティア(東京都が募集して空港や駅で道案内などを行う)は締め切り2週間前になっても目標に届かなかった。そこで、都教委は都立高校全 2、3 年生分の応募用紙10万枚を各学校に送付し、再募集した。そこで起きたのが、この投稿。
 “ボランティア(志願者)”と言うが、背景には、このような半ば強制ともとれる「指導」があったのではないか。下に示す「通知」と共に考えてほしい。

 東京2020大会都市ボランティアの応募期間の延長に伴う再募集について(通知)

 表題の通知(30教指企第1237号 平成30年11月26日)を、都教委指導部オリンピック・パラリンピック教育推進担当課長は都立高校長に通知した。通知には「対象となる生徒への周知と案内等について、お取り計らいのほど、よろしくお願い申し上げます。」とあり、「今後の予定」には次のようにある。

11月中:当課から各学校長に電話連絡により説明  12月4日:校長連絡会にて説明
12月上旬:対象となる全生徒分の「応募申込用紙」を各校に送付。学校用資料(生徒への説明文例等)を別途学校に送付。各校で対象となる全生徒へ「応募申込用紙」を配布、説明。
12月12日:オリ・パラ準備局において申込状況を把握するため、同日時点での申込人数を当課へ報告
12月下旬:「応募申込用紙」を各校でまとめていただき、当課に提出

 都教委は各校長に応募申し込みの提出を指示した。となれば、各校長の教員・生徒に対する指導力が問われることになる。その意を受けて、「全員書いて出せ」と半ば強制で提出させた教員が出たというのは不思議ではない。むしろ、必然だ。生徒の自主性に任せるのではなく、校長をしてかなりの強制があったと見るべきだ。
 校長も教員も、この「成果」が年度末に行われる業績評価に反映することも十分意識しているだろう。

「平成30年度都立高校生等ボランティア・サミットにおける生徒の参加について(通知)」

 「全都立高校の主体的なボランティア活動を一層推進するため、『ボランティア・サミット』を開催する」という、この「通知」(30教指高第565号 平成30年9月18日)には次のようにある。サミットは11月3日に行われた。

 対象:全日制課程178校の生徒2名及び教員1名
 定時制・通信制課程の学校で出席を希望する生徒がいる場合は、担当までご連絡ください。
 出席生徒及び教員の報告については、別紙1「平成30年度都立高校生等ボランティア・サミット出席者」を作成し10月1日までに調査統計システムによりご提出ください。

 同趣旨の依頼文を都教委は区市町村教委にも送付し、中学生及び教員の参加募集も呼びかけた。

 都立高校生等ボランティア・サミットの募集についても、強制がなかったとは言えないのではないか。次のよ
うな報告もある。

***** ***** *****

 23区の都立高校に通う生徒は「ボランティア・サミットの話は顧問教諭を通じて生徒会に来てまして各校から
2名ということでしたので、他にやりたそうな人がいなそうだったので自分と友人で行くことになりました。別
にやりたかったわけではないです。顧問教諭もボランティア・サミットにいい印象を抱かなかったようで、『各校
から2人出さないといけない。』みたいなことを言ってましたね。顧問は不本意ながら強制という雰囲気でした。」
と語った。また、多摩地域の都立高校に通う生徒は「先生から声をかけられ半ば強引に(参加させられた)。参加
者の大半が班での自己紹介で皆、教諭から依頼されたという旨を発言していた。」と語った。(The Interschool
Journal より引用)


都教委定例会傍聴報告

「平成30年度都教委児童・生徒等表彰について」(報告)
――表彰で都教委が狙うことは?


 表彰は1984年度から「心豊かな児童・生徒等を育成することを狙いとして」始めたという。表彰の対象は、「①地道な活動を継続的に行い、他の模範となる者 ②当該児童・生徒の活動が契機となり、その効果が波及し、他の児童・生徒等の具体的な行動や取組に良い影響を与えた者 ③環境美化活動や福祉活動、奉仕活動、子ども会等、地域における活動を継続的に実践した者 ④スポーツ・文化活動において著しい成果を上げた者 ⑤人命救助又はこれに類する行為を行った者」
 今年度の表彰は幼稚園児2件を含む278件。区市町村教委及び都立学校長から推薦を受けた352件について表彰審査会(都教委、校長で構成)が決めた。2月9日に表彰式を行うとのことだった。
 上記した①から⑤について、事例が写真及び一言で紹介された。①では、「学級内の自主的な清掃やゴミの分別、友人への優しい声かけ、動物の世話を継続的に」行った幼稚園児。 ②では、「ボランティア・サミットの参画を通じ校内の主体的なボランティア意識の向上に貢献」した高校生。 ③では、「居合術の演武に継続的に取り組み、伝統文化財である古武道の保存振興に尽力」した高校生。「継続的に高齢者宅のゴミ出しを行う活動が地域のボランティア活動の活性化と連携に波及」させた小学生 ④では、「第19回国際ショパンピアノコンクール in Asia 金賞」の中学生。 ⑤では、「帰宅途中に火災を発見、近くの大人に知らせることで、初期消火及び被害の拡大防止に貢献」した小学生、等々。表彰対象は、あくまでも都教委の目にかなったもの。
 ①の幼稚園児の受賞は、「自主的な清掃やゴミの分別、友人への優しい声かけ、動物の世話」などそれ自体は良い行為だが、「一番よい子、2番目によい子」と序列がつけられるものだろうか。学級内で他の園児からどう受け取られるであろうか。競争を煽り、その弊害が生じることはないか、などと気になる。
 「都教委から認めてもらわなくて結構」と、お上から表彰されることを良しとし、ありがたがる意識が人々から払拭されない限り、権力機構は表彰を通して権力誇示を続けることになる。

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2019/01/10

都庁前通信 2019年1月10日号

F20190110_2

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会
学習会

問い続けて
−教育・学校・教師と東京の教育−


  講師 渡部謙一さん (元都立高校校長)
  日時 2019年1月19日(土)17時45分開会(17時30分開場)
  場所 国分寺労政会館第3会議室
      国分寺市南町3-22-10 TEL 042-323-8515
  参加費 500円


 東京の「破壊的教育改革」が始まろうとする1995年に都立高校教頭になり、定年退職を前に2003年「10.23通達」後最初の卒業式で職務命令を出さざるを得なかったという元都立高校校長の渡部謙一さんをお招きします。渡部さんは職務命令を出してしまったことの贖罪の念から「君が代」不起立・不伴奏処分取消訴訟で陳述書を提出し証言台に立ったと言われます。
 そして、自らの教育理念を「教育は人間讃歌」、「『協働性』が教育活動の根源」であり「自由な議論なくして活力なし。納得なくして意欲なし。信頼なくして指導なし。尊敬なくして管理なし。」と語っています。子どもに対しても教員に対しても、「人格を持った人間」ではなく、「国家のための人材」としてしか見ない都の教育行政の悪辣さについて、渡部さんは校長職にあったからこそ見えたことも苦悩したことも多々あったのではないでしょうか。
 「10・23通達」発出から15年経った今、東京の「破壊的教育改革」は更にひどくなり、暗澹たる気持ちになります。しかし、どの時代に生きても、知り発見する喜びを持つ子どもたちに対し、私たちは教育行政を監視しただしていかねばなりません。渡部さんの言葉を借りれば、「東京都の『教育改革』の教育観、人間観に対して『それは子どもたちが[人間的に成長・発達することとどんな関係があるのか]と問い続けたい』…学校に教育行政の言葉ではなく、教育の言葉を取り戻すことこそ課題」です。
 渡部さんから東京の「破壊的教育改革」、ご自身の教育に対する考えと実践を話していただき、東京の教育について追求していきたいものです。

渡部謙一著:「東京の『教育改革』は何をもたらしたか」(高文研2011年)


12月13日都教委定例会傍聴報告

報告「児童・生徒を支援するためのガイドブック~
不登校への適切な対応に向けて~」の作成について
――机上の空論ではなく、具体的事実の検証を


 東京公立小中学校の不登校の子どもが1万人(1.3%ほどか)を超え増加傾向にあることから、「すべての教員が、不登校の要因や背景を正しく理解した上で、児童・生徒の状況に応じた適切な支援を行われるよう」ガイドブックを作成したとの報告(都教委HPに掲載)。今年度中に全校に配布するとのこと。
 ガイドブックの内容は、支援の段階を「未然防止」「早期支援」「長期化への対応」に分け、「未然防止」では、「不登校が生じない魅力ある学校づくり」を挙げる。教職員が主導して児童・生徒の「居場所づくり」をし、それを基に児童・生徒が主体的に取り組む活動を通して「きずなづくり」ができるよう、教職員は「場」や「機会」の設定をする。4月には「1日になるべく多くの児童・生徒に話し掛ける」、9月には「児童・生徒間の関係を注意深く見守る」など、当たり前と思われる支援例を列挙する。
 「早期支援」では、支援の対象となる児童・生徒の状況を把握した(アセスメント)上で、管理職・学年主任・スクールカウンセラー等による登校支援会議で情報の共有と支援の方向性を検討し、「登校支援シート」を作成して早期支援を開始する。状況に応じて、アセスメントの見直しや支援内容・方法の修正をする。アセスメントは「身体・健康面」「心理面」「社会・環境面」に分類して15項目を挙げ、例えば、「心理面」の「自己有用感」「自己肯定感」では「本人の良いところを多く見付け、言葉で伝えるよう心掛ける」などの支援例を列挙する。
 「長期化への対応」では、「本人や保護者とじっくり関わる」ことを組織的・計画的に行うとこを第一に挙げ、「本人や保護者と会えない・連絡が取れない場合は、直ちに子ども家庭支援センターや児童相談所等への通告を行うほか、警察などへの情報提供を行うなど」とする。
 
 教育委員から、「子どもだけでなく、教員の『居場所』も必要」、「登校支援シート」作成に関して「個人情報の流出に注意が必要」との発言があった。しかし、机上の空論でしかない感は否めない。
 1年間にわたるいじめによる不登校の後、今年8月末に自殺に追い込まれた八王子市立中学校の生徒の件では、保護者は学校に度々相談したが、学校は対処しなかったことが報じられた。前々回の定例会でいじめの案件が出された際にも今回のこの案件でも、実際に起きてしまった事実について考察する発言がなかったから。
 子どもからも教員からも、学校での「居場所」を奪ったのは都教委の管理主義・競走主義の施策だ。都教委は20年ほど前から、各学校が生徒や保護者の声に耳を傾け、職員会議で論議し決定し、教職員の総意で行ってきた協働の教育活動を壊し続けてきた。また、「魅力ある学校づくり」には全く意味のない書類の作成・提出や官製「研修」を次々に教員に指示し、子どもたちと向き合う時間を削り、学校行事や授業内容・進度までをも監視する。そしてそれを校長による人事評価で査定し、賃金に反映させる。そうなれば、学校に「居場所」がないと感じる教員が出る、仕事に対する意欲を保持できなくなるのは必然だ。校長も都教委による自身への評価を恐れて、「穏便に」済まそうとし、「いじめがあったとは知らなかった」とする。そのすべてが子どもたちの「居場所」を奪うのだ。八王子の件でも、こうした観点から考察すべきと思う。都教委がすべきことはこのことであって、ガイドブックの作成ではない。
 「子どもの教育が教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われなければならない」(旭川学テ最高裁判決 1976年)。このことに、都教委は心血を注ぐべき。

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2018/12/20

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 学習会

181213

河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会 学習会

問い続けて
−教育・学校・教師と東京の教育


講師 渡部謙一さん (元都立高校校長)
日時 2019年1月19日(土)17時45分開会(17時30分開場)
場所 国分寺労政会館第3会議室
    国分寺市南町3-22-10 TEL 042-323-8515
参加費 500円



 東京の「破壊的教育改革」が始まろうとする1995年に都立高校教頭になり、定年退職を前に2003年「10.23通達」後最初の卒業式で職務命令を出さざるを得なかったという元都立高校校長の渡部謙一さんをお招きします。渡部さんは職務命令を出してしまったことの贖罪の念から「君が代」不起立・不伴奏処分取消訴訟で陳述書を提出し証言台に立ったと言われます。
 そして、自らの教育理念を「教育は人間讃歌」、「『協働性』が教育活動の根源」であり「自由な議論なくして活力なし。納得なくして意欲なし。信頼なくして指導なし。尊敬なくして管理なし。」と語っています。子どもに対しても教員に対しても、「人格を持った人間」ではなく、「国家のための人材」としてしか見ない都の教育行政の悪辣さについて、渡部さんは校長職にあったからこそ見えたことも苦悩したことも多々あったのではないでしょうか。
 「10・23通達」発出から15年経った今、東京の「破壊的教育改革」は更にひどくなり、暗澹たる気持ちになります。しかし、どの時代に生きても、知り発見する喜びを持つ子どもたちに対し、私たちは教育行政を監視しただしていかねばなりません。渡部さんの言葉を借りれば、「東京都の『教育改革』の教育観、人間観に対して『それは子どもたちが[人間的に成長・発達することとどんな関係があるのか]と問い続けたい』…学校に教育行政の言葉ではなく、教育の言葉を取り戻すことこそ課題」です。
 渡部さんから東京の「破壊的教育改革」、ご自身の教育に対する考えと実践を話していただき、東京の教育について追求していきたいものです。

渡部謙一著:「東京の『教育改革』は何をもたらしたか」(高文研2011年)

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2018/12/13

都庁前通信 2018年12月13日号

F20181213

高校生の主張
ボランティアは学校主導より生徒の自主性に任せよ

 昨今、学校でのボランティア必修化の動きが進んでいる。任意の単位認定科目として設定するならばともかく、これを必修とするのは、事実上の強制だ。 そもそもボランティアの語源をしっているだろうか~「志願兵」という意味である。従って、「ボランティア」というのは、個人の自由意思により行われるべきものである。 つまり、昨今の「ボランティア」必修化の動きは、この原則に反する。だが残念なことに 「体験学習」と称して福祉施設や清掃活動、児童福祉事業等に労働力を無償で動員している「ボランティア」活動の実績がある。 本来、福祉施設や清掃活動、児童福祉等の労働力確保や弱者救済は行政の仕事である。これを財政難を理由に忌避しておきながら、純粋無垢な学徒を「ボランティア」の美名の下に動員するなど言語道断である。何の為に皆が税金を納めているのか行政にはよく考えてもらいたいものだ。 こんなことを書いていると、「お前は思いやりの心がないのかー!」などと激昂する人達がいるが、彼らは思いやりをはき違えているようにしか思えない。先にも述べたようにボランティアは個人が自主的に困っている人に手を差し伸べるものであり、半強制的に動員するものではない。あくまで「思いやり」は個人の自由だ。誰かが思いやりを強制することはあってはならない。 特に所属生徒に関して絶大な権力を行使できる学校当局が、これを強制するというのは、「現代の学徒動員」であり、「強制徴用」であると断じざるを得ない。また、進学評価に「ボランティア」活動が反映されることで立場の弱い生徒が学校当局から「進学が有利になる」と甘言で徴用される現状は大変不愉快だ。
 私は生徒の自己決定に基づくボランティアには大いに賛成だが、学校主導のボランティア活動は直ちに廃止すべきだと思う。学校当局がボランティア募集を行うのも不適当だ。ボランティアは本来の意味通り生徒の自主性に任せるべきで、強制もしくは事実上の強制があってはならない。高校生自身による事業のコーディネートを行う高校生の自主管理組織を作り、大人に干渉させることなく、本当のボランティアをやろうではないか。ボランティアは義務ではなく、権利だ。我々高校生発のボランティアをはじめるべきではないだろうか。

上記記事は電子版「YAMABUKI JOURNAL ONLINE」に掲載されている。
YAMABUKI JOURNAL は、2015年11月1日に都立新宿山吹高校新聞部編集局長・平松けんじさんによって創刊された校内新聞。同紙は学校の広報紙ではなくジャーナリズムを志向していたことで、教員から検閲や発禁・弾圧を受け、現在は学校公認の新聞部から独立して電子版「YAMABUKI JOURNAL ONLINE」で記事を配信しているとのこと。

~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~
 この高校生が指摘するように、学校主導のボランティアはまさに「現代の学徒動員」である。東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた、都立高校生へのボランティアの強制・必修はあってはならない。都教委はこの高校生の主張・指摘にきちんと答えるべきだ。


11月22日都教委定例会傍聴報告

①都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)(案)の骨子について
―― すすむ「エリート」優遇教育

 1997年から2006年にわたる都立高校改革推進計画では目に見えるものとして、学区の廃止、進学指導重点校の指定やチャレンジスクール等の新設、夜間定時制閉課程等を行った。2012年から2021年にわたる都立高校改革推進計画では、国際高校の国際バカロレア認定コースや〇〇推進校・重点校等の指定、自己負担80万円で1年間の留学(年間200人)実現を「支援」する次世代リーダー育成道場、夜間定時制4校の閉課程 (廃止)等々、競争主義、「エリート」優遇・「ノンエリート」切り捨ての「改革」を行ってきた。
 この日の報告では、2019年度から2021年までの「新実施計画(第二次)」(案)の骨子が示された(都教委HPに掲載)。12月21日まで都民からパブリックコメントを募集し、2月に「新実施計画(第二次)」を策定するとのことだ。
 骨子は、「次代を担う社会的に自立した人間の育成(教育内容)」「生徒一人一人の能力を最大限に伸ばす学校づくりの推進(学校設置・課程改善等)」「質の高い教育を支えるための環境整備(教育諸条件)」を目標にすると言う。しかし、新国際高校の設置、小中高一貫校設置、中高一貫校の充実など「エリート」育成に偏った改革であり、・「弱者」に位置する生徒は切り捨てられていくのではないかという内容に思えてならない。一例を挙げれば、夜間定時制課程の閉課程には「チャレンジスクールでは代替にならない」とたくさんの都民から強い反対(=請願を含む)が寄せられてきたが、骨子はこうした都民の声には耳を貸すことなく、「チャレンジスクール・昼夜間定時制高校の充実」「一部の夜間定時制課程を閉課程」と「取組の方向」を記す。都民の声を受けて論議をし直した形跡は見られない。都教委にとっては、高校に行けない子どもが出てもいいということなのか、と思う。
 「オリンピック・パラリンピック教育の推進」の「ボランティアマインド」では、「すべての都立高校に『ボランティアサポートチーム』を編成し、各学校で組織的、計画的にボランティア活動が一層推進される仕組みを構築」するという。2020東京大会開催に疑問を持つ生徒にまでボランティア活動を強制してもいいのかの論議はなかったのか。
 「環境整備」に関して、「教員を目指す人で、優秀な人が減っている」との発言が2人の教育委員からあった。しかし、教育委員からも担当部長からも、なぜそうなってしまうのか、なぜ採用試験の倍率が高くならないのかと原因を追及する発言は今回もなかった。職員会議での発言を禁じられ、都教委の指示のままに動かされ、オーバーワークが常態化する現実に、現職教員だけでなく教職希望者も仕事に対する魅力を感じなくなっているのだ。解決策は、都教委が支配介入をやめて各学校の職員会議を最高決定機関に戻すこと、それ以外に解決策はない。

②SNSを活用した教育相談(試行)の結果について
――SNSではなく、身近な教員に相談したいと生徒が思える環境・教員の働き方が大事!

 8月25日から9月7日まで都立高校生を対象に、10回線1対1のチャット相談を行った。相談員は心理カウンセラー資格保有者。その結果、相談件数は315件、1件当たりの相談時間平均は88分、相談回数は1回が146人、2回が38人、4回以上が11人。相談内容は「友人関係」が73件で最多、「いじめ」についての相談は電話相談では一番多いが、今回は9件とのこと。
 結果として、「教育相談におけるSNSは有効」「対象者数に対する回線数はおおむね妥当」、次年度に向けては「福祉保健局や青少年・治安対策本部と連携したSNS相談体制の構築」「相談者に最後まで寄り添える対応の検討」を挙げた。
 SNSや電話相談を全面否定するものではないが、それ以前に、生徒と長い時間を過ごす教員たちが、生徒が相談したいと思える関係性を取り戻すことだ。生徒と過ごす時間的余裕が教員にあれば、教員は生徒と触れ合う中で異常に気づくことができ、生徒に向き合うことができる。生徒も安心して教員に悩みを打ち明け相談できる。相談員とは違って、その生徒の学級や友人関係も知る教員だから対応できることが大きい。教員定数を増やす、都教委がすべきはこのことだ。

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